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ログイン12 お使いクエスト

貧乏高校生 当溜。格安ボロアパートに住みバイトをして生活費を稼ぐのが彼の毎日だった。明日から学校が夏休みに入る事で浮かれていた時に偶然おもちゃ屋で最新のVRヘッドギアを見つけ購入した。さっそくVRゲームを始めたまでは良かったのだが、本来なら無いはずのVRヘッドギアのホームにログインを果たした。彼は大嘘をつくAIの言う事を真に受け全てにYESと応えてしまった。身体構造スキャンを許し、問題箇所のリペアとしてハルモニア光なる謎の光を実際の身体に照射された。問題は解決したのだとAIに唆されてゲーム世界に送り出されてしまう。しかしこの事が当溜の生活をガラリと変えてしまう重要な出来事だった。ログインしたゲーム内でも問題が発生した。選択出来る性別が女性のみで男性の選択は不可能だった。なんとか女性アバターを男性的な姿に作る事に成功したが、間違えてランダム作成を押してしまい完成したアバターは幼女だった。


♤守ってください幼女な僕を♡ 

縮めて『守幼』をよろしくお願いします




ルモン「まずは3人でクエストの確認をする事と、NPCのクエストをそうだな………3つこなしてもらおうかな」


シャーロット「NPCのクエストを3つもやるのか………僕たちだけで出来るかな?」


ヒミコ「やるしかないのじゃ!」


ムー「まぁ、お使いなら大丈夫でしょ?」


ベニ「お使いクエストか………」


アーサー「姉さんたちなら大丈夫ですぜ!」


ノブナガ「姉さんの本領発揮を兄貴と見守っておきますぜ!」


 まず僕たちはお使いクエストを出してくれるNPCを探す事から始めた


 このニュービータウンの中からお使いクエストを出してくれるNPCを見つけなければならない理由だけど、街中を練り歩いて探すのは文字通り苦労する所だけど………


ルモン「1つヒントをあげよう、君たち3人はお使いクエストの条件を満たしていると言う事は?と言ったヒントだね」


シャーロット「条件を満たしている?」


ヒミコ「よくわからんのじゃ」


ムー「………あっ、もしかしてマップ?」


シャーロット「マップって………メニューから見れるアレの事?」


ヒミコ「さっそく見て見るのじゃ」


 僕たちはメニューを開きマップを表示させてみたら、マップに沢山マークが現れていた


ムー「やっぱり!コレがお使いクエストを示しているのよ」


ヒミコ「お手柄なのじゃ、ムー!」


シャーロット「コレなら僕たちだけでも探せるね」


 マップにあるマークは2種類あり知り合いを示すマークとクエストを示すマークだ、おそらく別のマークも存在すると思う


 マップのマークをタップするとクエスト内容を見れる事をヒミコちゃんが発見したので、難易度の低いクエストを選んでみた


ムー「こちらは難易度が高いからやめておいた方がいいわ」


シャーロット「コレは難易度が1だよ」


ヒミコ「ならそれも候補なのじゃ」


 クエストの難易度は星の数で示されていて、星の数が多いほど難易度が高く少なければ低いという事も今回の事でわかった


ムー「それじゃ、近くで星1つのクエストがあるからそこに行きましょう」


ヒミコ「どんなお使いなのか楽しみなのじゃ!」


シャーロット「ゲームの中で初めてのお使いか………『後ろからカメラマンがこっそりついて来てたりして………それってストーカーじゃん!』」


 そして僕たちのお使いクエストはここから始まった、僕たち3人だけで街中を歩いて目的のNPCを探した


 ぬいぐるみたちは静かに僕たちを見守り、後からついて来るだけで助言のたぐいはいっさいしなかった


