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ログイン4 お風呂は1人で入りたい?

貧乏高校生 当溜。格安ボロアパートに住みバイトをして生活費を稼ぐのが彼の毎日だった。明日から学校が夏休みに入る事で浮かれていた時に偶然おもちゃ屋で最新のVRヘッドギアを見つけ購入した。さっそくVRゲームを始めたまでは良かったのだが、本来なら無いはずのVRヘッドギアのホームにログインを果たした。彼は大嘘をつくAIの言う事を真に受け全てにYESと応えてしまった。身体構造スキャンを許し、問題箇所のリペアとしてハルモニア光なる謎の光を実際の身体に照射された。問題は解決したのだとAIに唆されてゲーム世界に送り出されてしまう。しかしこの事が当溜の生活をガラリと変えてしまう重要な出来事だった。ログインしたゲーム内でも問題が発生した。選択出来る性別が女性のみで男性の選択は不可能だった。なんとか女性アバターを男性的な姿に作る事に成功したが、間違えてランダム作成を押してしまい完成したアバターは幼女だった。


♤守ってください幼女な僕を♡ 

縮めて『守幼』をよろしくお願いします



 僕が一人暮らしを始めた時にもし万が一部屋の中で倒れたりしてたらどうするのと、幼馴染みの萃香(すいか)に詰め寄られて思わず合鍵を渡してしまったのをすっかり忘れていた


 状況的には助かったような助かってないような今の状況に僕は混乱していた


当溜「僕の姿が……幼女?……うっ、ひぐっ…」


 ゲームでの出来事を引きずり、現実でも幼女となった事でもやは精神的に限界を向かえて涙腺崩壊を引き起こしてしまった


萃香「しばらくこうしてあげるから、泣きたかったら泣いていいよ」


 そう言うと萃香は優しく僕を抱き上げ、ぎゅっとしばらく抱いていてくれた。


 そんな優しい言葉に僕は子供のようにわんわん泣いたソレはもう見た目と同じ年齢のように……


 はたから見ればお姉さんが幼女をあやしている姿にしか見えないが、真実の眼で見れば幼馴染みの男女が抱き合い男の子の方が泣いているという世にも奇妙なワンシーンに見えるだろうけど今の僕にはどうでも良かった


萃香「もう大丈夫よ、心配しないであたしがずっとこうしていてあげるからね『泣かないで……あたしがそばにいるから』」


当溜「ご、ごめん萃香……うぐっ…こんなにみっともない姿をさらして……僕は…」


萃香「不安だよね、当溜……あたしも凄く不安だけど一緒に乗り越えよう」


 萃香のこの言葉が、コレからどんな事が起きても一緒に乗り越えて行けるかもしれないと僕に勇気をくれた。


萃香『どうして幼女の姿になったしまったの?当溜……あたしはどうしたらいいんだろう……』


 かなり長い間ずっと抱きしめられているせいか、じんわりと汗が(にじ)み出てきたのが分かってそろそろ離れて欲しいと頼む事にした。


当溜『あ〜コレだけは言わせて欲しいな、僕と萃香はただの幼馴染みで恋人同士では無く今の現状を把握した萃香がただ優しく接してくれているという状況なのですよ……誰に言ってんだろ僕』


萃香『当溜……』


当溜「あの……萃香えっと、そろそろ抱いて無くても大丈夫だよ」


萃香「う〜んもうちょっとこのままでいさせてね、お願い♡『あ〜凄くいい〜癒やされる〜』」


 何か別のベクトルか(はたら)いているかのように、幼女になった僕を抱き頬をすりすりして来る萃香だった。


萃香『あぁ~こんな幸せな事あるんだぁ、あったかくて柔らかくてもちもちすべすべ肌をこんなに堪能出来る日が来るなんて夢みたい!当溜が可愛い過ぎる』


 可愛いモノ好きの萃香に今の僕の姿はドンピシャだった。


 萃香が事前に連絡していたらしくもう1人の幼馴染みの紅優(くう)が来たが、萃香がトリップ中の光景を見て紅優は固まった。

 

当溜「萃香〜!あの〜萃香さん?もしもし聴こえてますか〜紅優が来たけど、お〜い戻って来て〜」


萃香「え〜もう?」


紅優「え〜もう?じゃねぇよ!なんだコレどう言う冗談だよ」


萃香「う〜名残惜しいけど、今おろすね」


当溜「う、うん」





 ようやく3人が揃ったので、ここで僕の幼馴染みの2人の事を紹介しておこう。


    【大森紅優おおもりくう】現在16歳の高校1年生


 株式会社大森グループの社長の息子で次期社長との噂もある、親友でもあり幼馴染みでもある。


 長身のイケメンでいろいろ持ってる男だがときどき抜けてる時もある、割と残念なイケメンだ!


