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番外編 ぬいぐるみ剣士のおもてなし

貧乏高校生 当溜。格安ボロアパートに住みバイトをして生活費を稼ぐのが彼の毎日だった。明日から学校が夏休みに入る事で浮かれていた時に偶然おもちゃ屋で最新のVRヘッドギアを見つけ購入した。さっそくVRゲームを始めたまでは良かったのだが、本来なら無いはずのVRヘッドギアのホームにログインを果たした。彼は大嘘をつくAIの言う事を真に受け全てにYESと応えてしまった。身体構造スキャンを許し、問題箇所のリペアとしてハルモニア光なる謎の光を実際の身体に照射された。問題は解決したのだとAIに唆されてゲーム世界に送り出されてしまう。しかしこの事が当溜の生活をガラリと変えてしまう重要な出来事だった。ログインしたゲーム内でも問題が発生した。選択出来る性別が女性のみで男性の選択は不可能だった。なんとか女性アバターを男性的な姿に作る事に成功したが、間違えてランダム作成を押してしまい完成したアバターは幼女だった。


♤守ってください幼女な僕を♡ 

縮めて『守幼』をよろしくお願いします




 主であるシャーロットがログアウトした後


ぬいぐるみ剣士「マスター、おれは貴女のために何かをしたいと思います」


  闘技場の個室を出て行くぬいぐるみ剣士


 この闘技場の個室はオートロックなので、中から出ることは可能だが外から入る事は出来ない


 しかし、ぬいぐるみ剣士は、自身の特殊な特性を活かしてシャーロットの元へ戻る事が可能なので何の心配も無く個室の外に出た


ぬいぐるみ剣士「さて、街に行くか」





 街中を歩いていると、すぐそばの店である物を見かけた


ぬいぐるみ剣士「コレは、クッキーか………買うのは簡単だが、せっかくなら自分で作ってみるか」


 お店でクッキーの材料と包み紙や細いリボンなどを購入したぬいぐるみ剣士は、さっそく作れる場所を探した


ぬいぐるみ剣士『すいませんマスター!お金を勝手に使いましたが、その分しっかりとお守りしますのでお許しを!』


 ぬいぐるみ剣士が使用したお金は、主であるシャーロットと紐づけされているので実質シャーロットが購入した事と同じである


 再び街中を歩いているとレンタルの作業場を見つけた


ぬいぐるみ剣士「ここならクッキーを作れるな」


 またしてもシャーロットのお金を使う事に罪悪感を覚えながらもレンタル作業場を借りた


ぬいぐるみ剣士「なるほど、ここは他のプレイヤーも一緒なのか………おれは目立つな」


 作業場は個室ではなく、ワンフロアに調理台が複数あるというタイプでオーブンなどは共用なので順番待ちもあるようだ


 ストレージに入れてたクッキーの材料を取り出し、クッキー作りに挑戦するぬいぐるみ剣士


 ぬいぐるみ剣士のストレージは、シャーロットとは別なので出し入れが可能だった


ぬいぐるみ剣士「まずはボウルか、ここにある物は確かレンタル料金に(ふく)まれていたなコレを使わせて貰おう」


 備え付けのキッチングッズを使い、ぬいぐるみ剣士のクッキー作りが始まった


ぬいぐるみ剣士「ボウルにパン粉と小麦粉それと砂糖を入れてよく混ぜるか……あの店の店員にレシピを書いて(もら)って正解だな」