 しばらく歩いて行くと困った表情のNPCがいた、そのNPCがお使いクエストの依頼者でさっそくムーちゃんが声をかけた


ムー「こんにちは、どうかされましたか?」


NPC主婦「丁度良かった、あんた達暇かい?お使いを頼んでいいかい?」


シャーロット「はい、いいですよ!」


NPC主婦「良かった助かる、味噌と醤油を買って来て貰いたいんだよ」


ヒミコ「味噌と醤油じゃな」


NPC主婦「丁度切らしてね、今台所から離れられなくてね!頼んだよあんた達」


 NPC主婦からの依頼で僕たちは味噌と醤油を買いにお店に向かった


 案外近くにお店はあったが、味噌はあるけど醤油がなかった


ムー「醤油が無いわね」


ヒミコ「ここで味噌だけ買っておくのも1つの手じゃな」


シャーロット「なるべくなら同じお店で買った方がいいと思うよ」


 僕の意見が通ってずいぶん沢山のお店を見てまわったが、なかなか揃って売っているお店がなくここが最後のお店だった


ムー「ここで最後ね、もしここに無ければ別々でもいいわね」


 ムーちゃんは別々に買う事でもいいと提案したが、ヒミコちゃんが味噌と醤油を発見した


ヒミコ「お〜!2つともあったのじゃ!」


シャーロット「良かったよこんだけ探してなかったら僕、相当凹む所だったよ」


ムー「すいません、味噌と醤油を下さい」


お店の店主「味噌と醤油で1200enです」


 味噌と醤油を購入してNPC主婦の元まで戻って来た僕たちは、味噌と醤油を渡した


NPC主婦「こ、これは幻の味噌と醤油!あんた達どこでコレを?」


シャーロット「え〜と、ここは東の大通りですよね?僕たちが行ったお店は西の大通りでしたよ」


NPC主婦「あんた達、西の大通りまで行ったのかい?」


ムー「味噌と醤油がどちらも揃って買えるお店を探しただけですよ」


NPC主婦「ありがとうね、報酬は奮発しておくからね」


 そして僕たちのお使いクエストの1つ目が達成した


ムー「この羊皮紙にクエスト達成が書かれているなんてね」


シャーロット「それをあと2つだね」


ヒミコ「妾たちなら楽勝なのじゃ!」


 NPC主婦から受け取った羊皮紙はムーちゃんが代表してストレージにしまった


  僕たちは次のお使いクエストに向かった


ヒミコ「ここなのじゃ」


ムー「大通りからだいぶ離れた所だけど………『また悪い人達がいなければいいな〜』」


シャーロット「あっ、たぶんあの人だよ」


NPCおっさん「あ〜困ったわ!どうしましょう」


ヒミコ「乙女おっさんなのじゃ!」


シャーロット「ヒミコちゃん聞こえちゃうよ!」


ムー「こ、こんにちはどうかされましたか?」


NPCおっさん「え?貴女達、アタシの話しを聞いてくれるの?」


ムー「え、えぇまぁ」


 ムーちゃんはちょっと引いていた、しかしそれも無理がなく相手は大柄な男性なのに女性の言葉使いをしている………いわゆる男のお姉さんで属に言うとオカマだった


NPCおっさん「アタシの大事なあの子が居なくなったのよ!」


ヒミコ「大事なあの子とは、どんな子なのじゃ?」


NPCおっさん「それはもう可愛らしくて、黒くて瞳の大きな子なのよ!」


シャーロット「可愛らしくて黒くて瞳の大きな子ですか?」


 特徴はそれだけしか教えて貰えなかったが、僕たちはその子を探した


ムー「まさか迷子を探すクエストなんてね」


ヒミコ「ざっくりとした特徴でどう探せばいいかわからんのじゃ!」


シャーロット「迷子か………『あ〜思い出した僕もヤノンレの森で迷子になかったんだったよ、そこで黒鎧と出会ったんだった………僕忘れるの早すぎない?もしかして認知症かな』」


