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覚醒者~特別ランクの私は恋愛の好きが分からない!~  作者: 琴葉 悠(琴葉悠)
子だくさんな家族~ただし、旦那一人に子一人だけど~
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子の成長は早い~他人の家庭に口出すのはどうかと思うけどしゃーないよね~

一歳児にしては早く動き回る第一子のアサヒにてんてこ舞いなカナタ達。

そんな育児に翻弄される中で、友人達と生き抜きをする時間があり──




「一歳児ってこんなに速く動くっけー?!?!」

「俺の記憶が確かなら違うはずだ!!」

 ちょこまかと動き回る息子(アサヒ)に翻弄されながら、カナタが叫び、それにレンが返事をする。

「よ、漸く捕まえた」

 キャッキャと無邪気に笑うアサヒを抱きしめてカナタは大きく肩で息を吐く。

「もう、成長が早すぎるわよ。頭は回るし、元気はいいしで問題ないけど」

「まま、こんどはぱぱとあそびたい!」

「一歳児なのにぺらぺらしゃべるし、どういう成長速度なのこの子」

「……」

 我が子の成長速度に感心しているカナタの後ろで、ディオンは眉間を抑えていた。

「……とりあえず、パパ。アサヒと遊んであげて」

「分かった……」

 ディオンは我が子をカナタから受け取ると遊戯室へと向かっていった。


「覚醒者だからじゃないよね、あの成長具合は」

「だなぁ」

「……」

 各自が色々推測したり話合ってる中、アルビオンだけ無言だった。

「……まぁ、事情はおいおい聞くとして、今は子育て頑張らないとね!」

「カナタ、そんなに一人で背負おうとするな」

「そうそう、夫が八人もいるんだ全員の手を借りればいいぜ」

「……いいの?」

「いいの? じゃないよ。そういうことも踏まえて俺達家族になったんだから!!」

「……ありがと、みんな」

 カナタは嬉しそうに笑った。



「おい、ディオンの野郎が疲労困憊だ!! 子ども相手はきつかったかやっぱり!!」

「アサヒー、ママとあそびましょう?」

「あしょぶ!」

「やっぱこの言語発達能力の早さとかおかしくねぇか?」

「……」

「アルビオン知ってるけど、今は語れないってか……しゃーなし、頑張るか」

「キャッキャ!」





 カナタ達家族総出の子育てはすさまじかった。

 子どもの成長速度は異常かつ、また身体能力も覚醒者ですと言わんばかりの高さなのでもうへとへとだった。

 カナタはこう語る。


「旦那八人居てマジで良かった」


 と。





「──これだけ成長したなら、子ども用のハーネスつけて外で遊ばせてみたら」

「ですかね?」


「という訳でハーネス、市販の物だとちぎれそうだから特注のをどうぞ」

 とネオンからカナタはもらい、ハーネスをつけて実家近くの公園で遊ばせた。


 ハーネスがあるから突飛な行動も防げ、側で行動できたのでカナタ達は一安心だった。


「あれ、カナタ?」

「マヤにアイカじゃない」

「お子さん随分大きいわね、何歳ですかー?」

「いっちゃい!」

 その言葉を聞いた二人は凍り付いた。

「い、一歳? 一歳でこんなにおしゃべりできるの?」

「待てアイカ、まだおしゃべりできるとは──」

「ママだっこ!」

「はいはい、抱っこですねー」

 カナタはアサヒを抱っこする。

「か、覚醒者の赤ん坊ってみんなこうなの?」

「いんや? アサヒが例外なだけ、他はもっと普通よ多分」

 カナタはそう言ってアサヒの背中をぽんぽんとたたく。

 きゃっきゃと嬉しそうな顔をするアサヒに、カナタは微笑みを浮かべた。

「カナタ、子育て楽しい?」

「いや、忙しい」

 マヤの問いかけにカナタは即答した。

「言うことは聞いてくれるんだけど、やっぱり子どもだから突発的な行動するしさ、動きはすばしっこいし、なんなのこのおちびって毎度思うわ」

「ほぉ、ところで父親は?」

「ディオン」

「あーなるほど、以前あったあの人、そっくりだもんね。綺麗なとことか」

「ディオンは自分に似てるのにへこんでたけどね」

「どうして」

