ログイン2 幼女になっちゃった(中編)
貧乏高校生 当溜。格安ボロアパートに住みバイトをして生活費を稼ぐのが彼の毎日だった。明日から学校が夏休みに入る事で浮かれていた時に偶然おもちゃ屋で最新のVRヘッドギアを見つけ購入した。さっそくVRゲームを始めたまでは良かったのだが、本来なら無いはずのVRヘッドギアのホームにログインを果たした。彼は大嘘をつくAIの言う事を真に受け全てにYESと応えてしまった。身体構造スキャンを許し、問題箇所のリペアとしてハルモニア光なる謎の光を実際の身体に照射された。問題は解決したのだとAIに唆されてゲーム世界に送り出されてしまう。しかしこの事が当溜の生活をガラリと変えてしまう重要な出来事だった。ログインしたゲーム内でも問題が発生した。選択出来る性別が女性のみで男性の選択は不可能だった。なんとか女性アバターを男性的な姿に作る事に成功したが、間違えてランダム作成を押してしまい完成したアバターは幼女だった。
♤守ってください幼女な僕を♡
縮めて『守幼』をよろしくお願いします
シャーロット「なぜだWHY!『僕の声はどこいったんだ?この幼女声が今の僕だと言うのか!』」
ここで1句
僕男子
いつの間にかに
幼女声
byシャーロット
シャーロット「なんか五七五作っちゃったよ僕、そんな趣味ないのに!」
自分でノリツッコミしていたら、行き交う人たちを縫うように1人の少年プレイヤーが僕に近づいて来た。
さっきの女性たちは大学生くらいな気がするが、この少年プレイヤーは現実の僕と同年代だと思うたぶん。
少年プレイヤーの装備は革製の防具で部分的に金属(ゲーム初心者の僕では何の種類なのかまではわからない)が付いてた、両腰にどちらも同じ形状の剣を下げていているので二刀流かもしれない。
シャーロット『二刀流くらいは僕でもわかるさ、スポーツで二刀流の選手が活躍中とかニュースで見るし』
彼は僕と同じ目線にするため、片膝立ちになって語りかけてきた。
少年プレイヤー「やぁこんにちは!俺はベニって言う名前だよ、それでキミの名前はなんて名前かな?」
ベニは爽やかなイケメン顔で現実にいたらさぞモテるだろうが、幼女の姿とはいえ僕は男だからこんな顔には騙されない
名乗るのはいいが、初っ端から名前を聞くか?普通はもっとお近づきになって改めて聞くんじゃないのか
シャーロット『ん?それってお見合いの時だっけ?って僕お見合いした事ないけどね!』
ささやかな抵抗として僕は顔を背けた、対処方法がわからないわけではないがなんとなく気にくわないからだ!
その【イケメン顔】がな!
ベニ「ん?どうして顔を背けるのかな」
シャーロット「だ、だってイケメン過ぎるから……『悪いなイケメンくん、どっか行ってくれ』」
ベニ「あはははっ!なるほどイケメン過ぎるか、ちなみにどの辺かな?」
シャーロット「見た目が『しつこいな!(怒)しつこい男は嫌われるぞ!』」
ベニ「見た目とはね『ちょっと、おませさんなのかなこの子は銀髪でオッドアイしかもロリっ娘でエルフか濃い属性だな!』」
シャーロット『何じろじろみてんのさ?………コイツ、見た目がイケメンは否定しないのかよ!』
ベニ「それでキミは迷子で合ってるかな?」
シャーロット「ちがっ、違います……『危な!男口調になりそうだった、なるべくなら僕が男だという事実は隠した方がいいよな?よし、幼女のふりだ!』」
見た目が女性で中身が男性だとネカマとか言われるのだとネットで見たからな、僕が男子高校生で今は幼女なんて知れたらコイツに何されるかわかったもんじゃない。
ベニ「違うか……ただね、キミみたいな幼い少女を1人にすると危ないんだ!いろいろな意味でね」