当溜『ん?最近どっかでそんなヤツがいたような……まぁいいか』


 そんな紅優と僕だが、お互いをライバル視している事が1つだけありそれは……


 現在の服装はワイシャツと学生ズボン、つまり夏の学生服だ


    【小玉萃香こだますいか】現在15歳の高校1年生


 大富豪の孫娘。紅優と同じく幼馴染みで可愛いモノが大好きな女の子。健康的な身体つきだが、そんな彼女にも悩みがあるそれは同年代の女子との体格差だ……要するに周りの娘たちの発育が良すぎるのだ。


 振る舞いはお嬢様ではなくむしろ一般家庭の子と言われてもおかしくはなく、親しみやすい雰囲気が彼女にはある。


 ヘアスタイルはセミロングで、性格は大胆な時もあるが基本的に素直だ。


 昔から紅優と僕は密かに彼女を好きであるがソレは彼女にはナイショで、紅優と僕がライバル視してる事はまさにこの事だ。


 現在の服装はロング丈のワンピースで素材はUVカット仕様のようで涼しそうに見える


 ただこの幼馴染み2人と僕は住む世界が違い過ぎるはずなのに、萃香と紅優は昔と変わらずに接してくれるのはとても嬉しく思う。





紅優「〘REONレオン〙のメッセージ見て慌てて来たが、まさか本当にそんな姿になっているなんて……」


 紅優が言った〘REON〙とは短いメッセージやちょっとした画像を送りあえるSNSで世の中の大半の人がスマホに入れているアプリだ。


萃香「あたしがこの部屋に入って見た光景は、ぶかぶかのスウェットを着た幼女がヘッドギアを頭に(かぶ)せて布団に寝てる状態!そしてこれを推測するとまずぶかぶかのスウェットを着た幼女は当溜でなにかしらかのおかしな事が起こり幼女化したって事かな?」


紅優「なんでそんなにスラスラ答えが出るんだよ!」


萃香「だってあたしだもん!」


 根拠が無くても得意げに言う萃香を呆れ顔で見る紅優。


 僕は渡された手鏡を覗いて顔を確認していたが、推測とは言え気になる言葉を言っていたので聞いてみた。

 

当溜「なにかしらかのおかしな事って?」


萃香「そこまではわからないわ」


紅優「幼女になった原因かぁ」


 ちなみに僕の瞳は、オッドアイでは無く両眼とも茶色の瞳で髪の色は黒になっていたが何故かゲームと同じ髪型のロングヘアでアシンメトリーな前髪しかもぱっつんで耳は普通の人間だった。


