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夫八人、故のいちゃもんと──

カナタは疲れていた。

外に出ると、男をとっかえひっかえする悪女だと一部で言われていたからだ。

そのことを一緒に居たサリが話すと──




「あー疲れた」

 カナタは肩をバキバキと鳴らしながら言った。

 家に靴を脱いで上がり、疲れ切った様子でリビングのソファーに座った。

「何があった」

 刀に手をかけるディオン。

「いやさ、カナタちゃん僕ら交代で歩いたりしてるじゃん、それをなんか男を騙す悪女だって言われて……」

「私は八人と結婚してるんだっつーの!」

「と、言っても納得してくれなくて、僕にも騙されているって言ってきてむかついて……さぁ」

「刀取り出したアンタを止めるのに苦労した訳よ、相手は逃げるし」

「そうか、ならしばらく八人で行動しよう、カナタを独りにしないように」

「げ」

「そうだな、そりゃいい」

 ディオンの言葉にマリが賛同する。

 他の六人も頷いた。

 子ども達も頷く。

「母さんが悪女だなんて……そう言う輩の面を剥いでやりたい」

「こら、止めなさい」

 過激発言をするアサヒをなんとか宥める。

「私もだ、母さんは悪女じゃない聖女だ」

「レイジ……」

 レイジの言葉にカナタは脱力する。

「母さんが若くて綺麗で父さん達がイケメンばっかだからひがんでるんじゃないの」

 ツムギはカリカリと爪を手入れしながら言う。

「そうかなぁ」

「そうに決まってる!」

 ユイナが同意する。


「ともかく、カナタちゃんを悪女呼ばわりした連中の鼻っ柱をへし折るぞー! おー!」

 皆がおー! と声を上げる。

「え、比喩だよね、本当にへし折らないよね⁈」

 カナタは別の意味で怖くなった。





 翌日、八人と歩いて精神的疲弊したカナタはベンチに座り、お茶を飲んでいた。

「カナタ、何か欲しいものはあるか」

「大丈夫ないから……ちょうどいいし、このまま買い物行って今日の夕飯──」

「悪女が! 本当に八人もたぶらかしてるんです──」

 化粧をごてごてにつけた若作りをした女に、ディオンが刃を向けた。

「口を慎め化粧だらけの女が、我らが妻を悪女だと言うならば、我らは一人に八人がかりで口説いた悪人だ」

「そうだねぇ」

「ある意味脅しじみてたし」

「自覚あったん⁈」

 サリとキリヒトが同意すると、カナタは声を上げた。

 カナタは女性をじっと見る。

「私は許可得て合法的に八人と結婚してますが、貴方そうじゃないでしょう? ご主人と娘さんと息子さんいるのに浮気して」

「な、なにを言ってるの‼」

 女は焦りの声を上げた。

「やはりか」

 そこへ現れたのは壮年の男だった。

「覚醒者の皆様、妻が申し訳ないことをした」

「本当にな」

「こらアルビオン! いえ、良いんですよ」

 カナタは首を振った。

「娘と息子に半年前から母さんがおかしいと言い出したら浮気が発覚した、そして最近はその浮気相手が色目で見始めた其処の奥さんに嫉妬をして悪女とかあることないこといいだした」