シャーロット「危ないって、どんな風に?『危ないのはお前だろ!幼女に声掛けを現実でもやってんのか?誘拐犯か?』」
ベニ「う〜んそうだなわかりやすく言うと悪い人に嫌な事をされちゃうって事かな」
シャーロット「意地悪されるとか?『今の僕にはそのイケメン顔が意地悪そのものだけどな!』」
ベニ「まぁ近いかな?『意地悪の度を越えた悪質で性的な嫌がらせとか言えないしな、こんな小さな女の子にさ……』」
このゲームはR指定とかはなくて本人さえ許可すれば身体を触る行為なども出来るため、裏では性的な嫌がらせが後をたたないからベニは遠回しに意地悪と言ったのだ。
特に女性や小さな子供(男女関係なく)がターゲットになりやすいから目の前にいる少女を何とか保護出来ないかと思っているベニ。
シャーロット『何がキリッとした顔で「まぁ近いかな?」だよ!ふざけんなよこのイケメンが!僕はこれからギルドに行くんだ邪魔しないでくれないか』
ベニ「まぁそれで、キミをギルドに案内しようと思うんだけど……俺と来てくれるかな?」
シャーロット『何!ギルドだと!ムムムッ場所がわからんし…………コイツに案内させてやる方が得策か、いいとも行ってやろうじゃないか』
その申し出を僕は笑顔で受ける事にした。
シャーロット「あの、よろしくお願いします『くっ、案内だけだぞ!終わったらすぐ帰ってくれ』」
ベニ「よ〜しじゃあ、俺が責任を持って連れて行くよ」
そうは言ったが、ずいぶん達者に喋る僕をじ〜っと見てベニは言う。
ベニ「キミ、もしかしてランダム作成したの?」
シャーロット「えっ、なんで分かったの?『何っ!コイツはエスパーか?まさか僕の心の声まで聴けるとか言わないよな、そしたら今までの心の声がだだ漏れじゃないか!僕の命もヤバいなコイツから早く離れないと!』」
心の声が聴けるヤツは大抵なんか変な組織とかに追われていて命を狙われているはずであると、凝り固まった思考(ラノベ知識)で決めつけていた僕だが……
ベニ「その姿が普通のアバターじゃないみたいだったからなんとなくね、それにエルフってなかなか選ぶ人少ないし『エルフって扱い辛く不人気な種族だからなぁ……』」
シャーロット『まぎわら系はお前もか!驚かせるなよな、姿で判断かよ!ってエルフってヤツは選ばれないの?』」
僕は改めて自分の長い右耳を右手で触って、エルフである事をもう一度確認した。
シャーロット『自分で言うのもなんだけどこのエルフ姿は可愛いと思うけどな…………人気がないのかコレは僕、目立ちそうだな』
ベニ『なんだ?自分の耳を触っているな可愛い過ぎるなその仕草、ヤバい変になりそうだな堪えろ俺〜』
シャーロット『ん?コイツ何してんだ、目瞑ってまさか今ここでキスの練習とかしてないよな?相手は僕か?勘弁してよ!そんな趣味ないからね』
お互いに変な思考で噛み合わない2人だった。
僕は気を取り直して質問してみた。
シャーロット「他にランダム作成した人はいるの?『コイツもそうだったら怒るぞ!』」
ベニ「まぁ、ネタでやったヤツもいるって噂は聞いた事があるけど……キミもネタ系だった?」
シャーロット「違うよ!間違えて押しちゃったんだよ『コレはホントだ!僕、嘘つかないし』」
ベニ「そうか間違えてか……そう言えば、キミの名前聞いてなかったよね?なんて名前なの」
シャーロット「僕の名前はシャーロット『なんで名乗んなきゃなんねぇの?とりま名乗るけど!相手が名乗ったのに名乗らないのは失礼にあたるしな』」
ベニ「シャーロットちゃんか、可愛い名前だね」
シャーロット「可愛いの?僕的にはそうは思わないけど?『なんだコイツ、僕みたいな幼女をナンパでもする気か?しかも名前は適当につけただけなのに……可愛いか?シャークサンダーの方がよかったかな?コイツに噛みついてやれたかもしれないしな!』」
