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ログイン7 森にヤバいヤツが来た

貧乏高校生 当溜。格安ボロアパートに住みバイトをして生活費を稼ぐのが彼の毎日だった。明日から学校が夏休みに入る事で浮かれていた時に偶然おもちゃ屋で最新のVRヘッドギアを見つけ購入した。さっそくVRゲームを始めたまでは良かったのだが、本来なら無いはずのVRヘッドギアのホームにログインを果たした。彼は大嘘をつくAIの言う事を真に受け全てにYESと応えてしまった。身体構造スキャンを許し、問題箇所のリペアとしてハルモニア光なる謎の光を実際の身体に照射された。問題は解決したのだとAIに唆されてゲーム世界に送り出されてしまう。しかしこの事が当溜の生活をガラリと変えてしまう重要な出来事だった。ログインしたゲーム内でも問題が発生した。選択出来る性別が女性のみで男性の選択は不可能だった。なんとか女性アバターを男性的な姿に作る事に成功したが、間違えてランダム作成を押してしまい完成したアバターは幼女だった。


♤守ってください幼女な僕を♡ 

縮めて『守幼』をよろしくお願いします




 密かに萃香は覚悟を決めて僕にキスをしようとした、そして僕は萃香がそんな事しようとしていたとは夢にも思っていなかったその時だった。


 何の音もない静かなリビングに、ぴろんと音がなった。


 ほぼ同時に僕と萃香はドキッとして身体を震わせた


萃香「あ、あたしのスマホじゃないみたい『何よ、いい所で邪魔して誰よ』」


当溜「………僕のでもないけど?『びっくりした』」


萃香「じゃあ誰の……『もしかして……』」


当溜「……紅優のスマホ?」


 2人で探して見るとテーブルの下にスマホが落ちていた。


萃香「コレ……紅優のスマホね……ふふっ、あはははっ!あんだけ啖呵(たんか)を切って忘れていったの?あ〜可笑しい」


当溜「って事は取りに戻って来るね……アホだね紅優は『どけんかせんといかんね!………またどこかの方言喋っちゃったよ僕!」


萃香「本当、アホね」


 しばらくしてから紅優は戻って来て、萃香に入れてもらえて案の定平謝りをしていた


紅優「……いや、その俺が悪かった!」


当溜「アホの紅優くん、アレでは給料は出せないよ!って僕のバイト先では言われるよ『まったく何やっての?紅優!昔と変わらないじゃん!』」


紅優「バイトか……その件もあったんだ忘れてた!」


萃香「はい、スマホ!今度は家にあったら処分するからね『バッキバキにしてぽいよ!』」


紅優「は、はい『やべぇ、まだめっちゃ怒ってる!』」


 どうやら紅優の頭は完全に冷えたようだった


当溜「ねぇ、またゲームしない?僕もうちょっとやりたいんだ『ゴマスリ、ゴマスリちょいと詰めて………お弁当箱にゴマスリはいらないか』」


萃香「あたしもやりたい気分ね、ストレス発散しないと『これはこれで良かったのかな?キスしてたら、当溜とぎくしゃくしてたかもね……もちろん紅優ともね』」


紅優「良し、もう少しやるか」


当溜&萃香「「おー!」」


 こうしてまた3人でゲームをする事になった。


 僕がログインするのを2人は見届けてからログインしたらしい。



〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰




シャーロット「ここは闘技場の個室だ『そして安定の銀髪オッドアイロリっ娘エルフだね、もう慣れてきたよこの姿』」


ぬいぐるみ剣士「お戻りになられましたか、マスター」


スカイ「さぁ、やっと3人揃ったからクエストでも行く?」


ベニ「それなら、いいクエストがある」


シャーロット「いいクエスト?」


 こうして僕たちはベニの提案でクエストに挑んだ。


