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「バトロワ」無視してサバイバルライフ ~デスゲームに巻き込まれた俺は「攻略」しなかったら最強になってた件  作者: 藤明
6章 王都と決心

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第122話 鬼人族の王 (1)

 圧倒的存在感だった。


 この神殿所属っぽい鬼人族の兵士や神官が左右に割れて跪く。思わず真似して跪いてしまわないと駄目なんじゃないかと思うくらいに威圧感が伝わってくる。

 神殿長……とかじゃなくて、王様とか将軍か?


『父上!』

『あら? 父様? 体調がすぐれないのでは?』


『……報告と大分違うようだな……』


 アスティナさん達が驚いてるから急な訪問って感じか。

 ……うーん。手を離すと言葉が分からなくなるのは面倒だな。

 かといって遠隔でも使えるように『思念共有』のパワーを上げると、SP消費もそれなりだけど考える事まで伝わっちゃうんだよね……


【いつの間にそんなスキルを獲得していたのですか?】


 ?

 !!! 


 おお!!アーゼさん! お帰り!! 待ってたよ!! 本気で!!! スゴイ嬉しい!

【そ、それは、手厚い歓迎ありがとうございます? ……あ、本気で困ってたのですね。こっちも大変で……】

 ちょっと今までの事を頭でイメージをするから……色々とアドバイスを……

【こちらも情報量が多いですね……リンカがいなければ最悪な状態でしたね……時空のゆがみはここにも出ていましたか……】

 ……やっぱりそうなのか……あれは……全滅への道をたどってた感じだったのか。

【否定はできません】

 うへ……


『アスティナ様がご乱心……と聞いていたのですが……』

『違うようですな……』

『ふむ……伝説の『魔法族』がこちらの世界に来ているとは……本当だったのか』


 豪華な服を着た鬼人族の集団は俺たちや、拘束された『魔法族』を見て何やら相談を始めていた。まぁ、アスティの様子をみると……彼女の記憶で垣間見た王様、父親なんだろうなぁ……実物はすごい威圧感だけど。


「王様か……この世界の有力者かしら? リョウコさん?」

「え? あ、そうですね。王様だったんですね。てっきり将軍とか騎士だったのかと」

『王は戦士の中の戦士だったり、魔術師の中の魔術師じゃないとなれないのよ。だからとても強いの』

「なるほど……すごい戦士らしいですよ。鬼人族の中で」


「すごいエーテル量って感じだよな」

「威圧感が凄いですね」

「……普通にラスボスって言われたら納得しちゃいますね」

「悪い感じには見えませんね……あれ? 黒い靄?」

「……いきなり浄化した方が良いのか?」

「そうね。危険分子は早めに取り除いた方が良いわね」

「! やりますね!『浄化』!!」


 確かに、事前の取り決めでは「やばそう」だったら『浄化』スキル使って確かめる算段になってたけど?? マジで今使うのか? 

 ヨウカさんってたまに空気読まないよな……

 雑談している中、相手が説明中にいきなり『浄化』を浴びせるから……あれ? なんか鬼人族の持ち物がエーテルの粒子に変わったり、表情が抜け落ちてる人がいるぞ?? どうなってんの??


【瘴気に侵されていたようですね……呪具もつけていたようです】


 ……それって『魔法族』の使う何かってことだよね?

【そうなりますね。今回の混乱の原因はそこになると想定しています】

 なるほどね……


『あれ? 私は一体……』

『なんだ?? 体が軽い??』


 王様がすさまじいエーテルを身にまといながら剣の柄に手をかけてどうしたものかと迷っていた。

『……いったい何をした!?』

『落ち着いて父様! 今、『魔法族』のなりすましを解除する「神の恩恵」を使ってもらったの!』

『……なんだと?? ……ちょっと、待て。 ……なんで黒髪の悪魔がいるんだ?』

 凄まじい威圧感とエーテルの高まりを感じる。あ、これやばいやつか?


『……あ、落ち着いてね……』

『父上! 威圧感が漏れてます!!』

『う、うむ……動きは無いか……』


 威圧感を向けられたヨウカさんがふらっと倒れてくるので受け止める。

「……あ……あ、あの……コワヒ……」

「大丈夫。いざとなったら守るから」

「……ありがとうございます……天然のタラシですね……」

 ……え? なんで? 受け止めただけなのに?

【……いいですね、私も言われてみたかったセリフですね】

 ……セリフの方か問題は。なんて言ったっけ?

【……】


 それからはアスティとリョウコを交え、現状の説明をしていく。相変わらずリョウコを見る鬼人族の数人の目が怖れに包まれている。この人たちもやり合って生き残った人なんだろうか?

 ちょっと人数が多すぎるから『思念共有』は使えないな。手をつなげば何とかなると思うけど、やってくれるかな?


【なるほど……随分と便利なスキルのようですね……まさか「氷鬼姫」の信頼を完全に得るとは思っていませんでした】

 運営でもそんな通称ついてるんだ? 記憶はこんな感じ……ってか何やってたのアーゼさん?

【こちらでも運営調査チームが発足し、現状この島……この世界を管理している管理者を調査していた感じですね】

 ? それで、なにかわかったの?