ベニ「めちゃくちゃ可愛いじゃないか、見た目と合ってるし」
シャーロット「あ、ありがとう『うわ、勘弁してくれよ!マジか!やっぱナンパか!イケメンが幼女をナンパなんてキモすぎる!そしてさっきの目を瞑るはキスの練習だったんだ!怖っ』」
ベニ「お、おう『やっべぇ〜ぞ!照れてる顔がマジ天使か女神だ、いやエルフか!』」
シャーロット「どうしたの?『早く案内を頼む!そしてコイツとはさっさとお別れだ!こんなヤバいヤツと長くいたくない』」
ベニ「いや、なんでもないさ『どんな仕草も可愛いな』」
そこへ1人のプレイヤーがやって来た。
スカイ「やっほーベニ!ってアレ?何その子、銀髪で可愛い♡しかもオッドアイだ」
どうやらベニとは知り合いらしい。
シャーロット『ポニーテールのお姉さんか、なんかすんません!僕こう見えて男なんです……なんて言えないな』
ベニ「この子はシャーロットちゃんだ」
スカイ「シャーロットちゃんか!あたしはスカイって名前だよ」
シャーロット『このお姉さんはスカイさんて言うのか、スカイねぇちゃんって言ったら怒られるかな?』
スカイと名乗った彼女の装備はほぼベニと同じ革製の防具(金属はついてない)と外套を着ている、見た目的に魔法使いなのかな?腰の左側に短剣を下げている。
スカイさんは膝立ちになり僕の目線に合わせてくれてた。
シャーロット「僕の名前はシャーロットです、ちゃんはつきません」
スカイ「うわ〜可愛い!僕っ娘なんだ」
シャーロット『すみません!スカイさん僕っ娘ではなく、僕息っ子です』
ベニ「コレからギルドに案内しようとしていた所なんだが、一緒に来るか?」
スカイ「行く行く!」
シャーロット『凄い笑顔だなスカイさん、るんるん気分でピクニックみたいな感じだ見てて悪い気はしないから良いか』
話しがまとまり2人は立ち上がったが身長の差が激しかった、ベニが1番背が高くて次がスカイさんそして僕は2人を見上げなければならないほどの低さだった。
ギルドに向かっている最中は他愛ない会話で道中を楽しませてくれたベニとスカイさんだった……………いや、ベニの話しは1ミリも楽しくなかったぞ。
ベニ「ここがギルドだ」
ギルドは幼女になってしまった僕の目線で見てもとても大きな建物で、ずっと見上げていると首を痛めてしまいそうだと思ったがここはゲームの中なのでその心配はなくほっと胸をなで下ろした。
ギルドの場所は東の大通りのど真ん中で、周りの建物が小さいのでとても目立っていた。
シャーロット「おっきいな……『この幼女サイズで見るとまるでビルだな』」
ベニ『よ、幼女の「おっきいな」の発言はやばいって変な勘違いしそうだ』
スカイ「さあ、中に入りましょう『ベニの様子がなんか変ね?』」
ギルドに入ると人はまばらでほとんどいなかった、壁にはなにやら張り紙が張ってあるボードがあり奥の方には酒場のようなエリアもあった。
受付嬢「こんにちは、本日はどのような……」
僕を見た受付嬢は固まった。
シャーロット『ん?どうしたんだ、ピタリと止まって動かないぞ?』
受付嬢『な、なんて可愛らしいのあの子』
スカイ「あの〜もしもし、お姉さん!お〜い戻ってこ〜い」
受付嬢「はっ失礼しました!ほ、本日はどのようなご要件でしょうか?」
ベニ「この子の登録をしたいんだけど?『いや気持ちはわかるよ、こんな可愛い幼女を見たら誰だって目とれるさ』」
シャーロット「登録よろしくお願いします、お姉さん」
受付嬢「か、かしこまりましたコチラへどうぞ『はわわっ何この子、可愛い過ぎ』」
受付嬢が奥にある部屋に案内してくれた。
スカイ「こんな所に案内されたの初めてなんだけど?」
ベニ「ここはVIPルームだな」