 クエストの内容は遺跡の最深部で次々に冒険者が襲われ、死傷者が出たため討伐クエストが発注されたという設定みたいだ。


 クエストターゲットは【大型騎士サウジェンド】大きな鎧を着た騎士で全長は約3メートルとギルドに報告が寄せられている。


 いくつかのパーティーが挑んだが全て返り討ちにあったと、ギルドの張り紙に書かれてあった。


 そして古い遺跡のダンジョン、ルア・ガンマロ遺跡の最深部で僕たちはクエストボスをたった今倒した所だ。



ぬいぐるみ剣士「マスター、いかがなされましたか?」


シャーロット「改めて思うよ、僕は守ってもらわないといろいろヤバい幼女なんだなぁって………昨日が懐かしいな」


ベニ「昨日って懐かしく思う事だっけ?」


スカイ「人それぞれでしょ!特にシャーロットちゃんはね……」


 昨日を懐かしむ幼女の後ろ姿を見ている2人だが、僕は昨日よりもさらに前の一昨日(おととい)まで懐かしんでいた。




ベニ「それにしてもぬいぐるみ剣士、アイツ俺たちがいなくても自由に動けるなんてな」


スカイ「そのおかげでクッキー食べたでしょ?」


 クエストボス討伐後に休息した時にぬいぐるみ剣士が自ら作ったクッキーを僕にくれた、しかも余分に焼いてあって2人にも渡してみんなでクッキーを食べたのだ。


シャーロット「次はどこに行くの?『他も見てみたいな!』」


スカイ「いったん街に戻ってクエストの報告よ」


シャーロット「そう言えば、クエストボスを倒したら何かお宝があるって言ってなかった?」


スカイ「そうだったわね」


ベニ「こっちだ!」


 ベニが先頭でスカイが僕を抱っこして、ぬいぐるみ剣士はぴょんぴょんと飛んで後をついて来る。


ベニ「コレだな」


スカイ「トラップとかは?」


ベニ「ボス部屋の宝箱だぞ!トラップがあるなんて聞いた事がない」


シャーロット「一応、鑑定眼」


 宝箱を鑑定したがトラップは無い、しかし中身までは鑑定できなかった。


  開けるまでは鑑定するのは無理のようだ


シャーロット「トラップ無いよ……それと中身は見れなかった『宝箱のランクなんてあるんだ、この宝箱はBランクか………それって高いランクなの?』」


ベニ「なぁ、なんでトラップだらけのフロアの宝箱に鑑定眼を使わなかったんだ?」


シャーロット「忘れてた『アレもトラウマだよ!宝箱に罠があるなんて聞いてないし、危うく僕の可愛いお()てが無くなる所だったよ』」


スカイ「いいじゃないそんな事、それより宝箱よ」


ベニ「そうだな、トラップが無いなら遠慮なくっと!」


 パカッと開いた宝箱の中身は金貨と銀貨と出て来て、何かの本があった。


スカイ「凄いわね、この硬貨は金と銀みたいよ」


ベニ「金貨と銀貨はいいとして、何の本だコレ?」


シャーロット「ラノベ?『ゲームには関係なさそうだけど?』」


スカイ「違うみたいよ、この本は読めないわね」


ベニ「まぁ、何かに使えるはずだとりあえずストレージに入れとくか……」


ぬいぐるみ剣士「本か……おいキサマ!さっきの本を見せろ」


ベニ「なんだよ、この本がどうかしたのか?」


ぬいぐるみ剣士「いいから」


スカイ「ベニ、見せて上げて!」


ベニ「ほらよ、破くなよ!」


ぬいぐるみ剣士「そんなヘマするか……やっぱりか!マスターこの本をお納め下さい」


ベニ「おいおい、急になんだよ!」


スカイ「何か重要なの、その本は」


ぬいぐるみ剣士「おれたちぬいぐるみの貴重な品だ!そしてその本は……いやまだ早いなアイツがいないのに……」


 ぬいぐるみ剣士は何かをぶつぶつと言っていた。


ベニ「なんだよ、さっきから意味深な事ばかり言って」


シャーロット「………他のぬいぐるみでしょ?コレを使うのは『見た感じは古臭い本で、内容は………断片だけ読める?えっとヤクサイ?何の事なのこれは?』」


