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覚醒者~特別ランクの私は恋愛の好きが分からない!~  作者: 琴葉 悠(琴葉悠)
子だくさんな家族~ただし、旦那一人に子一人だけど~
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第四子出産~そして墓参り~

子作り宣言をするカナタにマジかとなる夫一同。

しかし、カナタのこの行動には諦めていたので受け入れる事に。

そして──




「──と、言うことで、そろそろ子作りしたいと思います」

「「「「マジか」」」」

「マジ、ちょうど排卵の具合もアプリでよさげだし、子作りにはちょうど良い日だからいつも通りお願い」

 そう言って寝室に向かっていった。

 残された子どもがまだ居ない組はため息をついてくじを引いた。





 それから一ヶ月後──

「妊娠してら」

 検査キットを見せて、カナタはそう宣言する。

「じゃあ、妊娠が安定するまでは絶対安全な」

「うん」





 その日カナタは我が子達と家でのんびりとしていた。

 すると黒い影が現れた。

「えっと、こ、こんにちは?」

 黒い存在は頭を下げる。

「え、ディオンとアルビオンがいつも世話になっている? いえいえ、こちらこそお世話になってます」

 影の古代語を拾い上げ翻訳しつつ、カナタは手をふる。

「おじちゃん、誰?」

「だぁれ?」

「だぁれ?」

 アサヒとレイジとツムギが黒い存在に尋ねるが黒い存在は苦笑する。

「え、『黒き御方』と呼ばれているって、なんでそんな御方が……」

 黒い存在は、子ども等の頭を撫でてからまた何かを言い、すっと消えた。

「……何だったんだろう」


「カナタ」

「カナタ!」


 ディオンとアルビオンが部屋に入ってくる。

「奴が何かしなかったか?」

「奴? んー自称『黒き御方』なら、子ども等の頭撫でて帰って行ったよ」

「……そうか」

「そうか……」

「二人とも、なんか変だけど、どうしたの」

「気にするな」

「気にしないでくれ」

「うー……分かった」

 何か二人が隠し事をしているようだが、カナタは二人の事情を予想してそれ以上言うことは無かった。





 遠い果ての地にそれはいた。

 その存在はいた。

 ディオンとアルビオンが近づく。

「あまり子ども達に関わらないでくれ」

「俺達は貴様を良い親だとは思って居ない」

 きっぱりと言う。

 黒き存在は何かをしゃべる。

「貴様……」

 しゃべった内容が癪に障ったのかアルビオンが前に出ようとするのとディオンが静止させた。

「子どものことは俺達親がなんとかする、貴様の助けはいらん」

 黒き存在はくつくつと笑っていた。

 そして姿を消した。

「できもしないくせに、か」

「ならば何故俺達の育て方を分けたのか」

「平等に愛せなかったのか」

 どこか寂しげに言う二人の言葉を聞く者は居ない──





 つわりを乗り越え、なんとか安定期に入り、そして出産を目前に控えることになったカナタ。

 大きなお腹を撫でてゆったりと椅子に座っている。


「お母さん、赤ちゃんは?」

「多分もうすぐ産まれるわよ」

「あかちゃん!」

「あかちゃー」

「あかちゃ!」

 子ども達はきゃいきゃいと騒ぎながら喜んでいた。

「おい、大丈夫か、本当に?」

「大丈夫、そろそろ病院行くから」

 マリに言われ、病院に行く準備をする。

 そして入院することに。

 翌日。


「陣痛と破水きたかも」

「ヴァー!」

「看護師さんヘルプー!」

「ナースコール押せ!」

「少しは落ち着いてよ……」

 慌てふためく夫達を見て、少し冷静になったカナタはそう呟いた。

 その後、処置室に運ばれ──


「産まれましたー! 元気な女の子ですー!」

「お父様はレオンさんですー!」

「僕⁈」

「そうだぞ、レオン、お前が父親だ」

「レオン、抱っこしてあげて」

 少し疲れた表情のカナタが言う。

 レオンは赤ん坊を抱きかかえた。

「はは、僕じゃ無くてカナタそっくりだ、可愛い女の子だ……」

 そうぽつりと呟いてから涙を流す。

「母さんに抱かせたかったなぁ……!」

「レオン……」

「レオンは母子家庭だったからな」

 ジュラスが思い出したように告げる。

「なるほど、父親は」

「ジュラスが幼い頃に事故死してる」

「そうか……」

 カナタは遠い目をした。

 そしてレオンの頭を撫でる。


「今度、アンタの母親の墓に連れて行ってあげよう、それくらいならいいじゃない?」

「カナタ……」

「レインさんも、復興して人が住めるようになってきたからって言ってたし!」

「……有り難う、カナタ」

「どういたしまして」

「ところで名前どうする? カナタに任せていい?」

「いいけど。えーと」

 カナタは名前帳をだした。

「ユイナ」

「良い名前じゃないか」

「ユイナ、貴方の名前よ」

 カナタが赤ん坊にそう語りかけると、赤ん坊はくぁと欠伸をした。





 それから一週間後、退院したカナタをレオン達が出迎える。

 レインも一緒だ。

「一応、人が住める場所にはなったけど安全の確保という事で私も同行するわ」

「ありがとうレインさん」

「いやいや、今までこき使ってたからこれ位は」

 レインはそう言うと、球体で皆を包み込み、転移した。





「……本当荒れ地って感じ」

 カナタが悲しそうに言う程に、荒れ果てていた。

「バリアからはなるべく出ないようにね、確か墓地はこっちのはず」

 レインの案内で墓地へと向かう。

 墓地は墓が砕けていたり、壊されていたりしたものもあった。

「罰当たりだなぁ……」

 カナタは崩れかけた墓石達を見てそう呟いた。


「あった」


 壊れた墓石の中になんとか「グローブ」の文字だけ読める墓石があった。

 他の部分は削れててカナタには読みづらかったがレオンは読めたようだ。


「お母さん、僕、結婚して子どももできたんだ、女の子なんだ可愛いでしょう? 名前はユイナって言うんだ……」


 レオンは墓石に語りかけていた。


「あの時母さんがかばってくれなかったら僕もジュラスもここに居なかった、有り難う」

「有り難うございます」

「色々あったけど、僕精一杯頑張るよ、だから見守っててね」


 レオンは涙を流し、鼻をすすりながら言った。

「レオン、大丈夫?」

「うん……」

 レオンは花束を取り出し墓石に置いた。

「よし、じゃあ、帰ろうか」

「はい」

「うん」

「分かった」

 しゅんとその場から四人の姿が消えた。

 花は少しだけしおれたように見えたが、それでも、誇るように咲いていた──







第四子はレオンの子。

女の子です。

そしてあの御方も久々登場、久しぶりすぎてカナタも忘れてる。

そして文句を言うディオンとアルビオン、色々複雑です。

レオンは墓にいるであろう、母親達に誇って言えたでしょうね。


ここまで読んでくださり有り難うございました。

次回も読んでくださると嬉しいです。

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