 などと考えていると、前から黒い猫がやって来た


ヒミコ「黒猫なのじゃ!横切るでない!縁起が悪いのじゃ!」


ムー「でも可愛らしく見えるわ」


シャーロット「その黒猫だ!」


 黒猫は可愛らしくて黒くて瞳の大きな子とNPCおっさんが言っていた特徴は一致していた


ムー「まさか猫だなんて」


ヒミコ「黒猫!あの乙女おっさんはなんなのじゃ!」


シャーロット「おいで〜怖くないよ」


黒猫「にゃ〜ん♡」


 黒猫は僕にすり寄って来たので抱きかかえてみたが、暴れる様子もなくおとなしく抱かれていた


ムー「そのまま依頼者の所まで行きましょう」


ヒミコ「シャーロット、お主よく平気じゃな」


シャーロット「だってこの子、可愛いよ」


ヒミコ「妾は特に黒猫は嫌いなのじゃ」


 ヒミコちゃんと猫は何か因縁があるらしいが詳しくは語ろうとしなかった


NPCおっさん「まぁ、よく見つけてくれたわね!貴女達がこんな短時間で見つけたコツは何かしら?」


シャーロット「はじめは居なくなったのは子供だと僕も思っていました、けど子供だとしたらもっと細かく特徴を伝えるはずですよね」


NPCおっさん「そこから推測したという理由ね」


シャーロット「はい、そして偶然通りかかった黒い猫の特徴が一致していたのでダメ元で連れて来ました」


NPCおっさん「そうね、アタシも気が動転していてねもっと特徴を言っておけば良かったと思っていた所だったのよ!」


ムー「でも、無事見つけられましたし問題無いと思いますよ」


NPCおっさん「えぇ、まさにその通りよ!コレは今回の報酬は色を付けないとね♡」


ヒミコ「うげ〜、やめるのじゃそのウインク気持ち悪いのじゃ」


ムー「そう言う事は思っていても口に出しちゃだめよ!ヒミコちゃん」


シャーロット「すいません」


NPCおっさん「気にしてないわよ、むしろもっと罵られてもアタシは痛くも無いわ」


 このNPCおっさんのメンタルは最高到達点に達しているようでどの様な精神攻撃でも無効か、もしくは耐え抜いてしまう神メンタルの持ち主だった


 ちなみに黒猫はメスで飼い主であるNPCおっさんに抱かれるのは相当嫌がっていた


 そして僕たちは2つ目の羊皮紙を貰い、クエストも残すところあと1つとなった


ヒミコ「流石にアレはキツイのじゃ」


ムー「次の依頼者がまともならいいわね」


シャーロット「え?あの人とまともだったよ」


ヒミコ「どこが!あんなカマカマしたNPCおっさんなんて見た事無いのじゃ!」


ムー「カマカマってオカマの事?かまぼこじゃないわよね」


ヒミコ「もちろんオカマのおっさんなのじゃ!」


シャーロット「オカマか………ネットゲームではネカマって言うらしいよ『アレ?僕はネカマ?だけどゲームでも現実でも幼女だし違うのかな?』」


 最後のお使いクエストの依頼者を見つけた


NPC幼女「え〜ん(泣)」


ヒミコ「あ〜アレは迷子じゃな」


ムー「まだそうと決まった理由じゃないでしょ」


シャーロット「とにかく声をかけてみようよ」


ムー「今回はシャーロットちゃんに譲るわ」


シャーロット「え?」


ムー「あの子に声をかけてみて」


シャーロット「う、うんわかった『もしかして小さい子が苦手なのかなムーちゃんは………』」


ヒミコ「ファイトなのじゃシャーロット!」


 ヒミコちゃんのファイトは何が?と思ったが、とりあえず声をかけてみた


シャーロット「こんにちは、どうしたのなんで泣いてるのかな?」


NPC幼女「わたし迷子になっちゃって、お家に帰れないの………ぐすん」


 ヒミコちゃんの予想通り迷子であっていた


シャーロット「お家はどんなお家かな?」


NPC幼女「赤い屋根のお家で壁は真っ白だよ、お姉ちゃんが連れて行ってくれるの?」


シャーロット「うんそうだね、お家まで連れて行ってあげるよ」


NPC幼女「ほんとう!わ〜い、お姉ちゃん大好き♡」


シャーロット「うんじゃ行こうか『本物の幼女はこうやるのか、この子を見て勉強しようそして紅優に幼女の振り攻撃をもっと強化してみよう』」


 とりあえず赤い屋根と真っ白な壁の家を探してだいぶ歩いたが、条件に当てはまる家がなかなか見つからなかった


ムー「ここは東の大通りだから、西の大通りか南の大通りね」