 僕はVRヘッドギアを購入してからの事を2人に話した。


 まずログイン後に真っ白な空間のホームその空間でAIに出合った事とゲーム内で男性アバターが選べなかった事までは話したが、ゲーム内で幼女になっている事は伏せた。


 何故、幼女になった事を伏せたのかと言うとそれが原因だと特定されたら2人にもう2度とゲームをするなと止められるのが怖くて言えなかった。


紅優「真っ白な空間のホーム?そんな機能は俺のVRヘッドギアには無いぞ!」


萃香「男性アバターが選べなかったなんて……それならゲームの中では女性のアバターなのね?」


当溜「本当だよ『めちゃくちゃロリっ娘ですが?女性だね……言えないけどさ』」


萃香「それならそのヘッドギアをいつ買ったの今日?」


当溜「そうだよ、おもちゃ屋さんで買ったんだよ『レシートもちゃんとあるよ!』」


紅優「おもちゃ屋で買ったVRヘッドギアか……」


萃香「お店で購入ならおかしな所は無いはずよね?」


 特におかしな所はない、だが明らかに怪しいのはVRヘッドギアだという事に結論の終着点となった。


萃香「今の所、早急にしなければならない事は当溜の服ね」


紅優「服ぅ〜!なんで今?元に戻す事の方が優先じゃないのか」


萃香「でも、いつ元に戻れるの?今すぐなら服なんて言わないわよ!戻し方もわからないし」


紅優「……確かにそうだな」


    幼女になった僕の姿を見る紅優


当溜「ん?どうしたの紅優、僕をじぃ〜と見つめて『おいおいおい、勘弁してくれゲームの中のアイツと同じなのか?』」


紅優「いやなんでも無い『なんか可愛いな、当溜なのに……』」


萃香「当溜……身体のサイズ測ろっか?」


 今、僕は萃香に服を脱がされています……いや変な意味じゃ無くて身体のサイズを測るためだからね!


当溜『うっ、萃香の手がくすぐったいな!笑っちゃいそうだよ』


 結局スウェットではぶかぶかなので、別のに着替える事になった。


萃香「コレで良し!っと……普通のTシャツがロングTシャツみたいね」


当溜「あ、ありがとう萃香!着替えさせてくれて『上半身裸と下着姿見られた……恥ずかしいな』」


萃香「お安い御用よ!これくらい」


紅優「着替え終わったか?」


    紅優は僕の着替えは見なかった……


当溜『当たり前だな、だって今の僕は幼女だ!もし見よとしてたのなら親友から格下げで変態のレッテルを貼ってやるからな』


萃香「もう良いわよ!」


紅優「それで、服はどうするんだ買いに行くか?」


萃香「それしかないでしょ」


当溜「あ、それなら僕の財布から……」


 次の言葉を言いかけた時に紅優が手を上げ待ったをかけた。


紅優「あ〜その金なら俺が出すよ」


当溜「え?だって僕の事だよコレは!自分で出さないと」


萃香「当溜、紅優がお金出してくれるって言っるんだから素直にその好意を受け取りましょう」


当溜『あれ?デジャヴかな似たような事があったような……』


萃香「紅優がいやなら、あたしがお金を出しあげてもいいわよ?」


当溜「でも………『今までそんな事はしなくていいと、散々言ったのに甘えるわけにはいかないんだが……』」


紅優「親友が困っているのに黙っているなんてできないだろ!」


当溜「うん、ありがとう紅優『むしろ金欠だから助かったけど……』」


 嬉しいけど複雑だな、今までお金の貸し借りはしなかったし僕が遠くの高校に入ると言った時も2人は実力で合格して同じ高校に入った、ありがたいが………やはり悔しくもあるな自分で解決出来ないというのが無力感をよりいっそう強く感じる


 けど、だからこそ紅優は僕に手を差し伸べたんだろうな……仕方ないもう一度お礼を言っとくか!


