ログイン9 友だち探し
貧乏高校生 当溜。格安ボロアパートに住みバイトをして生活費を稼ぐのが彼の毎日だった。明日から学校が夏休みに入る事で浮かれていた時に偶然おもちゃ屋で最新のVRヘッドギアを見つけ購入した。さっそくVRゲームを始めたまでは良かったのだが、本来なら無いはずのVRヘッドギアのホームにログインを果たした。彼は大嘘をつくAIの言う事を真に受け全てにYESと応えてしまった。身体構造スキャンを許し、問題箇所のリペアとしてハルモニア光なる謎の光を実際の身体に照射された。問題は解決したのだとAIに唆されてゲーム世界に送り出されてしまう。しかしこの事が当溜の生活をガラリと変えてしまう重要な出来事だった。ログインしたゲーム内でも問題が発生した。選択出来る性別が女性のみで男性の選択は不可能だった。なんとか女性アバターを男性的な姿に作る事に成功したが、間違えてランダム作成を押してしまい完成したアバターは幼女だった。
♤守ってください幼女な僕を♡
縮めて『守幼』をよろしくお願いします
自宅の部屋のPCで調べ物をしている紅優は、あるモノの画像を見ていた
紅優「コレはなんだ?世界中で目撃されている謎の巨大な物体か………この金属製のモノ、当溜の腕輪のヤツにそっくりだな」
謎の大きな物体を見たと言う当溜と、世界中で目撃されている謎の巨大な物体が無関係とは思えない紅優はさらに調べた
すると日本だけでなく、海外でも当溜と同じく幼女になった人たちがいる事がわかった
紅優「日本だけじゃないのか?ん、これは………」
紅優が発見したネット記事には、とても興味深い事が書かれていた
紅優「幼女化した息子に謎の荷物が届き、それを父親が手にした瞬間に父親も幼女化してさらに腕輪に変形した………俺がもしあの物体に触っていたら幼女化していたかもしれないな」
しかしある矛盾に気がついた
紅優「ゲームをしてなかった父親が幼女化?息子はゲームをしていたと記事にはあるが、父親はそもそもゲームはしていたのか?」
徹底的に調べたがその事は、どこにも書かれてはいなかった
紅優「結局わからずじまいか………俺の見立てではあの腕輪は未知の金属だと思うが、その場合は地球外生命体絡みになるんだよなぁ〜」
未知の金属それは地球外生命体の乗り物でもっとも有名なのが未確認飛行物体でまたの名をUFOと言うのだが、それだと宇宙人が何らかの実験のために地球人を幼女化させている事になるのだが紅優にはその可能性の低さを実感していた
紅優「地球外生命体なら、こんな回りくどい事しないで拉致って実験すればいいはずだな?それに宇宙人が絡んでいるなんて記事はどこにも無いしな………」
幼女化させているのに、日常生活をおくらせる意味のなさに疑問を抱く紅優だった
紅優「どうにも謎だらけだな、それと俺自身に起こった現象はどこにも書かれてなかったな………」
紅優が自ら体験した死の淵からの生還は医療現場では奇跡的にあるものでもわずかな確率しかなく、ゲームのように回復する事例はネットの中にも現在までの歴史上の中でも存在しなかった
紅優「幼き聖女と稚い御手このワードでもヒットでしなかったな………となると当溜だけが使えるのか?」
ピコん
紅優「ん?萃香からREONか「もしかしてだけど、当溜の友だち探し忘れてない?」………忘れてたなそっちもあったな、今からソッコーで調べるか………できれば萃香が住んでるあのマンション内で調べるか」
ネット上に溢れる情報の中から個人情報まで特定する訳ではなく、あくまでも家族構成などで調べた紅優は3つの家族に絞った
紅優「まずは山田家から家族構成は両親と娘1人で次は御紫家で家族構成は母親と娘1人か、てことは母子家庭か?いい所に住めるなんて母親の相手が金持ちとかかもなそれで最後は大久保家で家族構成は両親と3人兄弟妹か………」
この中で良さそうなのが山田家と御紫家だけだった、何故なら大久保家は妹はいいとしても兄弟がいるから除外した紅優