ぬいぐるみ剣士「なっ!おれはまだ何も言ってないのに流石は、おれのマスターだ!」


スカイ「本を使う?」


ベニ「シャーロットちゃんはわかったのか、その本の使い方を」


シャーロット「本の使い方はさっぱりだけど?『読めた事は伏せておいた方がいいよね』」


スカイ「まぁコレで宝箱の中身を回収したから街に戻りましょう」


シャーロット「街まで遠いなぁ〜『僕は歩かないけどね………足腰弱りそうだよ』」


ベニ「おっ、こっちに転送のポータルがあるぞ」


スカイ「助かる♪また来た道を戻るのは大変だもんね」


ベニ「誰かさんが、またトラップに引っかかるかもしれないしな!」


シャーロット「誰かさんって僕の事!もうトラップには引っかかってやらないんだからね!『ベニはいつも1言多いよ!』」


スカイ「ベニ〜後ろ!」


ぬいぐるみ剣士「キサマ!またしてもマスターを侮辱するか!」


 ベニが後ろを見ると、ぬいぐるみ剣士は既に剣を向けていた


ベニ「ご、誤解だ!侮辱してないって!」


ぬいぐるみ剣士「フン、次は黙って首を落とすからな!」


    ぬいぐるみ剣士は剣を鞘に納めた


シャーロット「首はもういいよ………『うっ、あの騎士の首思い出したよ……』」


ベニ『まったく、物騒なヤツだな………』


スカイ「さぁ、シャーロットちゃんから転送ポータルに入って」


シャーロット「うん」


 転送ポータルに入った途端に身体かふわりと浮いた気がして、視界の風景は転送用のエフェクトに覆われていた


 転送が終わり視界が戻るとそこはニュービータウンで、どうやら無事に転送されたようだ


シャーロット「ここは噴水広場だね」


ベニ「良し、着いたな!ここは街の広場かなるほどな」


スカイ「ギルドに行ってクエストの報告ね」


 ギルドでクエストの報告を済ませて次のクエストを探すと、森の最奥に行きそこで調査するというクエストがありコレを受けた。


 僕らはまたヤノンレの森に来た、ここの森の最奥が目的地だ。


ベニ「昨日ぶりだな」


スカイ「複数のモンスターも出るから慎重にね」


シャーロット「森ウルフもいるよ……たぶん『森ウルフめ!アイツらは僕にトラウマを植えつけたんだ、今度はギャフンと言わせてやりたい……できればだけど』」


ぬいぐるみ剣士「マスター、ご安心をおれが守ってみせます」


 森の奥に進んで行くと僕らの前に、森ウルフが数十頭の群れで現れてさっそく戦闘になった


ベニ「流石にこの数はキツイな!っと」


森ウルフ「ギャウン」


        【森ウルフ】

      LV4最大HP80/残りHP0


 森ウルフの突進+噛みつき攻撃を難なくかわして、双剣で森ウルフの脇腹を切りつけるベニ。


スカイ「森の中だし迂闊(うかつ)に魔法は使えないのに、こんなに多くでなくてもいいのにねっ!っと」


森ウルフ「キャンッ」


         【森ウルフ】

      LV3最大HP60/残りHP0


 とか言いながらもまだ余裕のあるスカイは短剣で森ウルフの首を狙って切りつけた。


ぬいぐるみ剣士「フン、技も魔法も使わなくても勝てる相手だが油断するなよ!お前たち、フンッ!」


森ウルフ「ギャフッ」


         【森ウルフ】

      LV6最大H120/残りHP0


  やはりぬいぐるみ剣士も全然余裕だった


 僕がストレージからママゴトグッズを取り出していた時、森ウルフが僕めがけて飛びかかって来たが……


シャーロット「でも、僕はそうもいかないんだよね……氷帝眼!『やった、リベンジ成功!』」


        【森ウルフ】

      LV4最大H70/残りHP69

        状態氷漬け


 僕に襲いかかる森ウルフを氷帝眼で氷漬けにしてやったよ!