ヒミコ「なら次は西の大通りなのじゃ!」


シャーロット「待ってよ!」


 僕はNPC幼女を抱きかかえていたため、2人よりも歩くのがさらに遅くなっていた


ムー「変わろうか?」


NPC幼女「嫌っ!このお姉ちゃんがいい」


 と言う事で結局僕がNPC幼女を抱きかかえての移動となった


シャーロット「やっとついた西の大通り」


ヒミコ「シャーロット、ちょっと休憩するのじゃ!」


ムー「そうね、一旦休憩しましょう」


シャーロット「僕は平気だよ」


ヒミコ「いいから休憩するのじゃ」


ムー「この西の大通りになかったら南の大通りまで行くのよ!ここで休憩したほうがいいわ」


 僕は2人に押し切られて休憩する事になった


シャーロット「もう少し待っててね、ちゃんとお家に帰れるからね」


NPC幼女「うん」


 しばらく僕たちは休憩をしていたら、NPC幼女が何かを見ていた


ヒミコ「何か気になるものでもあったのじゃな」


ムー「アレは食べ物ね」


 僕とムーちゃんが食べた【焼き鳥コーンモドキ】ではなく別の食べ物だった


 あの出店があるのは東の大通りでこちらは西の大通り、と言う事は西の大通りでは別の食べ物が名物になっていてもおかしくはなかった


シャーロット「美味しそうな匂いだね」


ヒミコ「ムー、アレを買って来るのじゃ!」


ムー「はいはい、一緒に行きましょうねヒミコちゃん」


ヒミコ「な、離せ妾は待っておるから買って来て欲しいのじゃ」


ムー「そうは言っても、人数分は持てないからね」


ヒミコ「う〜わかったのじゃ!行くから、引っ張るのをやめて欲しいのじゃ」


 こうしてムーちゃんとヒミコちゃんは食べ物屋さんに行った


シャーロット「どんな食べ物だろうね?」


NPC幼女「美味しい食べ物だよ」


シャーロット「食べた事があるの?」


NPC幼女「うん、ずっと前に食べた事あるよ」


 どんな食べ物かは想像するよりも、今2人が買いに行ってくれているから待つ方が早い


ムー「お待たせ!はい、どうぞ」


NPC幼女「うわ〜、ありがとう」


ヒミコ「シャーロット、コレはお主のじゃ」


 僕はヒミコちゃんから食べ物を受け取った


シャーロット「コレはクレープだね」


 薄く焼いた生地に生クリームと果物とチョコのチップが上からまぶしてあり、僕の手よりも大きなクレープだった


シャーロット「食べごたえありそうだね」


ムー「甘くて美味しい!」


ヒミコ「うむ、コレは美味なのじゃ」


 ヒミコちゃんは鼻の頭に生クリームを付けてそう言った


ムー「ヒミコちゃん、生クリームが鼻に付いてるよ」


ヒミコ「なぬ!ほんとうなのじゃ」


 ヒミコちゃんは片手て鼻を触り生クリームが付いた手をそのまま舐めていた


ムー「やだ〜舐めてる、キショい〜」


ヒミコ「どこがキショいのじゃ!」


 いつの間にかNPC幼女はクレープを食べ終えていて、僕も慌てて食べ続けた


 ムーちゃんとヒミコちゃんはまだ言い合いをしていた


 僕は最後の一口を食べて、やっとクレープはなくなった


シャーロット「なんとか食べ終えたよ」


ムー「そんな慌てなくても良いのに」


ヒミコ「さて、家探しを再開するのじゃ」


ムー「この西の大通りにあればいいけどね」


シャーロット「地道に一歩ずつだよ、そうすればいずれたどり着くはずさ」


ムー「そうね、さぁ探しましょう」


 僕たちは迷子のNPC幼女のお家探しを再開した


シャーロット「あっ、アレは赤い屋根と真っ白な壁だよ?」


NPC幼女「違う、あのお家じゃない」


   NPC幼女は首を横に振り違うと言う


ムー「先を見て来たけど他はないわ」


ヒミコ「こっちの方もなかったのじゃ」


シャーロット「と、言う事は南の大通りかな?」


ムー「行ってみましょう」


ヒミコ「ここまできたら、最後までやるのじゃ!」


     僕たちは南の大通りへ向かった


シャーロット「だいぶ暗くなって来たね」


ムー「そろそろ夕方だしね」


ヒミコ「ここになかったらどうするのじゃ?」


ムー「ないって事は無いと思うけど………その場合はルモンさんの所まで戻りましょう」


シャーロット「この子を連れて戻るの?」


ムー「もしここになかった場合はね」


