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ログイン1 幼女になっちゃった(前編)

貧乏高校生 当溜。格安ボロアパートに住みバイトをして生活費を稼ぐのが彼の毎日だった。明日から学校が夏休みに入る事で浮かれていた時に偶然おもちゃ屋で最新のVRヘッドギアを見つけ購入した。さっそくVRゲームを始めたまでは良かったのだが、本来なら無いはずのVRヘッドギアのホームにログインを果たした。彼は大嘘をつくAIの言う事を真に受け全てにYESと応えてしまった。身体構造スキャンを許し、問題箇所のリペアとしてハルモニア光なる謎の光を実際の身体に照射された。問題は解決したのだとAIに唆されてゲーム世界に送り出されてしまう。しかしこの事が当溜の生活をガラリと変えてしまう重要な出来事だった。ログインしたゲーム内でも問題が発生した。選択出来る性別が女性のみで男性の選択は不可能だった。なんとか女性アバターを男性的な姿に作る事に成功したが、間違えてランダム作成を押してしまい完成したアバターは幼女だった。


♤守ってください幼女な僕を♡ 

縮めて『守幼』をよろしくお願いします



 僕の名前は【前髪当溜(まえがみあたる)】現在16歳の高校1年生だ。


 身長はクラスで前から2番目小柄な身体と軽すぎる体重なのが悩みの種で、クラスの女子からは小動物みたいと揶揄(やゆ)されている。


当溜「昨夜風呂上がりに体重を計ったら39.7キロだったな男子にしては軽すぎだよなぁ〜小動物って言われても無理ないか」


 高校に入ってすぐに家を出て1人暮らしとバイトを始め、多少の不自由はあるもののそれなりにちゃんと暮らせている。


 僕がまだ小さかった頃は家庭環境は今よりも最悪で両親はほぼ別居状態だった。


 母親の実家に親子で戻り暮らしていたが母の父……僕からすると爺ちゃんが、自分の娘に「出戻(でもど)りめ」と毎日のように言っていた。


 そんな爺ちゃんだが、僕には何も言わなかったし何もしてはくれなかった……物を買って貰った記憶すらない。


 母の実家では、爺ちゃん・婆ちゃん・母・僕の四人で暮らしていた。


 家計が毎月の様に火の車で、欲しい物は買って貰えずに我慢の連続だった。


 まぁ、要するに僕の家庭は貧乏だったという事だ。


 そのせいもあってか僕はコレまでの人生で一度もゲームをした事がなかった、しかしそれも今日限り。


 ついに念願のフルダイブ専用VRヘッドギアを手に入れたのだ!


当溜「まさかの灯台下暗しだったよ、日頃の行いがいい僕だから見つける事が出来たんだな♪」


 学校からの帰宅途中のおもちゃ屋で偶然、最新のVRヘッドギアが入荷してあるのを見たので即買いした。


 バイトでコツコツ貯めてたお金を、購入のためパ〜っと使った事に悔いは無い。


 家賃が格安のボロアパートで風呂トイレ付き1Kに住み、生活費等はバイト代を当てている状態でVRヘッドギアの購入は相当痛い所だが嬉しさが上回りテンションは急上昇中だ。


 飛んで行ったお金はまたバイトで取り返せばチャラだし、そして明日からは夏休みだ存分にゲームを堪能出来る。


当溜「バイトも今日と明日は休みだし、初ゲーム楽しみだな〜♪早く帰ろうっと」


 帰宅後スウェットに着替えてさっそく箱から取り出して接続を試みるが、接続方法がわからない適当に繋いでみたがコレで合ってるのかもわからない。


 誰かに聞こうにも周りにヘッドギアを持っている人いたかな?