森ウルフ「ウゥゥガウッ」


  別の森ウルフが反対側から攻撃してきた


シャーロット「見えてるよ、幼女領域ママゴト


 用意していたママゴトグッズを使用して、スキル幼女領域を使った


        【幼女領域】

        スキル効果

✦自身を中心に幼女の特別空間であるママゴト空間を作り出す

✦ママゴトのルールを理解してちゃんとした作法でなければ弾き飛ばされる

✦ルールを守れば快適空間です


        ボシュッン


森ウルフ「へギャン」


 作法がなってない森ウルフは幼女領域に弾かれた。


シャーロット「ママゴトは遊びだけど、本気で遊ばないと駄目だぞ♡」


 僕は人差し指をたてて森ウルフに注意をする、その仕草はママゴトをしている幼女そのものだった


ベニ『スクショして〜な!』


スカイ『可愛い♡』


ぬいぐるみ剣士「はああ〜!」


森ウルフ「ギャホン」


         【森ウルフ】

      LV7最大H140/残りHP0


 幼女領域に弾き飛ばされた森ウルフを、ぬいぐるみ剣士は一刀両断した


 ぬいぐるみ剣士の攻撃で森ウルフは倒された。


 僕が氷帝眼で氷漬けにした森ウルフも、いつの間にかぬいぐるみ剣士が倒していたようだ


   森ウルフの群れ14匹を倒した僕たち


 倒したモンスターはすぐ消えるけど、モンスターの素材は全部自動でストレージに入るので助かるなぁ。


 他のゲームではモンスターの素材を()ぎ取るなどの行動をしないとゲット出来ないとか………グロテスクなのは勘弁して欲しいな。


   【森ウルフの群れ14匹を倒しました】

   【10の経験値が入りました】✕8回分


     【3500enを手に入れました】

     【LVUP・LV8になりました】

      【各種ステータスUP+3】

    【460の経験値を手に入れました】

      【スキルを獲得しました】

      【獲得スキル・加速思考】

【獲得スキル獲得済みスキルの『予測』と『視野拡大』と『加速思考』が統合され『未来予知』に変化しました】


        【未来予知】

        スキル効果

✦数分先の未来が見えるが、自身を含めた他プレイヤーの未来は確認する事はできない

✦あくまでもプログラムされたモノの未来のみ見える

✦危機的状況の数分前に自動で発動し、うまく事を運べば最悪の未来を回避できる


シャーロット「え?なんか凄いスキルを覚えた」


ベニ「凄いスキル?どんなスキルだ」


シャーロット「未来予知だって」


スカイ「未来予知!え、効果は?」


 僕はスキル効果をできるだけ詳しく話した。


ベニ「プレイヤーの未来までは見えないか………PVPとかで役にたちそうなのにな」


スカイ「プログラムされたモノって、モンスターとか街のNPCよね」


ぬいぐるみ剣士「うまく行けば最悪の未来を回避できる………もしも、あの時こうしていればというヤツか」


シャーロット「あれ?みんなはこのスキル凄いって思わないの?」


ベニ「いや、凄い凄すぎるさ『ただ絶妙と言うか微妙と言うかだな……』」


スカイ「状況によっては充分役にたつスキルね『自動発動はネックよね』」


ぬいぐるみ剣士「おれは素直に凄いと言えますよマスター『だが使い勝手は悪そうなスキルだな』」


シャーロット「みんな顔が微妙な感じだけど?」


 そうみんなの顔は明らかに僕のスキルが微妙だと言っているようだった。


シャーロット「むす〜『みんなして同じ顔しなくてもいいじゃん』」


ベニ「そう怒るなって、それに対モンスターでは役にたつさ!」


スカイ「相手はプログラムだしね」


ぬいぐるみ剣士「ま、マスターお許しを…」


シャーロット「いいもん!スキルぬいぐるみ魂込め!」


 僕はスキルを使いぬいぐるみ弓使いを動けるようにしてあげた。


ぬいぐるみ弓使い「マスター!なんなりとご命令を!」


シャーロット「やっぱり、喋れるし動けるんだね」


ぬいぐるみ弓使い「………あの、ご命令は無いのですか?」


ぬいぐるみ剣士「マスターはおれにも命令など一度足りともして無いぞ!」


ぬいぐるみ弓使い「全て自己判断か、しかし何とも言えないものだなこの姿は……それでお前をなんと呼べばいい」