 クッキーの材料を購入したお店の店員さんに、クッキーの基本的な作り方を尋ねたらお店のレシピを丸ごと教えて貰ったぬいぐるみ剣士だった


ぬいぐるみ剣士「このレシピ通りにやれば店と同じ味になると言っていたな、マスターの喜ぶ顔を見たいからな」


 ボウルの中をよく混ぜ混ぜしているぬいぐるみ剣士


 手にくっついてしまう事も考慮して、あらかじめ手にはビニール手袋をしているのでその心配はなかった


ぬいぐるみ剣士「店の定員のアドバイスはよく聞くものだな、やはりコレなら手につかない」


     次に材料を投入するのは油だ


ぬいぐるみ剣士「油の種類で少し風味が違うと言っていたな、購入したのはオリーブオイルだな良し入れて混ぜるだけだ」


 オリーブオイルを投入してよく混ぜ混ぜした


ぬいぐるみ剣士「さらにココアパウダーを少量入れて混ぜ、あとは形を整えてオーブンで焼けば完成か」


 オーブンで焼くのは10〜15分で、香ばしい匂いが辺りに広まった


ぬいぐるみ剣士「匂いでわかると、あの店員は言っていたが鼻が機能してないからわからんな」


 ぬいぐるみなので匂いはもちろん、食べる事も出来ないので味がわからないのは仕方がない


ぬいぐるみ剣士「コレは誰かに味見をしてもらう方がいいな」


 出来上がったクッキーを近くにいた女性プレイヤーに味見をしてもらった


女性プレイヤー「なにコレ!凄く美味しい」


ぬいぐるみ剣士「では、味は問題ないと言う事か?」


女性プレイヤー「お店出せちゃうよ!このクッキー」


ぬいぐるみ剣士「いや店を出すつもりは無い、………よかったらこの余ったクッキーいるか?」


女性プレイヤー「え〜くれるの!ありがとう、嬉しい!」


ぬいぐるみ剣士「礼を言うのはおれだ、ありがとう味見をしてくれて助かった」


       【お菓子作り】

✦お菓子をレシピ通りに作れる

✦適切な道具を使いお菓子作りが可能になる

✦手順を覚えれば時短も可能


 ぬいぐるみ剣士はお菓子作りのスキルを手に入れた


ぬいぐるみ剣士「お菓子作りのスキルか………まぁコレからは役にたちそうだな、マスターのためにな!」


 冷ましたクッキーを可愛いらしい模様が描かれてる包み紙に包み、赤いリボンでちょうちょ結びにした


ぬいぐるみ剣士「クッキーはコレでいいな、包みの数が5つかヤツらの分も焼いといたから余裕だな」


 クッキーは完成したがそれだけではやはり物足りないと思い、飲み物を探す事にした


ぬいぐるみ剣士「クッキーに合いそうな飲み物は………紅茶のたぐいか?」


  そう思いぬいぐるみ剣士は雑貨屋を見た


ぬいぐるみ剣士「数種類の茶葉があるな………またお金を使う事になったが、マスターなら許してくれるはずだ」


 紅茶だけでなく他2種類の茶葉とティーセットを購入したぬいぐるみ剣士


ぬいぐるみ剣士「コレまでの使用金額は5590enか………モンスター何体分でチャラになるだろうか?頑張らなければならんな」


 より一層気を引き締めたぬいぐるみ剣士だった


 そして主であるシャーロットがログインした事により、ぬいぐるみ剣士はマスターであるシャーロットの元に戻った


ぬいぐるみ剣士『マスターとの主従関係のおかげでこの個室まですぐに戻って来れたな、強制ではないが召喚の様な物らしいな』


[そして物語は少し進みプロローグ内での出来事]