 たぶんいるな2人ほど、幼馴染みが………最近会話と言う会話をしてないからなどうしたものかなと思っていたら忘れてましたよ中古で買ったPCちゃん。


当溜「そうだ、PCちゃんで調べよう」


    PCの検索画面を開いて調べる。


当溜「検索っと、最新のVRヘッドギア繋ぎ方は……おぉ〜あったなるほどこう繋げればいいのか」


 PCの画像を見ながら、接続チェックをしてなんとか終わった。


 あとはネット回線を安定させるために今使っているPCに有線で繋ぐだけ………なんだけど肝心のPCが古いが大丈夫かなと思ったら接続したらいけた。


 中古ショップでスマホとついでにPCを買ったからな、古い形のPCだからと思ったがどうにかなって良かった。


 ちなみにスマホはバイトの連絡のためで、PCはスマホとセットで買うとお得なのだと店員さんに勧められての購入だった。


当溜「グッジョブPCちゃん!やるなお前!」


 役立ってくれるならPCちゃんを買った意味があったなと思う。


 接続が完了したのでゲームソフトをダウンロードをする、そして僕は改めてVRヘッドギアを手に取ってみた。


 ゲームソフトは本来なら購入しなければならないが、なんと僕は幸運にもおもちゃ屋の購入特典のくじ引きでゲームを購入出来る金額と同じ額の専用コードのカードを当てたのだ。


 そのおかげでNOマネーで済んだのはありがたい。


 このヘッドギアはまるっきりヘルメットと同じ構造なのだが、違う点があるとすれば目の前を完全に覆うので暗所恐怖症の人では絶対にできないだろうなと思う。


当溜「これが僕のVRヘッドギアだなんて!自分の物を買ってもらった事無いもんな〜嬉しいな♪」


 フルダイブのVRゲームとはどんな世界なのかと、わくわくが止まらない僕。


 【ゲームソフトのダウンロードが完了しました】


 PCの画面にゲームソフトのダウンロードが完了しましたと表示された。


 良し、準備は整った後はログインすればゲームが出来るぞ。


当溜「戸締まり良し・部屋の空調はオンボロクーラー作動の確認OK・ネット回線状態は良好・トイレ問題……いま行っとくか、コレでいつでもいけます状態だな!」


 トイレで用を済ませてに戻り、ちょこっと水分補給した。


 現在は真夏で外は陽射しが強く、熱中症の危険もあるから水分補給は大事だ。


 VRヘッドギアを頭に装着して敷きっぱなしのカビ臭い布団に寝転んで準備完了!


当溜「後でこの布団干さないとな……臭うな」


 後はもう、ゲーム起動のキーワードを唱えれば即ゲームにログインできるはずだ。


      未知の世界へGO!だ


当溜「行くか!「シンクロハルモニア」」


 僕はゲームにログインするキーワードを唱えた……


      しーーーーーーーん


当溜「あれ、うん?唱えた……よね」


 キーワードは合ってるゲームソフトもダウンロード済みだ、電源も入っているし何故ログインできないんだ?


