友人の問題行動~一人で抱え込まないで~
友人達と仕事の話をしていたカナタ。
後日、友人のアイカがトラブルを起こして──
「「「「「「……」」」」」」
「な、何神妙な顔して私を見てるの?」
カナタは放課後、学校で自分の事を重い表情で見ているマヤ達を見て狼狽える。
「カナタって覚醒者として時にはあんな怖いのとも戦ってるんだね……」
アイカがぽつりと言葉をこぼす。
「あ? ま、まぁ稀にあるわよ。ああ言うのは」
「怖く、ない?」
「はぁ?!」
カナタはアイカの発言に少しばかり狼狽える。
「あーそのーなんだー……」
「怖いん、だよね」
「……ああ、そうだけど?」
カナタの発言にアイカは重い息を吐いた。
「……カナタの事分かってないの、私だけだったのか……」
「は?」
アイカはそう言うと鞄を持って教室から出て行った。
「ちょ……」
「カナタ、追わなくていい」
「そ、そう?」
カナタはマヤに言われたので追いかけるのをやめることにした。
後日──
「あの馬鹿! 何回トラブル引き起こしてんだ!!」
カナタは激怒し、マヤはため息をついた。
「あそこまで馬鹿だとは私も思わなかったわ……」
アイカはその後、男女関係で問題行動に問題行動を重ねて、とんでもないトラブルを引き起こしたのだ。
結果、アイカは謹慎処分を受けている。
施設から出るのを禁じられているのだ。
「……私、アイカにガツンと言ってくる」
「私も同行する」
「マヤ、ありがとう」
カナタはマヤとともに施設に向かう事にした。
施設の応接室に案内され、酷くスレたアイカと対面する。
「アイカ……」
「何よ……」
「もう一度言うぞ、お前のその性格が原因でお前とは結婚したくないと言った!!」
「今更なおらな──」
「治らないんじゃなくて治す気がないんだろうこの馬鹿!!」
「そう、治す気が無いんでしょう?」
カナタは怒鳴りつけ、マヤは呆れた目でアイカを見た。
「私は! お前のその性格の所為で何度友達をやめようか悩んだ位だぞ!!」
「?!」
カナタの言葉に、アイカは泣きそうな顔で驚く。
「言っておくけど事実よ、カナタ相当悩んでたから」
「でもやめなかった、理由は分かるか?」
「わ、わかんない……」
「お前がこんな馬鹿するのが見えてたからだよ!! だから友達はやめなかったなのに、お前は~~!!」
カナタはテーブルをたたき割らん勢いで叩く。
「施設の人には迷惑はかけるわ! 警察のお世話になるわ! ドミニオンの他の職員の世話なるわでよくもまぁやらかしてくれたな!!」
「アイカ、カナタは相当怒ってるわよ。後、私も相当怒ってる。アンタがあそこで改心したと思ったからね」
二人の言葉にアイカは狼狽えていた。
「分かったら今後の行動をよく考えろ、これが最後だ。私はこれ以上問題を起こしたらお前とは縁を切る、二度と口をきかん!!」
「私はそこまでしないけど、友達はやめるからね」
「そ、そんなぁああ……」
「「そんなじゃない!!」」
カナタとマヤは同時に言った。
「アンタがしたことはそう言うことなの、理解しろ!!」
「謹慎期間中にちゃんと反省することね」
カナタとマヤはそう言って部屋を後にした。
「そんなこと言われても、わかんないよ……」
カナタは困惑したような泣きそうな声で一人残された応接室で呟いた。
カナタはなんとなく実家に帰りたくなくて、ディオンを呼んで家の方へと帰ることにした。
家に帰ると、温かなお湯につかって少し気分を落ち着かせ、風呂から上がると、髪などを乾かして、着替えて遊戯室へと行く。
すると、遊戯室にいたマリが手招きをしてきた。
カナタは手招きに応じてマリが座っているソファーに座った。
「おい、何があった?」
「え?」
「帰ってきてからずっとイライラしっぱなしだろ?」
自分の事を見透かされている事に驚きながらも、カナタは疲れたようにため息をついた。
「あーその、腐れ縁の友人が馬鹿しまくったから次やったら絶縁するって言ってきた」
「本当はしたくないんだろう」
「まぁ、いろんな意味でね。でもこれくらいしないともうあいつはやらかし続ける」
「相当な問題児だな」
マリの言葉にカナタは頷く。
「昔はそうじゃなかった。けどいつの間にかそうなってしまっていた。理由がなんでか分からなかったけど結婚したことを言って漸くわかったわ」
「ん?」
「あいつは──アイカは私の事が好きだった。結婚したいとかそういう意味合いで好きだったんだ。でも、私はアイカをそう見れなかった」
カナタははぁと息を吐く。
「だって、私が嫌いな事ばかりするんだもの。だからそう見れなかった。でも、アイカはそれ以外自分を向いてくれる方法を知らなかったんだ、あの日から」
「あの日?」
「詳しく聞かせてくれないか、茶でも飲みながら」
レンや他の六人も集まってきた。
カナタは静かに話し始めた。
小学生の時だったかな?
アイカが虐待されていたの。
親は悪知恵が回る親で、うわべがいいからアイカの虐待に誰も気づかなかった。
アイカは訴えたけど、周りから嘘つきとされていた。
でも、私とマヤはそうじゃないと思った。
マヤはどうすれば分からなかったけど、私、子どもの癖に変な考えする子でね。
親に頼んで監視カメラちっちゃいのをアイカの家に設置させたの。
あと、録音用のペンとか。
で、それで情報集めて警察に出したら、親は捕まってムショ行き。
周囲はアイカに謝罪したけど、アイカは許さなかった。
結果、アイカはそいつらに対して問題行動を起こして困らせた。
誰が言ってもやめないから私が言って止めたの、何度も。
今考えれば、私が面倒見すぎたのもあるわね。
結果、私がそっけないと、アイカは問題行動を起こすようになったの。
嘘つき扱いされてた自分を信じた私に振り向いて欲しくてね、きっと。
カナタは話終わると、ふぅと息を吐いてお茶を飲んだ。
「アイカの行動を助長させたのは確実に私なのは否定できないのよね」
疲れたようにカナタは言った。
「だが、それを選んだのは君の友人だ。君は悪くないだろう」
ディオンがきっぱりと言う。
「そうだぜ、振り向いて欲しいなら、嫌がることじゃなく、やって嬉しい事に決まってんだろ」
マリがクリエイフォンを手に持ちながら言った。
「カナタ、君は自分の所為だと背負いすぎだ」
「背負い込みすぎると自滅しちゃうからそういうのは吐き出しちゃっていいんだよ~~」
「……うん」
カナタは静かに頷いた。
漸く、アイカの謹慎が解かれると、アイカはカナタのところにやってきた。
「か、カナタ……その」
「……」
「考えたけど、わかんないよ……どうすればいいか……」
アイカの言葉に、カナタは呆れた吐息を吐き出した。
「単純よ、私がするなって言ったことしなければいいの?」
「そ、そしたら私の事、好きになってくれる?」
「友達としてまでならな、それまでの行動が駄目すぎる」
「……うん」
「まずは、それでやってみなよ」
カナタはアイカの頭をぽんと撫でた。
それ以降、アイカの問題行動はほぼなくなった。
以前起こしたトラブルに巻き込まれる位に減ったが、カナタにはそれで十分だった。
カナタは見捨てようかマジで悩んで居るんですが、良心がそれを許さないんですよね。
助けたのは自分だから最後まで向き合わなきゃとか思って居ます。
ここまで読んでくださり有り難うございました。
次回も読んでくださると嬉しいです。




