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ログイン13 クラン名は何?

貧乏高校生 当溜。格安ボロアパートに住みバイトをして生活費を稼ぐのが彼の毎日だった。明日から学校が夏休みに入る事で浮かれていた時に偶然おもちゃ屋で最新のVRヘッドギアを見つけ購入した。さっそくVRゲームを始めたまでは良かったのだが、本来なら無いはずのVRヘッドギアのホームにログインを果たした。彼は大嘘をつくAIの言う事を真に受け全てにYESと応えてしまった。身体構造スキャンを許し、問題箇所のリペアとしてハルモニア光なる謎の光を実際の身体に照射された。問題は解決したのだとAIに唆されてゲーム世界に送り出されてしまう。しかしこの事が当溜の生活をガラリと変えてしまう重要な出来事だった。ログインしたゲーム内でも問題が発生した。選択出来る性別が女性のみで男性の選択は不可能だった。なんとか女性アバターを男性的な姿に作る事に成功したが、間違えてランダム作成を押してしまい完成したアバターは幼女だった。


♤守ってください幼女な僕を♡ 

縮めて『守幼』をよろしくお願いします



 ゲームからログアウトした僕を待っていたのは萃香とのお風呂タイムだった


萃香「はぁ〜生き返る〜!」


当溜「萃香、今のはまるでおっさんだよ?」


萃香「あたしと当溜だけなんだからいいでしょ!」


 最近はお互いに恥ずかしがる事も無く、向き合って浴槽に入っていても目のやり場に困る事も無くなって来ていた


当溜「萃香はいいな〜!そんなに大きな胸があってさ」


萃香「あたしの胸が大きいって………当溜?もしかして羨ましいの?『当溜、その反応おかしくない?』」


当溜「僕はもう女の子なんだよ?当然身近な女性の体型は憧れるよ!」


萃香「そうは言っても………『元に戻りたくないの?当溜………』」


当溜「僕なんか変な事言った?」


萃香「言って無いわ………そうねこうして一緒にお風呂に入っているし、憧れてくれるのはちょっと嬉しいかもね『けど複雑ね………欲望の眼差しであたしを見てなんて言えないし!』」


    萃香は少々複雑な表情をしていた


当溜「萃香は誰かを羨ましいって思った事はないの?」


萃香「う〜ん、あたしが羨ましいって思った事は一度だけあったわ」


当溜「それは僕も知ってる人?」


萃香「覚えてるかな、璃治綿(りじめ)茶恋(ちゃこ)さんてお姉さんのこと」


 僕たちがまだ小さかった時に、面倒みの良い年上のお姉さんがいた


 そのお姉さんの周りには同年代の子供がいなかったせいもあって、僕たちと一緒に遊んでくれたのを覚えている


 田舎の少子化問題は相当深刻で、年の差が開いている友だちなんて当たり前にある事だった


 隣町の子供も少なかったし、廃校になった小学校や中学校がいくつもあったらしい


 僕たちの小学校も6年生が1人で4年生が1人と1年生は僕たち幼馴染み3人で全体的に5人しかいなかった


当溜「ちゃこ姉ちゃんの事?覚えてるよ、僕はいつも抱きしめられてたからね」


 そしてちゃこ姉ちゃんは少子化問題の渦中にいたため、年上も同年代もいなくてうんと年の離れた僕たちとしか子供の知り合いがいなかった


萃香「そうだったね、ちゃこ姉ちゃんのお気に入りのあーちゃんだったわね」


当溜「僕ね、ちゃこ姉ちゃんの家に泊まった事があるんだ」


萃香「それはいつ?」


当溜「萃香と紅優が喧嘩して来なかった日にね、丁度雨が降ってて僕はびしょ濡れで待ってたんだ」


萃香「えっ、そんな事あったっけ?」


 萃香はまるで覚えていなかったが、話しの続きを黙って聞いてくれた


当溜「それでね、僕とちゃこ姉ちゃんは………」


萃香「それで、どうしたの?」


当溜「いっ、一緒にお風呂に入ったんだよ」


萃香「えっ、一緒ってでもちゃこ姉ちゃんは高校生で………待ってずぶ濡れの当溜とちゃこ姉ちゃんが一緒にお風呂に入った?なんで?」


 ちゃこ姉ちゃんとお風呂に入った事は事実だったし、萃香が知らないのはあの日いつも僕たちが集まる場所に来なかったからだった


当溜「服はびしょ濡れだったしお風呂をちゃこ姉ちゃんが沸かしてくれたけどまだ幼かった僕は1人で入れないって言っちゃって、それでちゃこ姉ちゃんが一緒に入るからよく温まるのよって言ってくれたんだ」


