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第二十五話 安堵

「ラルフ君!」



 急いでアンリの部屋へ向かっていた途中、どこかへ向かって走っているアンリと鉢合わせた。



「アンリ殿下!やはり何かあったのですか!?」



 アンリの様子からして、何かあったのは間違いなさそうだ。



「やはり……?もしかしてそっちでも何かあったの!?」



「はい、実は……」



 俺とアンリはお互いに起こった事を説明しあった。



「なんて事……まさか兵士に化けて侵入してくるなんて……」



「アンリ様もよくご無事でしたね……」



「ニアちゃんとケント君のおかげよ!とりあえず、私はナイジェルの所にも治療班を向かわせるわね。ラルフ君は二人のところに行ってあげて!」



「はい!それでは失礼します」



 俺はアンリに一礼して、ニアとケントのもとへ急いだ。



 間もなくして、アンリの部屋の前へ辿り着く。



 アンリの部屋の前には、既に多数の警備兵が到着していた。



「あァ……死神がそこに……!殺される……殺されるゥゥ!」



「うるさい!大人しくしろ!」



 すると部屋の中から多数の警備兵に囲まれて、一人の女が出てきた。



 こいつがもう一人の侵入者か……



 歳の割に随分変わった格好だな……



 きっと強敵だったに違いない。



 そんな事よりだ。



 ニアとケントの無事を確認せねば……!



「すいません通ります!ニア!ケント!大丈夫か!?」  



 俺はアンリの部屋の中へ飛び込む。



「お〜ラルフ〜!そっちは大丈夫だったか〜?」



「ラルフ、ぐすん……」



 部屋の中では、涙目のニアの頭をケントがポンポンとしていた。



「二人とも無事だったんだな……!よかった……!」



「マジでやばかったけどな〜!ニアとアンリさんが頑張ってくれたんだ〜!」



「あのメンヘラ、やばすぎ。ガクブル。」



 二人とも少し余裕もあるみたいだ。



 本当によかった……



「二人とも……すぐに助けに行けなくて本当にごめん……!」



「何言ってんだよ〜!ラルフはラルフで大変だったんだろ?それに、みんな無事だったんだから気にすんな!」



 俺は正直、自分が助けに行かなければニアとケントの命が危ないと思っていた。


 

 だがそれは杞憂だったようだ。



 十二司将を相手に無傷で勝利するとはな。



 俺が言うのもなんだが、二人とも本当にただの15歳なのか?



「ラルフ、わたしがんばった。」



「ニア……」



 俺はドヤ顔のニアの頭を撫でる。



 ニアは満足そうな表情を浮かべているが、その身体から相当な精神的疲労を感じる。



 きっと激しい戦いだったのだろう……



 今回はたまたま全員生き残れた。



 だが、今後もっと強い奴が二人を狙うかもしれない。



 その時に今日みたく遅れて助けに来るようでは、俺の幸せを守り切ることはできない。



 俺の戦いに二人を巻き込んでしまっている以上、すぐに守れるよう対策をしなければ……



「二人とも、今日はもうゆっくり休もう」



「そうだな〜!俺は腹が減ったぜ!」



「うん、今日は疲れた。」



 とりあえず今日は色々な事が起こりすぎた。



 ニアとケントの精神面も心配だ。



 俺たちは、外の宿でゆっくり休ませてもらおうと立ち上がる。



「それでしたら……」



「うぉ!ハリーさんいつの間に!」



 いつの間にか執事のハリーが、俺たちの後ろに控えていた。



「今晩は、是非王城にお泊まりください。グランハイム王も是非御三方にお会いしたいとの事でしたので」



「グランハイム王が直々にですか!?」



「はい……こちらの不手際で、御三方には大変危険な目に遭わせてしまいました。そのお詫びにと……いかがでしょうか?」



 う〜ん……



 ハッキリ言って、今日はもう帰りたいところだが……



 さすがに、グランハイム王直々のご指名を無碍にするわけにはいかないよな……



「ニア、ケントそれでもいいか?」



「俺は全然いいぜ〜!アンリさんとまだお話できるなんて願ってもなかったぜ〜!」



「わたしもオッケー。」



 俺の考えとは反対に、二人はむしろノリノリだった。



「それではお言葉に甘えさせて頂きます」



「ありがとうございます。それでは、お食事の準備が整いましたらお呼びします。それまでお部屋の方で、ごゆっくりお休みください」



 それにしても王様か。



 一体どんな人物なんだろうな……



 なんと言ってもナイジェルの親だからな……



 変な人じゃなければいいんだが……



 まさかの王様との顔合わせが決まり、少し不安に思うラルフなのであった。


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