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交代制~レオンの場合~

カナタは学校で講義を受けていた。

だが、友達を作らず、さっさと卒業しようと考えていた──




 カナタは学校に向かい、講義を受けていた。

 高校時代の授業同様、教授のしゃべっている内容や答えなどが頭に勝手に浮かんでくるのが相変わらず不思議だった。

 友人は作ろうとしなかった。


 一人、大学内の休憩スペースで八人のうち誰かが作ってくれたお弁当を食べる。

 今日はジュラス達が作ってくれたお弁当を食べていた。


 仕事がバイトのようなものなので、バイトもせず、講義を入れるだけ入れて、さっさと卒業して皆の役にちゃんとたちたいと思うようになった。

 高校時代はあれほど、嫌だった仕事が今では責任をもってやらないと駄目だと思うようになっていた。


「……」


 カナタは弁当のオカズを食べながら、ジュラス達は何をしているかなぁと思いをはせた。





「くしゅ!」

「ぴしゅ!」

「へくしょ!」

「社長に、レオンさんにキリヒトさん、風邪ですか?」

「大丈夫だ、風邪ではない」

 心配する部下にそう答えてから、レオン達とともに社長と幹部専用の休憩スペースへと移動する。

「やれやれ、やっと一息つける」

 ジュラスはそう言って椅子に腰をかけて、鞄から弁当箱を取り出す。

「故郷の料理は思い出せないけど、他の国の料理なら作れるって皮肉だよね」

「それカナタには言うなよキリヒト」

「分かってるよ」

 おかずを口にしながら、レオンは何か考え込んでいるようだった。

「そういえばさぁ」

「何だ?」

「僕ら、結婚してるの社員に報告してないのに噂になってるんだけど」

「ゴウか……」

「アサギリ君だね、後でしめとこう」

「うん、ゴウだけのけ者にしたみたいな噂になってるから噂の元はしめておかないとね」


「失礼するぞ」


 三人にとってちょうど良いタイミングでゴウが入ってきた。

「アサギリくーん?」

「な、なんだ?」

「私達三人が結婚したのを社員に報告していないのに、噂になっている上お前をのけ者にしたという噂まで流れているんだが?」

「げ」

 ゴウは顔を引きつらせた。

「ほらこんな感じに」

 キリヒトが録音機を再生させる。

『なんか、アサギリさん、あいつら私をのけ者にして結婚したー! とか飲みでわめいてましたよ』

「これは確実に狙っているな」

「そうだね、僕らの事下げる為だね」

 ゴゴゴゴ……と音がしそうな程の怒りの空気を宿したジュラスとキリヒトがゴウに近づく。

「く……だが事実だろう!! 私だってカナタちゃんと結婚したかったー!!」

「それはお前の普段の行動が招いた結果だ!!」

「未だにカナタちゃんに嫌われてるの自覚しなよ?」

「ぎゃー!!」

 ジュラスとキリヒトに袋だたきにされるゴウを見ながら、レオンは一人昼食を食べ進めた。


 ジュラスとキリヒトがゴウに制裁を加え終えた後、レオンは交代するようにゴウを再度ボコボコにのめした。





「……あの馬鹿まだそんなこと言ってるの」

 何かあったらしいと察知したカナタが帰ってきたジュラス達に問い詰めて、聞き出すと呆れた様に息を吐いた。

「カナタちゃんは生理的にまだ受け付けられない」

「無理無理。初対面があれだったんだもん、受け付けられんわ」

「……敵対してたけど初対面でまともにやってて良かったね僕ら」

「そうだな」

「うん、そうだねー」

 三人そろって遠い目をする。

「あーそういや三人は服着ろとか普通だったよね」

「当たり前だろうが?!」

「いや、当然だよね?!」

「……あの格好で現れたんだよ、服着ろとか言いたくなるよ、コート渡そうとしたら拒否されて僕ショックだったんだけどなー」

「すまん、あの時は敵対してたから、そうじゃなかったら貰ってた」

「敵の施しは受けない系?」

「いや、施しに見せかけて何かあったらまずい系、友人がそういうのに引っかかりまくって私はそういうのが嫌になった」

「カナタ……」

「カナタちゃん……」

「カナタ……」

 ジュラス達はカナタに哀れみの眼差しを向けて頭を撫で始めた。

「ん、どういうこと、これ」

「大人しく撫でられておけ」

「んーそうする」

 レンにそう言われたので、カナタは大人しく頭を撫でられておくことにした。




「今日はレオンが一緒なんだ」

「会った順番だからね」

 カナタの部屋に、緑のパジャマを着てレオンが現れた。

「……あーその、もしかしてかなり恥ずかしい?」

「いやその、うん、ちょっと恥ずかしい……」

「あはは、照れてる」

「仕方ないだろ!」

 レオンは少し距離をとって、カナタのベッドの中に入った。


 横になったレオンを見て、カナタは笑う。

「ど、どうしたんだ?」

「いや、最初は八人もとか思ってたけど、今は悪くないなぁって思ってるの」

「そ、そっか」

「別にハーレム願望とか無かったからね、結果ハーレムになっちゃったけども」

「そ、そうだよな」

「それにしても、レオンも大変だね。会社あってドミニオンの仕事もあって」

「それはカナタも一緒じゃ……」

「いや、それが進学したら『卒業まで学業に専念してね』って言われて仕事の数が一気に減ったのよ。基本あいてる時間だけ」

「な、なんでだ?」

「何か最短で二年で卒業できるから私にそれやって貰いたいっぽい。まぁ無理なら無理でいいらしいけど」

「そうしたらドミニオンの仕事に集中できるから?」

「かもしれないねー、あ、そろそろ寝ないと、お休み」

「あ、うん、お休み……」

 カナタは明かりを消した。

 ほどなくして、すやすやとカナタは寝息を立てて寝始めた。





「……誰かと寝るなんて弟や妹達以来だよ……」

 レオンはどこか懐かしそうに、悲しげに呟くと目を閉じて眠り始めた。





 翌日──


「カナタちゅわあああああん!!」

「きもい!!」


 ドガ!!


「げふぅ!!」

 ドミニオン本部を訪れたカナタにゴウが抱きつこうとしてカナタのハンマーでぶん殴られて壁に激突していた。

「まったく、いやなもん見たわ」

「ゴウ、減給だ」

「そんな?!」

「ゴウ、アンタ減給」

「酷い!」

 上司二人にそろって減給を言い渡されてゴウは膝をついた。

「カナタちゃんに近づくな言ったでしょうが」

「言っとくけど、私はアンタの所業を許してないからな」

「ほら、この通り本人ご立腹」

「わ、私なりの好意の行動なのだ……!!」

「なら、なおさら悪いわ!」

 カナタがハンマーで殴る前に、ジュラスが電撃でゴウを感電させた。

「ギャー!!」

「カナタ、帰るぞ」

「え、でもレインさんに用事が……」

「後で連絡くれればいいから~~」

 引きずられていくカナタをレインはハンカチを振って見送った。







レオンは少しもの悲しいですね、家族が居た彼には悲しいこと。

で、ゴウは相変わらずキモいと拒否られていますね、仕方ない。


ここまで読んでくださり有り難うございました。

次回も読んでくださると嬉しいです。

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