シャーロット「VIPルーム?『どうでもいいけど、なんでコイツまでここに?』」
スカイ「大物の人を特別に持て成す部屋の事をVIPルームって言うのよ」
シャーロット「僕たち大物?『現実ではただの貧乏男子高校生だが?』」
スカイ「大物はたぶんシャーロットちゃんよ」
シャーロット『いや、それは無いですよスカイさん僕は小物です見た目通り………見た目って言うんじゃなかった〜テンションが下がる〜メンタルが〜』
自爆発言を心の中で投下してしまい、メンタルが一気に急降下していく僕
ベニ「以前は受付で終わったんだけどな」
シャーロット『ほーそうか、受付で終わったお前とVIPルームに通された僕とでは雲泥の差だな!良し、そのまままわれ右して帰りたまえよベニくん』
奥の部屋に行っていた受付嬢のお姉さんが帰って来たが、そのすぐ後ろを歩くもう1人の女性がいた。
もう1人の女性はおヘソを出してるファッションで、美人でとても魅惑的なボディの持ち主だ。
シャーロット『ヘソ出しファッション?お腹冷えそうだなってゲームの中ならそんな事無いか』
すぐ横を見るとベニはだらしない顔になっていたが、スカイさんにひじ打ちされ正気に戻されていた。
シャーロット『アイツなんか残念なイケメンだな……リアルの知り合いにもそんなヤツがいるな僕の親友だけど最近会話してないな』
目の前にある豪華なソファーに座る事を促されて座る僕たち、受付嬢は立ったままそこにいて向かいのコレまた豪華な椅子に先ほどの女性が座る。
受付嬢「コチラのお嬢様が登録をご所望です」
シャーロット『僕、お嬢様では無いですがご所望ではありますよ』
女性「うむ、登録をしたいと言うのはお嬢ちゃんかな?」
シャーロット「はい、そうです『う、緊張する』」
女性「う〜んエルフか、ずいぶん幼い姿だがソレはカスタマイズかな?」
シャーロット「カスタマイズ?『なんだそれは?カスタードなら知ってるが?一度だけ食べた事があるが美味しかったな〜あの甘いクリーム……よだれが出そうだな』」
スカイ「キャラクターメイキングで細かく調整出来る事をカスタマイズって言うのよ」
シャーロット「あぁ、キャラクターメイキング!間違えてランダム作成を押しちゃったヤツだ『コレはホントの事ですが?』」
女性「何、間違えただって!それでその姿に?偶然にしては完成度が高いな」
受付嬢「キャラクターメイキングではよくありがちで間違いやすい位置にボタンがあると、本社ではクレームがあがって来てましたよ」
受付嬢の突然の暴露1発目。
シャーロット『そうなんだよ!なんですぐ隣にあるの?もっと離れた位置にボタンを配置してよ!間違えて押しちゃったじゃないか』
スカイ「本社?」
ベニ「クレームとも言ったな」
シャーロット「?『何の話だコレ?』」
スカイ「(ひょっとして、この人達はプレイヤー?)」
ベニ「(本社それにクレームなんて言葉は普通使わない、もしかしたら2人共ゲーム開発会社の関係者かもな)」
シャーロット『2人して何コソコソ話してんだろう?』
女性「口が軽いなキミは」
受付嬢「すみません、ついうっかり」
シャーロット『うっかりミスって僕もやっちゃうよ、バイト先でついうっかり皿割っちゃったりさ……バイト先の店主さんあの時はすいませんでした!って今は関係ないか』
女性「まぁそれはそれとして、ランダム作成か見た目が幼いのはいいとしても……フム」
シャーロット『見た目が幼いのはいいの?なら早く登録プリーズ』
しばらく考え込む女性はある提案をして来た。
女性「登録は受理しよう、だが条件がある」
スカイ「条件?なんですかその条件とは」
シャーロット『なんか嫌な予感がするな』
女性「そのなんだ……お嬢ちゃんを抱っこしてもいいかな?」
受付嬢「あっ、ずるいですよギルドマスター」