ヒミコ「その場合はクエストはどうなるのじゃ?」


ムー「たぶん、クエスト失敗ね」


シャーロット「ここにある事を祈るしかないかな」


   僕たちは意を決してお家探しをした


ムー「夕日て照らされて赤い屋根がオレンジに見えるわね」


ヒミコ「アレは真っ白な壁なのじゃ!」


 ヒミコちゃんが指差した方をムーちゃんと僕とNPC幼女も見た


NPC幼女「あっ、あった!あのお家だよ」


シャーロット「そこのお家がそうなの?」


NPC幼女「うん、ありがとうお姉ちゃん!コレあげるね」


   僕はNPC幼女から羊皮紙を受け取った


NPC幼女「ばいばい、お姉ちゃん!」


 そして迷子のNPC幼女はお家に入って行っき、その後出て来る事はなかった


 もしかしたらNPC幼女の母親が出て来てお礼を言うのかと思ったが、出て来る事はなくなんとなく拍子抜けしていた僕たち3人はポケ〜と様子を眺めてしまった


ムー「終わったの?」


ヒミコ「み、みたいじゃなこれで終了なのじゃ!」


シャーロット「はぁ〜疲れた!」


 僕たちはクエストを達成したが、まだルモンさんに報告してないので急いで闘技場の広場まで戻った


ルモン「ん?お疲れ〜!」


アーサー「お帰りなさい、姉さん!」


ノブナガ「お待ちしてましたよ、姉さん!」


ベニ「無事帰って来たか」


 ムーちゃんが代表してルモンさんに報告をしてくれた


ムー「お使いクエストは無事終了しました、これがクエスト達成の証です」


ルモン「どれどれ、ランクSこっちもランクSってえぇ?コレもランクS!全部ランクSだなんて………何をしたの貴女達!」


ヒミコ「お使いと迷子探しとお家探しなのじゃ!」


ムー「ランクSっていい評価なんですか?」


ルモン「現時点では最高評価よ」


シャーロット「ちなみにランクは他の評価もあるのですか?」


ルモン「下はDからで、上はSまでの5段階評価よ」


ムー「と言うと、上から〘SABCD〙ね」


ヒミコ「妾たちはそのSが3つなのじゃ!」


シャーロット「それって、僕たちはクランを結成出来るって事だよね?」


ルモン「そう言う事だよ、おめでとう!貴女達3人はこれでクランを結成する事が出来るのさ!」


 こうして僕たちのお使いクエストは無事終了し、クラン結成の権利を獲得した


シャーロット「クラン結成か………」


ヒミコ「さて、リーダーを決めねばならんのじゃが?」


ムー「リーダーね………わたしはパス!」


ヒミコ「なぬ!てっきりリーダーになりたいとごねると思ったのじゃが?なぜやらないのじゃ?」


ムー「わたしよりもシャーロットちゃんがリーダーの方がいいわ!」


ヒミコ「なぜ妾ではないのじゃ!」


ムー「最初のお使いと迷子の黒猫とその後のNPC幼女の迷子でね、的確な判断をしたのはシャーロットちゃんよ」


ヒミコ「確かにそうじゃな、シャーロットの言葉が無ければ味噌と醤油は同時に買えなかったのじゃ」


シャーロット「あの〜僕の意見は?」


ムー「わたしはシャーロットちゃんに一票入れるわ!」


ヒミコ「ならば妾もシャーロットに一票なのじゃ!」


シャーロット「って僕の一票は誰に入れても効果無しだよね?………僕がリーダー決定か『僕に務まるかな………リーダーなんてやった事無いしなぁ』」


ムー「とりあえず今日はここまでにして、また集まってクランの名前とか決めましょう」


ヒミコ「それがいいのじゃ」


 今日はもう終わりとして、また改めて集まる約束をした


     そして僕とベニだけが残った


ベニ「なぁ、シャーロットちゃん!これからちょっと出かけないか?」


シャーロット「どこに?」


ベニ「まぁ、そうだな人がいない所だな」


シャーロット「は?人がいない所って、僕に何かするつもりなの?『やらしい事とかするつもりなの?スカイに言いつけるよ!』」


ベニ「いや、そうじゃなくて!確認したい事があるんだ………」


シャーロット「確認したい事って何?」


ベニ「それはここじゃ言えねぇよ!」


シャーロット『今ここで言えばいいのに!なんで?』


 しかたなく僕はベニと人気(ひとけ)の無い場所まで移動する事になり、街を出てフィールドへ向かった