ぬいぐるみ剣士「剣士で構わん、おれはお前を弓使いと呼ぶがな」


ぬいぐるみ弓使い「なら剣士!他の仲間は?」


ぬいぐるみ剣士「いない、おれとお前だけだ」


ぬいぐるみ弓使い「なるほど、ある程度は理解した」


シャーロット「何の話しをしているの?」


ぬいぐるみ弓使い「失礼しました、マスターこれからよろしくお願いします」


ぬいぐるみ剣士「弓使い、もう少し肩の力を抜いて気楽にやれよ」


ぬいぐるみ弓使い「硬すぎたか?わかった」


 こうして新たな仲間……もとい僕の武器が加わった。


 ぬいぐるみ使いという職業は複数のぬいぐるみを同時に使用が可能らしく、僕は現在までで2体のぬいぐるみを動けるようにした


 ただ、通常のぬいぐるみ使いはマスターが指示しないと動かないんだとか………なので僕のぬいぐるみたちが意思を持って動けるのは不思議なんだとか言われた

(闘技場の司会のお姉さんが言ってた)


ベニ「ぬいぐるみ弓使いか、森の中なら頼もしいな!」


スカイ「喋り方や仕草、女の子かな?」


ぬいぐるみ弓使い「子では無いが女で合ってるよ」


 ぬいぐるみ弓使いの格好はまるで男装をしているかのような装備で、上は革製の胸当てで下はぴったりとしたタイツ風のズボンと紐ブーツだ


 髪型は背中位までのロングヘアで1本縛り、ぬいぐるみなので顔立ちでは性別が判断出来ないのが残念な所だ


ぬいぐるみ剣士「マスター!なかなかいい判断でした」


シャーロット「僕のスキルは役にたつでしょ」


ベニ「それが言いたかったのか!」


スカイ「役にたたないって言ってないのにね」


シャーロット「さっきはそうだったよ!役にたちそうも無いみたいな顔してたよみんなで!」


ベニ「悪かった、謝るから機嫌直してくれ」


スカイ「ホントごめんね!」


シャーロット「次は無いからね!」


ぬいぐるみ弓使い『何ともほのぼのした雰囲気だな、だが悪くないな』


ぬいぐるみ剣士「弓使い、どうかしたか?」


ぬいぐるみ弓使い「いや、こんな雰囲気も悪くないと思ってな」


ぬいぐるみ剣士「あぁ、それはマスターのおかげだな」


    ほのぼのとした雰囲気だったが……


        がさがさ


ベニ「おっ、さっそくモンスターのお出ましだ!」


   現れたのは植物型のモンスター1体だ


シャーロット「初めて見るモンスターだね、鑑定眼!」


       【ヤノンレプラント】

     LV5 最大HP176/残りHP176


        植物型モンスター

ヤノンレの森のみ棲息しているモンスター

生き物を捉えて自らの養分にする、その際に捉えた獲物を弱らせる攻撃をして来る

落とす素材はレア度が高い

ヤノンレプラントの弱点は炎属性に弱い


シャーロット「弱点は炎だって………森だと火事になりそう」


ヤノンレプラント「キシャァー」


スカイ「あの枝、まるで触手みたい気持ち悪いわね」


ベニ『し、触手か………だめだろ俺!変な想像してたらスカイに肘打ちされる!』


シャーロット「触手か……イカとかタコみたいだ『それともクラゲ?』」


ぬいぐるみ剣士「弓使い、お前の出番だ!」


ぬいぐるみ弓使い「あの程度なら、私の技で一撃だな」


   【ドールシューター・滅式イレイザー】


 ぬいぐるみ弓使いは、ヤノンレプラントからだいぶ距離が離れているのに既に技を放った


       バッシューーーン!


ヤノンレプラント「ギョベェー」


 ぬいぐるみ弓使いの放った技で飛んでいく矢は、弓矢というよりはレールガンに近い威力でヤノンレプラントを貫通した


      【ヤノンレプラント】

     LV5 最大HP176/残りHP0


   【ヤノンレプラントを倒しました】

     【300enを手に入れました】

    【90の経験値を手に入れました】

【ヤノンレプラントの素材✕3を手に入れました】



ベニ「おいおい、本当に一撃かよ!」


スカイ「あたしたち、出番がなかったわね」


ぬいぐるみ弓使い「技を使うまでもなかったか?」


ぬいぐるみ剣士「ウォームアップだと思えばいい」


シャーロット「凄いよ!矢が見えなかったよ……ん?何だろ変な感じだ………」


 僕は急に妙な不安を感じていた、そしてそれは突然に訪れた


          ドクン!