当溜「本当にありがとう紅優」


 僕は出来るかぎり精いっぱいの笑顔で感謝を伝えた。


紅優「『な、なんだ俺?どうしちまったんだ!相手は当溜だぞ』」


萃香「『あれはヤバいわね……あたしでも直視できないわ、それをまともにみたのね紅優』」


     沈黙する2人に僕は首を傾げ


当溜「どうしたの2人とも黙っちゃって、何か変だったかな?」


紅優「か、考えてたんだよ!」


萃香「何を考えてたのかなぁ〜」


      ジト目で紅優を見る萃香


紅優「どこの店に行くにしても、この炎天下の中を今の当溜を連れ出していいものかと……」


 紅優は咄嗟に出た言葉がコレで合っているかとヒヤヒヤしているようで僕と萃香を見た。


萃香「確かにこの炎天下の中行くのは危険ね」


当溜「それじぁ、僕の服は?どうなるの」


 辺りを見渡し、この状況から抜け出す1手を見つけたらしい紅優が言った。


紅優「PCがあるな?ネットで買えるよな、当溜」


当溜「ネットショップ?使った事無いよ『悪いな紅優、ほぼコンビニしか使って無いんだよ僕は』」


    紅優の起死回生の1手は詰んだ


萃香「なるほど!ネットショップね、あたしが普段から使っているショップサイトがあるからそこで買いましょう」


紅優「それだと俺が払えないな」


萃香「じぁ、あたしの口座に入金して!それで買うから」


紅優「萃香の口座番号知らねぇぞ!」


萃香「それくらい教えるわよ」


   紅優と萃香の話がまとまりそして……


萃香「それじゃあ当溜、必要な物は持って行こうね」


当溜「どこに?『必要な物ってなんだろう?』」


紅優「萃香?当溜に必要な物を持たせてどこに行くんだ?」


萃香「決まってるでしょ、あたしの家によ!」


当溜「えぇええ〜!す、萃香の家に僕が?『それはさすがにヤバいよ!不純物混入だよ…………なんか違うな?』」


紅優「…だよな……それしかないよなさすがに、それは俺も止めないからな当溜」


当溜「でも僕1人暮らしで……『だ、大丈夫だ落ち着け僕!なんとか1人暮らしをキープするんだ』」


萃香「その姿で1人で暮らせるの?」


当溜「で、できるよ!『出来ますとも』」


萃香「当然だけど、お風呂も1人で入れるのね?」


当溜「ひろ、ロリでも入れるもん!『やばっ、口がまわらなかったからロリになっちゃった』」


紅優「『可愛すぎるな、その返しは……しかも1人が言えてねぇでロリになってる』やべぇ」


萃香「もし誰か悪い人が来たら、誰も助けてくれないよ?」


当溜「あぅ〜、それは……ドアロックで!『か、鍵を掛ければOKさ!』」


紅優「もうよせよ当溜!萃香に口ではかなわないのは知ってるだろ?」


当溜「紅優〜!助けてよ、親友でしょ『僕の1人暮らしが〜』」


萃香「紅優では一緒にお風呂に入れないわよ!男だしね」


紅優「すまん!当溜、この件は俺には荷が重過ぎる」


当溜「うっ……わ、わかったよ……『くっ、もうひと思いにこ(ピー)してくれよ!……いや、やっぱりやだまだやりたい事が沢山あるんだやめて下さい』」


 混乱の極みの僕だが、僕の身を案じてのこの提案なら仕方ないけどせめてお風呂だけは1人で入りたいと切に願うマジで!






 紅優が専属の運転手を呼び出し、その車で萃香の家に向かう事になった。


当溜『く、コレがお金の力(マネーパワー)か……なんと眩しく黒光りする車なんだ!しかも高級車じゃないか!』


紅優「ん?どうした車をじっと見て」


萃香「そんなに珍しくも無い車よ?」


当溜「いや、僕の姿が映るほどピカピカだなって思って……『2人は見慣れてるかも知れないけど僕は過去に2・3度見かけただけなんだよ!』」


 2人との差をまざまざと感じた僕だった


 僕たちは車に乗り込み、紅優専属の運転手に萃香の家まで送ってもらう事になった


運転手「お久しぶりです萃香様また一段とお綺麗になられましたな、しかし坊っちゃん!子連れデートでは絶対にいかがわしい行為はいけませんぞ!」


紅優「しねぇよ!俺をなんだと思ってんだ、野獣か?」


当溜『実際、紅優ってむっつりだしな野獣って合ってると思うぞ僕はね』


萃香「相変わらずですね、このやり取りあたし好きだなぁ」


紅優「まぁ、とにかく安全運転でな」


運転手「えぇ、存じておりますとも!」


萃香「やっぱり車は便利ね、暑い日もクーラーを効かせて走ればどこにでも行けるし」


運転手「そうですな!しかし車にも厄介な所がございましてガソリンを入れなければ走ってはくれませんしメンテナンスを怠れば動いてすらくれないのだと、かなりのワガママですのでいいようで悪いですな」