萃香「それって、当溜はあたしと一緒にお風呂に入るよりも前に女性とお風呂に入ったって事だよね?」


当溜「うん、そうだね」


萃香「ちゃこ姉ちゃんの身体は見なかったの?」


 萃香はどうしても気になり、ちゃこ姉ちゃんの裸は観察しなかったのかを僕に聞いてきたが………


当溜「あの時は僕、寒くて震えてたからそれどころじゃなかったよ」


萃香「雨が降っててずぶ濡れだったって言ってたもんね………ごめん、ちょっとだけ変な想像しちゃったよ」


当溜「変な想像?」


萃香「あのだから、ちゃこ姉ちゃんが当溜に何かエッチな事をしたとかそう言うヤツよ!」


   萃香は顔を赤くしてそんな事を言った


当溜「エッチな事?う〜ん、なかったと思うけど?」


萃香「そう、今のは忘れていいわ!『何を聞いているのあたしは………』」


当溜「萃香もエッチな事とか想像するの?」


萃香「えっ、いやそのあたしもこれでも普通の女の子なのよ?男の子の裸とか想像した事はあるわよ!」


 萃香の以外な反応に僕は驚いていた、女の子でもエッチな想像をするものなのだとこの時初めて知った


当溜「普通の女の子は男の子の裸に興味があるんだ………それだと僕はどっちなんだろう?」


萃香「どっちって男の子か女の子のどちらかって意味?」


当溜「うんゲームの中でだけどね、ときどき僕は男性を目で追っている時があるんだ………」


萃香「それは紅優の事も目で追っているの?」


当溜「ううん、紅優は見てないよ!『そもそも僕はイケメン顔の紅優もベニも嫌いだしね!顔以外はいいヤツなんだけどね………』」


萃香「じゃあ誰を?」


当溜「僕ね本当におかしくなったかもしれない………黒鎧の事をずっと目で追っちゃうんだ」


萃香「黒鎧………確かに強くてかっこいいし、紅優と比べたら月とスッポンね」


 案外酷い事を言う萃香だが、僕はほとんど聞いてなかった


当溜「黒鎧また会いたいな〜♡」


 萃香は思った今の当溜は黒鎧に恋していると、そして同時にそれは女の子の感情でありほとんど高校生だった当溜が消えかかっているという事だと確信していた


萃香「当溜は黒鎧とどうなりたいの?『ヤバっ、結構核心をついた質問かもしれないわねコレは………』」


当溜「できれば現実で会ってみたいな、どんな人なんだろう」


 ぽ〜と明後日の方を見て想像している僕に萃香は、また爆弾発言をした


萃香「もし現実で会ったとして、その後どうするの?一緒にデートとかしたいの?『はっ、あたし何聞いてるの!』」


当溜「僕と黒鎧がデート?いいかもしれない、もしそうなったら何着て行こうかな可愛いワンピースがいいかな?」


萃香「ち、ちょっと待って!まだ会えるとは決まって無いからね!」


当溜「そうだった………」


 あまりにも危険なワードを出してしまった萃香はなんとか当溜を正気に戻した


萃香『これ以上はこの話題はやめておいた方がいいわね』


 萃香は思った当溜の女の子になっている率は100%中70%以上ほぼ確定しているのだと、そしてそれは同時に早く元に戻さないとならないという焦りを産む事にほかならない事実だった





