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27.生徒会室内のハーレム野郎


 何故こうなったんだ……。

 いや、考えれば生徒会室の中に誰がいるかくらい、予想は出来たはずなのに。


「はい、あ~ん」

「いや、その……」

「こっちも忘れずに、ア~ン……」

「ど……どっちを先にすれば……」

「もちろん、私の方だよね? 妹だもん」

「いっちゃん、それ違うし。それを言うなら、幹くんとヒナは固い絆があるわけで~」


 俺はヒナに声をかけられ、何の疑問を持つことなく生徒会室に入った。

 入る時まで、本当に何の疑いも持たずにだ。


 てっきり会長であるヒナに何かを食べさせられるという、淡い期待すら抱いていた。

 勝手に思い込んでいたわけだが……。


 室内にいたのは、義妹の一樹いつきだった。

 妹とは最近めっきり話さなくなっていたが、まさかのご対面で開いた口が塞がらない状態。


 そんな妹に構うことなく、ヒナは[あ~ん]を実行。

 腹を立てた一樹も何故か参戦し、今に至る。


「緋奈は黙ってて! ミキちゃんとは話すのも接するのも、久しぶりなんだから! 食べさせるなら、慣れた私がするのがいいはずだよ!!」

「いっちゃんは黙っててくれる? これはヒナと幹くんの問題だよ。あまり言いたくないけど、いっちゃんは部外者なのだよ。妹ちゃんの一時的な感情とは全く異なるわけ!」

「そ、そんなこと、緋奈には言われたくない!! ミキちゃん、緋奈よりも私から食べさせられたいですよね?」


 これは……、どっちと答えても痛そうな展開しか見えない。

 何で一樹はそうまで意地になっているのか。


 家ではあまり俺に絡んで来ないのに。

 まさかと思うが、俺への想いがまだ残っているのか。


 アレは俺の軽い冗談だったと説明したはずなんだが……。


「落ち着け! そもそも何で一樹までそんなことをする必要があるんだよ?」

「だって、ミキちゃん……」

「ん?」

「私のこと、もらってくれるって言った!」

「ぶふっ!?」

「冗談なんかじゃないって信じてるんですからね? 義妹……義理なんだから、そういう関係にもなれるわけだし……そうなってもおかしくないんです! 分かった?」

「わ、分かっ……むごぉっ!?」


 間近まで一樹の顔が迫って来たと思っていたら、力強い腕が俺の首に絡みついていた。

 もちろん、その腕の主はヒナである。


 えーと、これはどういうハーレム展開なのだろうか。

 何で生徒会室の中でそんなことが起きているだろう……。

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