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本性です。

「ありがとうございました。」


「ありがとう。、、、さて、これから他国の者へ挨拶に向かう。リリー、君も俺の婚約者なのだから、ついてくるように。」


「、、、分かりました。」


いつかこのときがやってくるのは分かっていたけれど、、やっぱり不安なのは変わらないわね。


イトラン様は私をなんだと思っているのかしら。


私はあなたに従順なペット?


言うことだけを聞く人形?


それでもやっぱり思い通りにならない人間?


どれであっても私は嬉しくないわね、、少しでも対抗しなくては。




「アイビー殿下。今宵はよくご参加してくださいました。殿下が楽しんでいただけたら幸いです。」


「イトラン殿下!そんな、畏まらないでくださいよ!しかも俺は殿下より年下ですし!気軽に話されてください!」


「ありがとうございます。こちらはリリー・グランウィーク。私の婚約者です。」


「えっ、、あ、、、グランウィーク公爵家長女のリリーでございます。」


「へぇ、、君が噂の。リリーさんと呼んでも?」


「えぇ、勿論です。」


「ふっ、君、可愛い顔をしてるね。一曲ダンスを踊ってもらっても?」


え?!


急いで私はイトラン様を見る。


表情は真顔、しかし目線はアイビー様。


あぁ、、踊れってことですね分かりましたよ。


「光栄です。」




「実はね、俺が聞いていた噂は、リリーさんが何もできないだとか何も話さないだとか、、そういうんだったんだけど、全く違ったね。」


「そうでしょうか。」


アイビー様って、、意外とストレートにものを言うのね。


「確かにダンスも上手いとは言えないけど言うほど下手ってわけじゃない。もしかして相当練習した?」


「え、えぇ、、色々な人に迷惑をかけてしまうので。」


「ふぅん、そっか。俺とリリーさんって同じ学年なのに話したことなかったよね。というか、俺が見かけたときはもう少し暗い雰囲気だった気もする。さっきも言ったけど、やっぱり変わったって噂は本当みたいだ。」


「そうですか。」


「興味なさそうにしてる。こんなに興味を持たれないのはローズ以来だ。リリーさんってローズにどこか似てるね。」


「私がローズにですか?」


ヒロインと悪役のどこが似てるって言うのよ!


いや、嬉しくないわけじゃないけれど、、


私とローズを同じにするのはローズに失礼だわ!


「でも、やっぱりローズとの決定的な違いがある。」


「、、、なんでしょうか。」




「気に入らない。大した能力もないくせに、余裕な顔をしてる君が。」




ゾクッ


「ぇ、、、」


「ま、これからも仲良くやっていこうよ。俺はアナトミア皇国の皇太子。リリーさんはネイドレス皇国の公女。どちらも高い地位にいるのは変わりないからね。」


「、、、は、、はい、、」


「ありがとうございました。楽しかったよ。」




急に、、何?


彼の本性?


最初はあんなに友好的に話していたのに、、


やっぱり、攻略対象は全員私のことが、、嫌い?


強烈な敵意のようなものを感じた。

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