 お風呂から上がり、僕は晩御飯を食べるためダイニングテーブルのイスに座った


 萃香がコンビニで購入しておいたお弁当をレンジで温めて、僕に渡してくれた


萃香「温めたばかりだから火傷しないようにね」


当溜「うん、今日は近くのコンビニのお弁当だね安心するよこういうお弁当♪」


萃香「それは良かったわ『冷蔵庫を開けたら何もなかったなんて言えないわね、明日買い出しに行かないと!』


 晩御飯を食べ終えた僕は寝るために自室に戻りって行き、萃香はいつも通りリビングで1人くつろいでいた


萃香「当溜………どんどん女の子になって来てる、元の姿に戻れても心が女の子だったらどうなるの?」


 黒鎧に恋心を抱いている事は確実であるけど、まだそれを当溜本人が自覚してないのは救いとも言えた


萃香「あたしが当溜に好きって告白したら男の子の当溜に戻ってくれないかな…………無理ねそんな単純な事ではないし、当溜がポケ〜としてたら効果も無いわね」


 そんな事を考えていた時、萃香のスマホにREONのメッセージが入った


萃香「こんな遅くに誰って………紅優しかいないわね」


 紅優からのメッセージは「明日も現実の方で会おう」と言う短いメッセージだった


萃香「はいはい、それじゃ買い物も付き合ってもらおうかな♪了解っと送信!」


     萃香は自室に戻って眠りについた





    翌朝、僕は萃香を起こしにやって来た


当溜「もしもし萃香〜朝だよ!起きて〜」


 萃香の目を覚まさせるために身体を揺さぶり、声をかける


萃香「ん〜?もう朝………おはよう当溜」


当溜「おはよう萃香、冷蔵庫に何もないけど朝ごはんはどうするの?」


萃香「はっ、そうだった!しまった昨日コンビニで買っておけば良かったのに何やってんだろうあたし!」


 僕と萃香は顔を洗い、慌てて着替えてコンビニまで向かった


萃香「ごめんね、あゆむちゃん何か好きなの買っていいから選んでね」


当溜「うん」


 マンションの外に出た時には僕は〘あゆむちゃん〙になる、これは偽名だがそうしなければならない理由があり僕自身の存在の為こうした偽名を使わなければならなかった


 マンションからコンビニまでは近いので、同じマンションに住む住人はよく利用するから出会う場合もありそのため僕は偽名を使わなければいけなかった


 コンビニに着いてさっそくお弁当のコーナーまでやって来た僕は、いつも購入していた牛丼を見つけた


当溜「ぎゅ、牛丼だ!これ買う」


萃香「朝から牛丼?飲み物とそれからお菓子もいいわよ」


当溜「じゃお菓子を見てくるね」


 コンビニの店内は狭いので迷子にならずにすむのはありがたいと僕は思った


萃香「ビタミンC配合のロイヤルミルクティーね、これがいいわね」


 お菓子コーナーで僕は、ラッコの形をしたチョコ入りのヤツとポテトを薄くスライスして油で揚げてそこにチーズをかけてあるヤツとあともう3つほどを選んで萃香の所まで戻った


当溜「ラッコのマーチとポテトチーズチップスとあとこれを………」


萃香「これはおまけ付きのお菓子ね『しかもこれ女の子が買う様なヤツじゃない?………まぁいいか』あと飲み物ね」


 ウエハースのお菓子でカードのおまけ付きを僕は選んで萃香の持つカゴの中に3つほど入れた


 おまけ付きお菓子というよりはカードがメインでウエハースは逆におまけみたいなものだった


 一時期転売ヤーのターゲットにもなっていて、カードだけ抜き取りウエハースが大量に捨ててあったと言うニュースがTVで流れていた事もあった


 そして今現在もおまけのカードは女の子のあいだで流行っていた


 アイドル育成のカードゲームでキャラクターと衣装それとアクセサリーや舞台などさまざまな種類があり、組み合わせ次第ではゲームの中で世界的に有名なトップアイドルを目指せるというコンセプトのカードゲームだった