受付嬢の突然の暴露2発目。
シャーロット『待て待て待て待て待て!なんだその条件は聞いてないぞって今聞いたか、いやとにかくその条件無しで頼むよ!お願いします』
ベニ「へ?ギルドマスター」
スカイ「そんな偉い人が何故ここに?」
シャーロット『ギルドマスターは偉いのか、ヘソ出しファッションの偉い人……どこそこの会社の偉い人がヘソ出しファッションで仕事をしているなんて現実にはいないな絶対アウトだよ!』
ギルドマスター「まったくキミは!学習能力は無いのか?」
受付嬢「でも、抱っこは私もしたいです」
シャーロット『しなくていいです!やめてください!お願いします登録だけにして下さい』
ベニ『凄いなシャーロットちゃん、ギルドマスターと受付嬢に抱っこされるのか……俺もしたいな抱っこ!いやここは敢えて俺はギルドマスターに抱っこされたい』
スカイ『あんなに可愛いいなら誰だって抱っこしたくなるよ、うんうんわかるよ!あたしも抱っこしたいな』
ギルドマスターと受付嬢が言い争う中、ベニとスカイも密かに僕を抱っこの対象にしていた……
1人不穏な考えをしている不届き者もいたがそれを僕が知る事はなかった。
結局押しきられて抱っこされる事になる僕。
ギルドマスター「こんなに可愛いのかぁ、あぁ~いいな『ワタシも早く結婚してこんな可愛い子が欲しいな〜はっ、しまった相手がいなかったな!まずは結婚相手を探さねばな』」
シャーロット『ぎゃぁ~!ホントに抱っこしたよこの人!マジか!』
受付嬢「ギルドマスター!もう変わってください私の番ですよ『あの顔絶対に自分の子が欲しいって思ってるわ、結婚適齢期過ぎてるくせに!』」
シャーロット『あっ、唐突に思い出した、赤い靴はいてた女の子って歌を婆ちゃんが歌っていたけど【吐いてた】じゃ無くて【履いてた】だよって教えてくれた事を今思い出した………なんで今?』
今、僕は若干走馬灯に近いモノを見たらしいが結構ヤバい状態みたいだ。
ギルドマスターと受付嬢が僕の取り合いをしている。
スカイ「あたしも抱っこしたいな〜」
ベニ「俺も」
スカイ「通報するよ?」
ベニ「すみませんでした」
シャーロット『あんたらも、あんたらで何言ってんの!』
ついうっかり本音が出たベニに通報の1言で黙らせたスカイさんだった。
シャーロット「まだなの?『もうメンタルが持ちません……かろうじて保っているけど限界だよ』」
ギルドマスター「すまないな、もう少しつき合ってやってくれないかな?」
受付嬢「うわ〜可愛い、持ち帰りたいなぁ『そしたらわたしの子供として育ててあげれるのになぁ』」
スカイ「それは駄目です」
ベニ「絶対駄目だ!」
ギルドマスター「持ち帰るのはワタシだ」
シャーロット「僕はモノじゃないよ『できればベニを持ち帰ってくれ!僕はゲームがしたいだけなんだから、そして早く終わりにして〜』」
なんとか抱っこタイムが終わって、登録の準備をしてくれている。
シャーロット『あ〜やっと終わった……なんかいろいろ失った気がするし、走馬灯っぽいモノも見たよ!危なかった』
ギルドマスター「この用紙に必要事項を記入して、スキルを取得すれば職業が決まるようになっているんだ、キミ例のアレの準備は出来てるか?」
受付嬢「はい出来てますよ、コチラのスキル鑑定用の水晶に手を触れて貰い取得可能なスキルを全て検索する事が出来ます」
スキル鑑定用の水晶は、よく占いとかで使うまん丸い玉の様に加工されていていてつるんとしていた。
ギルドマスター「まぁ、人にもよるがせいぜい5〜10個のスキルが出ればいい方だな」
そんな話を聞いたベニは、自身がはじめて獲得したスキルの数を思い出していた。
ベニ「俺は確か7個だったな」
スカイ「フッフッフッあたしは9個よ、勝った!」
