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私の目標です。

「ダリア様〜!」


「どうしたの?」


「いえ、お見かけしたので声をかけただけですわ!今日もとてもお美しいですわ!」


「ダリア様だわ!」


「ごきげんよう。昼食、一緒に食べない?」


「勿論ですわ!」


「嬉しいです!」


「、、、あ、クスッ、、リリー様ですわ。」


「まぁ、、クスクス」


「クスッ、、お姉さま!こんなところでどうされましたの?」


今日も1人、、、


可哀想に、、でも、ちっとも悲しくないけれど。


本当に私の腹違いの姉なのかしら。


友人もいないし、勉強はできないし、性格も暗いし。


「こんなところでお一人、、どなたかお探しで?お手伝いいたしましょうか?」


「ダリア様、、なんてお優しいのでしょう、、」


「お姉様のために人探しのお手伝いなんて、、」


「いいえ、結構ですよ。ダリアの手は煩わせないわ。あなたの大事な時間を取ってしまってごめんなさいね。」


「、、、え?」




あのとき、何故か「リリー」の頭に置かれた記憶。


「あのとき」とは、、そう、イトラン様にパーティーのパートナーをお願いしようとしていたときのこと。


本来、女性からパーティーのパートナーをお願いするのは非常識である。


そんな非常識でも、常識をいくら習っても覚えることの出来ないリリーはやってのけてしまうのだけれど、、


そうだ、私の自己紹介がまだだった。


私の名前は荘野百合、現在の名前はリリー・グランウィーク。


ネイドレス皇国唯一の公爵家、グランウィーク家の長女。


公女は私と妹のダリアしかいないというわけ。


実は私は異世界人なの。


そして、なんと、異世界の乙女ゲーム「薔薇のキスと共に」の世界なのです!


私が大好きだった乙女ゲームの世界に入ってきてしまったのは嬉しくないわけじゃ勿論ないんだよ。


攻略対象たちの御尊顔を生で見られるんだもん、これほどの幸せってないよね?!


、、、でも。


私の記憶がリリーに宿った「あのとき」は、


ネイドレス皇国第一皇子イトラン・ネイドレスとのパートナーイベントで。


悪役令嬢リリーのパートナーのお願いを断って、ヒロインのローズを選ぶもの。


私が宿ったのは悪役令嬢のリリーだし!


ヒロインとイトラン様のイベント中だったし!


控え目に言ってタイミング最悪すぎる。


私は、全てを思い出したわけではないの。


私が一番好きだった隠しキャラだけが名前も顔も忘れちゃったの!




私、悪役令嬢だし、最弱公女だけれど。


リリーは何も悪くないの。


ハッピーエンドの場合、リリーは最後ローズの結ばれた相手が誰であろうと、1人を除いてイトラン様に断罪される運命。


ヒロインをいじめたのはリリーではなく妹のダリアなの。


ダリアは結局、リリーの断罪を受けて怖くなって、大人しくなったんだけれど。


それが本当のハッピーエンドだとは思えない。


たった一つ、、リリーが断罪されないハッピーエンドが一つ、ある。


それが隠しキャラとのハッピーエンドなのだ。


私が断罪されないようにするには、隠しキャラとローズをくっつかせれば良いってことだよね。


私は絶対にリリーを幸せにするの!


底辺にいる今を、、リリーの魂を楽にさせてあげる。


底辺から頂点へ。


そのためにも、、


私の第一の目標!




『隠しキャラを見つける!』

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