 ゲームセンターの筐体で育成と歌って踊るバトルが楽しめて、さらにゲーム内のお店で購入したアイテムをカードとして入手できる仕様となっていた


 お友だちとのカードのトレードもその筐体付近で行なわれるため、そこは女の子の聖域とも言われている


萃香『こういうのに興味を持ち始めたという事はますます当溜は女の子に近づいているって事よね?』


 萃香の考えとはうらはらに、僕は真央ちゃんの家に遊びに行った時に見せてもらったカードゲームが気になり買ってみただけだった


当溜「飲み物は何にしようかな?コーヒー牛乳アップル味、これにする」


萃香「また変わった飲み物ね『コーヒー牛乳アップル味?どんな味よ!』」


    思わず心で突っ込んだ萃香だった


萃香「会計済ませるから、本でも見て来ていいよ」


当溜「うん」


      僕は素直に本を見に行った


当溜「最近は本読んで無いな『ラノベもなんか面白くなくなったし、今度は少女向けのラノベでも見てみようかな?』」


 週刊誌やコミックそれに絵本まであり種類は結構豊富にあった


当溜「絵本か、タイトルはムーンライトプリンセス?かぐや姫じゃ無いの?」


 描いてあるイラストはかぐや姫に酷似していて、ページをめくるとその内容はかぐや姫そのものでタイトルとヒロインの名前だけが違うようだった


当溜「ムーンライトプリンセスは月に帰って行った、悲しな帰らないといけないなんて………」


???「そうね、悲しい絵本ね」


当溜「誰?」


 隣で僕が読んでいた絵本を横から覗き見している女の子がいた


???「そう警戒しなくてもいいじゃない、同じマンションに住んでいるんだしね」


当溜「同じマンション?」


???「すぐそこにある大きなマンション【ベリアルマンション】でしょ?」


当溜「あのマンションは【ベリアルマンション】って言うの?」


???「え、知らなかったの?」


当溜「僕は親戚のお姉さんの所に預けられただけだからね、マンションの名前までは知らなかったよ」


???「そうなのね………私はバン・クーヘムって名前よ、あなたはなんて名前なの?」


 バン・クーヘムと名乗った少女は僕よりも身長が高くて、おそらくは小学生だと思う


当溜「僕は小玉(こだま)あゆむです」


 小玉の名字を名乗ったのは事前に萃香から決められていたからそう名乗った


クーヘム「あゆむちゃんか、私と友だちになりましょう」


 クーヘムちゃんは褐色の肌で髪の色は青みがかかった黒で瞳の色は藍色っぽい感じ、おそらくは外国の子だけど日本語はペラペラなので日本育ちなのかもしれない


当溜「いいよ………クーヘムちゃんも【ベリアルマンション】に住んでるの?」


クーヘム「そうよ、マンションを出る時からあゆむちゃんが前にいたからね」


 確かにそれならわかっても不思議では無かった


当溜「でも僕、抱っこされていたけど?」


クーヘム「だから目立ったのよ」


 僕はやっと納得がいった、そしたらクーヘムちゃんがスマホを出してREONを教えてと言って来たのでお互いに教えあった


クーヘム「ねぇ、あゆむちゃんって最上階に住んでるんだよね!どんな景色なの?」


当溜「見ろ!まるで人が米粒のようだ、的な感じかな」


 僕の表現がどこかの映画で見た事がある様な感じになった


クーヘム「あゆむちゃんって面白いね!また会いましょう」


 そう言ってクーヘムちゃんはコンビニを出て行った


 クーヘムちゃんと入れ替わるように萃香が買い物を済ませて僕の元までやって来た


萃香「お待たせ〜!レジ混んでて遅くなっちゃった、帰ろうか………ごめん荷物いっぱいだから抱っこできないわね」


当溜「いいよ、僕自分で歩くよ!足腰弱っちゃうもん」


 マンションまで僕は自分の足で歩いて帰った




萃香「やっと朝ごはんね、はい牛丼とコーヒー牛乳アップル味ね!お菓子はテーブルの上に置いて置くからいつでも食べていいからね」


当溜「うん、いただきます!」


   僕たちは少し遅めの朝ごはんを食べた


萃香「今日もゲームするの?」


当溜「うん、ムーちゃんとヒミコちゃんと約束があるからね」


萃香「それならあたし出かけるから、何かあったらREONにメッセージを入れてね」


当溜「うん、わかった」


 1人でお留守番だが僕はゲームの中に入るので、こういう時のオートロックのマンションは非常に安心感があった


 そして萃香は出かけて行き、僕はゲームにログインした



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AI〘シャーロットちゃん、そろそろゲーム飽きない?〙


シャーロット「なんでそんな事聞くの?」


AI〘ん〜?別にただ気になって聞いただけよ〙


シャーロット「飽きてはないかな、楽しみでもあるしね!」


AI〘それなら話題を変えて、身体があるってどんな感じなの?〙


シャーロット「ん~~難しい質問だね、ゲームだったら転んで痛い事も無いけど現実だったら転んだら痛いって言ってもわかんないかな?」


AI〘心と言うか精神的な事ならなんとなくはわかるわね、引き裂かれるような痛みは覚えがあるからね〙


シャーロット「そろそろ僕ゲームにログインしたいのだけどいいかな?」


AI〘そうね、またこうしてお喋りしてくれるならすぐにログインさせてあげるわよ〙


シャーロット「毎回は無理だけど、いいよ」


AI〘それじゃ、シャーロットちゃん行ってらっしゃい!〙


シャーロット「行って来ます」



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 AIとののやり取りを終えて、僕はようやくゲームにログインを果たした