紅優「古くなれば買い替えないとならないしな、便利なようでデメリットもデカいんだ」


当溜「それなら僕は歩きでいいや『手足の短さなんて関係ない!歩けばいいと思うな』」


運転手「歩くのは健康にもいいからその選択は正解ですぞ!……時に坊っちゃん、そちらのお嬢さんはどちらの方ですかな?」


紅優「『やべぇな、考えてなかった』いや、この娘は……」


萃香「あたしの遠い親戚の娘なんですよ」


 咄嗟に萃香が助け舟を出して難を逃れた紅優だった。


紅優「そ、そうなんだよ!萃香の遠い親戚だ」


運転手「左様でございましたか『何か隠し事ですかな、坊っちゃん……』」


萃香「この娘の名前は〘あゆむ〙って言うですよ」


 僕の名前を運転手が聴く前に萃香は偽名で〘あゆむ〙と言う名を使った。


萃香「ねぇ〜あゆむちゃん」


紅優「ま、まだ着かないからなあゆむちゃん」


 取ってつけたようにぎこちなく名前を言った紅優に、ひじ打ちする萃香。


紅優「くっ」


運転手「どうかなさいましたか、坊っちゃん?」


紅優「なんでもない、それよりもちょっと喉が渇かないか?」


萃香「そうね、水分補給はしとかないとね」


運転手「では、前方の右側にコンビニがございますが寄りますか?」


紅優「あぁそうしてくれ」


運転手「かしこまりました」


 コンビニに寄り、飲み物とお菓子を紅優が自分のお金で買って来てくれた。


 ちなみにこのコンビニは、僕がいつも食料や飲み物を買いに行く店だ。


運転手「さすが坊っちゃん!太っ腹ですな」


紅優「まぁコレくらいはな」


萃香「あゆむちゃん、どれがいい?」


当溜「コレがいい『オレンジジュースでいいや』」


 萃香の家に着いたが、僕の家から数分の距離だった……車で来る意味あったのかなと思う。


紅優「萃香の家って、超高級マンションかよ!」


当溜「おっきいな、上が見えないよ『ゲームでも思ったがこの幼女姿だとめちゃくちゃ高く見えるな、何百回建てなんだと勘違いをしそうだ!』」


萃香「さぁ、行きましょう」


 運転手とは、ここでお別れして萃香の家……超高級マンションの中へ僕たちは入って行った。





      ヴィ〜〜ヴゥ〜〜〜 


          チン!




 エレベーターでたどり着いたのは最上階だ。


紅優「確か萃香も1人暮らしだったはずだよな?こんな所に住んでたのかよ!」


萃香「アレ?言わなかったっけ」


当溜&紅優「「聞いてない」」


     僕は紅優と見事にハモった


萃香「さすが幼馴染みで親友同士の2人ね、息ぴったり!」


当溜『幼馴染みで親友同士で息ぴったりは流石にキモくないか?』


紅優「それよりも、さっきコンビニ寄った時に入金しといたからすぐに買えるぞ!」


萃香「じゃ、さっそくショップが使えるわね」


 玄関を過ぎると広いリビングがあり、インテリアなどは可愛らしい物でいっぱいだった。


 最上階の全フロア、その全てが萃香の現在の自宅だとは驚きで声もでなかった。


 部屋の数もかなりあり、萃香が自室として使っているのは1つだけで他は空室で物置き代わりに使っているそうだ。


 本当はこんなに豪華なマンションに住むつもりはなかったと萃香は言っていた、しかし何故このマンションに住む事になったのかと言うと孫可愛さで大金をぽんと出してこの最上階を買取ったお爺様のせいで住む事になったらしい……お爺様恐るべし。


