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第三十二話 入学

「それでは新入生代表、ニア=ユーフレッド!」



「……ん!」



 俺が神と再接触してから数日。



 神とは完全に敵対したが、今のところ何もトラブルは起こっていない。



 俺は向こうが何も仕掛けて来ないならと、何もない平和な時間を過ごさせてもらった。



 久々に家族とゆっくりできて、非常に有意義な数日間だったな。



 そしてそんな日々もあっという間に過ぎ、いよいよ学園の入学式の日がやってきたという訳だ。



 と言っても、俺は例の件ですぐに帝国へ出発するんだが……



 ナイジェルと接触するという当初の目的は果たしてしまったが、それでも学園生活は割と楽しみにしていた。



 それだけに少し残念なのも事実だ。



「ニア、がんばれよ」



「ニア〜!気楽にな〜!」



「ん、ありがと」



 俺とケントは、名前を呼ばれて立ち上がったニアにエールを送る。



 ちょうどスティーブンスの長ったらしい挨拶が終わって、今からニアの答辞が始まるところだ。



「おいあの子、かわいすぎるだろ……」



「ニアちゃんですか……!覚えましたよッ……!」



 一部の新入生が、壇上に上がるニアの姿を見てざわついている。



 俺はもう見慣れてしまって何も感じないが、ニアは世間一般的に言うと超かわいい部類に位置するみたいだな。



 俺がいない間に、変な虫がつかなければいいが……



 まぁケントもいる事だし、大丈夫だとは思うが……



 おっ?下らない事を考えていたら、どうやらニアの答辞が始まるみたいだ。



 ニアは大きく息を吸い込んで、目一杯の大きな声で宣言する。



「今、この中でわたしが一番強い!だけど、わたしはもっと強くなる!それが嫌なら全員……かかってこいヤ!」



 ニアは堂々と宣言して、新入生たちに得意のドヤ顔を見せつける。



 王城での一件で、もっと強くなりたいと言っていたのは知っていたが……



「あの子、面白い事言ってくれるじゃない……!」



「彼女に勝つには、試験の時に貴女がしてやられたスキルを打ち破らねばいけませんねぇ……!燃えてきましたヨォ!」



「試験の時に受けた屈辱は必ず返す……ケント=アーガイル……!」



 ん?この二人は確か、試験でニアの対戦相手だったエミリーと解説のオタク君じゃないか。



 それと……やたらこっちを睨みつけているのはケントの対戦相手だったアホ貴族か。



 三人とも合格していたんだな、よかったよかった。



 奇天烈な答辞だったが、意外にも会場は盛り上がっている。



 どうやら、新入生たちの闘志に火がついたみたいだ。



「ハハ!ニアはやっぱすげぇな〜!」



 ケントも俺の隣で、楽しそうに大声で笑っている。



 反対に、学園の職員たちの顔は引き攣っているがな。



 スティーブンスなんて、顎が外れそうになっている。



 普段は真面目な人物なだけに、面食らった顔をしていて少し笑えるな。



「ほんとに、ニアには敵わないな」


 

 こうして入学式のメインは、完全にニアに持っていかれたのだった。

 




ーー学園前



「ニア、ナイスな挨拶だったな」



「ん、いっちょかましてみた」



 ニアのメンタルの強さの秘訣は何なのか、だれか是非解明してほしい。



「なぁラルフ〜本当に行っちまうのかよ〜、せっかく一緒に入学できたのによ〜……」



 ケントは残念そうに肩を落としている。



 それもそのはず。



 ニアとケントは、俺が学園に入学するって言うからついてきたようなものだからな。



 だから少し申し訳ない気持ちもある。



「夏までには戻ってくる予定だ、だからそんなに悲しまないでくれ」



 実際、調査が完了次第すぐに戻ってくる予定だ。



 うまくいけば、割とすぐに戻って来れるかもしれない。



 そして、俺の青春がようやく始まるんだ……!



「わたしも行きたい、でも強くなるって決めた」



 すると落ち込むケントを励ますように、ニアは自分の強い意志を宣言する。



「ニア……わかったよ、俺も強くなるぜ!この前の変な女みたいな奴に襲われても、余裕で返り討ちにできるくらいな!」



 ニアとケントはお互いに頷きあう。



 俺が戻ってくる頃には、きっと更に強くなってるだろうな。



 単純なセンスだったら、二人とも俺なんかよりはるかに優れてるしな。



「ラルフ!戻ってきたら剣の試合だ!ボッコボコにしてやるぜ!」



「ん、わたしも」



 ニアとケントは腕をグッとして意気込む。



「やれやれ、簡単にはやられないぞ」



 俺たちは短い別れを惜しみつつも、お互いの成長を誓い合ったのであった。


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