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19.イツキくん、バレる!?


「「「どういうことか、説明してくれる!?」」」

 

 昔流行った、壁に追いやられを複数の女子にやられているのは、決してハーレムなんかじゃない。

 壁から逃れられないように、股の間には蹴りまで入っていて絶体絶命である。


 ここまで怒りを露わにさせた発端は、男とも女とも取れるユウキという奴にゼリーを食べさせた行為によるものだ。


 ユウキもLOR上にいた誰かであることは、あいつの口ぶりではそうなのだろうと思うしか無いが、問題は婚姻関係にあるかどうかである。


 全く身に覚えが無い……というより、今思えば攻略組は大所帯だったので、全てのメンバーに好意を向けていたのかは定かじゃない。


「ご、誤解です」

「リンを誤魔化そうったって、そうはいきませんからね?」

「小野瀬くん! どうして見境なく手を出すの!! わたしにだって出して無いのに……」

「やっぱり、生徒会室で未遂に終えたからなのかな? なんなら続きをしようか?」

「し、しないし! 見境が無いわけでも無いし、誤魔化しすらしてもなく……」

「その割には嫌がってなかったし、簡単に口に運びましたよね!!」

「口に直接持って行って食べさせるなんて、幹くんもやるね~」


 リン、一樹いつき、ヒナ……何で彼女たちは、こういう時だけ同盟を結ぶのか。


 何者か分からないユウキにあんなことをしたのも不用意だったけど、ここにいるリンたちから目を盗むような行動を取るなんて、本当に何者なんだろう。


 3人の女子に壁に追いやられたものの、残り少なかった休み時間だったので、この場は何とか誤魔化しきれた。


「リンは許したくありませんから! ですので、放課後は付き合ってもらいます! いいですか? いいですよね? イツキくん」

「も、もちろんだよ! リンと時間を作るよ」

「それなら許してあげます!」


 機嫌を良くしたリンはそのまま素直に教室に戻って行った。


「幹くん。君とはもう一度生徒会室で――」

「そ、それは……」

「まっ、いっちゃんと仲直りをしてから来てよね!」


 ヒナは俺のことをそこまで気にしていないのか、あっさり教室に入ってしまう。

 しかし問題は、


「ミキちゃん。何で赤名さんが……?」

「だ、だから、誤解だって――」

「違う。そうじゃなくて、さっきイツキくんって言ってた。どうしてミキちゃんのことを、イツキくんって呼んでいるの?」


 あー……うっかり呼ばれていた挙句に、聞き逃しもしてくれなかったのか。

 いつかバレると思っていたが、これは何と言えば納得してくれるんだ。

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