紅優「山田家の娘さんは高校1年生って俺らとタメかよ!無しだな………と言う事は御紫家の娘さんか小学1年生か良さげだな、名前は御紫真緒ちゃんか可愛い名前だな………後は性格しだいか」
紅優はさっそく調べた事をREONで萃香に知らせた
その報告受けた萃香は
萃香「あっ、紅優からREONね「萃香の住むマンションで探したら御紫家の真緒ちゃんなら小学1年生で良さげだが、性格まではわからないがどうする?」真緒ちゃんか知ってる娘で良かったわ」
紅優に知っている娘である事をメッセージで送る萃香
紅優「お?返信来たな「その娘なら知っているし、性格もおとなしい娘だから大丈夫よ!」なるほど知っているならちょうどいいな」
さらに返信しかえす紅優
萃香「紅優からの返信ね、えっと「その真緒ちゃんと当溜を引き合わせてやってくれないか?こっちは当溜のアパートとバイトどうすんの問題をやっておくから頼んだぞ!」って丸投げ?絶対後で文句を言ってやるわよ!覚えてなさいよ紅優!」
それから萃香は当溜を連れてエントランスまでやって来て、インターホンで呼びかけた
萃香「すいません、麻美さんいらっしゃいますか?」
真緒の母の麻美「あら萃香ちゃん久しぶりね、今日はどうしたの?」
萃香は真緒ちゃんと当溜を引き合わるために訪問したいと申し出たら
麻美「良いわよ、家の娘引っ込み思案だからお友だちが増えるのは良い事だわ」
訪問の承諾を得て御紫家におじゃまする萃香と当溜、それと当溜にはまた偽名の〘あゆむ〙を名乗ってもらう事にした萃香だった
萃香の自宅と比べるとだいぶ狭いが、僕が
住んでたボロアパートよりは広いのは当たり前かもね
リビングに通され見渡すとなかなか高価なテレビが目立ち、洋風のリビングに和風の壺と掛け軸とあり一見ミスマッチのように見えるが絶妙にマッチしていた
麻美「どうぞ上がって、今娘を呼んで来るからリビングで待っててね」
萃香「はい、おじゃまします」
当溜「おじゃまします」
萃香の真似をした当溜は、今回は噛まなかった
麻美「あら可愛いわね、ちゃんと言えるのね」
麻美さんは娘である真緒を呼びに行き、萃香は当溜を抱っこしていたので下ろしてあげた
萃香「いいな〜ここくらいの広さなら快適なのになぁ〜」
当溜「そ、そうなんだ………『ここ僕が住んでたアパートよりもだいぶ広いけど?萃香の基準がわからないな………はっ、コレが貧困格差か!」
娘さんを連れて戻って来た麻美さん、とてもニコニコした顔だった
麻美「お待たせ〜!娘の真緒よ、ほら真緒あいさつは?」
真緒「こ、こんにちは萃香さん!それと……」
萃香は御紫家と以前から交流があり、真緒ちゃんと萃香は年の離れた友だちみたいな関係を築いていたが、僕の方を見ている真緒ちゃんは警戒している様子だった
当溜「僕の名前はあゆむ、よろしくおじえがいします『うわっ、いい所で噛んじゃったよ僕』」
そんな僕のあいさつを聞いた真緒ちゃんは、思わずクスクスと笑っていた
萃香「あゆむちゃん、無理して難しい言葉を使おうとしなくていいからね『幼児化が進んだ影響かな?最近よく噛むわね………』」
麻美「あゆむちゃん可愛いわね〜家の子にならない?」
麻美さんに気に入られた僕だが、そうはいくまいと萃香が割って入った
萃香「だ、だめですよ麻美さん!あゆむちゃんはあたしの親戚の子なんですよ!」
麻美「そう、残念ね………それなら遊びに来るのは大歓迎よ!」
少々がっかりしていたが、やはりこの人は只者じゃないようでちゃっかり遊びに来てもいいと言う所が凄いと萃香は思った
真緒「わたしの部屋で遊びましょうか?あゆむちゃん」
真緒ちゃんはお姉さんぶりを発揮して、僕を自分の部屋まで案内してくれた
真緒ちゃんは小学1年生で現在は7歳だ、一方で僕の見た目の年齢は5・6歳くらいなので間違ってはいないが実年齢は僕の方が年上だった
バタン
自室の扉を閉めた真緒ちゃんの様子が突然に変わった