 するとその時だった、PCからなんか凄い音を出して何かのプログラムが作動しているようだった。


        ウィーーーン

      ガガガッピーガガッピー


   【ハルモニアホームアクセス開始】


       PCの画面には

【ハルモニアホームアクセス開始】なる文字が表示されていたが、僕がその画面を見る事はできなかった。


       キュイーーーン


 ヘッドギアから妙な音が聞こえて来て外して確認しようとしたその時、僕はなんとも言えない妙な感覚に襲われていた。


当溜「な、なんだコレはグニャグニャしてる感じがする気持ち悪いな」


 寝ているはずなのに、平衡感覚がズレて立っている様になったり逆さまになったりしてる錯覚が起きているようだった。


      そしてフッと思った。


当溜「この世を去る時はこんな感じかなぁ……あれ?それって、僕ヤバくね?」


 そこで僕の意識は現実から切り離された。



〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰



 次に意識を取り戻したらそこは、何も無い【真っ白な空間】だけだった。


当溜「ゲームの中じゃないみたいだな……どこなんだろうココは?まさか異世界か!いや天界かもしれない」


 よくラノベとかにある展開で異世界転生ではないかと疑うっていると、突然ソイツは僕に呼びかけてきた。


謎の声〘ようこそハルモニアへ〙

 謎の声が聴こえて(あた)りを見渡すが誰もいなかった。


当溜「だ、誰ですか?『まさか女神じゃないよな……いつの間にか僕は(ピー)んでて異世界転生を出来ますよとか言わないよな?』」


AI〘私はAIです、あなたをゲームに案内する為に私はいますが実体はありません〙


当溜「なぁ〜んだAIか………『って事はココは仮想世界か?なるほどなそうかそうかそう言う事か、……まぎわらしいな!女神が住む天界かと思ったわ!』」


 なんともまぎわらしい空間とAIだな、わざわざ真っ白な空間まで用意して誰だって勘違いするだろこんな展開は!さてはまぎわら系だな!


AI〘ココに何も無いのはあなたがさまざまなコンテンツを使う事であなた色になる空間なので始めは真っ白です〙


 例えばゲームを沢山すればゲームの空間になり、映画鑑賞をすれば映画の空間になるのだとAIは教えてくれたが……あなた色ってどんな色なんだ?


当溜「僕がゲームをするにはどうすればいい」


AI〘まずはVR適性検査をいたします〙


   〘それではVR適性検査を開始します〙


当溜「やっと本格的なヤツが来たな『あれ、それってこんな所でやる事なのか?まぁいいか』」


 〘身体構造をスキャンしますがよろしいですか〙


        〘YES・NO〙


当溜「コレ押せばいいのか?『タッチパネルか?たまに反応してくれないから苦手なんだよなぁ』」


AI〘ハイ、押してスキャンを開始してください〙


        〘YES・NO〙

         ⬆ピッ


 AIに言われた通り選択肢のYESを押した。


〘スキャンが開始します、少々お待ちください〙


当溜『静かだな?静音で赤ちゃんにも優しい設計とか掃除機かよ!………赤ちゃんはVRヘッドギア被れないか』


 ぜんぜん音はしないのでスキャンされてる感覚はなかった。


 しかし現実ではヘッドセットの一部がぱかっと割れて内部から折りたたみ式のアーム状のモノが左右に2本ほど飛び出し奇妙な光を出して僕の全身をくまなくスキャンしていたのだ!


    〘スキャンが完了いたしました〙


〘脆弱ではありますが問題箇所が判明しました〙


当溜「え?問題箇所……どうすればいい『あ、そう言えばトイレ行った後ズボンのチャック閉めたっけ?そこか問題箇所は社会の窓開いてますよ問題か!あれ?そう言えばスウェットに着替えたような……』」


AI〘落ちついてください、まだ何かあるようですよ〙


当溜「え、あぁ落ちついているよ『まだ何かあるってなんだよ!AIがやってるんじゃないのか?』」


  〘問題箇所をコチラでリペアがきます〙 

 

      〘リペアしますか?〙 


        〘YES・NO〙


      再びの選択肢が出た。


当溜「リペア?………押して大丈夫かコレ?『リペアってなんだスペアリブってヤツの仲間か?名前くらいは知っているが食べた事ないな』」


 YESを押すのをためらう僕にAIが説明する。


AI〘あなたの脳と機械の読み取り箇所でズレがありそれを機械側がズレを修正するみたいなので、そう不安になる必要はありませんよ〙


当溜「まぁ押さないとゲームできないみたいだしな、ポチッと押したぞ『機械のズレってなんだよ!AIお前がズレてるだろ、さっきから自分でやってるくせにまるで別の何かがやってるみたいに言いやがってお前の頭をスペアリブ?しとけよ」


        〘YES・NO〙

         ⬆ピッ


〘ズレを修正する為ハルモニア光を照射します〙


      〘少々お待ちください〙


当溜「ハルモニア光って、なんだ?」


AI〘機械側の接続用の回線を変更する為、別の回線にそのハルモニア光を流し込み回線を通す作業ですよ〙


当溜「VRヘッドギアの名がハルモニアだしな、そんな光があるのか……『最近の機械はよくわからない機能が沢山あるな』」


 AIが言っている事は全部デタラメで実際は現実世界で先ほどのアームの先端からそのハルモニア光という気持ち悪い色の光を僕の身体全体に照射していたのだ、意識が仮想空間(真っ白なこの場所)にある以上この出来事を僕は認識する事はできなかった。