      【未来予知】自動発動中


シャーロット『なんだコレ?頭の中に何かが見えるコレは………』


     ⏱⏲⏱⏲⏱⏲⏱⏲⏱⏲⏱⏲⏱⏲⏱⏲


  カチ カチ カチ カチ カチ カチッ



森の入口から大型モンスターがやって来る


何か(ある)いは誰かを探している大型モンスター


木をなぎ倒して暴れ回る大型モンスター


入口付近からはまったく動かない大型モンスター


どんどん時間が経過して行き夜になる



  カチ カチ カチ カチ カチ カチッ


     ⏱⏲⏱⏲⏱⏲⏱⏲⏱⏲⏱⏲⏱⏲⏱⏲


 そんな映像がまるでフラッシュバックのように頭の中に次々と見えた


シャーロット「みんな大型モンスターが来るよ!あっ、くぅ!まだ……何かあるの?映像が……出て来るぅ止まら……ないぃ」


ベニ「何!どうしてわかっ……映像?…未来予知か!」


スカイ「一旦、隠れましょう」


ぬいぐるみ剣士「お前たちマスターを頼むぞ!」


ぬいぐるみ弓使い「いったい、何が起きている剣士!」


 まだ頭の中に流れ込むように映像が次から次に切り替わるせいで、僕はほとんど身動きがとれなかった。


シャーロット「ぐうぅう、頭が……痛い…割れそう」


スカイ「大丈夫?代われるなら代わってあげたいけど………」


ベニ「未来予知のスキルはまだ続いているのか、どうなっているんだ?」


 すると騒がしいく3名のプレイヤー森の中に入って来た


スカイ「見て!入口からプレイヤーが3人、入って来たわ」


ベニ「デカい音をたててやって来るのが大型モンスターか、どんなモンスターが来る!」


 やって来たのは大型のミノタウロスだった。


ぬいぐるみ剣士「あ、ありえん!こんな場所まで………ミノタウロスだと!」


ぬいぐるみ弓使い「私の弓矢でもあのサイズは無理があるな……」


 どうやら3人パーティーを追いかけてミノタウロスがやって来たようだった。


 3人パーティーは反対側の草むらに隠れたようだ。


のじゃロリ「だからゆうたじゃろうが!あんなのに手を出したらいかんのじゃ!」


男性A「先に手を出したのは姉さんですぜ」


男性B「オレたちゃなんもしてない、姉さんがあのデカい牛を怒らせた」


男性A「そして追いかけまわされたわけですぜ」


のじゃロリ「この(怒)!(わらわ)とてあの様なムキムキマッチョな牛に追いかけられとうないわ!」


男性B「しぃ、静かにしてくれませんか」


 男性Bはのじゃロリの口を右手で塞いで黙らせた。


 その3人のすぐ近くをミノタウロスが獲物を探す様に、手にしている巨大な両刃の斧で木を次々になぎ倒していた。


ミノタウロス「フシューー」


 男性Aはジェスチャーでのじゃロリに黙るようにと指示を出し頷くのじゃロリ、そして男性Bに右手を離させた。


のじゃロリ「(デカいのじゃ)」


男性A「(姉さん、静かに!)」


男性B「(気づかれます)」


     息を潜める3人のプレイヤー


 のじゃロリは言うまでもなくロリっ娘だが、そのお付きの男性2人は大人の体格だった


 しかしこちらと3人のプレイヤーとは距離があるが、気づかれるのは非常にまずかった


ベニ「あのままじゃいずれ気づかれるな……」


スカイ「けどシャーロットちゃんがこの状態だと身動きが取れないよ」


シャーロット「はぁ…はぁ…うっ、くうぅ」


ぬいぐるみ剣士「このままでは向こうもこちらも気づかれる………何かいい方法はないのか?」


ぬいぐるみ弓使い「私が囮になると言うのはどうだ?剣士よ」


ぬいぐるみ剣士「たった今動けるようになったばかりだぞ!それにおれではなくマスターに聞け」


ぬいぐるみ弓使い「……わかった、マスター私が囮になりますがよろしいですか?」


シャーロット「はぁ…はぁ…もちろん駄目に…決まって…るよ…はぁ」


ぬいぐるみ弓使い「何故ですかマスター!」