真緒「ねぇあゆむちゃん、家のママをどう思う?雑ぁ魚だよね?」
当溜「雑ぁ魚?なんでそう思うの『雑ぁ魚って何語?古代語かな』」
真緒「わたしのママの頭が雑ぁ魚って思ってるからよ!ほ〜んと頭のネジゆるゆるの雑ぁ魚で、わたしは恥ずかしいのよ!わかる?」
突然の豹変ぶりに困惑していたら
真緒「あれ?ひょっとしてあゆむちゃんも頭のネジゆるゆるの雑ぁ魚だった?」
当溜「違うよ!僕の頭のネジはナットだからレンチで固く絞めてあるよ!『あれ?ボルトだっけ?』」
慌てて否定したが、真緒ちゃんが僕を見る目は雑ぁ魚決定を示しているようだった
真緒「そっか〜あゆむちゃんも雑ぁ魚なんだね!雑ぁ魚、雑ぁ魚!キャハハハハッ」
当溜「僕は雑ぁ魚?『この娘、何言ってんの?理解が追いつかないよ』」
不敵な笑みを浮かべて僕を雑ぁ魚呼ばわりしている真緒ちゃんは、現在かなり優越感に浸っている様子だった
彼女から目を離して部屋の中を見たら、見覚えがあるモノがあった
当溜『ん?アレはVRヘッドギアだ!真緒ちゃんもやるのかなゲーム………聞いてみようかな』真緒ちゃんもVRゲームをやるの?」
真緒「やっているけど?」
当溜「僕もVRゲームをやっているんだよ………激弱だけどね」
真緒「ゲームのタイトルは何?」
当溜「【忘却のイディア】ってタイトルだよ」
真緒「ウソ〜!わたしも同じゲームをやってるよ!」
驚くべき事にゲームタイトルは同じ【忘却のイディア】で真緒ちゃんも最近やり始めたばかりだと言った
真緒「じゃあ、一緒にやろうよ」
当溜「いいけど、僕は最弱だよ?『守ってもらわないと駄目なんだけど?』」
真緒「わたしは一緒にやれる誰かを待っていたのよ!強さは関係ないわ」
当溜「ホント?いいの僕で、真緒ちゃんが言うように雑ぁ魚だよ?『この言葉合ってるのかな?』」
真緒「やってみないとわからないわ、まぁ雑ぁ魚でもそれなりに使えるでしょ?」
こうして僕たちはゲームをする約束して、今は部屋遊びをする事になったのだけど………
真緒「さぁてあゆむちゃん!診察の時間ですよ〜」
何故かお医者さんごっこでしかも、リアルに服を脱がされた
当溜「コレはごっこ遊びだよね?服を脱がす意味はあるの?『僕、下着姿にされたけど?こういう遊びって服の上からじゃなかったっけ?それと凄く恥ずかしい』」
真緒ちゃんはおもちゃの聴診器を僕の胸に当て心音を聞くふりをしていた
真緒「あゆむちゃんの心音に深刻なエラーが出ています!大変ですたった今あゆむちゃんの心臓が止まりました」
当溜「え?僕の心臓止まったの?『じゃあ、なんで僕は生きてるのさ………』」
真緒ちゃんに強引に寝かされ、心臓マッサージのふりをされる僕
真緒「あゆむちゃん!帰って来てお願い!」
当溜「………『僕どこにも行ってないけど?』」
真緒ちゃんは突然僕の唇に自分の唇を合わせ、マウスtoマウスを始めた
当溜『???何してんの真緒ちゃんは………コレはキスだよね………なんで僕に?』
ごっこ遊びの領域を完成に超えた遊び方をする真緒ちゃんに強引に唇を奪われた僕だった
真緒「あゆむちゃん!良かった息を吹き返したわ」
当溜「真緒ちゃん?さっきのってキスだよね?『僕生まれて初めてなんだけど………』」
真緒「ん?人命救助にそんな事言ってられないわ、それに女の子同士ならノーカウントよ!」
変な理屈を付けているが、僕がキスである事を認識していた事に真緒ちゃんは顔と耳を赤くしていた
真緒「さてと、お医者さんごっこはおしまい!あゆむちゃん1人で着れる?」
当溜「僕1人じゃ着れないよ『強引に脱がせておいてそれはないでしょ!いろいろと責任取ってよ!』」
真緒ちゃんはしぶしぶ僕に服を着せてくれた
真緒「はい!コレでいいのね?」
当溜「うん、ありがとう『リアル着せ替え人形になった気分だよ………まぁお礼は言うけどね』」
僕が真緒ちゃんの顔を見ていると、真緒ちゃんも僕の顔を見て来た