 向かった場所は東の門を抜けてずつと先にあるマザキビ川だった


 ここは滅多に人は来ない場所でクエストなども1日に1個あればいい方だった、そのため密会場所とかデートスポットとか言われている場所として有名な所だ


ベニ「ここなら誰も来ないな」


シャーロット「何の確認なの?」


ベニ「それはな………」


 そう言うと突然ベニは僕に攻撃を仕掛けて来た、双剣を構えて乱暴に切りつけようとしていた


シャーロット「な!ヤバい、奇跡の生還者!」


 咄嗟にスキルを使い攻撃を防いだが、ベニは攻撃を止めなかった


ぬいぐるみ剣士「キサマ!何を考えている!」


ぬいぐるみ弓使い「やめろ!ベニ殿!」


ぬいぐるみ魔法使い『な、なんだ仲間われか?』


シャーロット「どうて攻撃するの!やめてよ、ベニ!」


 しかしどんなに言ってもベニは攻撃をし続けた


ベニ「まだまだ、いくぜ!」


 そろそろ奇跡の生還者が切れて無防備になりそうなので、僕は慌ててストレージからママゴトセットを取り出してスキルが切れた瞬間に幼女領域を展開した


シャーロット「なんでまだ攻撃するの!」


 僕は涙目になりながら訴えた、すると攻撃をやっとやめてくれた


ぬいぐるみ剣士「キサマ、わかっているのか!自分が何をやったのかを」


 ぬいぐるみ剣士は怒っているが同時に困惑していた、ベニがこんな事をするはずは無いと思っていたから動けなかったのだ


ベニ?「ふっ、フハハハハッ!なかなか愉しめたぞ!小娘!」


ぬいぐるみ弓使い「コイツ、ベニ殿ではないぞ!」


ぬいぐるみ剣士「いつからすり替わったんだ!」


ベニ?「もちろん最初からだが?この小僧の姿なら油断すると思ってな」


ぬいぐるみ魔法使い「なるほど!我も見抜けなかった理由だな、ずばりアイテムで姿を変えている」


ベニ?「ほう、そこまで見抜けたか」


シャーロット「ベニじゃ無いなんて、いったい誰なの?」


ベニ?「小娘、お前に敬意を評して真の姿を見せてやろう!」


 ベニの姿が変わっていく、ベニの体型ではなくなり大きな身体つきで鎧の姿に変わった


 だがその鎧は見覚えがあった、以前出会った黒鎧とそっくりな鎧だった


シャーロット「え?黒鎧なの?」


???「誰かと勘違いをしているようだが、まぁいい」


ぬいぐるみ剣士「なんだこの威圧感は!」


ぬいぐるみ弓使い「禍々しい力を感じるぞ!」


ぬいぐるみ魔法使い『おいおいおい、冗談じゃねぇよ!我を巻き込むなよ!』


シャーロット「黒鎧じゃ無い?そういえば体型が違う!」


???「愉しめた例だ!一撃で葬ってやろう」


   謎の敵は武器を構え力を溜めていた


 敵が持つ武器は両刃の大剣で刀身が禍々しいほどに黒く濁っていた


ぬいぐるみ剣士「まずいな!マスターを守れ弓使い、魔法使い!」


ぬいぐるみ弓使い「出来るかぎりはやってみるが防げるのか?」


ぬいぐるみ魔法使い「マスターを守る防衛戦かよ!」


シャーロット「みんな………『スキルはまだどちらも使え無い!どうすればいいの?』


 たっぷり時間をかけて力を溜めた敵は、僕たち目掛けて技を放った


???「暗黒(ダーク)斬波(スラッシュ)!」


 禍々しいオーラを斬撃波として放ち、離れている僕たち目掛けてその斬撃波が飛んで来た


シャーロット「だめだ!やられちゃう」


ぬいぐるみ剣士「させん!うおおおぉ!」


 ぬいぐるみ剣士は斬撃波に特攻を仕掛けようとした、その時だった


ぬいぐるみ剣士「何!お前は………」


 飛んで来る斬撃波とぬいぐるみ剣士の前に立つ人物がいた


黒鎧「相変わらずトラブルに巻き込まれるな、ここは任せろ!」


 黒鎧が斬撃波をいとも簡単に弾き僕たちは無事だったが、弾かれた斬撃波は近くにあった大岩を粉々に砕いた


シャーロット「黒鎧!じゃあやっぱりあの鎧の人は別人なんだ、良かった」


???「お前は誰だ!」


黒鎧「名前すら名乗らなヤツに名乗る必要は無い」


???「名前かいいだろう!教えてやろう、俺様の名はグランドラス・マキシリオンだ覚えておくがいい!」


黒鎧「長すぎる名前だな、オレは黒鎧だ!」


マキシリオン「黒鎧か覚えておこう、今回はここで引き下がってやる!ありがたく思えよ」


 そう言ってマキシリオンは忽然と姿を消した


