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兄妹達の違い~カナタの仕事を見て~

アサヒとレイジが食事を取るようになってほっとしたのもつかの間。

レインからレイドとクロが動き出した事を伝えられ、カナタは現場に急行する──




 アサヒとレイジがたまに食事を取るようになって、カナタは落ち着いた。

 自分達から遠くの場所にいる実父であるディオンとアルビオンの二人のように、息子二人も遠くにいくのではないかと不安だったからだ。


 少し距離感を感じるディオンとアルビオン、ただそれでも愛されていることはよく分かっていた。


 不安な時、何も言わずに側にいて、そしてホットココアを持ってきてくれるとき、心配されている、好意を持たれてると感じるのだ。

 そっと抱きしめてくれる時も。


『カナタちゃんー! ごめんー! 仕事ー!』


 そんな日々を過ごしている中、レインから仕事の依頼が来た。


「レイドですか、クロさんですか?」

『どっちもー‼』


 レインの悲痛な叫びにカナタは苦笑する。


「わかりました、向かいます」

『お願いー!』


「母さん仕事?」


 レインとの会話が終わると、アサヒが声をかけて来た。

「うん、そうよ」

「僕じゃだめ?」

「相性があるから」

「そっか……」

 アサヒはどこか悔しそうに言った。

 カナタはそんなアサヒの頭を撫でて、

「心配してくれてありがとう、アサヒ」

 そう言って姿を消した。





 転移先は反覚醒者の抗議デモ。

 アサヒは長い棒を持ち、デモ隊を押し返して叫ぶ。

「レイドとクロが来るぞ! 親兄弟呪われて、凍らされて死んでもいいのか‼」

 叫び、ひるませて特務科が来るまでなんとか持たせる。

 デモ隊は色んな者を投げてくるが、カナタは鎧を纏い、叫ぶ。

「死にたいなら、一人で死ね! 家族を書き込むな‼‼」

 そう叫んでいると──


 雪がちらついてきた。

 やがてそれは吹雪になり──


「カナタが言うなら、こいつらだけにしよう」

「レイドさん!」

 カナタはレイドに叫ぶ。

「特務科が来るから我慢してください、お願いします!」

「むぅ」

 そう言ってカナタがデモ隊を見れば既に凍え始めていた。

「ざむい……」

「づらい……」

「だずげで……」

「お願いだからこれ以上能力使って被害甚大にしないでくださいー!」

「……分かった、カナタが言うなら止めておこう」

 カナタはほっと胸をなで下ろし、鎧を解いた。

 それからデモ隊は全員特務科の大きな車に乗せられて運ばれていった。

「あら、私の出番無かった?」

 物陰からクロが姿を現した。

「クロさん、出番無しでお願いします。呪いはやばすぎです、冷気もやばいけど」

「うーんカナタちゃんがそう言うなら我慢するわぁ」

 カナタは再度胸をなで下ろした。





「ただいまー」

「母さん無事⁈」

「怪我してない⁈」

 アサヒとレイジがやって来て二人はカナタの様子を見る。

「大丈夫だ、アサヒ、レイジ。カナタは無事だ」

「ただメンタルが疲れている、休ませてやれ」

「わかった」

「うん」

 カナタはアサヒとレイジに誘導され、寝室に連れて行かれた。

 そしてベッドで寝かされる。


「母さん、ゆっくり休んで……」

「そうだよ、休んで……」


 不安そうに言う二人にカナタは吹き出してしまった。

「全くもう、過保護なんだから、私の息子は」

 そういいつつも、押し寄せてくる眠気には勝てず眠ってしまった。





「母さん、寝たよ」

「そうか」

「母さんに仕事は慣れないんじゃないの?」

「だが、俺達が出ると死者が出る、だから任せられないこともある」

「レインさんがそう言ったの?」

 アサヒの問いかけにディオンが頷く。

「何で殺しちゃ駄目なのさ? 迷惑かけまくってるのに」

「そこが俺達とカナタの違いだ、だからお前達にも任せられない」

「そうなんだ……」

「そっか……」

 アサヒとレイジは不服そうな顔をした。





「殺し? 駄目に決まってるでしょ!」

「殺すのはよくないと思います……」

「殺すのはあんまりなぁ」

「良くないと思うよ」

「よくない!」

「だぁめぇ!」

「「……」」

 弟妹達が自分達と違う意見なのに、アサヒとレイジはショックを受けた。

「すまない、俺の性質を強く受け継ぎすぎた結果だ」

「すまない」

 ショックを受ける二人に、ディオンとアルビオンが謝罪する。

「父さんの血の濃さを恨んだのは今日が初めてだよ」

「同じく」

「本当にすまん」

「すまん」

「……弟妹達みたく思えるよう頑張るさ」

「すまんな」

「私もそうするよ……」

「すまない」

 アサヒとレイジに、ディオンとアルビオンは再び謝罪した。





 翌日、目を覚ましたアサヒは、ぼんやりと食堂へ向かう。

「お母さん、お早う!」

「母さん、お早う!」

 子ども達が料理をしていた。

 ふと見ると今日は休日。

「ごめんね、手伝わせて」

「ううん、いいの!」

「お母さん、昨日疲れてたからね」

「だから任せろ」


 そう言って子ども達が料理しているのを見て呟く。

「シロウ、マリの子なのに料理滅茶上手よね、ガチャ運もいいし」

「本当、俺似似てるのに、料理上手でソシャゲのガチャ運良いってなんなんだ、シロウお前ってなってるよ俺は!」

「本当、料理に関しては驚いたな」

「俺もー」

 口々に言っている中、カナタはふと思った。

「そう言えば、マリが台所入ろうとすると押し出すのって、もしかしてマリ一回料理した?」

「……おう」

「誰も居なかった?」

「お前が寝込んでた」

「……そうか」

 なんとも言えない空気が漂った。

「マリ父さんは料理しなくていいよ、アレは料理じゃない」

「うん、料理じゃない、ダークマター製造だ」

「そこまで言うか⁈」

「いや、マリちゃんの料理はダークマター製造だよ……」

「そうだな……」

「マリ、寝込んでても良いから今度から私起こしてね」

「大丈夫よ母さん、私達料理できるから」

「小さい子もまだいるでしょう?」

「あ、そっか……」

「なんか納得できねー!」

 マリの叫びが家中に響いた──







カナタは、人を殺すのを避けます。

アサヒとレイジ以外の子どもにはそれが引き継がれてます。

ディオンとアルビオンの血が色んな意味で濃いんですよね。

そしてシロウはマリそっくりなのに、ガチャ運は強運。母から遺伝されてますね、料理の腕も。


ここまで読んでくださり有り難うございました。

次回も読んでくださると嬉しいです。

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