真緒「雑ぁ魚のあゆむちゃん、何かな?わたしの顔を見ているけど何かついてるの?」
当溜「真緒ちゃんの遊びって過激だね………『何もリアルにやらなくてもいいのに………しかも人工呼吸の真似でキスまでしちゃうしさ、僕のファーストキス奪われちゃった………』」
僕がしょんぼりしていると真緒ちゃんは僕を抱きしめて来た
真緒「わたしにあゆむちゃんみたいな妹がいたらいいのになぁ〜………そしたら毎日のように遊んであげられるのに」
当溜「毎日遊ぶ?『毎日あんな過激な遊びをするつもりですか真緒ちゃん!このままじゃ僕、お嫁にいけない身体にされちゃうよ………お嫁に行くつもりはないけどね』」
だいたい小一時間ほど遊んでいた僕たちは、リビングに向かった
麻美「萃香ちゃん、どお?美味しいでしょ」
萃香「甘くて美味しいこのモンブラン!どこで購入されたか教えてもらってもいいですか?」
萃香は麻美さんとマダムトークをしていた
真緒「ママ、わたしたちにもおやつをちょうだい」
麻美「じゃこのケーキでいいかしら?飲み物は冷蔵庫にアップルジュースがあるから今用意するわね」
そう言うと麻美さんはキッチンへ向かい、飲み物の準備とお皿とフォークを用意して戻って来た
麻美「はい、どうぞ!」
僕が座ったテーブルの前に、麻美さんはアップルジュースとお皿にのせられたいちごのショートケーキとフォークが置いてくれた
萃香「真緒ちゃん、あゆむちゃんと遊んでくれてありがとう」
真緒「わたしも楽しかったし、これからも一緒に遊びたいです」
僕は知っている、この真緒ちゃんは偽りの真緒ちゃんである事をね
萃香「良かったわ、楽しく遊べたなら………あゆむちゃんは楽しかった?」
当溜「『なんで今それを聞くの萃香!』た、楽しかっよ」
僕が萃香にぎこちなく伝えた時に真緒ちゃんと目が合い、真緒ちゃんの表情が一瞬だけ変わっていた
当溜『さっき真緒ちゃんの顔が、僕と遊んでいた時と同じだった………また雑ぁ魚って言われそうだよ』
甘いケーキを食べてるのに、僕の味覚は甘さを感じ取ってはいなかった
真緒ちゃんの奇行とも言うべく行動が恐ろしくて、僕の味覚を狂わせたようだ
萃香「それじゃあたしたち帰りますね」
麻美「あら、もう帰るの?良かったら泊まっていってもいいのに」
萃香「そうしたいのはやまやまですが、コレから知人が訪ねて来る予定なのでここでお暇させていただきます」
麻美「そう、残念ね………いつでも歓迎するから遊びにいらっしゃい」
萃香「そうさせてもらいますね」
僕は萃香に抱っこされた
麻美「あら〜良いわね!今度、真緒にしてみようかしら?」
真緒「やめてよ!恥ずかしいから………」
年頃の娘は気難しいと言うが、真緒ちゃんはそれにドンピシャだなと僕は思った
萃香「もう可愛い過ぎてくせになっちゃって、つい抱っこしちゃうんですよ」
当溜『こうしないと、おいて行かれちゃうから仕方ないしもう慣れたよ………いや抱っこされる事であって萃香に抱っこされて喜んでいる理由じゃないからね………って誰に弁明してるの僕?』
そして僕と萃香は御紫家を後にして萃香の自宅に戻って来た
萃香「どうだった?真緒ちゃん良い子でしょ」
当溜「うん、そうだね良い子だったよ『萃香は知らない、真緒ちゃんの裏の顔を………』」
今回の目的はそれとなく萃香が話してくれたので理解はしている
紅優と萃香だけでゲームをしてLVを上げる事になったと言う萃香、そうすると僕は1人になるのでとても心配だからと僕の友だち探しを紅優と萃香がしてくれた理由だが………
当溜『遊び相手を探してくれるのはいいけど、人選ミスだよ!真緒ちゃんヤバい人だったよなんて言えないよ!』
結局の所、僕は真緒ちゃんの真実を伏せておくしかなかった
当溜「そう言えば知人が訪ねて来るって、誰か来るの?『まさか、お爺様とか?隠れなきゃヤバいよ!』」
萃香「あ〜あれね、引き止められたからそう言ったのよ」
もし誰かが訪ねて来るとしても紅優くらいだと萃香は言った