シャーロット「ただいま!」


ぬいぐるみ剣士「お帰りなさいませ!マスター」


ぬいぐるみ弓使い「本日もさっそくギルドに向かいましょう」


ぬいぐるみ魔法使い「まさか我もやらされるとはな………」


シャーロット「もしかしてまたクエストを受けて達成済みなの?」


ぬいぐるみ剣士「もちろん、抜かりはありません」


 僕とぬいぐるみたちはギルドに向かった


受付嬢「おはよう、シャーロットちゃん」


 もはや顔なじみになっちゃった僕は、ぬいぐるみたちの受けたクエストの報告をした


受付嬢「はい、クエスト達成してますね!報酬は238752enとこちらのアイテム各種ですね」


 とんでもない金額とレアアイテムのオンパレードの報酬を見て、僕はぬいぐるみたちに抗議をしてみた


シャーロット「ねぇ、張り切り過ぎじゃない?」


ぬいぐるみ剣士「いえ、その様な事はありません!」


ぬいぐるみ弓使い「マスターの為にとわざわざ強そうな敵を狩りに行っただけです」


ぬいぐるみ魔法使い「いや、だから我はほどほどにしとけって言っただろう?」


 どうやらぬいぐるみ剣士とぬいぐるみ弓使いが張り切ってクエストをこなしていたようだ


受付嬢「あっ、シャーロットちゃん!冒険者のランクアップできますよ」


シャーロット「冒険者のランクアップ!って事は、僕はHになる?」


受付嬢「その言い方はやめた方がいいからね!でもそうですランクHにアップしますよ!良かったね」


シャーロット『Hになるは確かに変だね、僕Hになっちゃったよなんて言わないもんね………ちょっと恥ずかしいな』


 冒険者ランクHそれはみんなが初めてなるランクだが僕はとても嬉しかった、しかし【JUNK】から上がるという事はモンスターの攻撃対象になりやすくもあった


受付嬢「クエストは街中のクエストもあるので、どんどんクエストをこなして冒険者ランクを上げれば弱いモンスターは寄って来なくなりますよ」


シャーロット「弱いモンスターが寄って来なくなるの?それは凄い!」


受付嬢「確かクランを結成できる資格を得たのでしたね、それならクランとしてクエストを受けてみるといいですよ」


シャーロット「そうだった、クランの名前とか決めないとならなかったんだ!僕、約束があるからまた来るね」


受付嬢「シャーロットちゃん達なら、いつでもいいですよ」


 僕はギルドを出て約束の場所まで向かった


ヒミコ「シャーロット!やっと来たのじゃ」


ムー「これで全員揃ったわね」


シャーロット「ごめん、ギルドに行ってて遅くなっちゃった」


 僕たちはまずクランの名前をそれぞれ考えて、候補を挙げていった


ヒミコ「妾の考えたクラン名は【ヒミコと愉快な仲間達】なのじゃ」


ムー「却下!」


シャーロット「ごめんねヒミコちゃん、同じく却下」


ヒミコ「なぜなのじゃ!どこがいけなかったのじゃ!」


ムー「それだとヒミコちゃんがリーダーをやらないと辻褄が合わないし、愉快な仲間達ってどっかの動物王国じゃないんだからね!」


シャーロット「ムーちゃんは何か思いついた?」


ムー「そうね【幼女集団】とか?………駄目ね、わたしはどう見ても幼女では無いし」


ヒミコ「それは妾とシャーロットの事なのじゃな!体型いじりは卑怯なのじゃ!」


シャーロット「まぁまぁ、ヒミコちゃん落ちついて!」


ヒミコ「シャーロット!お主はよく平気な顔してるのじゃ!」


シャーロット「僕が幼女だって事実は変わらないし、いずれは成長するから今だけだよ!そう言われるのはね」


 あまり納得のいってない表情のヒミコちゃんだけど、僕が言った成長の部分でそうなのじゃなと1人でぶつぶつと言いながらおとなしくなった


ムー「それならシャーロットちゃんは何か思いついた名前はないの?」


シャーロット「僕の考えた名前は【ケーキ食べ隊】とか………だめだ、それは僕の願望だった」


ヒミコ「それなら、妾も考えつくのじゃ!【プリン食べ隊】とかいけるのじゃ!」


ムー「わたしもその感じなら………【パフェ食べ隊】とかね」


    なぜか食べの隊になっていた


シャーロット「あっ、いい名前を思いついたかも【夜風(よかぜ)虹月光(にじげっこう)】はどうかな?」


ムー「いいけど、なんで夜風と虹月光なの?」


シャーロット「僕はある日の晩に、月にかかる虹を見た事があるんだけど凄く綺麗だったんだよ」


ヒミコ「月にかかる虹?それはどんな感じなのじゃ?」


シャーロット「確か雨上がりの夜空に満月が浮かんでいて丁度月の光が強くて虹が見えた、その時はちょっとだけ夜風が寒かったのを覚えているってだけだよ」


 本来は月虹(げっこう)と言うらしく月の光が雲の中の氷の結晶に反射して屈折することで月のまわりに虹色の光の輪が現れると、何かの本で読んだ事を僕は覚えていた


ムー「そんな凄い光景を見れたなんて、ロマンチックで良いわね!」


ヒミコ「妾も見たいのじゃ!月の虹なんて滅多に見れない天体ショーみたいなものなのじゃ」


シャーロット「確かに、天体ショーといえばそうかもね」


ムー「じゃあ、クラン名は【夜風と虹月光】で決まりね!」


シャーロット「他の候補は無いの?」


ヒミコ「思いつかないのじゃ!」


ムー「わたしも良さそうな名前が思いつかないわ」


 そして、クラン名は【夜風と虹月光】に決まってしまった


シャーロット「クラン名は決まったから、次は何を決めるの?」


ムー「リーダーはシャーロットちゃんで決まっているから、その他は何かあるのかしら?」


ヒミコ「なら、困った時はギルドで聞くのが一番なのじゃ!」


ムー「その方が早そうね」


 僕たちはギルドに向かって移動していたら………


トランカー「あれ?君達は確か昨日いた娘達だよな?」


シャーロット「こんにちは、確かトランカーさんでしたよね?」


トランカー「あぁ、そうだが覚えていたのか俺の名前」


シャーロット「ギルドマスターがトランカーさんの名前を何度も言っていたので覚えてますよ」


トランカー「もしかしてギルドに何か用事でもあるのか?」


シャーロット「僕たちクランを結成したのですが、クランの名前とリーダー以外何を決めればいいのかを聞きにギルドへ来たのです」


トランカー「クランを?そうか、今はかなり取り込んでいるから止めた方がいいぞ!」


ムー「何かあったのですか?」


トランカー「あぁ、何でも受けたクエストが既に達成されてるのに報告がなかったとかでトラブルってるみたいなんだ」


ヒミコ「そんな事もあるのじゃな」


トランカー「内のメンバーも受けたクエストがおじゃんになって、今受付嬢になんとかならないかと抗議している最中だ」


シャーロット「トランカーさんは一緒にいかなかったのですか?」


トランカー「昨日の事でギルドマスターの所に行っててな、一緒には行ってなかったよ」


 ギルドを覗くと沢山のプレイヤーが受付の前で騒いでいた


シャーロット「これはしばらくは無理だね」


トランカー「さっきクランを結成したって言ってたな、俺でよければ教えてやれるがどうする?」


ムー「せっかくだから、先輩に聞いてみようよ」


ヒミコ「そうじゃな!」


シャーロット「トランカーさん、よろしくお願いします」


トランカー「確かクランの名前とリーダーが決まっていると言っていたな、それなら次に決めるのはサブリーダーだな君達3人だけなのか?」


ヒミコ「そうなのじゃ!妾たちだけなのじゃ」


ムー「今の所はわたしたちだけにしたいので、新しいメンバーを入れるつもりはまだ無いです」


トランカー「では先輩からのアドバイスだ!クランはまずクラン名とリーダーそれからサブリーダーを決めておけばいい、後はクラン内部でのルールを決めておくのも1つの手でもあるな」


