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覚醒者~特別ランクの私は恋愛の好きが分からない!~  作者: 琴葉 悠(琴葉悠)
え、覚醒者になったら人権ある意味無し⁈ ふざけんなー‼
9/73

強襲指令?! VS氷結使いのなんかキモイ奴!!

レインからとある企業の調査基強襲指令が出される。

犯罪行為ではないかと癖委していたカナタだったが──




 カナタはレインから呼び出しを受けてやって来た。

「レインさん、なんすかー」

「ああ、カナタちゃん、ちょっとこれから貴方にとある会社に強襲しに行ってほしいのよ」

「……すみません、部屋間違えました」

「間違ってない間違ってない」

 レインの言葉に、カナタは渋い表情をしながら振り返る。

「……犯罪行為はお断りですよ」

「犯罪行為じゃないから、調査も兼ねてるから」

「は?」

 カナタは首を傾げた。

「以前話した『レイヴン事件』、これについて何処まで知ってる?」

「えーと『レイヴン』って組織があってその組織は覚醒者で構成されてて、四年前、世界各地で覚醒者によるテロを起こして、国が一個滅んで、首謀者確保できてないまま鎮圧した、ってことは知ってます」

「うん、そのレイヴンの関係者……と思われる連中が襲われてるのよ」

「いいことじゃ?」

「……一緒にいる無関係な人も襲われるケースがあるのよ」

「それは不味い」

 レインはモニターに何かを映した。

 そこにはロボットのようなものが人を襲っているのと、ローブで姿を隠した人物が人を襲っているのが映された。

「ロボットの方が無関係な人も襲ってるケース、ローブはそうじゃないケースね」

「へー」

「で、ロボットの方解析したら『リヴン』って会社名が上がったの」

「え? リヴンってこの二年でできた新しい会社ですよね、色んな分野に手を伸ばしていて、どの分野でも功績を残してる」

「そう、だから調査に行ってほしいの」

「あのお兄さん達は?」

「別件で動かせない、他の能力者も相性が悪い、だからカナタちゃんお願い」

「……特別手当出してくださいよ」

「もちろん!」

 笑顔で言うレインを見て、カナタはため息をついた。

「はい、これ場所の情報」

 レインはチップを渡し、カナタは支給された通信機にそのチップを差し込んだ。

 場所が細かく表示される。

「……内部は?」

「……妨害能力を持つ覚醒者がいるらしく、外部しかわからなかった、ただ裏口は判明したから、そこから侵入してほしい」

「……めっちゃ罠な匂いがするんですけど?」

「そこをなんとか」

 カナタははぁと息を吐いて、やるしかないのかと遠い目をした。



 目的のリヴンの建物の裏口に着くと、レインからもらったフェイクキーで施錠を外して中に入る。

 中に入ると、シーンと静まり返っていた。

 人気がない。

「……どう見ても罠だな」

 カナタは舌打ちをしながら能力を作動させた。

 防衛機能を無視するという能力だ。

 防衛レーザーなどがあっても彼女はそれを無視できる。

 武器の大鎌を持ちながら進んでいく。

「あー道が多いなぁ、マッピング機能なかったら詰んでるわ」

 カナタはそう言いながら道を一つずつ潰していきながら進んだ。


 しばらく歩くと、大きな扉が目の前にあった。

 フェイクキーで扉を開けると、何者かの背中が見えた。

 ネットでみた、社員が着る服を着ているのが分かった。

 扉が閉まると、ガチャリとロックがかかった。

「――ドミニオンの者か」

「……だったらどうする?」

「女性とは言え、手加減はし――」

 その人物――眼鏡をかけた20代程の男はカナタを見ると硬直した。

 カナタは何か嫌な予感を感じて、大鎌を構える。

「かわい子ちゃん来たー!!」

「?!」

「ねぇ、君いくつだい? もしかして女子高生? いやぁ、制服似合ってるよ、かわいいよ!! ねぇねぇ、ドミニオンなんかやめてこっちで働かないかい、というか私専属の部下にならないかな、うへへ」

 ぶわっと背筋が総毛だった。

 カナタは目を嫌悪に染めて。

「きしょー!!」

 大鎌をもって突貫した。

 振りかざすと氷の剣が大鎌を阻む。

「近くで見ると更に可愛い、ねぇほっぺ触らせてくれないかなぁ」

「お断りじゃー!!」

 カナタは距離を取る。

「くっそ、氷使いか。場合によっちゃあ氷漬けになりかねないわ」

 もっと上の氷使いを知っているが、空気が凍り付くように冷たくなっているのを肌で感じた。

「くそ……耐性があれば……!!」

 そう思った時、ドクンと心臓が大きく脈打った。

「?!」


――氷結、低温耐性解放――


 そう声が聞こえたとき、寒さが一気に無くなった。

「……寒くなくなった?」

 動きやすくなったのが分かった。

 カナタはこれ幸いと、大鎌をハンマーに変形させて、男に突貫していった。

 男は手をかざし、氷の盾を無数に作る。

「邪魔くせぇ!!」

 バキン、バキン!!