当溜「あ〜紅優くんですか……『良かった!お爺様じゃなくて』」
萃香「そんなお年を召したおばあちゃんみたいに言わないであげて、アレでも紅優だってちゃんと生きているのよ」
いつ僕がおばあちゃんになったのかは知らないが、萃香の言葉もけっこうヤバいよ
僕は今日合った真緒ちゃんの事を考えてみた
当溜『真緒ちゃんがゲームをしている事はナイショなんだよな〜絶対に話しちゃだめって念押しされているし、黙っておくしかないな』
VRヘッドギアを真緒ちゃんの部屋で発見した僕に萃香にはナイショにして欲しいと頼んで来た
当溜『真緒ちゃんとゲームを一緒にやるって言ったら萃香も紅優も僕を止めるだろうし、けど約束しちゃったからなぁ〜どうしよう………そもそも真緒ちゃんの秘密を喋れないしな』
強引な所がある真緒ちゃんだけどなぜか憎めない彼女とゲームで遊んでみたいと思っている僕だった
萃香「そうだ、紅優にREONしとかないとね」
紅優からすぐに返信がかえって来た
萃香「「こっちもアパートとバイトの件が終わった所だ、今からそっちに行くがいいか?」ね………」
萃香は時計を見た、既に午後5時30分を過ぎていた
萃香「まぁ、問題ないわね」
紅優にREONを返して、紅優が来るのを待った
程なくして紅優はやって来たので萃香は自宅に招き入れた
紅優「で?当溜は」
萃香「また、当溜が先なのね………自室よ『この男は!』」
こういう所が紅優の残念さを強調していた
紅優「なら今の内だな、アパートは大家と話しを付けて水道・電気・ガスをそれぞれ止めてもらってアパートの部屋事態はそのまま保留になった」
萃香「保留?」
紅優「コレは当溜には内密にしろよ!俺が当溜の住んでたアパートの大家になった」
萃香「え〜!大家になったって、なにしてんの紅優?」
紅優「まぁ聞けって!あのアパートの大家にそのまま保留はできないかと相談したらな、だったら大家になってみないかと持ちかけられてそれで大家にはなったが今で通りあっちの大家が管理してくれる事を提案してくれたんだ」
萃香「それって詐欺じゃないの?お金とか払った?」
紅優「金は後ほどでいいって書面にサインを書いたが、変な所はどこにもなかったぞ!」
萃香「それって紅優が大家になったとしても、そんな事出来るものなの?保留なんて事」
紅優「普通は無理だが、俺ならいけるさ」
根拠がなく意味のわからない事を言う紅優に呆れてものが言えない萃香だった
紅優「それとバイトの件は本来なら本人に説明してもらいたかったとバイト先の店主が言ってたが、働く事ができない状態だと伝えたらあっさり承諾を得る事ができた」
萃香「と言うとバイトは辞める事ができた理由ね」
この話で当溜は入院中となっていて、本人重篤のため代理でやって来た事を告げた紅優
さらに近い内に海外の病院に入院する事になったと、かなりあり得ない嘘をでっち上げて偽の書類なども用意して納得してもらった
なぜ海外の病院に入院する予定だと言ったのかというと、お見舞いに行きたいから病院の場所を教えてくれなどの事がありそうなので先に先手を打ち見舞いに来れない状況に持っていった紅優だった
紅優「あぁ、コレで後は……………なぁ萃香ちょっと相談なんだが、当溜を病院で検査してもらってもいいか?」
紅優の発言に耳を疑う萃香は聞き返した
萃香「病院?なんで!検査なんてしたら当溜がいなくなるかもしれないのに、どうして検査なの?」
萃香は紅優に見せられた動画を思い出し、その施設に当溜が連れて行かれてしまうと思ってしまい紅優に詰め寄った
紅優「当溜だけじゃない、俺も検査をしてもらうんだよ」
萃香「え、何言っんの紅優?」
紅優は自分自身に起こった現象を萃香に話し、その上で検査が必要だと改めて主張した
萃香「って事は紅優はあの時死にかけてたの?なんでもっと早く言わないのよ!」
紅優「悪かった、俺も酷く混乱しててそれどころじゃなかったんだ!」