ぬいぐるみ剣士「よせ!なぜバカ正直に聞くんだ!今のマスターは会話もままならない状態だ、別の案を探すしか無い」


ベニ「ならよ!その別の案だが、俺が囮になるからお前たちはスカイの護衛でスカイはシャーロットちゃんを抱きかかえて街まで逃げろ!」


ぬいぐるみ剣士「何を馬鹿な事を言ってる!お前では1分も持たないぞ!」


スカイ「なんでそんなにカッコつけるのよ!ベニ」


ベニ「もうそれしか手が無いだろ?」


       だがその時だった


??「だからお前は弱いんだよ!」


 いつの間にかベニの背後に見た事があるプレイヤーがいた。


ベニ「誰だ!………何!お前は……」


黒鎧「奇遇だな?ベニ」


ベニ「なんでいるんだこんな所に……」


スカイ「どうしてここに?」


黒鎧「たまたまこの森に用があったからな!」


ベニ「この状況をどうやれば切り抜けられる黒鎧」


黒鎧「この中で圧倒的に実力があるのはオレだ!」


スカイ「助けてくれるの?」


ベニ「確かにな黒鎧あんたは強い、それで?」


黒鎧「鈍いな!オレが囮になってやると言っている」


ベニ「なんで?あんたが囮を……」


黒鎧「勘違いするなよ!オレはあのミノタウロスの素材が欲しいだけだ!ちょうど探していた所だ」


 黒鎧はミノタウロスを倒しその素材を手に入れようとしていると言った


黒鎧「それにだ!シャーロットを守るのがお前の役目だろ!ベニ」


ベニ「言われなくても守るさ」


 僕は痛む頭を抑えながら立ち上がり黒鎧にミノタウロスの弱点を教えようとした


シャーロット「ぅぐ、はぁ…はぁ…ミノタウロスの……弱点を教える…よ」


黒鎧「未来予知で見たか?だが、オレはもうミノタウロスの弱点は知っている……無理はするな!喋るのも辛いだろう?」


スカイ『なんでこの人、シャーロットちゃんのスキルを知ってるの?』


ベニ『未来予知はこの森で覚えたばかりだぞ!知ってるとしたら………ずっと見ていたのか?』


シャーロット「もう…知ってたの?……はぁはぁ弱点……『あっ、もうだめ限界だ!立ってられない』」


 身体から力が抜けて倒れそうになった時、黒鎧は優しく僕を支えてくれた。


黒鎧「その未来予知は今は負担が大きい、LVが上がるまで使用出来ないようにメニューからそのスキルを選んでタップをしてみるといい」


 僕は、黒鎧が教えてくれた方法を試したすると………


シャーロット「あれ?もう、頭痛く無いよ」


黒鎧「使用したく無いスキルを選んでタップすれば、そのスキルは再タップするまで使用出来ないんだ覚えておくといい」


シャーロット「黒鎧、教えてくれてありがとう」


黒鎧「ふっ、変わらないな……」


シャーロット「何が変わらないの?」


黒鎧「済まないな、今はミノタウロスが先だ!ここからはお前たちの役目だシャーロットを守りながら街まで戻れ!わかったなベニ!」


 ミノタウロスはまだ入口付近でウロウロしている、そこを通り抜けて街まで戻るのは簡単ではないが黒鎧が囮になれば可能だ。


黒鎧「オレが出てミノタウロスを森の奥へ誘導する、その隙に街まで走れいいな!」


 黒鎧はそう言うとミノタウロスの所へ行ってしまった。


 そして黒鎧はミノタウロスを攻撃して、森の奥に走って行った


 ミノタウロスは黒鎧の後を追うように、ズシンズシンと音を立てて走って奥に行った


ベニ「悔しいが黒鎧の言う通りにしよう」


スカイ「黒鎧……あの人はいったい何者なの?」


ぬいぐるみ剣士「喋っているヒマはないぞ!黒鎧がミノタウロスを森の奥へ誘導している」


ぬいぐるみ弓使い「今がチャンスか!」


 スカイは僕を抱っこして先頭を走り、ベニとぬいぐるみ2体は後方を警戒しながらスカイの後を追う。


 普通なら街までの距離はそれほど遠くは無いが、危機的状況と焦りのせいか街までの距離がとても遠く感じたベニとスカイだった





 街にたどり着いて全員揃っているかを確認、その後僕らは広場にいた。


