過去④
「・・・・・朝か」
ゴブリンを倒してから丸一日、俺は工事現場内にあったプレハブ小屋で眠ることにした。 流石にここまで来たらいよいよ夢ではないか? しかもとびっきり最悪な悪夢ではないか? そう考えることにした。
「・・・・・さすがにもう夢からさめ・・・・・てねぇなぁ~~~~~~」
夢から覚めたと思いドアを開けたが、誰もいない現実にゴブリンを倒した跡がそこにあった。
俺は、それを見た瞬間あれが夢ではなく現実に起こったことなのだと実感できてしまった。 こういう時の適応能力を憎く感じたことはないよ、こんちくしょーーーーーー。
「OKOK。 落ち着け、九条竜馬。 とりあえずこれは夢ではなく現実なんだと理解できてしまったわけだ。 ここまでゲーム要素が強いとステータスオープンっていやぁ画面が・・・・・出てくるのね」
俺が何となく放った一言でまさかのゲームに出てきそうなステータス画面が出てきた。 しかもこの画面。
「ステータスポイント振るタイプかよ。 普通はさ自動でステータスが上がるもんじゃないのか?」
俺のやってるゲームについては突っ込み不要ではあるが、とにかく俺はたまった数少ないポイントをとりあえずまんべんなく与えていく。
ポイントを振った後、他にも何かないかといろいろいじっていくと、画面の一画にびっくりマークのアイコンが付いてた。
「なんだこれ?」
俺はそれをタップすると、2~3行の文とその下にたくさんの用語みたいな羅列が現れた。
「なんだこれ?・・・・・・・何々、『初めてのモンスター退治に伴いステータスポイントとジョブを開放しました。 以下から一つを選びジョブを開放してください。 なお初めてのジョブ解放のため、ステータスポイントは使用しません。 次回以降は解放に1ポイントを要します』か」
どうやらモンスターを退治したことで、ジョブが現れたようだ。 いろいろ見ていくと[剣士][薬師][魔法使い][魔獣使い][銃使い]などetc etc。 すべてのジョブに詳しい説明はないが、まぁ名前通りのものなのだろう。 とりあえずいろいろイメージしてみるがどれもあんまししっくりこない。 たくさんある中で[剣士]と[薬師]の二つは自分に合ってる気がした。 ただ武器はこの鉄パイプと考えると剣士ってイメージではない。 ならばここはと・・・・。
「[薬師]で」
[薬師]の名前をタップした瞬間、俺のジョブは[薬師]になった。 その瞬間新たなアビリティとして<作成レシピ>が表れた。 すべてのレシピを見ていくとその辺の草から作れそうな薬があった。 俺は草が生えている場所まで車で移動し、草を収穫していった。
ただどれがどれなのか全くわからず困惑していると、新たなスキル[解析]が解放された。
見ていくとどうやら鑑定と分析、予測を一緒くたにしたようなスキルらしく、対象の名前やどういったものかを鑑定し、それがモンスターなら次の動きを分析し、予測する。 が可能らしい。
優秀過ぎない?
「これで一通りできるな」
俺は草を解析し、必要な草と水を手に入れることはできたが、どうやって作るんだ? とりあえず手の中で草を握ると手の中が光り、手を開けると緑の液体が出来ていた。 どうやらこうやって作れるようだが、あまりにも汚かった。
次からは家で作ろうと思った瞬間、<創薬Lv1>が出来ていた。
「何とかなるかな・・・・・、たぶん」