紅優は自身が死にかけた事を萃香に話したのは失敗だったと心底思った
紅優「泣くなよ萃香、俺はこうして生きてるんだぜ!」
萃香「コレは悔し泣きよ!ぜんぜん紅優のために泣いてないからね!」
ほとんどツンデレな返しをする萃香
紅優『まったく俺って女の子泣かせてばかりだな………ん?当溜は男だよな、今俺は当溜の事を女の子と認識してたな………なんでだ?』
納得はしてないが、とにかく病院での検査を萃香は承諾してくれた
紅優「今すぐって理由じゃないが、近いうちに信頼のおける病院で検査するからな?」
萃香「その時はあたしも行くからね!」
紅優「わかった、さて話し合いは終わりだな」
萃香「待って!当溜のお友だちの事は聞かないの?」
紅優「うまく友だちなれたならいいし、俺が詳しく知ってもな………『またロリコン呼ばわりは勘弁して欲しいしな』」
萃香「そう?知ってても問題ないけど?」
紅優「そう言われてもなぁ………あっ、もうこんな時間か当溜の顔見てから帰るか」
萃香「当溜はまだ自室よ、別に慌てて帰らなくてもよくない?」
紅優「調べ物の途中なんだよ、だから帰って続きをやらないとな………」
萃香「調べ物ねぇ………いやらしい画像とか?」
紅優「そうそうそう、グラマーなお姉さんが水着で艶めかしいポーズを取って………って違う!萃香は俺をなんだと思っているんだ!」
萃香「もちろんスケベな幼馴染みの男の子だけど?」
紅優「俺ってそう思われてたんだな………初めて知ったよ『どこで間違えたのかな俺は………』」
紅優の心をぐさりとえぐる言葉を平然と発した萃香だった
紅優は気を取り直して当溜がいる部屋へと向かった
扉をノックをする萃香
萃香「当溜?紅優が来たわよ、入るね」
しかし、当溜は眠っていた
紅優「こんな所で寝てんのかよ!せめてベッドで寝ろよ」
紅優が言うのも無理はなく、当溜は床でぐっすり寝ていて起きなかった
萃香「当溜?駄目ね完全に寝てるわ」
萃香は寝ている当溜をベッドまで運んで寝かせた
紅優「まぁ、遊び疲れたのかもな」
萃香「そうね、高校生の時よりも体力がだいぶ落ちているみたいだしね」
紅優「いい夢を見ろよ、当溜」
紅優と萃香は部屋から出て行った
当溜『まさか寝たふりが通用するとは思わなかったよ!フッフッフッ、コレで今日はお風呂キャンセルだ!バンザーイ!』
萃香とのお風呂タイムは精神疲労が半端ないので、巷で流行りのお風呂キャンセル界隈をするべく寝たふりを決行した僕は見事に成功した
当溜『萃香には悪いけど、たまにこの方法を使わせてもらうよ!毎日やるとバレそうだしね』
一方紅優と萃香は
紅優「じゃあ帰るからな、何かあったらREONで知らせてくれ」
萃香「わかったわ『今日は1人でお風呂ね………あっ、晩御飯もかな?』」
そして紅優は帰り、萃香はお風呂の準備をしてもう一度当溜の部屋をこっそり覗いた
萃香「寝てるわね」
寝たふりを続ける僕は、いつの間にか本当に眠ってしまっていて気がつくと真夜中だった
当溜「夜中の2時………寝た?寝てたの僕!」
変な時間に目が覚めてしまい、とりあえずトイレに行く事にした
当溜「夜中って思ったより暗いな………こ、怖くないよ(震えた声)」
トイレまでの道のりは昼間よりも長く感じてしまう
当溜「ひゃっ、何か動いた………なんだカーテンか………びっくりさせないでよ!」
ようやくトイレにたどり着き、用を足してトイレから出た瞬間に人影が見え
当溜「きゃぁ~!」
萃香「え?当溜なの」
ばったり萃香と出くわして思わず悲鳴を上げてしまった
当溜「す、萃香なの?」
萃香「音がしたから見に来たのよ………それにしてもあたしを見て悲鳴を上げなくてもよくない?」
怖かったせいもあって、思わず悲鳴を上げた事が萃香にはちょっとショックだったみたいだ
当溜「暗くて怖くて思わず悲鳴を上げちゃった………ごめんなさい『お化けかと思った』」
萃香「泥棒とかじゃなくてホッとしたわ、暗いの苦手なのは昔からね………それに怖がりもね」