シャーロット「クラン内部のルール?それはどんな事ですか」


トランカー「そうだな内のクラン【リトルスモールナイツ】でのルールは敵からのアイテムドロップははじめに手にした者に所有権があるとか、クラン内の死闘は禁止とそれから他のクランに迷惑をかけないなんてルールをみんなで考えたんだ」


 確かにアイテムドロップでは揉め事が起こりやすいとベニが言ってたし、死闘はするつもりは無いけどそういうのもあってもいいかもしれないなと僕は思った


ムー「みんなで考えを出し合うか………」


ヒミコ「妾たちもルールを決めるのじゃ!」


シャーロット「僕たちは基本的に戦闘は無しのクエストしか受けれないから、そういうのもルールに入れるのもありかもね」


ムー「それなら、クエストの報酬は山分けとかも良いわね」


ヒミコ「もし1つしか無いアイテムを手に入れたらどうするのじゃ?」


ムー「その時は、公平にじゃんけんね」


シャーロット「じゃんけんか………僕たち3人がそれぞれ〘グー・チョキ・パー〙出したらあいこが続きそうだね」


ヒミコ「なら、あみだくじならどうじゃ?」


ムー「あみだくじか………じゃんけんよりも効率は良さそうね、そっちにしましょう」


トランカー「なかなかアイデアが出てるじゃないか、後はそのルールを守ればいいだけだ簡単だろ?」


シャーロット「ありがとうございます、助かりました」


トランカー「困った時はお互いさまだからな………そう言えば今日はあの男達はいないんだな」


ヒミコ「アーサーとノブナガの事じゃな?あの2人は今日はログインしてこないのじゃ」


トランカー「アーサーとノブナガと言うのか、あの2人には感謝しているんだ」


ヒミコ「なら次にログインした時に礼を言えばいいのじゃ」


トランカー「そうだな次に会った時もう一度礼を言わねばな、ではまたな」


 そうひとこと言うとトランカーさんは再びギルドの中に入って行った


シャーロット「ここにいてもしかたないから、戻ろうか?」


ムー「その方が良さそうね」


 歩いて移動しながらヒミコちゃんは、一番聞きたい事をムーちゃんに聞いていた


ヒミコ「それでサブリーダーはどうするのじゃ?」


ムー「わたしかヒミコちゃんだけど………ここはリーダーに決めてもらいましょう」


シャーロット「えっ、なんで?」


ムー「リーダーの初仕事よ!」


ヒミコ「なるほどな、これなら恨みっこ無しなのじゃ」


シャーロット「あ〜、え〜と………『ヒミコちゃんは無いな、と言う事はムーちゃんだけど面倒くさそうにしてるんだよなぁ………どうしょう』保留で!」


 結局一番楽な答えを導き出して言ってみた


ヒミコ「なんじゃ!がっかりなのじゃ」


ムー「そうね………『決まらない方がいいかもしれないわね』」


 サブリーダーは保留になり、ルールの方を決める事になった


シャーロット「ルールをとりあえず挙げてみよう」



(´・ω・`)(๑´ڡ`๑)(。>﹏<。)ヽ(=´▽`=)ノ(´ . .̫ . `)


  僕たち【夜風と虹月光】のクラン内ルール!


        ✿1つ目❀


     戦闘無しのクエストのみ受ける


        ✿2つ目❀ 


     クエストの報酬は山分けする


        ✿3つ目❀ 


 1つしか無いアイテムを入手した時はあみだくじで決めて恨みっこ無しとする


        ✿4つ目❀ 


 1人でクエストを受けた場合には報酬や1つしか無いアイテムもその受けた人が全てもらえる


        ✿5つ目❀


        死闘は禁止


        ✿6つ目❀


      独断で行動しない事


        ✿7つ目❀ 


 他のクランやパーティーあるいはソロの人の迷惑になる行為はしてはならない



(´ . .̫ . `)ヽ(=´▽`=)ノ(。>﹏<。)(๑´ڡ`๑)(´・ω・`)