「本当な」

「もう、お前とはやっていけない、離婚だ」

「お願い、貴方離婚だけは!」

「五月蠅い、黙れ」

 男──夫らしき男性は女を睨み付けその場から離れていった。

 女は慌てて男の後を追う。

「これでひとまず解決かな?」

「いや」

「何でぇ」

「お前を色目で見始めた男が気になる」

「そっちぃ⁈」

 カナタは声を上げた。


 少しして──

「おーい、カナタをこっそりカメラで撮ってた怪しい若造見つけたぞー!」

「あ、さっきの女の人の浮気相手」

「⁈」

 男は驚いた表情を浮かべている。

「貴様かカナタをいやらしい目で見ていたのは」

「その上不倫とは嘆かわしい」

「貴方、そんなことまでしてたのね」

「げ⁈ いや、その違うんだ、これは誤解で‼」

 若い女性が現れ、男は慌てふためく。

「貴方あんな年上の人と不倫だけでは飽き足らず盗撮まで、犯罪者よね」

「なんか、すみません……」

「いいえ、覚醒者さんは悪くありません、これで決心がつきました」

 女性は男を見る。

「離婚しましょう、慰謝料と養育費はいただきますからね」

 そう言って女性はカツカツと立ち去っていく。

「ま、まってくれええええ!」

 男はなんとかマリの腕から逃げて女性を追いかけ始めた。

「なんか修羅場見てお腹いっぱい……」

「まぁ、あんな修羅場早々なかろう」

 げんなりしたカナタに、ディオンが言う。

「とりあえず、買い物して帰ろう?」

「どこへ行く?」

「大型スーパー、なんか無性にやけ食いしたい気分、あと料理今日はめんどい」

「分かった」


 八人は転移し、スーパーに入り、出来合のものを買っていく。


「出来合のものでいいのか? 俺達がつくるぞ?」

「ううん、これでいいの。これがいいの」

 カナタはそう言ってたくさんの料理を籠に入れた。





 家に着くと、料理を温めたりして、食べられる状態にした。

 そしてカナタは、鳥の丸焼きを食べ始めた。


 バリ、ムシャ


「「「「「「「「……」」」」」」」」

 八人が無言になる。


「お母さんどうしちゃったの?」

「修羅場を二連続でみて精神的に来たから解消の為のやけ食いだ」

「お父さん達、お母さんに何したの⁈」

 ツムギがぎょっとした顔で八人を見る。

「ツムギ、違うぞ、俺達は母さんを守ったが、外野のやりとりまでには口出しする気になれなかった」

「どういうこと?」

 ツムギの疑問にレンが丁寧に答えた。

「あー……確かに、外野は口挟みづらいわね」

「だろう?」

 二組の夫婦の離婚話など目の前で繰り広げられたらたまったものではない。

「でも、これでお母さんにいちゃもんつける奴らいなくなる?」

「だといいのだが……」

「とりあえず、当分気をつけよう」

「ごめん、みんな一人で全部食べちゃった、まだお腹空いてる」

「あれだけ食べたのに⁈ お母さん、本当大丈夫⁈」

 ツムギが母親を心配する。

 カナタは我が子に疲れ切った笑みを見せた。

「大丈夫よ」


「ディオン、カナタを寝かしつけろ」

「了解だ」

 アルビオンの言葉に、ディオンはカナタを抱きかかえ寝室へ。

「レオン、ジュラス、その間に料理だ」

「わかったよ」

「了解だ」

「レンお前はデザート担当だ」

「了解した」

「後は全員でカナタを寝かしつけるぞ」

「了解っと」

「はーい!」

「うん、いいとも」

 と、残りの夫達も寝室に向かう。

「ねーなーいー」

「大丈夫、寝られる。寝られる」

 そう言う零を寝かしつけると、料理の手伝いに向かい、テーブルいっぱいの料理を並べる。

 全員料理が終わると、カナタを起こし、ディオンとアルビオンを除く家族全員で食事を取る。


 デザートまで食して落ち着いたらしいカナタは言った。


「もうお腹いっぱい」


 その言葉にツムギとディオン達は安堵の息を吐いた。

 状況が分かっていない子等は首をかしげていたが、後ほどツムギが伝えると納得したらしく頷いた──







後ろ暗い奴ほど他人の何かを指摘したがる、という奴です。

そんなのに二連チャンであったカナタはストレス発散に暴食に走りました。

子ども達の見てない所では夫達は対処してたのですが、今回は子ども見られてますね。

それでも、そんなカナタがみんな大好きなんです。


ここまで読んでくださり有り難うございました。

次回も読んでくださると嬉しいです。

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