写真~式はいいけどドレスは着たい!~
友人に結婚式はやらないのかと聞かれたカナタ。
やらないけどドレスは憧れると言うカナタ。
それを聞きつけたアルビオンが──
「ねぇ、カナタ」
「何、マヤ」
カナタはマヤとともにのんびりアイスクリーム屋でアイスを食べていた。
「結婚式とかはやらないの」
「やらない」
「どうして?」
「八人も新郎いるのに、身内居ないの大半なんだからやると面倒だろ」
「あー……」
「あ、でも。ドレスは着たいなー」
「何故それを言わない」
「わぁ」
アルビオンが、現れてカナタに言う。
「いやその……ドレス色々着たいって我が儘になるし……」
「そのくらい我が儘にならん、次の休みに予約を入れておく」
アルビオンはそう言って姿を消した。
「……カナタ、ドレスとかどんなの着たいの?」
「まぁ……色々。ドレスって憧れない?」
「まぁ、綺麗だもんね」
「うん」
会話をそれで切り上げ、カナタとマヤは少しだけ溶けかけたアイスを食べ始めた。
「と、言うことだ。ドレスの貸し出しと、写真を撮るのをやってくれるところは見つけておいた、全員その日は開けておけ」
「わかった」
アルビオンの言葉にディオンは頷いた。
「急だが、仕方ない。カナタの為だ」
「ジュラス、その日休暇申請するから」
「ジュラス僕もね」
「分かっている」
ドミニオン副業組が、本業の会社の方で休暇申請している。
社長に対して。
「写真とるってったってどうとるんだ?」
「一人ずつと、集合写真じゃない?」
「そうだな」
「確かに」
何か考えるようにサリが言うとマリとレンは同意した。
次の休み、広い写真館らしき店にカナタは連れてこられた。
そして目の前に広げられるドレスに、カナタは目を輝かせる。
「わぁ、すごい……!!」
様々な種類のドレスに目移りしていた。
しかし、あくまで見るだけで近寄ることはしなかった。
「カナタ、触ってみてもいいんだぞ?」
「え、だって汚したら怖いし……」
「そこら辺は問題ない。いいから気になった奴を何着か見つけてみてくれないか?」
「う、うん」
アルビオンとディオンに言われ、カナタはドレスを物色し始める。
「黒いのもいいけど、水色もいい、白も捨てがたい……」
そう言いながらブツブツと何かしゃべっている。
「お前達も服を探してくればいい」
「アルビオンとディオンは──」
アルビオンは黒い貴族風の衣装に身を包んでおり、ディオンは黒いスーツに黒い薔薇を胸元に添えていた。
「「「「「「早い」」」」」」
「そういうわけだ、さっさと服を探してこい向こうにある」
「へいへい……どんなのがいいかねぇ……」
「びしっとかっこよく決めたいよね!」
「僕白衣は着てたいんだけど、駄目」
「……あまり推奨はしないぞ」
「僕も……」
男性陣もがやがやと話ながら着る服を選び始めた。
「……僕、なんか似合ってない気がする」
「同感だね、僕もだよ」
白いスーツに身を包んだレオンとキリヒトはどこか微妙そうな顔をする。
「ジュラスは普段から白いスーツだから似合ってていいよねー」
「羨ましい」
「ひがみはやめろ」
髪をかき上げて、ジュラスはため息をついた。
普段とは違う白いスーツを纏っている。
「うわ、マリちゃん、スーツ姿ホストみたい!」
「誰がホストだ! テメェだってガキみてぇじゃねぇか!!」
「マリ、サリ、やめろ。喧嘩するなら殴るぞ」
「「すみませんでした」」
喧嘩ごしになっていた二人をレンが止めると、二人は土下座する勢いでレンに謝った。
レンはそれを見てため息をついた。
「みんな決まった?」
「決まったが……どうしたんだ?」
「その、皆に合わせて色々着たいというか……駄目かな?」
「「「「「「「「駄目じゃない」」」」」」」」
カナタの提案に、皆が即座に頷いた。
「そ、そう?」
カナタは少し驚きながらも嬉しそうに笑った。
二人で写真を撮る順番は出会った順番で取ることになった。
最初にディオンと撮ることになり、カナタは落ち着いた黒いドレスに身を包んだ。
次にアルビオンと撮ることになり、カナタは先ほどとは少し違った華やかな黒いドレスに身を包んだ。
二人が撮り終わるとジュラス達になり、まず最初にレオンと撮ることになり、カナタは薄い水色のふんわりとしたドレスに身を包んだ。
次はキリヒトとなり、今度はすらっとした白いドレスに身を包んだ。
最後はジュラスになり、ふんわりとした白いドレスに身を包んだ。
レオン達が撮り終えると、マリ達になり最初にマリが撮ることになった。
そのときは青い華やかなドレスだった。
次にサリと撮る時、青いふんわりとしたドレスだった。
最後にレンと撮る時は、紺色の落ち着いたドレスに身を包んだ。
集合写真の度に、同じようにドレスを変えて写真を撮った。
写真はすぐさま現像され、データと一緒に渡された。
「わぁ、すごーい!!」
カナタは嬉しそうにした。
「みんな、我が儘聞いてくれてありがとう!」
カナタがそう言うと、ディオン達はあっけにとられた顔をするが、すぐに苦笑した。
「最初に君と結婚してくれと我が儘を通したのは俺達だ、これくらいなんともないさ」
「そう?」
「そうだとも」
「そうなんだ……まぁ、いいや。お母さんに写真見せよっと……あ!」
そこまで言ってカナタは途端にしょげた顔をした。
「ど、どうした、カナタ」
「……お母さんも一緒に混じったのも撮って欲しかったなぁ……」
「「「「「「「「来週の休み、また撮りに来よう」」」」」」」」
「え、いいの?」
「構わない、それくらい」
「寧ろその辺り俺達が気をつけるべきだった」
「わりぃな、カナタ」
謝罪するディオン達に、カナタは驚く。
どうしてそこまでしてくれるんだろうと。
「──と、言うわけで、次の休み一緒に来てね」
「はいはい、分かったわ……それにしても綺麗ね、カナタ」
「本当?」
「本当よ」
カナタは実家に戻って写真を見せていた。
実際、カナタの目から見てもプロが化粧などをしてあるからとても綺麗に見えた。
「すごいなぁ」
「それにしても、夫さん達はすごい方ね」
「うん、それはマジで思う」
母親の言葉にカナタは同意した。
次の休みの日、同じように写真を撮り、楽しげにするカナタの姿があった。
それを見て、ディオン達八人は満足そうに微笑むのであった。
カナタ着せ替えの回。
色んなドレスを着て、写真を撮って満足でしょう。
ここまで読んでくださり有り難うございました。
次回も読んでくださると嬉しいです。