   〘ハルモニア光の照射完了しました〙


      〘おつかれさまでした〙


AI〘それではさっそくゲームにログインしましょうか?〙

        〘YES・NO〙


当溜「決まっているじゃないかYESだ」


        〘YES・NO〙

         ⬆ピッ


   ゲームへのログインが開始された。



〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰



      【VRMMORPGゲーム】


   【ゲームタイトル・忘却のイディア】


 このゲームはプレイヤーのプレイスタイルはソロとパーティーのどちらでもOKで、職業によってはソロの方が有利な場合もあるとテロップが出ていた。


 それとMMORPGではおなじみのクラン言う組織を結成でき、最低限の条件を満たせば誰でも作れるらしい。


 このゲームは他とは少し毛色が違うらしく、なんでも職業は自分では決める事が出来ず取得したスキルで変化するのだとか。


 スキルの取得もギルドでなければ出来ないので初めてすぐにギルドにいかなければならないらしい。


 スキルの取得でギルドに行くのは初回のみで後はLVUPなどで取得可能みたいだ


当溜「職業は選べなくてスキルで決まるのか、まるで人生そのものだな学んだスキルが無いとその職業につけないみたいな感じだもんな!それにギルドはハロワっぽいな」


 説明も入れつつオープニングが終わると、ゲーム世界の景色が映し出された。


 【街】や【村】に【城】と変わり【森の中】や【氷の山】それに【熱波の砂漠】など、わずかな時間でも分かるように映像が流れた。


当溜「コレ本物みたいに見える!あっオーロラだ、うねうねがリアルだなぁ」


      【世界名・シャオリ】


 ワールドマップの全体が表示され、世界の中心地点だけ陸地が無くドーナツ状の大陸が映っていた。


 大陸全体は別にまん丸い形ではないがほぼ全部が陸つなぎに繋がっていて、中央のドーナツの穴に当る部分はどうやら海のようだ。


当溜「コレがこれから冒険する世界の全体マップか、どうやったらこんなドーナツみたいな大陸になるんだろう?」


 ログイン演出が終わりタイトル画面になったので、ゲームスタートを押すとアバター作成画面になった。


 大きな1枚板のプレートが出現してそのプレートにログイン用のIDが表示された。


当溜「このプレートみたいなヤツは画面になっているんだな、大きさはだいたい畳1枚分くらいかな?」


        【ID:14837】


    【パスワード********】


 パスワードを入力すると、キャラクターメイキング用の画面が表示された。


 ログイン用のパスワードはログアウト後にPCで確認可能みたいだ。


当溜「良し、後でパスワードはメモしておこう」


    【キャラクターメイキングエリア】


 ここではあなたの分身になるアバターの容姿や体型を作成していただきます、各種パーツの中からあなたの好みのアバターを作成していきましょう。


      【選べるパーツの種類】


髪のパーツ 眉のパーツ まつ毛のパーツ 鼻のパーツ 口のパーツ 目のパーツ 

体格(数字入力) 腕(数字入力) 脚(数字入力)身長(数字入力) 体重(数字入力)

輪郭(数字入力)


性別固定男性 髭の有無(うむ) 

筋肉の量(数字入力) 漢らしさ(数字入力)


性別固定女性 胸の大きさ(数字入力) 

腰のくびれ(数字入力) 女性らしさ(数字入力)


髪色 眉毛の色 まつ毛の色 瞳の色 

口唇の色 肌の色 


細かくカスタマイズが苦手な方向けの男女それぞれ[A・B・C・D・E]の

5パターンのご用意もございます

(男性5・女性5・合計10)


タトゥー 傷跡 日焼け跡 尻尾 角 翼

種族別の耳 ホクロ そばかす 第3の瞳


種族(多種多様な各種・レア種族有)



当溜「よし、まずは男性アバターを選んで……ん?」


 だがここへ来て初めて違和感に気づく。


当溜「なんだ……男性の項目が選べなくなっているぞ」


 何度やっても男性の項目は灰色になってて選べなかった。


 ひたすら男性の項目を押してみたが、うんともすんとも言わなかった。


当溜「むぅ、かくなる上は……女性アバターか」


 躊躇(ためら)う、すっご〜く躊躇われる選択だ!