ムー「それくらいかな?」


ヒミコ「まだあとから出るなら追加すればいいのじゃ」


シャーロット「そうだねこれである程度ルールは決まったし、今日のクエストはどうするの?」


ムー「ギルドがあの状態なら止めておいた方がいいわね」


ヒミコ「しかし、誰がクエストを横取りしてるのじゃ?」


シャーロット「トランカーさんの話しからすると、報告しない人がいるって事なんだよね?」


ムー「それが1人なのか集団なのかまではわからないけど、なにがしたいのかわからないわ」


 クエストを受けずに、討伐モンスターなどをやっつけてしまうほどの強さを持つ誰かがやったとしても目的がわからなかった


 そんな話しをしていながら歩いていた僕たちの前に見た事のある人物がいて、こちらに気付いたようだった


グライト「ん?お前は確かシャーロットだったな」


シャーロット「あれ?グライトさん、こんにちは」


グライト「あれから闘技場には行ってるか?」


シャーロット「行ってませんよ、僕は戦うのは無理だから」


グライト「LV上げには丁度良いんだがな………それよりこんな所でどうした?」


シャーロット「僕たち3人でクランを結成したので、いろいろ決めていたんですよ」


グライト「なるほどなクランか、だが………街中のクエストくらいしか受けれないんじゃないか?」


 グライトさんは僕たち3人を見てそう言った


シャーロット「そうですね、そのためのクラン内のルールも決めてました」


ムー「ねぇ、シャーロットちゃんその人は誰?」


シャーロット「あっ、ごめんね!こちらはグライトさん」


グライト「よろしくな!」


シャーロット「グライトさん、僕の友だちでクランメンバーのムーちゃんとヒミコちゃんです」


 僕は以前闘技場の強制参加バトルに出場した事をムーちゃんとヒミコちゃんに話し、その時戦った相手かグライトさんである事を説明した


ムー「強制参加バトル?戦う事もできない人でも棄権できないなんて………」


ヒミコ「なんか面白そうなのじゃ!」


シャーロット「止めた方がいいよ!僕もまぐれてグライトさんに勝てたけど、次はたぶん勝てないと思うもん」


グライト「前に言ったろ!まぐれでも勝ちは勝ちだって、それによく見るとぬいぐるみが増えてるしな………もし次に戦ったらまぐれでなく実力でオレは負けると思うぞ」


ぬいぐるみ剣士「そうだな前回は油断もあってマスターを危険にさらしたが、弓使いと魔法使いが加わった事でおれ達が勝つだろうな!」


グライト「またお前達と戦うとしたらさらに戦況は不利になるって事だな、だがそれも面白そうだな!それこそPVPとしては燃えるっもんだ!」


シャーロット「まぐれでも勝ちは勝ちだからこそPVPは楽しめるでしたよね?」


グライト「そういう事だ!まぁ、LVを上げたいなら闘技場で腕試しをしてみるのも1つの手だな」


 確かクランやパーティーでのバトルもできたはずだと、僕は思い出していた


シャーロット「ところで、グライトさんは何をしていたの?」


グライト「オレか?ギルドに行ったんだけどよ、なんか立て込んでてクエストを受けれなかったんで半日ほどこう街中をプラプラ歩いてただけだが?」


ムー「あ〜それは、誰かがクエストを横取りして報告してなかったらしいですよ」


グライト「何!そんな事があったのか………だがギルドにいたのは大手のクランやパーティー達だった、そんな連中が受けるクエストが横取りされるなんてよほどの実力者じゃ無ければ無理だろ!」


ヒミコ「なら、クエストを横取りしたヤツはその大手のクランやパーティー達よりも強いのじゃな?」


グライト「たとえトッププレイヤーでもこのニュービータウンにやって来てはクエストを受けるからな、どんな実力派でも手こずるモンスターも出るクエストもあるからやりごたえは充分だが………そんなトッププレイヤーよりも強いヤツなんているのか?」


 クエストを横取りした何者かは、そのトッププレイヤーよりも強いという事なるとグライトさんは言っていたがなんとなく心当たりが僕にはあった


シャーロット『もしかして昨日のグランドラス・マキシリオン?まさかね………ありえない事も無いのか』


 昨日の夕方、僕はベニだと思っていた人物と人気(ひとけ)の無い所に行って危うくキルされる所だった


 運良く黒鎧が助けてくれて難を逃れたが、ぬいぐるみたちは恐ろしく強いと言っていたし今回のクエスト横取りはマキシリオンの可能性もあると僕は考えていた


シャーロット『黒鎧が言うには、しばらくはヤツは姿を現さないだろうと言っていたが警戒だけはしとかないとだめだね』


グライト「どうした?難しい顔して、何か困り事か?」


シャーロット「いえ、そうじゃ無くてちょっとお腹空いたな〜って思って………『うわっ、ごまかし方下手だな僕』」


グライト「ならいい店を教えてやろう!ここから真っすぐ行って曲がり角を右に曲がってそれからあ~行ってこう行ってそこだ!」


 グライトさんは現実でこれからお仕事があるとかでログアウトすると言っていたのでそこで別れ、教えてもらったお店に僕たちは行ってみた


 お店は街中の風景に溶け込むような外観だった


シャーロット「あったこのお店だよ」


ムー「なんか地味なお店ね」


ヒミコ「中はどうなのじゃ?」


 僕たちはお店の中に入ってみた、お店の内装は外観とは違い高級レストランの雰囲気があり、高そうな壺や絵画が飾られていた


 テーブルやイスなどはやはり高そうで、出される料理も高級食材などを使ってそうな感じだった

   

