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6/6

これはノルマなのかカルマなのかだれか教えて下さい!

セッション6回目  


その日は休日だったが早朝からたくさんの雑務に追われて忙しかった。忙しくて朝食も取れない状況だった。

その後遅い朝食をとりお昼過ぎから退行催眠を行うことになった。

いつもよりも遅い時間のスタートだったので夕方の予定に間に合うだろうか、そう気にしながら始まった。


あい「貴方の足元に何か見えますか?、何か履いていますか。手は見えますか。何か身に着けていますか。周りに何か見えますか。何をしていますか?」

ゆい「・・・・・・」

あい「貴方は話すことができます。言葉にしてください」

ゆい「・・・・・・」

あい「誰か見えますか?」

ゆい「シューズを履いているのが見えます」

あい「男性ですか、女性ですか?」

ゆい「男性です」

あい「名前は?」

ゆい「チャールズ」

あい「今どこにいますか?」

ゆい「コートに座っています」

あい「スポーツ選手ですか?種目は何ですか?」

ゆい「バスケット選手のようなユニフォームを着ています」

あい「何かの大会なのですか?」

ゆい「わかりません、一人でベンチに座っています」


あい「それでは別の日に移動しましょう。何が起きていますか?」

ゆい「落ち込んでいるような姿が見えます」

ロッカールームの様な場所でベンチにうなだれて腰かけている姿が見えた。

あい「それ以外何か見えますか?」

ゆい「何も見えません」

あい「この人生の目的、学びはありますか?」

「(小さい声)わかりません、チャンスをのがしてしまったと、もっと活躍できたのではないかと考えています」


あい「別の場所へ移動しましょう、何が起きていますか。足元は見えますか?」

ゆい「草履のような物を履いています」

あい「どのような?」

ゆい「縄で編まれています」

あい「周りに誰かいますか?」

ゆい「いません」

あい「建物の中にいますか。何をやっていますか?」

ゆい「船に乗っています。大砲を撃っています」

十五、六歳位の足軽の様な格好をした少年の姿がイメージされた。


あい「どこの国ですか?」

ゆい「日本です。幕末時代かと」

あい「お侍ですか?」

ゆい「多分」

あい「どこの藩ですか?」

ゆい「会津藩・・・?」

脳裏に鶴丸、鶴丸と浮かんできたが何の事かわからなかった。私は

今まで日本史に興味が無く、特に血生臭い幕末時代が嫌いだったのでそういう関連の本や映画なども一切見ないようにしていた、突然降ってわいた映像に戸惑っていた。


あい「名前は?」

ゆい「平兵衛と聞こえてきました」

あい「平兵衛さんですね。家族はいますか?」

ゆい「まだ少年の様に見えます」

あい「今は誰と戦っていますか?」

ゆい「わかりません」

あい「貴方はどちらの出身ですか?」

突如体が震えです。うまくしゃべることができなくなった。


ゆい「ああああああ(うめき声)・・・・会津藩です」

あい「ああ、幕府軍として戦っているのですね。貴方の国のお殿様の名前は。藩主は誰かわかりますか?」

ゆい「わかりません」

鶴なんとかと聞こえたがはっきりしなかった。

あい「今どちらにいますか?」

ゆい「・・・・・・」

あい「それでは別な日に移動しましょう、何が起きていますか?」

ゆい「あああああっ!(うめき声)。」

あい「平兵衛さん。お話できますか?」

ゆい「ああああああっ(鳴き声)城が燃えている」

あい「城の名前は?」

ゆい「・・・」

先程から鶴丸鶴丸と聞こえるが言葉にすることができなかった。

ゆい「ああああああああっ!城が」

あい「貴方はただ傍観者としてその場面を見ることができます。何があったとしてもそれはすでに終わったことですよ」

あい「その場面を離れ今の人生の目的を知りましょう。何か学びはありましたか。」

ゆい「虚しさ、絶望のようなものを感じています」

あい「それではその場面を離れましょう。それでは潜在意識へ質問する許可をもらえますか?」

ゆい「はい」


潜在意識への質問

あい「先程の人生を彼女に見せた理由は?」


ゆい「うううううううっ(うめき声)」

あい「どうぞ口を動かして話をしてみてくださいね。何故先ほどの人生を選んだのですが?」

ゆい「・・・・・・」

あい「質問を変えます。輪廻転生は自分の意思でするのですか。それとも強制されているものなのですか?ゆいさんも一緒にこの質問を聞いていますか?」

ゆい「(少しいかめしい男性的な口調)難しい質問だ」

あい「輪廻転生はある存在に強制されているとある本で読みましたが本当ですか?」

ゆい「(小さい声)本当だ、まだ詳しくは・・・話せないが」

あい「どうして答えられないのですか。何か不都合がありますか?」

ゆい「・・・・・・」

あい「どうして過去世の事を完全に忘れて転生するのですか。過去の経験の蓄積があれば地球はもっとより良くなると思うのですが?」

ゆい「うううっ(うめき声)」

あい「どうして全てを忘れてしまうのですか。輪廻転生を行わせている存在達が忘れさせてしまうのですか?」

ゆい「暴動が起きないように」

あい「それが起きるとまずいのですか。地球をコントロールしている存在達にとって不都合なのですか?」

あい「ゆいさんが地球に来た理由が、人間達を導く為と話していましたが輪廻転生から目覚めさせる為なのですか?以前に五次元の存在達に監視されていると話していましたがその人達が輪廻転生をコントロールしているのですか?教えてもらえますか?」