当溜「このままじゃゲームができないしな……わかったよ!仕方ない女性アバターでやるよ!やってやるさ」


 もう(なか)ばヤケクソだったが、女性アバターを選び各種パーツをいじってなるべく男性にみえなくもないギリギリを攻めてパーツを選んだ。


 その結果、女性だけどかろうじて男性にみえなくもないアバターが完成した………


 はずだったのに決定ボタンと間違えてすぐ隣りにあったランダム作成ボタンを押してしまいランダム作成が開始されてしまった。


  【  決定  】 【ランダム作成】

 本当はコッチ⇧   ⬆押したのはコッチ


当溜「あれ、待て待て待て!間違えた!キャンセルプリーズ!」


 しかしキャンセルはできなかった、何故ならキャンセルボタンが無いからだ。


キャンセルボタンのかわりに注意書きを発見した。


       ☆注意書き☆


✦よくある質問で性別変更出来ますかとありますが本ゲームは性別変更は出来ません。


当溜「は?性別変更できないって、僕してますけど?変更した覚え無いのにしてますけどね!」


✦ランダム作成をする場合は押す前にもう一度考えてみましょう、ランダム作成は一度切りです人生も一度切りです本当によく考えましょう!取り返しがつかなくなりますよ。

(ランダム作成した場合はその一度で絶対に決定します)


当溜「人生が一度切りなのは当たり前だろ!何いってんだ?それに(ランダム作成した場合はその一度で絶対に決定します)とかふざけてんのか」


✦このランダム生成問題は当事者の問題なので当社はいっさい責任を持ちません。


当溜「いや、持って下さいよ!責任取ってくれませんかね!お願いしますよ社長!」


✦作り直したい場合はゲームを終了してデータを消してから再び始める事をおすすめします。


当溜「作り直しとか無理だろ、またあの真っ白な空間に行かないといけないのか?しんどいぞ」


 衝撃的な内容のオンパレードだった。


当溜「………こうなったら出来上がりに期待するしかないか、はあ〜」




   〘ランダム作成が完了いたしました〙


 出来上がったアバターがプレートの画面に写し出され、その姿を見た僕は……


当溜「は?……ぬぇ……みまっ……なっ!えっ?どうにゃっていふのヽ(`Д´#)ノ ムキー!!」


 もう最後の方は言葉ですら無い顔文字になっていた。


 プレートの画面にアンダーウエア姿のアバターが分割されて写し出された


[正面視点・幼女][背後視点・幼女]

[左側視点・幼女][右側視点・幼女]

[上視点・幼女][下視点・幼女]

[顔視点・幼女]


 どの視点で見ても[幼女]にしか見えなかった、そしてその見た目は……


        幼い体躯

      ぷにぷに頬で童顔

    ちっちゃくて短い可愛い手足

    白く透き通るような滑らか肌

      腰まである長い髪

   アシンメトリーでぱっつんな前髪

    ツヤツヤでサラサラの銀髪

        オッドアイ

 右眼が全てを見透かすようなシルバー色

左眼が冷たい眼差しの様なサファイアブルー色


 もはや神がかった仕上がりで、さらに種族もランダム作成の影響なのか【エルフ】になっていて変更不可能だった。


当溜「なんでだ!こんなツルペタチビロリなんて……あんまりだろ!」


         今まさに


    【銀髪オッドアイロリっ娘エルフ】


    がここに爆誕した瞬間だった。






   【キャラクターの名前が抜けています】

     【名前を入力してください】


 名前の入力が抜けていますと画面にメッセージが出て、仕方なく名前を入力する。


当溜「名前ね……見た目がエルフってヤツかだったら」


 シャー何とかがいいか【シャーベッド】なんか違うな【シャーミット】これも違うな【シャークサンダー】ってサメじゃないか!だめだめ次、え〜と【シャーロック】ホームズかよ!いや待てよ【シャーロット】うん、コレだな!