黒鎧「勝手に危ない所に来てはだめだろう、シャーロット」


シャーロット「黒鎧!ありがとう、また助けてもらっちゃったね」


黒鎧「本物のベニはどうした?」


シャーロット「たぶんだけど、ログインしてないかもしれない」


黒鎧「そうか………街まで送ろう」


    そう言って僕を抱きかかえる黒鎧


シャーロット『またピンチを助けられちゃったな………けどあのマキシリオンってヤツはなんだよ!急に攻撃して来て、僕何かしたっけ?』


ぬいぐるみ剣士「黒鎧だったか?お陰で助かった、礼を言わせてくれ」


黒鎧「見知らぬヤツに攻撃されてるのが、シャーロットだったからな………気にするな」


ぬいぐるみ弓使い「貴方が助けてくれなければマスターはやられてしまっていた、ですからお礼を言わせてもらいます!ありがとう」


ぬいぐるみ魔法使い「我の魔法ならあんなの防げたって〜の!『実際は無理ゲーだがな!』」


黒鎧「魔法か………相殺はできただろうが、近距離での爆発となればお前達といえどダメージが大きかったはずだ!無事ではなかっただろうな」


ぬいぐるみ剣士「腕の一本や二本などくれてやってもお釣りがくる、マスターさえ無事ならな!」


ぬいぐるみ弓使い「マスターの為ならこの命惜しくはない!」


ぬいぐるみ魔法使い「我は命が惜しいが?」


シャーロット「みんなが無事なら僕が犠牲になってもいいよ」


ぬいぐるみ剣士「なんともったいないお言葉を………」


ぬいぐるみ弓使い「マスターと我々は一蓮托生です」


ぬいぐるみ魔法使い「まじで?」


黒鎧「マキシリオンだったか、ヤツの動向は探っておこう………しかしこの事はまだ誰にも言うべきでは無いな」


シャーロット「ベニやスカイにも?」


黒鎧「ヤツもすぐには仕掛けては来ないはずだ、再びヤツが現れた時には今回の事を話せばいい」


シャーロット「うん、わかったよ」


 マキシリオンの目的はなんなのかは今の僕にはわからなかったが、すくなくとも僕は狙われているという事だけは事実だった


シャーロット『なんで僕なんかを狙うんだろう?取り柄なんて何も無いのに………はっまさか幼女を狙った連続殺人とか?なんでゲームの中でやる必要があるのソレ、意味不明だし味噌だし醤油だし』


 少々僕は壊れた思考パターンになっていた


黒鎧「着いたぞシャーロット、もう1人ではあんな危ない所に行くなよ」


シャーロット「ごめなさい、とそれからありがとう!黒鎧また会えるかな?」


黒鎧「あぁ、また会えるさ!じゃあな」


 黒鎧は去って行き、僕はその背中をずっと見続けていた


ぬいぐるみ魔法使い「いいヤツだったな、あの黒鎧!」


シャーロット「うん、僕が尊敬している人だよ」


ぬいぐるみ剣士『尊敬の眼差しでは無いように見えるが?ここは黙っておくとしようマスターの為にな』


ぬいぐるみ弓使い「あんな強いヤツがいるなんて、まだまだ強くならなければならないな」


 ぬいぐるみたちはそれぞれ思うところがあるみたいだけど、経験値が入らないぬいぐるみたちがLVを上げる事はできるものなのかと僕は考えていた


シャーロット「そろそろ僕はログアウトするね」


ぬいぐるみ剣士「では、いつも通り宿をお取りしましょう」


ぬいぐるみ弓使い「剣士、この近くで宿屋はどこだ?」


ぬいぐるみ剣士「あそこにあるな」


 ぬいぐるみ剣士が指………というか腕で指し示した方に宿屋はあった


シャーロット『よく考えたらどうやってあの剣を握っているのかな?』


 ぬいぐるみたちの手はまるでキッチンミトンのようであり指そのものがくっついているので、人差し指だけ握らないとかはできない仕様になっていた


シャーロット『全部で掴めば問題無いのかもしれないな』


 こうして僕は宿屋の部屋でログアウトをした




クラン結成までは良かったのですが謎の敵が現れた、グランドラス・マキシリオンと名乗る人物がシャーロットちゃんをピンポイントで狙っているようです

次回はクラン名は何?です

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素人の作品です   


           福望華雫でした

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