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16.ヘイト祭りの始まり


「赤名さん……どういう……ことですか?」

「見たままですけれど、委員長さんにはどう見えているんです?」


 あぁぁぁぁ……恐れていたことが起きてしまった。

 しかも何で目立つ場所で、こんな修羅場を作り出してるんだよ……。


「小~野~瀬くん……言いなりって何かな? まさかだけど、赤名さんにもちょっかいを出してるとかじゃないんだよね……?」

「も、ももも、もちろんそうじゃないんだよ! というか、教室に入った方が――」

「まだチャイムなってないし、手を離さないでくださいね? 小野瀬くん?」

「は、はい……じゃなくて! 見られてるし、だから……」

「委員長さんに? それともクラスの人たちに? わたしは気にしないですよ」


 俺が気にするし、イツキの怒りが今にも沸騰しそうだ。


「赤名さん」

「はい?」

「委員長として風紀の乱れを許すわけにはいかないので、無理やりにでも離させて頂きますからっ!!」

「――ったぁ……しっかり握りしめていたのに、その爪は反則なんじゃないですか?」

「チャイム鳴りましたから、教室に入ってくれますよね? 赤名さんと、小野瀬くん……」


 おぉ、怖い……いつになく一樹イツキが本気になっているじゃないか。

 しかもリンに握られていた手を爪攻撃で怯ませた隙に、俺の手から離すとかこれも力技の一つだな。


「委員長さんが彼の何なのかなんて、わたしには関係のないことですけど、彼はわたしにとって絶対必要な人なんです。彼からの言いなりの結果が手繋ぎですし、傍にいてあげることもわたしに課せられた命令の一つなんですけど?」


 言いなりとか忘れて欲しいし、命令も消して欲しいのに、何でこんな状況をわざわざ作るんだ。


「お言葉ですけど赤名さんは、どこかの令嬢のはずです。こんな、可もなく不可もなしな男の子……小野瀬くんに要らないちょっかいと誘惑なんか、かける必要なんてないと思います! 小野瀬くんみたいな寂しがりやな男の子は、委員長であるこの私が面倒をあげなければ駄目なんです。そういうわけなので、早く教室に!」


 何でこんなお互いにケンカ腰になっているんだ。

 出会ってまだ数日しか経っていないし、リンが一樹にけしかける必要もよく分からないぞ。


 俺の言いなりになったリンが手を繋いできて、その状態をキープしていただけなのに、それを目の前で見たからって何で一樹が腹を立てているのか。


 正確には言いなりにした覚えは無いけど。


「「ふんっ……!!」」


 二人とも俺を廊下に残したままで教室に入ってしまった。

 まさかこんな状態がずっと続くのか。

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