大人になったので~驚かれました~
学校を二年で飛び級卒業をし、卒業祝いを自宅で行うカナタ達。
祝う夫達に、カナタはとんでもない発言をして──
「「カナタちゃん卒業おめでとう!」」
「「「「「カナタ卒業おめでとう」」」」」
「皆ありがとう!」
二年で卒業することができたカナタの卒業祝いを家で行っていた。
「卒業したってことはあれだよね」
カナタはサイダーを飲みながら言う。
「あれ?」
「セックス解禁」
その場にいた八人全員が吹き出した。
「みんな、どうしたの?」
「……カナタ、君はしたいのか?」
「いや、別に、でも──」
「でも?」
「子どもは欲しい」
その言葉に、八人全員はそれぞれ「あーそうきたか」と言わんばかりのポーズを取った。
「ちなみに子どもは最低八人欲しい」
再び八人全員が吹き出した。
「どうしたの皆?」
「カナタ、自分の言っている意味、理解できているのか?」
「できてるよー。子どもは欲しい。でも一人だけだと何かひいきしてる感じ、だったら八人一人ずつの子どもが最低でも欲しい」
「カナタ、子どもを産むというのは体に負担が──」
「分かってるよ、だから皆に頼るの。今まで通り」
何でも無いことのように言うカナタに皆が頭を抱えた。
「あ、セックスの順番はくじ引きでお願いね」
そんな皆をよそに、カナタはくじを用意していた。
「じゃあ、私お風呂行ってくるから」
カナタはその場を後にした。
「どうするよ?」
「どうするも何も、カナタの説得はあれはまず無理だろう」
「何でも無いように見えて覚悟決めている上、その上で俺達のことを信頼して言っているからな」
「「「「「……」」」」」
「──よしくじ引くか!」
「マリちゃん?!」
「こうなりゃ自棄だ!! どうりでカナタがしばらく休暇とってね発言この間した訳だよ全く!!」
「同感だ、こうなれば引くしかあるまい」
「不本意だがな」
「え、えー?!」
「もうこうなりゃ自棄だよ!」
「あははは、僕らが自棄になるなんてカナタちゃんすごいや!!」
ディオン達、八人は全員自棄になってくじを引くことにした。
その後、誰が最初で、どういう風になったのかは彼らのみぞ知る。
「うぇえええ……気持ち悪い」
カナタは吐き気を催していた。
あの日から二週間後、カナタは体調を崩すようになっていた。
「……あのさぁ、もしかしなくても」
「妊娠、してるよね」
「一応念のため確かめて貰おう」
ディオンはカナタに近づき、背中をさすりながら言う。
「カナタ、ちょっとこれを使ってくれないか」
「う゛ー……ん? 妊娠検査薬じゃん、まさかまだ二週間だよ?」
「頼む」
「う゛ー分かった──」
カナタは検査薬を使用にし行った。
そして戻ってきて真顔になって言う。
「妊娠してたわ」
その場にいた男陣は天井を仰ぎ見る。
「おかしいなぁ、妊娠の初期症状にしては早すぎるし……いや、確かにお腹に違和感あるけど……どうしてだろう?」
「とりあえずカナタ、君は今日から絶対安静だ。無理はするな」
「うん分かった」
カナタはソファーに座って腹部をなで始めた。
「……おい、覚醒者の妊娠ってこんなに早かったか?」
男達はひそひそと小声で話し合う。
「えー俺の記憶だと少し早い程度だよ?」
「……」
「おい、ディオン。何無言になってやがる」
「……もしかしたら、カナタの今回の子どもは私かアルビオンの子かもしれん」
「「「はぁ?!」」」
ディオンの言葉に、他の男達はすっとんきょうな声を上げる。
「ディオン、その理由は?」
「……俺達があいつと同じなら、胎児の成長速度は普通よりも速い。半年も経たずに生まれる」
「はやっ?!」
「普通の覚醒者達よりも症状が早いから可能性は高い」
「あくまで可能性だな」
「ああ」
「まぁ、誰の子でもいいからカナタちゃんがちゃんと子どもを産めるような環境づくりを心がけようよ」
「そうだな」
「確かに」
「そうだね」
各自納得すると、出掛けていたアルビオンが戻ってきた。
「アルビオン、何を買ってきたんだ?」
「ディオンからカナタが妊娠したと聞いて、その為の本を……」
「行動早いな、というかいつの間に連絡取ってたんだ?」
「カナタが妊娠したといった直後だ」
各自、妊娠した時の行動などを気をつけるべく行動を取るように勉強を始めた。
「ご飯が食べられない……匂いもダメ……うぇっぷ……」
「何がいいんだ?」
「人に寄るが炭酸水とかか?」
「それだけじゃ栄養に──ディオンそれは?」
「レインから母が妊娠した時の食べ物を聞き出して作った芋のスープだ」
「食べられるか?」
「あーこれなら大丈夫そう、ありがとう」
カナタはスープを飲み始めた。
「やはり俺かアルビオンの子だな」
「どうしてだ?」
「……母は俺達を妊娠した時、固形物が一切食べられなくなったそうだ」
「カナタの今の症状も、固形物系統は食べられない状態にある、だからその可能性が高い」
「固形物とれないなんて、一体どういうことだ?」
「それはわからん」
「まぁ、そういう傾向が一緒なら対策がしやすいよね」
サリの言葉に皆が頷く。
「とりあえず、明日ネオンさんに来て貰って検査してもらおうか」
「そうだな」
「カナタ」
食事を何とか終えて、ホットミルクを飲むカナタに、ディオンが声をかける。
「何?」
「明日ネオンに来て貰う、妊娠状況がどんなものか調べる為にな」
「え、行った方がいいんじゃない?」
「君の体は不安定だ、なら来て貰ったほうがいい」
「あちゃー、迷惑かけちゃうなぁ」
「いや、ネオンはそれでは迷惑とは思わないさ」
「どういうのが迷惑なの?」
「話を聞かない、やるなと言ったことをする、言うことを聞かない、とかだな」
「なるほど」
「カナタ、先ほどネオンに連絡した。明日来てくれるよう取り計らってくれたようだ」
「ディオンにアルビオン、仕事早いよ」
「「君が妊娠したんだ、父親として夫としてしっかり考えなくては」」
「おぅいぇ……」
カナタはそう言ってぎこちない笑みを浮かべた。
「人なら七週目に相当しますね、ほら、小さなこの子が赤ちゃんですよ」
「わー本当だー」
検査の機械でカナタを診ながらネオンが言う。
「成長が普通の方より早いですから安静にしてくださいね、無理はしないように。レインさんには私からも連絡をしますので」
「お手数おかけしますー」
「いえいえ、元気に赤ちゃんを産んでくださいね。母子ともに健康であることが私の望みです」
ネオンは微笑んで、カナタの手を握った。
「で、父親は誰ですか?」
「アルビオンかディオンのどっちからしい」
「……より注意してくださいね」
「何でだ?」
「覚醒者でも、あの二人の赤ん坊となると母体であるカナタさんの体に負担がかかると聞いています。」
「え?」
「ですから、注意を」
ネオンからの言葉を、飲み込み、これからのカナタとの生活により注意を払う必要があると皆が感じた。
子どもが欲しい発言のカナタ。
しかも全員の。
出産、育児は大変そうですが覚悟はできてるそうです。
ここまで読んでくださり有り難うございました。
次回も読んでくださると嬉しいです。