 カナタはハンマーで氷の盾を容赦なく粉々に破壊していった。

「流石Sランクのお嬢さん!! よかったらこの後お茶でもしない?!」

「ぜってぇ嫌だ!!」

 戦闘をしているにも関わらず男はカナタを口説いてくる。

 それもどこか気持ち悪い言い方で。

 カナタは思った。


――こんな奴おいとく会社なんざロクなもんじゃない、きっと他の連中もロクでもない――


 と。

 カナタは再度距離を取り、氷を砕いて身を守る。

「ほら、名前を教えてくれないかい、制服と黒タイツが似合うお嬢さん!!」

「お前に名乗る名前なんてないわボケ!!」

「おっとそうだ名前はこちらから名乗らなくては私はゴウ・アサギリ。この会社の幹部だよ」

「!!」

「と言っても一番下だからねぇ、私に苦戦する位なら帰った方がいいよ、お嬢さん」

 そう言った直後、カナタの周囲に氷の刃が出現し、カナタの制服を破いた。

 柔肌があらわになるが、カナタは動じない。

 否、動じてはいるが動じてなかった。

「てめぇ、制服予備あるからいいけど、よくも破きやがったな!! 制服って高いんだぞコラ!!」

「うひょー!! 下着に生タイツ姿たまらない!! 踏んで!! 舐めさせてくれないかね?!」

 カナタは思った、こいつは潰そうと。

 それが世の中の女性のためだと。


 カナタは武器を手放した、その瞬間、無数の赤い剣が出現する。

「やり方返るわ」

 無数の剣がカナタの周囲を守り、他の剣が男――ゴウを攻撃し始めた。

 ゴウは、素早い動きと、氷の能力で剣を塞いでいく。

 氷を出現させて、カナタを攻撃するが、剣が氷を鋭い刃で切り壊していく。

 剣の数がどんどん増えていく。


 ゴウが気づくときには、おびただしい数の剣に囲まれていた。


「しまった……!!」

「ぶっ刺せ!」

 カナタの号令で、大量の剣がゴウに向かってきた。

 ゴウは氷の壁を四方に作り、剣を防ぐが、剣の量がすさまじく壁にひびが入る。

「ちぃっ!!」

 ゴウは壁を壊してその衝撃で剣を吹き飛ばした。

 その吹き飛ばした剣に隠れて、カナタがハンマーを振りかざした。

 ゴウの腹に直撃した。

「どっせい!!」

 カナタはハンマーを振り、ゴウを壁へとぶつけた。

 凄まじい勢いでぶつけられた壁は凹み、ゴウは床に倒れこんだ。

「ば、バカな……」

「私を甘く見たのがアンタの敗因だよ眼鏡野郎」

 カナタはそう言うと、ボロボロの恰好のまま奥へと進もうとした。

「ま、待ちたまえ!!」

「なんだよ」

 カナタは心底嫌そうな顔で振り返ると、ゴウが立ち上がっていた。

 念のためハンマーを出しておき、ゴウの動きを見る。

 羽織っている物を差し出してきた。

「わ、私以外にその柔肌を見せるのはやめてくれないかねお嬢さん……」

 着ろという事なのを理解できた。

 しかしカナタは――

「いらね」

 そう言って奥のドアの方に向かっていった。

「何故!?」

「……いや、お前さっきから変なにやけ顔してキモイし、はぁはぁ息遣いあらいから正直生理的に着たくない」

 カナタはそう言うと、フェイクキーを使って扉を開けた。

「しっかし便利なもん作るなぁ」

 フェイクキーを見て感心しながら、先に進もうとした。

「ま、待ちたまえ!!」

「何だよまた」

 カナタはイライラした調子で振り返る。

「……次からの相手は私のように優しくはない、それは覚悟したまえ」

「は、そんな覚悟とっくにしてるさ、じゃなきゃ仕事なんてやってらんないよ……」

 カナタはそう言って奥の通路へと進んでいった。



 一人残されたゴウは壁に背を持たれ座り込む。

「ああ、名前知りたかった」

 眼鏡を拭きながら言う。

「次無事に会えることを祈るか……」

 ふうと息を吐く。

「レオン、キリヒト、社長……全員私のようにはいかないと思ったほうがいいからな、無事に会えたとしてもキリヒトの実験の道具にされる可能性もある……」


「ああ、そうなる前に名前を聞きたかったなぁ」


 ゴウは酷く残念そうに呟いた。

 呟きは誰にも届かなかった。







はい、この方はくっ付かない方です!

理由は簡単、初対面で生理的に無理になったから、カナタが。


ここまで読んでくださり有り難うございました。

次回も読んでくださると嬉しいです。

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