ベニ「数で勝ち負けがあるなんて、初めて知ったが?」
シャーロット「スキルの最低数はいくつですか?『コレは聞いておいたほうがいいしな、僕のメンタルのためにも是非とも最低数以上欲しいから』」
ギルドマスター「現在までで確認出来ている最低数は3だったな」
受付嬢「あ〜、まさかのスキルでしたね」
ギルドマスター「あんなのレア度が高すぎるスキルだ【黒龍を使役】と【滅殺の波動】と【隕石降らし】なんて冗談にもほどがある威力のスキルばかりだ」
受付嬢「しかも職業が【魔王を超える者】だなんて、相当強そうでしたよ」
ベニ「それってほぼ魔王じゃん」
スカイ「たぶん、トッププレイヤーの中にいるかもね」
シャーロット「僕もそんなカッコいいスキルが手に入るかな?『いいな【黒龍を使役】【滅殺の波動】【隕石降らし】それと【魔王を超える者】かカッコいいじゃん』」
ギルドマスター「あ〜、そうだな手に入るといいな『たぶん、手に入るのは可愛らしいスキルだろうがな』」
鑑定されたスキルはすぐに取得されて自動で先ほどの用紙に記入され職業もコレで決定するらしいし、その用紙をストレージに入れメニューを開くとスキルの確認やその他ステータスもようやく見れる様になるとか聞いた。
類似のスキルや関連するスキルを手に入れた場合は統合されて新たなスキルに変化するとか、しかし中にはゴミと呼ばれるスキルもあるらしい。
スキルが統合されるには条件があり、その条件を満たすと統合されるみたいだ
シャーロット『スキルを取得して職業が決まるか……どんな職業になるかな少しは期待してもいいよね?だってそろそろ良い事が起きないとおかしいじゃないか、こんなに落とされ続けるんだからここで良い職業を下さい!頼みます』
そして準備が整って僕が水晶に触れた瞬間、眩しいくらい水晶が煌々と輝く。
ギルドマスター「なんだ!この強烈な光は?」
スカイ「何コレ!眩し過ぎ」
ベニ「サングラスが欲しいぞ!」
受付嬢「こんなに光るなんて、どうして?」
シャーロット「目、開けてられない『直はきついって』」
ギルドマスター「まだ手を離しては駄目だ!光が収まるまで我慢するんだ、いいね!」
シャーロット「は、はい『こ、コレは期待した通りの展開来た〜〜〜!!!』」
水晶の光がおさまるまでかなりの時間がかかったが、登録用の用紙に僕のステータスが記入された。
【ステータス】
ID :14837
名前 :シャーロット
性別 :女
種族 :エルフ
職業 :ぬいぐるみ使い
使用可能武器 :ぬいぐるみ各種
冒険者ランク :JUNK
状態 :健康な幼女
LV :1
HP(体力) :5
MP(魔力) :8
SP (スタミナ) :1
STR(筋力) :1
DEX(器用) :7
AGI(俊敏) :1
TEC(技量) :6
VIT(耐久力) :2
LUC(運) :10
en(お金) :1000en
EXP(経験値) :0
NEXT(次のLVまで) :100
スキル 鑑定眼 氷帝眼 愛嬌 幼女領域
逃げる 身体を丸める 甘党 猫舌
ぬいぐるみ魂込め
称号 銀髪オッドアイロリっ娘エルフ
称号効果
✦相手が敵視してなければ溺愛される
相手に庇護欲が芽生える
✦夜の9時を過ぎると強制的に眠る
そこがどんな所でもかならず寝る
良い子は早く寝るのが基本ですよ
✦とても非力で戦闘向きではない
短剣すら持てない
お箸とスプーンとフォークはもてます
良かったね♡
✦幼女特有の甘い香りがする
上質なミルクのニオイ
✦いつでもすべすべもちもち肌
化粧水いらずで羨ましいですね
✦1LVUPで必ずスキルを1つは取得できる
せめてゴミスキルと言わないであげてね
ゴミスキル改め幼女スキルと言いましょうね
✦???
