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別離の恐怖と八人の──

ドミニオンの帰りに、カナタは自分が最初から覚醒者だったらどうだろうと悩んで居た。

そこへレイドが現れ──




「……」

 ドミニオン本部帰り、公園でカナタは一人椅子に座っていた。

 先ほどマリ達の話を聞いて、自分に当てはめていたのだ。


──私が最初から覚醒者だったら、お母さんはどうしてただろうか──

──最初から覚醒者だったら、マヤ達はどうしてただろうか──


「はぁ……」

「どうした、カナタ」

「あ……」

 目の前にはいつの間にかレイドがいた。


「俺で良ければ話を聞こう」


 レイドにそう言われ、カナタはぽつりぽつりと話し始めた。



「──なるほど、生まれた時から覚醒者だったら、とか今の環境についてか」

「はい……」

 レイドの言葉に、カナタは弱々しく頷いた。

「言おう、考えるだけ、無駄だと」

「無駄って……」

「君には良い環境がある、今はそれだけで十分だろう? 他の人の事を気にする余裕など本来の君にはないはずだ」

「……!!」

 レイドに指摘され、カナタは言葉を失う。

「確かに忌避される存在ではある、覚醒者(私達)は。だが、そうでない者もいる」

「……レイドさんに、いたの?」

「いた。だが私の方から彼らと離れた。彼らを傷つけない為にな」

「……」

「クロもそうだ。彼女には夫と、子どもがいたが。覚醒者になったのをきっかけに自分から離れると言い出した、夫と子どもは止めたが彼女の決意は固く、クロは夫達の前から姿を消した」

「……」


──私もみんなの前から──


「君には向かん」

 カナタの思っている事を見透かすようにレイドは言った。

「……君は家族が必要だ、家族が、ともに過ごす存在がいなければ君は保たない。覚醒者だからではない、君という存在がそうだ」

「でも……」

 レイドはカナタの頭を軽く撫でた。

「だから不安なのだろう。それはおそらくおいおい解決されるはずだ」

「か、解決……?」

「そう、解決するだろう、予測だが君の思ってもいない形でね」

「……」

「だから君は心を痛めて悩むのは今では無い、もっと後だ。不安定な君が今悩めば決してよくはならない」

「……」

 レイドはそう言って、無言のカナタを見ると、立ち上がって姿を消し、すぐさま姿を現して何かを持ってきた。

「ほら、ホットココアだ。今は冷える」

「ありがとうございます……」

 カナタはコップに入ったココアをちびちびと飲み始めた。

「あちゅい」

「ラーメンは平気で食うのに、ココアの熱いのは苦手なのか」

「変ですか?」

「いや、個性があって良いと思う」

 レイドはコーヒーを口にした。

「……君は君のまま、そのまま進むといい」

「でも、それで──」

「『家族や友達に何かあったら』と言う考えは持っておくにこしたことはない。しかし、君がそれで無理をし続ける必要もない」

「……」

「今の君は君のままでいればいい、君にとっての転機は良いものだと君の性質から言っておこう」

「……ありがとうございます」

 カナタはそう言ってちびちびとまたココアを飲み始めた。





「……あの御方もずいぶんと酷なことをなさる」

 レイドはカナタに聞こえないように呟いた。





「今日はありがとうございました」

「いや、気にするな。気をつけて帰りなさい」

「はい」

 カナタは足早に去って行った。


「──いい加減姿を現すといい」


 レイドがそう言うと、ディオン達が姿を現した。


「貴様……カナタに一体どのような……その」

「安心しろ、リヴンの社長殿だったか? 私は彼女にそのような感情を持ち合わせておらんよ、娘のようには思っているが」

「え、もしかして俺たちレイドさん倒さなきゃカナタちゃんにアタックする権利もらえない訳?」

「そこまで言ってはいない馬鹿者」

 サリの言葉に、レイドは呆れた顔をする。

 その後、レイドは指で数え始めた。

「……八人か……まぁ、彼女には多い方がちょうどいい」

「おい、何の話だよ」

鈍感男(マリ)少し黙れ」

 レンがマリの頭を殴る。

「いってぇ!!」

「……鈍感男もいるが、まぁいいか」

「本気で言っているのか?」

 ディオンが若干嫌そうにレイドに問いかける。

「彼女は脆い。彼女と共に過ごしたならお前達は理解できているはずだ」

 レイドのその言葉に、一同無言になる。


「人の友や伴侶では、その脆さを補えない。補えるのは私達のような覚醒者の中でも格上の者だけだ」





「カナタ、どうしたの、今日はやけに甘えてきて」

「……ちょっとね」

 カナタは母親に抱きついて、離れなかった。





 別離は等しく訪れるものだと思っていた。

 けれども、自分だけ取り残される別離へと変化した今。

 この時を私は大事にしたい。


 ただ、一人になった時、私はどうなるんだろうという、恐怖はあるけれども──







カナタの恵まれている環境を指摘します。

今はそれを大事にできればいいと言うことです。

レイドは他にも言いたいことがあるようですが、今は言わない感じです。

母親はカナタを受け入れ、カナタはそれでいいと思って居るのでしょう。


ここまで読んでくださり有り難うございました。

次回も読んでくださると嬉しいです。

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