プロローグ
この物語は俺が弓月みかんと結ばれ愛娘のももを産み、お世話になった谷本夫妻の第一子のすみちゃんとももがちちぶの大地で過ごすまでの話だ。
俺は久米勇司中一だ。生まれながらの勇者だ。かと言って何ができるというわけではないのだが。
俺は父北光介と母久米弓の間に生まれた第二子だ。第一子は姉で母に似て綺麗で頭がいい。小さい頃から会社の経営に携わり、プログラミングは持って生まれた才能だろう。ゲーム一本作るのは何ともないらしい。
そして次期社長とも言われている。
ところで俺はというとほぼ姉に子育てを任されていて、母と過ごした思い出はない。
母は女で一つで会社を経営しながら子育てと学生をこなしていたそうだ。母が不憫でたまらない。
父はいつもlaboと呼ばれる施設にいて寝たきりだ。
母を一人にして、父は何をしているんだと怒りしか沸かない。
こんな父親になりたくはないといつも思っていた。
その考えが一変するのはそんなに遠くなかった。
俺とみかんは、現実ではありえない体験をし結ばれ愛娘を授かった。
きっと運命に違いない。
母も父と劇的な出会いをして結ばれたと言っていた。
親子揃って平穏ではないのも、また運命だろう。
前奥はこのくらいにして、話を続けていこう。