【ええ……どうやら意図的に『魔法族』が有利になるように働きかけていたものがいるようでした】

 ……でした……って、捕まえられなかったのか。

【察知されたのが逃げ出したようで……痕跡はあるので辿っていくしかない状態ですね】

 ってことは、『魔法族』が有利にならなくなって……情報が筒抜けじゃなくなったって感じ?

【そうなりますね。どうやらプレイヤーのナビである「目」を利用して情報収集していた形跡がありました。港町の襲撃などもそちらの情報をもとに作戦を立てたのでしょう】

 ここまでの情報は相手に全部わたっていることを前提に進めろってことか……大変だなこれは。


 俺の服がちょいちょいと引っ張られる。ナオエさんか。

「カタシ君、ぼーっとしてないで、鬼人族たちと『思念共有』した方が良いんじゃないの?」

「え、ああ。ごめん、アーゼさんと話してた」

「あれ? 帰ってきたの?」

「うん、情報くれた」

【……面白そうですね。『思念共有』してみましょうか】

 ……え? アーゼさん交えて? 出来なくはないか。


 言葉が分からなくて状況を見守っているだけだった、我らが「新規プレイヤー」で手をつないで『思念共有』を始める。相変わらず意を決した感じで手をつなぐんだけど……そこまで警戒しなくても……

【なるほど……女性の恋心を暴き、隠し事まで暴いてしまう非情なスキルなのですね】

 ……そ、そうなのか……非情……非情なのか??


(そうよ。って、女性? 誰??)


 あ、しまった。俺の思念で聞こえる感じか。

(はい、こちらアーゼさんです。みんな聞こえる? 見えたりするの?)

【それは私に自己紹介しろと言っているのですね? NAV-SYS02ARZEを通して話をしています。共有出来ているでしょうか?】


(すごい、全然私たちのと違う!)

(AIっぽくないですね。人が話してるみたいです)

(これは……雑談してしまうのがわかるな)

【なるほど、カタシの思考が伝わるので伝言ゲームのような形になっているようですね】


 大丈夫そうだな……とりあえず今のところの情報共有……っと、こんな感じで伝わるか?

【……すごいものですね。思念が情報として一気に……あまり大量には送らないことをお勧めします。脳のキャパシティをオーバーすると強制的に眠ってしまう可能性がありますね】


(……すでに大分頭が披露した感があるわ……体育会系にはつらいわね……)

(受験で塾に箱詰めされてる状態みたいです……)

(嫌な事思い出させるな……)

(ほんとね)


 ……そんなんなのか……絵も描き続けると頭がマヒするんだけどね……まぁ、これで最近の情報は全部だから……後は考えるのは任せるか。


 サチさんが見えないはずのアーゼさんの端末の方を見る。俺の視線からは見えてるから、いる場所が分かるんだな。変な感じだ。

(……これが本当だとすると、アーゼさん。この世界の運営には感情のある……生物がしている様にしか思えないのだけれども?)

【そうですね。元をたどれば私たちも様々な人……この世界に生きる『種族』だったものになります。多少なりとも元の『種族』には思い入れのようなものがあるかと】


(今回は『魔法族』にひいきをし過ぎた、って感じか?)

【いえ、「ひいき」の範疇を超えていますね。バランスを変えるレベルの事をしています。この世界の責任者が動き始めてますので、「ひいき」をした担当者を追っている感じですね】

(……全知全能と言うわけではないのですね)

【すごいイメージが伝わってきますが、そこまで「管理者」は万能ではありません】


 なんだろ……オンラインゲームの運営みたいだな……プログラムで世界は動いていて後はそれを監視しているだけ……みたいに聞こえるな。

【……なるほど、思想的にはなぜか似通った感じのものになりますね。「えんじにあ」に相当する「管理者」が原因究明にあたっていますので】


 現状は相手に情報が渡らないだけで、あとは相手側が有利ってのは変わらない感じか。

【ええ、最悪を想定して責任者から【権限】をある程度貰いましたので少しは「ひいき」分を消せるかとは思います】

 ……え? 助けてくれるの? これから俺たちはどうすればいい??

『思念共有』している仲間の視線がアーゼさんのいる空間を見る。見えないんだろうけど、見るよねそれは……


【……残念ながら、あなた達をこの地に来た際の「魂の契約」がありますので、「規約とルール」があり、行動を示すことはできません。あなた達が思うように行動するしかありません。個人的には……できれば……この地の……生きるものを助けていただきたいですが……】


 突然、この王城の外で行われる、黒い巨人達との戦闘の映像が流れてくる。

 神話の様な戦いが繰り広げられ……突然終わる。


【……すみません。このスキルも破格なスキルのようですね……まるで「創造者」の力を分けたかのような……】

 ……今のはアーゼさんの記憶か……使っている武器が大分未来……ダンジョン産みたいだったな。

 大昔も戦闘があった……って神話の中の人か?


【……】


 アーゼさんは真面目だから嘘はつけないんだよな……


(……まじかよ)

(ここに来るときに見た神話の人ってことなの?)

(……アスティナさんのご先祖様ってことか)

(あんなのと……戦いたくないわね……)


 妙な沈黙が流れる。いろんな感情が流れてくる。

 みんな色々考えてるみたいだな……


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