現在確認できません
称号 最弱ロリフェッショナル
称号効果
✦守ってもらうことで経験値が入る
守られ1回につき10の経験値が入る
✦LV10の位が増える事に上記の効果が倍増する
LVの10の位が増えると
[守っもらうことで経験値が入る]の効果で
入る経験値が+10ずつ増えていく
(例:LV10で+20、LV50で+60と増え続ける)
✦寄生では無い
〘複数の称号を持つ場合は相乗効果がある〙
シャーロット『って、なんじゃぁこりゃー!めっちゃ低い!低すぎるなんだこの数字は、バグってやつか?ほぼ一桁だよ僕のステータス』
余りにも酷いステータスだった。
シャーロット『さっきの強烈な光で期待してたのに上げて落とされたよ!絶対いいヤツ来るって思うじゃん、なんでさらに落とすんだよ!奈落の底まで落ちたとかひどくない?』
ギルドマスター「なっ何だ!このステータスの数値は、低すぎじゃないか」
ベニ「HPとかほとんど一桁で、LUCだけ10ってNPCよりも低いな」
受付嬢「そんな、こんな事っていままでなかったですよね?」
ギルドマスター「冒険者ランクがJUNKだと、そんなランクあったか?」
受付嬢「え〜と、はいあります……ただ」
ギルドマスター「ただ?どうした」
受付嬢「測定不能の超最下位ランクで説明では「鑑定の結果何の能力もない者に与えられる」とあります………そんなの可哀想です」
ギルドマスター「いや、何の能力も無い理由ではないぞ!鑑定眼と氷帝眼とか言う聞いた事無いスキルを持っているじゃないか」
ベニ「鑑定眼か、鑑定する事ができる眼って事か?」
スカイ「氷帝眼は、氷の帝王の眼とか?なんにしても使ってみないとわからないスキルね」
ギルドランクの一覧を受付嬢がみせてくれたが……
【SSS】 ギルド上での最上位ランク
【SS】 ギルド上での上から2番目ランク
【S】 ギルド上での上から3番目ランク
【A】 ギルド上での上から4番目ランク
【B】 ギルド上での上から5番目ランク
【C】 ギルド上での中間ランク
【D】 ギルド上での下から5番目ランク
【E】 ギルド上での下から4番目ランク
【F】 ギルド上での下から3番目ランク
【G】 ギルド上での下から2番目ランク
【H】 ギルド上での最下位ランク
鑑定の結果何の能力もない者に与えられる不名誉な称号
【JUNK】 測定不能の超最下位ランク
ランクアップ方法は各ランク事に一定以上のクエストをこなせれば1ランクアップする
シャーロット「Hですらなく、JUNK……『JUNKって何?あの有名な少年雑誌か?』」
ベニ「ど、どんまいシャーロットちゃん『ヤバい落ち込んでる、幼女の励まし方なんてわからないぞ!』」
スカイ「く、クエストをこなせばランクUPできるはずよ!だからそんなに気を落とさないでね『可哀想ねこんなに落ち込んで、あたしならもうゲームを辞めちゃうわねなんとか元気づけてあげないとね』」
ベニはともかくスカイさんに励まされて、だだ下がりだった気分が少しは回復したがショックは大きかった。
ギルドマスター「職業がぬいぐるみ使いか、確か武器がぬいぐるみでも攻撃力などが高かったはずだな」
スカイ「あっ、でも幼女とぬいぐるみは合うかも♡」
ギルドマスター「それと称号が最弱ロリフェッショナル?」
受付嬢「守ってもらうことで経験値が入るって書いてありますよ」
ベニ「守られ1回につき10の経験値が入るか……ん?LVが上がれば増えるみたいだな」
スカイ「夜9時を過ぎると強制的に眠るって、なんで時間指定なの?」
スキルを確認したがわからないモノが1つあった。
シャーロット『幼女領域ってなんだ、読み方は………え、ママゴト???あのママゴトかな小さな女の子が人形とかで遊ぶあのママゴト?』
なんかほとんど戦闘に関係ないモノばかり、コレって僕は非戦闘員って事か?
シャーロット「さ、最弱過ぎるよ……もう泣いちゃいそうだよ僕『幼女だけで無く、最弱の非戦闘員とか無くない?』」
もう僕のメンタルがもたないだろうから、ここまでにしようとギルドマスターの1言でみんなは沈黙した。
僕は約束通り登録をしてもらえたがゲームをするには余りにもデメリットが大き過ぎる結果となった。
シャーロット『コレって……僕はこのゲームを1人では冒険できないのか?』
この後シャーロットちゃんの冒険はどうなるのか?次回は後編です!
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福望華雫でした