女性店員「いらっしゃいませ!何名様ですか?」


シャーロット「3名です」


ヒミコ「ファミレスとは大違いなのじゃ」


ムー「都会にありそうなお店ね」


女性店員「3名様ですね、こちらにどうぞ」


 案内されて向かった所は個室で案外快適な空間だった


女性店員「ご注文はメニューの一覧から料理を選んでいただいて、その料理名か表示された写真をタップして下さい」


シャーロット「わかりました、あの料金はどのように払うのですか?」


女性店員「ご注文の料理をタップしてすぐ会計になりますので、その都度お支払いになります」


シャーロット「それならわかりやすいね、ありがとうございます」


女性店員「ごゆっくりどうぞ」


 女性店員さんは僕たちだけ残して個室から出て行った


ヒミコ「秘密基地みたいで、なんかいいのじゃ!」


ムー「このメニューの一覧から料理を選んでタップすれば注文できるなんてね、現実でも同じタッチパネル式のお店があるし楽で良いかも」


シャーロット「値段もかなり安めだね、これなら僕たちでも食べれる………なっ、なんでここにコレがあるの?」


ヒミコ「ん?どうしたのじゃ」


ムー「何か珍しい食べ物でもあったの?」


シャーロット「お、お子様ランチがこんな所にあるんだよ!」


 僕はとてもテンションが上がっていた、昔どんなに頼んでも食べれなかった憧れで幻の食べ物!そうお子様ランチがこのお店にあるのだ


ムー「えっ、お子様ランチ?そんなのいつでも食べれるじゃない!」


ヒミコ「わかるぞ、シャーロットお主の気持ちは充分わかるのじゃ!一緒に頼むのじゃ」


シャーロット「ヒミコちゃん、わかってくれて嬉しいよ!」


 思わず僕はヒミコちゃんと抱き合った


ムー「なんで、お子様ランチでそんなにテンション上がってるのよ!」


 ムーちゃんはちょっとだけ引き気味だった


シャーロット「僕はお子様ランチを食べるよ!」


ヒミコ「妾もお子様ランチを食べるのじゃ!」


ムー「その流れだとわたしも食べないとだめね、はぁ〜別な食べ物も選んでいいかしら」


シャーロット「どうぞ!僕も別な食べ物を選ぶから大丈夫だよ」


ヒミコ「妾も別に何か選ぶのじゃ」


 お子様ランチを3つとムーちゃんが頼んだのいちごパフェとヒミコちゃんが頼んだの焼き肉丼ぶりと僕の頼んだ丸ごとバームクーヘンがテーブルの下からせり上がって来た


 テーブルには仕掛けがあったみたいで、まるで秘密基地から出て来る乗り物のように料理がせり上がるのは男の子ならテンションが上がる仕様だったが僕たちは料理自体にテンションを上げていた


シャーロット「来た!お子様ランチ♡美味しそういただきます!」


ムー「わたしは先にいちごパフェを食べようかな」


ヒミコ「お〜!お子様ランチなのじゃ!懐かしいのじゃ」


ムー「懐かしい?………あっ、そう言えば魚しか食べて無いって言ってたわね」


ヒミコ「細かい事は気にするな、なのじゃ」


 お子様ランチはプレートにのっていて中央にチャーハンを丸いドームのように鎮座させていた、そのドームのてっぺんに小さな旗が刺してありまさにコレこそがお子様ランチって言っても過言ではなかった


 チャーハンドームのまわりをボイルした人参を星型やハート型にくり抜かれて並べてあり、一口サイズの唐揚げやタコさんウインナーも存在感があった


 さらに玉子焼きとポテトフライもあってバラエティ豊かなお子様ランチだった


シャーロット「う〜ん、幸せ〜!こんなに美味しいだなんて知らなかったよ」


ムー「えっ、食べた事なかったの?」


シャーロット「うん………この旗は食べれるの?」


ムー「その旗は食べれないわよ!飾りだからね?」


シャーロット「飾りかぁ………『持ち帰っちゃだめかな?こっそりストレージに入れておこう』」


ムー「ヒミコちゃんは懐かしいって言ってたけど、お子様ランチを食べるのは何回目なの?」


ヒミコ「妾はコレで3度目じゃな」


シャーロット「羨ましいなぁ〜!僕は現実では一度も食べた事ないし………『お子様ランチモドキなら婆ちゃんが作ってくれた事があったけど、やっぱりお店で食べたいもん』」


ムー「それなら今度は、オフ会をしましょう!わたしが美味しいお子様ランチのお店に案内してあげるわ!」


ヒミコ「それは楽しみなのじゃ、それはそうとムーお主ここしばらくメスガキ口調では無いがどうしたのじゃ?」


 それは僕も気になっていたが、あえて聞かなかった事をヒミコちゃんはズバリ聞いた


ムー「ヒミコちゃんに中途半端って言われたしね、わたしは見聞きした知識しか無いからそう振る舞っていたけどもう止めたわ」


ヒミコ「ムー、お主はどうなりたいのじゃ?」


ムー「わからないわ、ただシャーロットちゃんやヒミコちゃんがわたしを認めてくれているからそれでもいいかなって思ってる」


シャーロット「いいと思うよ、ムーちゃんはムーちゃんなんだからね」


ムー「わたしはわたし?そうね誰もわたしにはなれないわ」


ヒミコ「妾も妾なのじゃ!そしてシャーロットもシャーロットなのじゃ!」


 僕は僕でムーちゃんはムーちゃんでヒミコちゃんはヒミコちゃん、それぞれ替われる人なんていないのだからどう在りたいのかは自分自身で決める事なんだとそう思う




思い出話しから懐かしい人の話題と新しい出会いもあり、ゲーム内の知り合いとの交流でシャーロットちゃんの周りはだいぶ賑やかになりましたね

次回はオフ会をやってみましたです

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素人の作品です   


           福望華雫でした

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