 萃香はPCを取りに奥の自分の部屋に行き、僕たちはリビングで萃香が戻るのを待っていた。


 奥から萃香は戻り、持って来たピンク色のノートPCをテーブルの上に置きショップサイトにアクセスしている。


萃香「測ったサイズで検索かければホラ出てきた」


当溜「ねぇ、萃香の部屋はなんで奥なの?」


萃香「手前の部屋じゃすぐでしょ、それにこんなに広いし運動にもなるかと思って奥の部屋にしたのよ」


紅優「女子って運動したがるよな、ダイエットのためとかな」


萃香「なにそれ、あたし太ってないけど?」


紅優「いや、普通の女子の話しだよ」


萃香「あたしは普通の女子ではないと?」


紅優「勘弁してくれよ言葉の選択ミスだ」


萃香「……まぁいいわ」


当溜「萃香は太ってないよ!スタイルも良いし、いろんな服が似合いそうだよ」


萃香「ありがとう当溜、ってそうよ服を見ないとね」


 画面に写し出された服は当然子供服だ、服だけでなく下着や靴下とその他さまざまな商品がそこにあった。


萃香「まず下着ね、ん〜どれも可愛いなぁ」


紅優「かたっぱしから買えばいいんじゃねぇの」


萃香「紅優はそう言う所がわかってないわね」


当溜「これ安いよ、くまさんの絵柄があるけど……『と、とにかく安いのを探そう』」


萃香「このくまさんの絵柄のやつは駄目ね、破れやすいからこんなに安いのよ」


当溜『何〜!安いのは駄目なのか!そしてなんで僕はくまさんの絵柄を選んだんだ!今の姿が幼女だからか?』


紅優「生地とか安さとか、俺にはわからんからパスだな」


 1〜2時間ほど服選びをしていた僕と萃香、そして時間を持て余してスマホをイジっていた紅優だった。





萃香「まとめて注文したから来るのは2日後くらいね」


当溜「それまで僕は全裸?『風邪ひきそうだな』」


紅優「ぶっ!」


萃香「ちょっと、何やってんのよ!あぁもう床びちゃびちゃ」


 紅優は飲んでた飲み物を盛大にふき出し、そのせいでリビングの床を濡らしてしまった。


 幸いな事に敷いてあったカーペットは難を逃れたようだ……このカーペット高そうだな紅優なら弁償も出来るが僕はそうもいかないな、気よつけないとな。


当溜「ごめん、僕が変な事言ったから……『紅優!お前何想像したんだ、僕の裸か?』」


紅優「ぎっ、ぎにずんなよ!げほっ」


萃香「大丈夫?紅優」


   床を拭きながら萃香は少しだけ思った


萃香「ふふっ『なんか昔に戻ったみたい』」


紅優「ざずがに全裸は無いだろ!ゴホッ」


萃香「ここならまだ問題ないけど、外で全裸は駄目よ?いろんな意味でね」


当溜「でもまだ服無いし『下裸でもロンTならいける?いや駄目だコケたらたとえ幼女でもアウトだな全部丸見えだよ!』」


萃香「そこはあたしに任せなさい!」


 萃香はそう言うと奥の物置きにしていると言っていた部屋に行ってしまった。


紅優「なぁ当溜、萃香も俺もお前の味方だからな元気出せよ!」


当溜「うん『紅優、お前いいヤツだな』」


紅優「それとな当溜、コレからは萃香と暮らすわけだが一緒に風呂にも入るだろ?」


当溜「で、できれば1人で入りたいよ『何だ、何言い出してんだ紅優は?』」


紅優「それなら風呂にスマホ持って行って、動画を撮っていればいいんじゃないか?」


