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幸せになって

「コホン、ルキウス様。貴方は、女伯爵ハリエット・オーラウンの夫として立派に務めてくれているわ。領地の運営や当主代行として他家への対応など、最初の借りてきたお坊ちゃん状態が嘘だったみたいに私を支えてくれている。その事にとても感謝しているの。そして何より貴方は、この家に後継を齎すという一番の責務を果たしてくれたわ。だからもういいの」


ハリエットが矢継ぎ早にそう言うと、ルキウスが端的に尋ねてきた。


「……何がいいと言うんだい?」


「貴方も幸せになって」


ハリエットの言葉にルキウスは怪訝そうな表情を浮かべる。


「幸せになる……?僕はもう充分幸せだけど?」


「そんなはずはないわ。だって王宮で厳しい教育を受けてきたのに王配に選ばれず、生家に戻った途端に嫌だと言っているのに無理やり結婚させられた……しかも入婿先の妻は可愛げのない年増で、挙げ句の果てにその年増女に初夜で薬を盛られて凌辱されるなんて……そんな目に遭って幸せなわけはないでしょう……。あぁ、解ってはいたけれど改めて口にすると本当に酷いわね。本当に私って最低な妻だわ……そして貴方は本当に可哀想なひと……」


「凌辱……。そうやって言葉にされるとかなり悲惨な男のように感じるけど、僕はそれを不幸だと思ったことは一度もないよ」


「嘘よ」


「嘘って……本心なんだけどな……。それに可愛げのない年増女って誰のこと?まさかハリエット、キミのことじゃないよね?」


「私のことに決まってるじゃない」


「そんなわけないだろ」


「そんなわけあるのよっ。いいの、自分でもわかってるの。少女(むすめ)時分から“可愛げの欠片もない現実主義がスカートを穿いて歩いてる”ってよく言われたわ」


「そんな酷いことを誰が言った?今も付き合いのある人間か?……許せないな。可哀想に、心無い言葉に傷付けられたんだね……」


「いいえ?私のことをよく見てるんだなと関心したわ……って、それはどうでもいいの、私のことはどうでもいいのよ。今は貴方が自分の幸せを取り戻すべきだと話をしているのだから」


「取り戻すって何を?そもそもそんなもの自体が存在しないんだけど……それより、ロシュフォードと会ったの?二人だけで?何を話したの?」


よし、ここから仕切り直ししだとハリエットは居住まいを正す。

そしてルキウスを真っ直ぐに見据えた。


「ルキウス様。今度こそ、本懐を遂げられなさいませ」


「え?本懐?」


「その胸の内にずっと燻っている、女王陛下への恋情を成就なさいませ」


「……成就……?」


「ロシュフォード殿下はルキウス様に、女王陛下の男性公妾になる事をお望みになられたのよ。そしてそれを私に認めてやって欲しいと御身自らお申し入れになった……。大丈夫よ安心して。私はそれに異存なしとお答えしたわ」


「……は?」


ルキウスにしては珍しい、低い声が執務室に響いた。





•*¨*•.¸¸☆*・゜•*¨*•.¸¸☆*・゜•*¨*•.¸¸☆




短めでごめんなさい~


。゜(*´□`)゜。ウワェェェン!!


どこかに体力は売ってませんか…?





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