過去③
少し長いかもしれませんが悪しからず。
毎日どうやって次に進ませるのか悩んでます。
今日一日奇妙なことが起こりすぎだ。 突然消えた人々に頭の中に響いてきた機械っぽい音声。 とりあえず落ちていた車をゆっくり運転しながら俺は今まで起こった出来事を口に出してまとめていた。
「突然の失踪、しかも一人二人ではなく100万人単位でなんて一体全体どうなっているんだ? それこそ魔法でもなければありえないことだが・・・・・、そんなことはありえない。 RPGの世界にでもやってきたわけでもないし。 それにさっきから聞こえてくるこの音声。 ほんとうにRPGの世界にやってきちまったってか? いや・・・・・・ないない、よくある異世界転生?転移?なわけないし」
この時の俺はまだ自分が住んでいるこの世界がよくあるweb小説のような世界になっていることを。
しばらく車を走らせているとドンっ!という大きな音と何かがぶつかるような音が聞こえてきた。
「?! なんだ?」
俺は車を止めて外に出た。 車を見ると前が少しへこんでいるが動かないわけではない。 しかしいったい何にぶつかったのか? 俺は周囲を見渡したがぶつかったであろう物はなかったと思う。 と言うのも周囲は真っ暗で車の中に偶然会った懐中電灯を使って光を照らしたからだ。
その結果ぶつかりそうな電柱やポストといった無機物は辺りにはない。 近くには建設現場があるくらいだ。 その時の俺はある希望を持っていた。
「もしかして・・・・・、誰かいるのか?」
人がいるかもしれない。 そんな希望をもって暗闇の中、大きな声でこう叫んだ。
「おぉーーーーい!! だれかいるのかぁ!! いたら返事してくれぇ!!!!」
もし誰かいたらこの現状について何か聞けるかもしれない! だがその希望は残念な結果で砕かれてしまった。 ヒタヒタという足音と何かを引きずるような音、そしてかすかに聞こえるうめき声。 俺はその音に反応してそっちに懐中電灯の光を向けた。
「誰なんだ? いまどうなって・・・・・へ・・・・・?」
光に照らされたその体は・・・・・・人間ではなかった。 濃い緑色の皮膚に紅い眼、長くとがった耳、それはあらゆるRPGゲームにweb小説に出てくる怪物だった。
「なんで・・・・・ごぶ・・・・りん・・・?」
一瞬呆けてしまった自分が悪かった。 ゴブリンは俺の方に走って近づいてきて、右手に握った木の棍棒を振りかぶった。
「?!」
おれはとっさに左手で防いだがあまりの強さに工事現場に吹き飛ばされた。 工事現場の資材置き場まで吹き飛ばされた俺はあまりの痛さに気絶しそうになったが資材置き場のものが落ちてきたことでかろうじて意識までは失うことはなかった。
「いてぇ・・・・・いてぇよぉ・・・・・」
俺は急いで逃げるために全身の痛みに耐えながらそこから逃げ出した。 左腕は変な方向に折れ曲がっており、動くたびに激痛が走る。 それでも逃げなくてはあれに殺されてしまう、そんな恐怖心が全身を駆け巡る。
そんな時だったまた声が聞こえてきた。
<アビリティ:苦痛耐性Lv1・アビリティ:恐怖耐性を作成しました>
こんな時にこの2つができるのは不幸中の幸いである。 どうやらこの2つの能力は常時発動タイプであったようで痛みと恐怖心が和らいできたのが分かった。 そんな時だった後ろに何かの気配を感じたのは・・・・。
「いる・・・・」
そんなときまた聞こえてきた。 今度は<アビリティ:索敵Lv1>だった。 これさえあればと思いそれを使ってゴブリンの位置を確認した。 びっくりしたのはすでに近くにいたのだ。 俺は近くに落ちていた細い鉄パイプを持って構える。 ゴブリンも俺を見つけてとびかかってきた。
「こんなとこで死んでたまるかぁぁぁ!!」
俺はそう叫びながらとびかかってきたゴブリンの頭に鉄パイプ当てて、倒れたところを無我夢中で滅多打ちにした。 しばらく叩きまくってようやくゴブリンは動かなくなり、そこに残ったのは綺麗な水晶だけだった。
俺はその場でへたり込んで震える体を落ち着かせようと自分を抱きしめた?という表現でいいのだろうか。
「ははは・・・・・、これは夢だ・・・・そうだよこんなのは変な悪夢なんだよ・・・・・。 早く覚めてくれよぉ・・・・・」