       【ルア・ガンマロ遺跡】


 クエストのボス・大型騎士サウジェンドを討伐直後のひととき


 疲れてその場に座り込み、それぞれ休憩を取っている。


ベニ「はあ〜、俺もさすがに疲れたよ」


スカイ「あたしも、もうMPが空よ」


ぬいぐるみ剣士「さぁ、マスターお菓子です!どうぞ召しあがってください」


シャーロット「わぁ〜クッキーだ、いただきます!」


ぬいぐるみ剣士「お飲み物もご用意しております」


シャーロット「ありがとう」


 ぬいぐるみ剣士が用意してくれたのは、クッキーと紅茶だった。


シャーロット『それにしても……このクッキーと紅茶はどこからか出したんだろう?』


 そんな様子を見たベニは思った事を口にした。


ベニ「あれじゃ剣士じゃ無くて、執事だな」


スカイ「ぬいぐるみ執事かぁ、あたしも欲しいな」


シャーロット「このクッキー美味しい♪」


ぬいぐるみ剣士「沢山焼きましたので、慌てずにお召しあがりください」


 僕が美味しそうにもぐもぐ食べていると……


ベニ「俺にもわけて〜」


スカイ「あ、ずるいあたしも」


 なんとなく美味しそうに見えたのか、ベニとスカイは自分にもわけてくれと頼んで来た。


 そんな事を言われたらあげない理由わけにはいかない。


シャーロット「2人にあげていい?『ベニにはやりたくないが、一応聞いてみよう』」


ぬいぐるみ剣士「な、なんとお優しいお方だ!」


シャーロット「いい?『スカイにだけでも上げたい』」


 幼女がぬいぐるみにお願いしている姿はなんとも愛らしく、ベニとスカイの顔は思いっきり緩んでいた。


ぬいぐるみ剣士「マスター、ご安心を!」


 そう言うとまるでご都合主義の如く、ぬいぐるみ剣士は2つの袋をどこからか取り出した。


シャーロット『え、どこにしまっていたの?それ』


ぬいぐるみ剣士「まぁこんな事もあるかも知れないと、密かにお前たちの分も焼いておいた!有り難く食え!」


 そう言うとベニとスカイにクッキーの入った袋を手渡した。


 袋はとっても可愛いらしい模様が描かれていて、赤いリボンでちょうちょ結びにしてあった。


ベニ「あ、有り難くいただきます」


スカイ「なんでそんなにかしこまっているのよ」


ベニ「俺はいつもこうだが?」


スカイ「現実にぬいぐるみ剣士がいたら良かったのにね〜ベニ!」


ベニ「いたら怖いって!」


 どうやらベニはぬいぐるみ剣士を怒らせてはいけないと学習したらしい


ベニ「(それにしてもアイツ、ツンデレかもな)」


スカイ「(いいじゃないのツンデレなぬいぐるみでも!)」


ぬいぐるみ剣士「なんだ?何か言いたいのか」


ベニ「流石に旨いな!このクッキー(棒読み)」


スカイ「なんで棒読みなのよ」


 遺跡の最深部でクッキーと紅茶パーティーをしている僕たち、もし他の誰かが来てこの光景を見たらなんて思うんだろうか


シャーロット『ベニみたいにわけてくれと言うのだろうか?それとも変な奴らって思われるかな、わかんないなまぁいいか』


ぬいぐるみ剣士『マスターは喜んでくれたようだな、作ったかいがあったな』


  満足した様子のぬいぐるみ剣士だった


スカイ「現実でも作れるかな?今度レシピを聞いてみよう」


ベニ「あれ?ちょっと待てよ……なんでぬいぐるみなのに火を使ったお菓子作りが出来るんだ」


スカイ「もしかして、あの生地は耐火素材なのかもね」


ぬいぐるみ剣士「フン!おれは、あの程度の炎では燃えないからな」


      ベニは慌てて話題を変えた


ベニ「そ、そうだ!このボス部屋のどこかに宝箱があるんだ」


スカイ「宝箱?」


シャーロット「それじゃ、その宝箱を探そうよ」


ベニ「ボス部屋の宝箱だレアな物が絶対あるさ」


スカイ「あたしたちが使える物ならいいわね」


シャーロット「お宝お宝〜」


ぬいぐるみ剣士「ま、マスター足もとに気をつけてください!転びます」


 こうしてティータイムは終了して、宝箱を探す事になった



[この続きは本編のログイン7にあります]



番外編はいかがでしたか?

同じ本編枠で投稿したかったので投稿しました

ぬいぐるみ剣士のお菓子作り、もしかしたら他のお菓子も作れるようになるかも知れませんね

次回は本編に戻ります

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素人の作品です   


           福望華雫でした

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