当溜「動画?なんで自分の入浴を撮るの……『自分の裸を盗撮しろとか何言ってるこの人?変態か!』」


紅優「いや、そうすれば萃香は裸になれないだろ?」


当溜「でも自分の裸を撮るのは嫌だよ『あわよくば僕の裸を撮った画像で1人楽しむって腹か!やっぱり変態だったのか紅優、見損なったぞ!』」


紅優「なら風呂に向けないで脱衣所に向ければいいだろそうすれば………やっべっ!」


萃香「そうすれば?なんだって、紅優?」


 いつの間にか萃香が戻って来ていて紅優に先ほどの言葉の続きを促すが、紅優は口を閉じて明後日の方向を見ていた。


当溜「僕がお風呂に入る時に、動画を撮れって紅優が言ってるんだよ『良し!萃香に全部バラそう!そしてサヨウナラ紅優さん、ちゃんと成仏してね』」


紅優「バっカ!お前!」


萃香「ふ〜んなるほどあわよくばあたしの裸が撮れる理由ね!最っ低なクズね紅優って、さつき心配して損したわ(怒)」


 萃香は冷た〜い眼差しを向けて無言で語る、紅優の評価が海底よりも深〜い所まで落ちた事を………


紅優「すみませんでした、もうしません」


萃香「あたりまえよ!今度、当溜に変な事吹き込んだら二度と口聞いてあげないんだからね!」


当溜『萃香いいぞ!紅優は女の敵だよ……あれ?なんか違くない僕は男なんだけど?……』


紅優「はい、しっかりと肝に銘じておきます」


萃香「はぁ〜『それにしても、当溜はあたしの裸には興味ないのかな?ずいぶん反応が薄いような……まさか!』」


 何かに気づいた萃香が紅優にひそひそ話で疑問をぶつけた。


萃香「(ちょっと紅優!当溜の反応おかしくない?普通の男の子なら女の子の裸を見たいって思うでしょ)」


紅優「(確かに変だな?まるで興味が無いみたいだ『萃香の裸なのにか?変だな』……男としての反応じゃないな『アレを無くしたせいか?』)」


萃香「(もしかして幼女になった事となにか関係がある?)」


紅優「(思考パターンが変化しているという事か?)」


萃香「(早く元に戻さないと当溜がどんどん女の子になっちゃうよ)」


紅優「(それはいろんな意味で困るな『俺の恋のライバルが幼女とかあり得ないしな』、だが原因がもしかしたらVRヘッドギアかもしれないって事になっただろ?)」


萃香「(そうだけど?その先はわからないでしょ)」


紅優「(ゲームで幼女になったならゲームで元に戻る何かを探せばいいだろ)」


萃香「(その手があったわね)」


当溜「ねえ、何を話てるの?『コソコソと2人で話すなよ、いやコレは焼きもちじゃないんだからね!………何、僕のこの反応………まるっきりツンデレ女子じゃね?』」


      2人揃ってドキッとする


萃香「ちょっとコレからの事を話していたのよ」


紅優「あぁ、当溜のアパートとバイトをどうすんの問題をな」


当溜「さっきからピンポン鳴ってるよ『宅配だよ』」


 壁のインターホンからピンポンと音が鳴っていた。


       「ピンポンピンポン」


萃香「は〜い、どちら様ですか」


宅配員「お届け物です」


 相手は宅配の人で萃香は宅配物を受け取るため一階にある置き配部屋まで取りに行った。


 このマンションは住人が多いため、一階に宅配物のための部屋が用意されていて配達員はそこに荷物を置きそして届けた事を住人に知らせると配達員の仕事か完了するのだと萃香から聞いた。