ベニ「俺がもっと強ければ……」


スカイ「それはあたしも思うよ……」


シャーロット「それを言ったら僕はどうなるのさ、激弱だよ?『最弱・非力・幼女・非戦闘員の僕よりは強いでしょ!』」


ベニ「確かにな………けどそうじゃないんだ、俺がもっと強ければミノタウロスなんて簡単にやっつける事も出来たかもしれないと思うとな………」


スカイ「安全に逃げれるほどの強さが欲しいって事なんだけど、シャーロットちゃんには理解出来ないかも知れないね」


シャーロット「そんなのわからないよ!僕弱いから…………」


ぬいぐるみ剣士「マスター……」


ぬいぐるみ弓使い「んっ、向こうから人が来る!」


 ぬいぐるみ弓使いの言葉聞いてもしや黒鎧かと思い全員が注目したが、やって来たのは先ほどの3人だった


男性A「もう大丈夫ですぜ、姉さん」


のじゃロリ「やっと帰ってこれたのじゃ〜!死ぬかと思ったのじゃ」


男性B「あの黒鎧のおかげ」


 黒鎧がミノタウロスを誘導したおかげで、のじゃロリたちは逃げる事に成功したようだ


シャーロット「あの人たち無事だったんだ、良かった」


ベニ「これからどうする?」


スカイ「そうね……そろそろ夜の9時になるわ、だいぶあの森にいたのね」


ベニ「クエストまだ終わって無いな」


スカイ「まだ期限はあるわよ」


  その時だった突然、僕はバタッと倒れた


スカイ「シャーロットちゃん!」


ベニ「どうしたんだ?」


シャーロット「すぅすう」


スカイ「え?寝てるの?」


ベニ「あ!そう言えば、称号の効果で夜の9時を過ぎると強制的に眠るってなかったっけ?」


スカイ「………あったわね」


ベニ「あれ?でもおかしくないか、なんでゲームの中で寝るんだ?」


スカイ「シャーロットちゃんはいろいろと規格外なのよ」


 とりあえず全員で同じ宿屋の部屋でログアウトする事になったが……


ベニ「シャーロットちゃん起きないな……」


スカイ「本当はいけない事だけど、メニューを開いてログアウトを押してあげるしかないわね」


 スカイは僕の手を掴み指でメニューを呼び出すアクションをした。


 メニューを開く方法は空中にバツ印を描くとメニューが開くようになっている


 これも以前食べた【焼き鳥コーンモドキ】と同じで、ゲーム開発者の遊び心のようでメニューの『メ』の文字と『バツ印』が同じく見えるためにそうしたようだ


スカイ「やった、開いたわ!ログアウトは下ね」


 スカイがログアウトを押してくれたおかげで、僕は例のVRホームの空間で目を覚ました


 どうやらゲーム内のみの強制睡眠だったようだった


シャーロット「ん~~?ここは」


AI〘シャーロットちゃんお帰り〜寝顔が超プリティだったよ〙


シャーロット「僕、寝てた?」


AI〘寝顔見れたから大満足よ〙


シャーロット「ログアウトプリーズOK?」


AI〘OK、OK!〙


        〘YES・ON〙


シャーロット「YES」


シャーロット『キャラ崩壊してるよこのAI……もう突っ込まないからね』


 AIはもはやAIとは呼べない状態だった


シャーロット『イケてるお姉さん系のAIか………ベニが喜びそうだよ』



〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰


                    


新キャラの登場です

のじゃロリさんと男性2人のパーティー

この3人がコレからどうシャーロットちゃんと関わってくるのかお楽しみに!

次回は番外編ぬいぐるみ剣士のおもてなしです

【評価】と【ブックマーク】も付けてくれたら

励みになりますのでよろしくお願いします

素人の作品です   


           福望華雫でした

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