「さぁ?」

 カナタはそう言って水筒から飲み物を出す。

「ママ、アサヒも」

「はいはい」

 カナタはにっこり笑って、アサヒの水筒を出しそれに飲み物を注ぐ。

 アサヒはくぴくぴと飲み始めた。


「ところで聞いたんだけど……」

「何?」


 マヤの空気が変わり、カナタは真剣なまなざしになる。

「あと七人子ども作る予定ってマジ?」

「マジ」

「七人も⁈」

 その言葉にアイカが食いつく。

「七人も子ども産んだら、カナタ大変じゃん⁈」

「大変なのは重々承知、だが旦那八人でこいつとだけは子作りしないは差別だと思うので八人分の子どもは授かるよう祈ることにした」

「覚悟、してるんだね」

「覚悟してなきゃいわねーわ」

「旦那達は」

「最初反対、そして折れた」

「反対してくれて良かったよ、そして折れたなら仕方ない」

 マヤが真剣そうに言うと、アイカが慌てたように言う。

「た、多産DVとかじゃないよね⁈」

「それとは違う、部屋だってそれだけの数あるし、お金だって育てられるだけある、後は私が産んであげられるかどうか」

「……カナタ」

「子どもは授かりものだしね、まぁ不妊治療がかなり普及していて不妊で悩むのはよっぽどの時代になったしねぇ」

「それがさ、私の近所のご家庭が……」

「え、何? 不妊の原因を奥さんに決めつけてる⁈」

「あたしのところのご近所さんはさ……」

「え、不妊の原因を旦那さんに決めつけいる⁈」

 真逆の家庭内の不和に、カナタははぁとため息をついた。

「それで私にどうしろと?」

「カナタ覚醒者でしょう? その特権みたいなのでどうにかできないかな?」

「人を便利道具と勘違いしてないかアンタ達」

「いや、実際便利でしょう、覚醒者特権」

 カナタは盛大にため息をついた。

「今度旦那達と一緒に行くから場所教えて」

 そう言うと二人は喜色満面の笑みを浮かべた。





 後日、二つの家庭を訪問し、覚醒者特権で無理矢理不妊検査を行ったところ両家庭で別々の結果が出た。

 妻が不妊の原因と決めつけていた家庭は、夫が原因。

 夫が不妊の原因と決めつけていた家庭は、妻が原因。


 で、そこからDV等を受けていた決めつけられていた側がキレて離婚問題に発展。

 カナタは他人事だし、と離婚に強い弁護士を決めつけられていた側に紹介し、見事二つの家庭が離婚。


 それから半年後、同じように決めつけられていた同士という事もあり、離婚した二つの家庭は一つの家庭に生まれ変わった。


 後ほど、不妊治療をした妻、夫がやり直そうと電話をかけたらしいが。


「自分に非がないのに決めつけて調べもさせてくれなかった貴方とはやっていけないので二度と関わらないで欲しい」


 と接近禁止までだしてしまったらしい。

 カナタは二人に感謝されたが、恨みは深いなとしみじみ思った。





「──という事がありました」

「カナタ、君は友人に言いように使われてないか?」

「最初はそう思ったけど、覚醒者特権使わないと損だしいっかってなった」

「それでいいのか……」

 家でディオンがアサヒを抱っこしながら話していた。

「ちなみに、一つの家庭になったところは妊娠していま体大事にしてるところだってさ」

「……そうか」

「アサヒーいくつですかー?」

「もうすぐ二歳」

「……ねぇ、ディオン。アサヒの成長おかしいのやっぱり私の気のせいじゃないよね」

 無表情で、淡々と述べたアサヒの反応に、カナタは何かを感じ取っていたが、ディオンは何も言わなかった。

「何も言えないってか、まぁしょうがない。言ってくれるようになるまで待つわ」

「すまないな」

「いいって事よ」

 ディオンからアサヒを受け取り抱っこして頭を撫でると、アサヒは少しだけ嬉しそうな顔をした。

 それを見てディオンも頬を緩めた。







問題毎に首を突っ込むことになったアサヒ。

恨みは深い。

そしてお子さんの成長に戸惑いつつも、それが嬉しい親達。


ここまで読んでくださり有り難うございました。

次回も読んでくださると嬉しいです。

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