空色の星は、ペルセウスの夜を駆けて
地平線から
浮かび上がる朝陽から
地上へと伸びゆく
ひとすじの光は
今日という舞台の
始まりを照らすように
光の中に咲く
東雲草の花びらは
紫紺に染まりゆく
空の色を映しこんで
くぐり抜けた
グリーンカーテンの
その先に
まるで花びらに
流星を宿した
アルストロメリアは
未来への願いと
祈りを開くように
夏風に咲いて
ペルセウスの星が
駆け抜ける夜に
流火の宙に
煌めく夏の大三角
東の空から天馬が
駆け上がるとき
北の地平線から
輝きを放つ英雄の星座
ペルセウスの星が
駆け抜ける宙に
遥かな宙から
熱帯夜の街へと
舞い降りる光は
ペルセウス座流星群
彼方を駆ける
彗星を追いかけて
遥か古から
人は星に願いをこめて
見上げた空に
星が見えない夜も
この空を同じように
見つめる誰かが
この空に想いや願いを
こめる誰かが
この広い地上の
どこかに、きっと
この空の先に
続く明日を信じて
照りつける
陽射しの中にも
樹々の枝がつくる
木陰と風があるように
夜の中にも
やさしくやわらかな
星の光がそこにあるように
この空の先に
続く明日を信じて
この空の向こうへ
続いていく明日の空を
そして
続いていく物語を
人は星に
いくつもの
物語を描いてきたように
言の葉という
いくつもの流星の
煌めきを胸に
今日を懸命に咲いて
明日という花を
咲かせていく
空色の星のように
流星が駆けていく
宙に続く
物語を、描きながら
ペルセウス座は、神話の英雄に由来し、地球に近づく彗星の軌道に沿って毎年8月に星座から放射状に流星群がみられます。今年は8月12日前後がピークとされます。
東雲草はアサガオの別名で、青い空のような空色朝顔は海外で「空色の星」とも呼ばれます。一日を咲き終えてもまた明日に咲くことから、「明日も爽やかに」の花言葉があります。
アルストロメリアは、花びらに流星のような紋様があり、花言葉は「未来への憧れ」「幸せ」です。流火は、さそり座のアンタレスが8月に入り西の空へ流れることです。
季節の星や花をモチーフに詩を描かせていただきました。お読みいただき、ありがとうございます。