 アバターの見た目がエルフなのでそれっぽい名前にした、その名はシャーロット。


 名前の入力が終わると「行ってらっしゃいませ」とメッセージが出てゲームの中に転送された。





      【ニュービータウン】


 出だしをくじかされたとしか思えない出来事の連続で、楽しもうとしてたのにテンションだだ下がりになった僕。


シャーロット「はあ〜、なんだよもう!」


 近くにあった噴水の水面に、エルフ顔の僕が映るがなんとも不機嫌そうな顔だった。


シャーロット「せっかく可愛い顔なのに台無しだな……でも本当は男でやりたかったな〜はぁ」


 もはやため息しか出ないが、騒いでも仕方ないから冒険者登録?と言うのをやるためギルドを探す事にした。


 ちなみに今はアンダーウエア姿ではなく初期装備姿で薄茶色で布地の冒険者用ワンピース姿で、下は黒のスパッツと皮製の紐ブーツだ。


 周りを見ると、女性プレイヤーの何人かは初期装備のワンピース姿だった。


シャーロット「同じ服装のアッチの女性は胸が小きいのに向こうの女性は胸が大さいが、なんで服が破れないんだ?」


 ゲームの特性をいまいち理解してない僕にはこの謎はどうしても解けなかった。


 どうやらここは街の中心地で噴水のある広場みたいだ、道には石畳みが敷き詰められていて所どころに木などの植物が植わっている。


シャーロット「この広場を中心に大通りが十字にあるな」


 このニュービータウンは中央が広場で東西南北に大通りがあり、ちょうど真北の位置が闘技場で東と西の通りに多数の店が並び街の出入りは東と西と南だけのようだ。


 沢山の建物が並びお店だけでなく民家もあるようで、NPCと呼ばれる人たちがこの街で生活しているという設定なんだとか。


 冒険者用のお店は、[道具屋・武器屋・防具屋・雑貨屋・プレイヤーが出店してる店・出店各種]の6つでその他の施設は[宿屋・教会・闘技場・牢獄]の4つらしい。


 牢獄は度重なる厳重注意を無視したプレイヤーをGMと呼ばれる管理者によって強制的に投獄されるエリアで入ったらしばらくは出て来れないんだとか。


シャーロット「ゲーム紹介の記事を読んだ時にそう書いてあったな……厳重注意されなければ大丈夫だよね?」


 ちなみに牢獄のあるエリアは秘匿されていて場所は不明と僕が見たネット記事に書いてあったのを覚えている。


 広場には僕以外のプレイヤーが沢山いて、どうやら見られているみたいだ。


女性プレイヤー1「あの子、可愛い」

女性プレイヤー2「ホントだ銀髪でオッドアイだ」

女性プレイヤー3「え?………可愛いけどあの子エルフよ!不人気なエルフを選んだ時点で乙WWW」

女性プレイヤー1「エルフでも可愛い♡」

女性プレイヤー3「まぁ見てるだけなら眼福かぁ」

女性プレイヤー2「あれ、もしかしてソッチ系?」

女性プレイヤー3「何ならショタでもいいけど?」

女性プレイヤー2「やだ〜もう!この同士めww」


 女性プレイヤーたちは喋りながら反対方向に行ってしまった。


シャーロット「今の人たちの会話がさっぱりわからなかったな、さてとギルドって!ん?なんか違和感がある気が………」


   僕はやっと自身の異変に気づいた。


シャーロット「何、このキュートな声は?僕の声じゃない!」

                     

ここから本編が始まるよ〜

前編・中編・後編という流れで作成しています

次回を期待して待ってて下さい

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              福望華雫でした

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