当溜『僕は泥棒と間違われそうになっていたのか』
萃香「暗かったら電気つけてもいいからね」
当溜「うん」
萃香「当溜、お腹空いてない?」
言われてみればすいてる気がするが、こんな夜中に食べていいのかと悩んでると
萃香「少しなら食べれる?」
当溜「ん〜少しだけなら食べれると思う」
萃香「じゃあ、ちょっと待っててね」
萃香がリビングとキッチンの明かりをつけてくれたので明るくなった
僕はリビングで待っていると萃香が食べ物と飲み物を持って来てくれた
萃香「はい、どうぞ!」
テーブルに置かれた食べ物は、お茶漬けでしかも鮭茶漬けだった
当溜「鮭茶漬けだ、いただきます!」
僕は夢中で食べた、お茶漬けも鮭茶漬けも僕にはずっと無縁な食べ物だったし一人暮らしと時も手が出せなかった1品だ
萃香「ゆっくり食べていいよ」
萃香は微笑んでいた、僕にとってはまるで女神だと思った
鮭茶漬けを食べ終わり、飲み物に注目して見たら白い液体だった
飲んでみると喉を通る感じが爽やかで甘くて美味しいかった
当溜「………コレはなんて飲み物なの?」
萃香「それ?カルピスよ」
当溜「コレがカルピスかぁ………初めて飲んだよ」
僕は鮭茶漬けもカルピスも初実食実飲だった
萃香「あっ、初めてだったんだね『また、やっちゃったかなあたし………』」
当溜「どっちも美味しかったよ、ありがとう萃香」
僕が笑顔で感謝を伝えると、萃香は満足そうな顔をしていた
萃香「あたしは洗い物しちゃうから、少しお腹を休めたら部屋に戻っていいからね」
当溜「うん」
しばらくしてから僕は部屋に戻って眠りについた
翌朝、僕が目を覚ますと隣で萃香が眠っていた
当溜『にゃ、にゃんですと〜!どうして萃香が隣で寝てるの?』
半ばパニックになるが、どう見てもここは萃香の部屋ではなく僕が使わせてもらっている部屋だった
萃香「ん〜?おはよう当溜………?え、あたし当溜の部屋で寝ちゃったの………ごめんね当溜」
当溜「どうしてここで寝てたの?『WHY?』」
萃香「様子を見に来てそれからしばらく当溜の顔を見ていたらあたしも眠くなって………その後は記憶が無いわね」
当溜「そうなんだ………『萃香も眠気には勝てなかったんだなぁ』」
とにかく何事もなかったのならいいと思い、この話題は打ち切った
萃香「そ、それじゃあたし朝ごはんの用意をして来るね」
当溜「う、うん」
萃香が部屋を出たその時だった、僕のスマホにREONのメッセージが入って来たのは
当溜「誰からかな?真緒ちゃんからだ「あゆむちゃん、今日ゲームの中に来れる?来れるなら返事ちょうだい」か………今日の予定は何かな?」
僕は部屋を出て萃香に今日の予定を聞いて見た
萃香「今日の予定?そうね昨日紅優と話した事だけど、ゲーム内のあたしたちのLV上げをしようかって話しになったから当溜は部屋にいるか真緒ちゃんの所に行くかどちらかよ」
当溜「それなら僕部屋にいるよ『その方が都合がいいし』」
萃香「ちゃんとおとなしくしてられる?」
当溜「もちろん、大丈夫!『萃香には悪いけど真緒ちゃんとゲームをするんだ』」
萃香「わかったわ、危ない事はしちゃ駄目よ」
当溜「うん『ゲームは危ない事じゃないし、大丈夫だよ』」
萃香と紅優がLV上げに行っている間だけど、ゲームで待ち合わせが可能になった僕はさっそく真緒ちゃんにREONのメッセージを送った
当溜「あっもう返って来た「あゆむちゃん遅い!メッセージ打つのもできない雑ぁ魚なの?それで遊べるのね!待ってるから早く来てよ!」って、うわ〜辛辣〜!」
真緒ちゃんにREONでも雑ぁ魚呼ばわりされる僕だった
当溜=〘あゆむちゃん〙はとんでもない娘と出会い、困惑するほどの奇行が目立つ少女とコレからどんな遊びをするのか?
次回は街中探検隊(仮想)です
【評価】と【ブックマーク】も付けてくれたら
励みになりますのでよろしくお願いします
素人の作品です
福望華雫でした