紅優「なぁ、まさかもう届いたのか」


萃香「違うわよ、コレ知らない所から届いたわ」


紅優「知らない所?どこだ」


萃香「住所が宇宙の彼方(かなた)ってなってる」


紅優「はあ〜?宇宙の彼方だって!宇宙で宅配なんてやってるのか!」


 よく見ると箱の横には、いつもの黒い猫では無くロケットのようなイラストが描かれていた。


萃香「よくわからないけど……開けない方がいいかな?」


紅優「まて、日付けは……はぁ〜?なんで今日なんだ」


 宇宙の彼方から送られて来た宅配物は今日の消印で今日届いた、なんともデタラメ過ぎる宅配物に2人は困惑気味だ。


当溜「開けないの?『なんか気になるし』」


萃香「怖くて開けられないわよ」


紅優「よし!2人とも、離れてろ俺が開ける」


 紅優は恐る恐る箱を開けたが、特に何も起きなかった。


萃香「中身は梱包材と、何コレは銀色の金属?」


紅優「デカい箱に入っいたのはこのちっさい物体?」


 萃香と紅優は箱の中身を覗いているだけで、なんか焦らされているみたいだ。


当溜「見て見て手に乗るよ『我慢出来ずに手に取っちゃたよ僕』」


 僕は妙な物体を手のひらに乗せて2人に見せる、すると物体は変形して手首に巻きついた。


萃香「ちょっと当溜!大丈夫、怪我は……ないみたいね」


紅優「ヒヤッとさせるなよ」


当溜「見て綺麗だよ『なんでかな?コレがあると落ちつくな〜不思議だ』」


   僕は手首に巻き着いた物を眺めていた


萃香「アレ……なんだと思う?」


紅優「形状は変だが、ぱっと見たら腕輪だな」


萃香「当溜の姿といい変な物体といい、何が起きてるの」


紅優「何の共通点も無いって理由じゃなさそうだな……」


 僕の幼女化に腕輪化した謎の物体コレが意味する事とはいったいなんなのかと、2人は頭を悩ませた。


 とにかく今、出来る事は終わったので解散となり紅優は帰る事になった。


萃香「もう夜ね、なんかあっという間ね」


紅優「7時過ぎてるな、さてと俺はもう帰るよ」


当溜「帰っちゃうの?『いて欲しいようないて欲しくないような……そうだ風呂問題があったからまだいてくれよ紅優〜!』」


紅優「そんな顔すんなよ当溜、また来るから」


萃香「さすがに夜中じゃないわよね?」


紅優「明日だよ、明日!」


当溜「また明日ね、紅優『帰るのか……』」


 紅優は帰って行き、そして僕と萃香は今からお風呂に入る事になった。


萃香「ほら、バンサイして当溜」


当溜「バンサ〜イ『マジで?僕と萃香が今から風呂に!激ヤバ案件だ!目隠しプリーズ!』」


 素直に言う事をきく僕をみて萃香は複雑な表情だった、1人で入れると言い張った時の僕と今の僕はずいぶんと違うからだ……


 いや、コレ演技だから本当は1人で入りたいんだよ!けど萃香は一度言い出したら確実に実行するタイプだから絶対に1人ではお風呂に入らせてはくれないし結局素直に従うしかないんだよ


萃香「待って、身体を洗ってから湯船に入るのよ」


当溜「は〜い『幼女のように振る舞え僕、そしてなるべく萃香の身体な見るなよ僕』」


 今の僕の中身はまるで幼女そのものだと萃香は思っているに違いない……ごめん萃香騙してるみたいになってるけどホントごめん


 萃香の家の風呂場はお風呂全体と浴槽が広くて、2人で浴槽に入ってもまだ余裕があり、浴槽はユニットバスでシャワーは節水機能付きのニャノバブルなるなんか凄く細かい泡が出るらしい


萃香「当溜、お湯かけるから目を(つぶ)ってね」


当溜「は〜〜〜い『よし、目を瞑れば見えないな!』」


 萃香に身体と髪まで洗ってもらい僕はさっぱりした、そして今は湯船に浸かっているしかも向かい合って……


当溜『ねぇ萃香さん!向かい合う必要ありますか?僕、目のやり場に困るのだけど……………反対向いてもいいですかね?』


萃香「ねぇ当溜」


当溜「うん?『ふぁい、なんでしょうか?』」


萃香「今の当溜は前の当溜とどう違うの?」


当溜「わかんない!ただ萃香とこうしてお風呂に入るのは本当はいけない事って思っている僕と、そうじゃないよって思っている僕がいるみたい『っと、言う事にしてください!ごめんなさい萃香さん、僕はもう幼女です責任は取れません!なんなら養女として迎えてください幼女だけに………風呂場ですべるのはヤバいないろんな意味で!』」


萃香「あたしとお風呂に入るのはいけない事かぁ『それならまだ中に高校生の当溜はいるって事よね!ソレが確認出来ただけましか……それにしてもぜんぜん平均そうね当溜はあたしの裸に魅力を感じないのかな、(へこ)みそう』」


 見るからに表情が暗い萃香、そんな萃香を見て僕は思わず言ってしまた。


当溜「そうだ!萃香の裸、綺麗だね紅優が見たがるのも無理ないかも『やばっ、コレ言っちゃいけない事だったかもバレたかな?』」


萃香「え!あ、ありがとう『嘘!興味がないんじゃなかったの?ポメラニアン!じゃなくて褒められたよあたし』」


  僕は笑顔で萃香の裸が綺麗だと褒めたのだ


 その効果はバツグンで表情が明るくなったが、萃香は顔だけでなく全身を赤く染めていた……いやホント綺麗ですよ萃香さんけどコレは合法的なのか?僕は幼女で元男で幼馴染みの女の子と一緒に風呂に入っているというこの状況……普通はアウトだよな誰か教えてよ〜ヘルプミー!


萃香「『まさかあたしが当溜に褒められる日が来るなんて、しかも褒め殺し……でも幼女なのよね』いいんだか悪いんだか、わからないわね」


当溜「何か言った?『内心ドキドキモノだな』」


萃香「何も言ってないわよ『脳内リピートしとこうかなさっきの当溜の言葉……失敗したわ、ICレコーダーをこっそり仕掛けておけば録音出来たのに!ちょっと悔しいわね』」


 こうして僕は幼女として幼馴染みとの不思議な共同生活をする事になった


                    

幼馴染みの女の子と入浴、男子なら喜ぶ事ですが当溜には刺激が強すぎたみたいですね

次回は少しだけ真実に紅優がたどり着きます

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              福望華雫でした

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