誓いです。
「ローズ様?」
「リ、リリー様が様なんておつけしなくても、、」
「そう?では、、ローズと呼んでも良いかしら。」
「勿論でございます!」
「ではローズも私のことはリリーと、、」
「そんなことできませんよ!私が侯爵家や伯爵家の令嬢ならまだしも、、」
「でも、私が良いと言っているのよ?」
シオン様は私のことを呼び捨てで呼んでいた。
会話からもやっぱり、割と仲が良かったことが分かっていた。
呼び捨てって、仲良しの証ってことじゃないのかな?
呼びたくないってことは、やっぱり私のこと、そこまで好きじゃない、、、?
ローズは男爵令嬢だし、、この国に公女は私とダリアしかいないから、怯えているのかも。
でも、仲良くなりたいのは本当だし、、
どうやったら呼んでもらえる?
「、、、私などが意見するのもおこがましいことなのですが、、周りの目もございます。」
あ、、そうね。
確かに、ローズが私のことを呼び捨てにして得することなんて何一つないわ。
名ばかりの公女と仲が良くたって、逆に悪く言われる対象になってしまうかもしれないし、
公女を呼び捨てにする男爵令嬢、、ローズが不敬だという人も出てくるかもしれないわ。
ローズのためにも、ここは引かないと。
「分かったわ。では、ローズの呼びやすい名で呼んでちょうだい。呼び捨てで呼ぶのは難しくても、私の話し相手、、くらいにはなってもらえると嬉しいわ。」
なんか、利用してるみたいになっちゃってるかな?
「リリー様が望むままに。」
「っ、、やっぱり、今のは取り消し。私の、お友達に、、なってくれませんか!」
目を瞑る。
、、、どうしても、ローズの顔を見るのが怖くて。
拒絶されるのが怖い。
きっとこれはリリーの本能。
リリーが今まで受けてきたこと、、
周りとは違って、私を見てくれる、、私と仲良くしてくれる人に出会ったと思ったのに、それは全部嘘で。
あからさまに影でコソコソ私の悪口を言い、ときには直接言ってくる私への敵意。
リリーは誰も信じることができないのに、誰かに縋りたくて、誰かを信じたくて、幾度も同じ過ちをおかしていた。
でも、ヒロインは、、ローズはそんなこと、しないと私は信じている。
荘野百合が信頼している。
、、、ね?
だから、リリー、安心して。
私に任せて。
怖がらなくて良いの。
きっとローズはあなたを受け入れてくれるから。
「っ、、はい!私などで良ければ、、喜んで!」
ね、言ったでしょ?
あなたは出会いに恵まれていなかっただけなのよ。
きっとこれから、良い人に出会える。
私がリリーのために頑張るから。
私の全てを使ってあなたを守ってみせる。