その後しばし沈黙が続く。


あい「潜在意識さんはゆいさんには語っていますか。この質問はしてもいいのですか?」

ゆい「はい・・・・・・誰かが笑っている声がします」

あい「輪廻転生はやはりある存在が関係していて記憶も忘れてしまうのですね。」

ゆい「・・・・・・」

あい「質問を変えます。解脱という言葉の意味は?輪廻転生を離れて高次元の存在になることですか?それとも単純に魂が肉体から離れることを意味しているのですか?」

ゆい「この現世を離れるという意味です」

あい「それではまた輪廻転生を行うのですか?」

ゆい「地球を離れる・・・」

あい「それではもう輪廻転生を行わなくていいのですね。解脱とはそういう意味ですか?」

ゆい「そうです」

あい「仏陀はその地球の仕組みに気が付いたのですか?」

ゆい「あああっ!(うめき声)・・・仏陀は初めから高次元の存在です」


あい「ゆいさんは以前のセッション中に五次元の存在に監視されていると話していました。彼らはゆいさんが約束を思い出すと困るのですか?彼女の存在は何なのですか?人々を導く為に来ているのですか?」

ゆい「・・・・・・」

あい「では解脱せずに輪廻転生を繰り返す事を自分で選ぶ事もできるのですか?」

ゆい「そうです」

あい「では輪廻転生は強制ではなく自分の意思でするのですね」 

ゆい「選べる者もいる」

あい「過去世を忘れているのは?潜在意識さんに答えてもらえますか?」

ゆい「今は潜在意識ではありません」

あい「名前はありますか?では貴方に質問していいですか?今の経済では何故貧富の差があるのですか。どうしてお金持ちと貧乏人がいるのですか?」

ゆい「富める者が全てを得ようとするから」

大きな深呼吸を繰り返している。

あい「どうして世の中は今の状態なのですか?このまま行くと地球はどうなりますか?皆が平等に自分の好きな事ができて幸せな人生を歩むにはどうしたらいいのですか?今地球は良くなろうとしているにですか?インターネットが発達してユーチューブやAIが出てきていますがこれからよくなっていくのですか?教えてもらえますか?」

ゆい「ふふふふふ(笑)質問が長いのでもっと端的に質問するように」

あい「そうですね、今地球の社会の仕組みが色々変わろうとしているのではないかと思います。良くなっていきますか?そのまま進んでいっていいのですか?」

ゆい「目覚めるだろう」

あい「目覚めるのですか?」

ゆい「そうだ」

あい「目覚めるとは?」

ゆい「意識が変わるだろう・・・」

あい「コントロールしている側の者達が変わるのですか?今答えてくれているのはゆいさんの潜在意識ですか?それとも他の方ですか?」

ゆい「潜在意識だと思います。」

あい「今世の中を動かしている存在がいると思いますが、その者達の意識が変われば世の中は良くなりますか?」

ゆい「(かなり小さい声)まだ絶対数が足りない・・・」

あい「力を持たない者がたくさん目覚めたとしても大きな力にはならないのではないですか?」

ゆい「(微かに聞き取れる声)たくさんの人達が目覚めたら・・・」

あい「今どれくらいの人が目覚めているのですか。まだまだ足りないですか?輪廻転生してくる時に過去世の事を忘れずに転生してきた人達が増えると目覚める人達も増えて行くのですか?」

ゆい「人々は過去世の記憶は忘れてはいない、思い出せていないだけ」

あい「どうして思い出せないのですか?」

ゆい「そこに焦点を合わせていない」

あい「どうやったら焦点を合わす事ができるのですか?」

ゆい「自然に・・・(小さい声)」

あい「はい?」

ゆい「自然に親しむといい・・・」

あい「そうすると過去世の記憶とかを思い出せるようになるのですか?」

ゆい「楽しい気持ちになる事を」

あい「楽しい事をやるといいのですか?どうぞもっと話して下さい。誰もが経済的に困らずに楽しい気持ちで好きな事が自由にできる、そんな方法がありますか?あれば教えて下さい」

ゆい「助け合う、手を取り合って・・・」

あい「どうやって?」

ゆい「知識を共有する・・・」

あい「それはインターネットが重要な役割をはたしますか?ではこれからどんどんインターネット等によって知識を共有することができて地球はよりよくなりますか?」

ゆい「まだまだだと・・・」

あい「その前に地球環境が悪化したりしますか?」

ゆい「それは大丈夫です」

あい「では地球は今のままでインターネットとかを使い続けることで知識を共有して助け合って行く事ができますか?そうすると全ての人がやりたい事を楽しく自由にやれるようになりますか?」

ゆい「情報・・・」

あい「何ですか?」

ゆい「隠された情報が・・・」

あい「隠された情報を皆が知る事ができるようになればより良くなりますか?どうやってその情報は見つかりますか?見つける事ができますか?」

ゆい「夢を通して」

あい「その情報は皆の夢に出てくるのですか?」

ゆい「繋がっていきます」

あい「夢の中でですか?」

ゆい「電波として」

あい「ある日突然皆が目覚めるのですか?夢によって情報を得ることによって?どこから変わっていくのですか?いつですか?近々ですか?一年後?もっとですか?それとももっと早いのですか?」

ゆい「(囁き声)二十年後くらいです。・・・あああああっ(うめき声)」

また体全体が小刻みに震え始めた。


あい「その時に隠された情報が皆に知らされて共有されるにですか?」

ゆい「あああああっ(叫び声)」

あい「私はゆいさんの潜在意識と話していますか?違う存在ですか?名前を教えてもらえますか?」

ゆい「カルカ」

あい「カルカラ?」

ゆい「カルカと」

あいはうまく聞き取れなかったようで何回も聞き返していた。

ゆい「ははははははっ!(力強く豪快な笑い声男性のように感じる)」

あい「カルクさんですか?」

ゆい「カルカだ」

あい「ああ。カルカさんはゆいさんの知り合いですか?彼女は何をする為に地球にやって来たのですか?彼女は五次元の存在に監視されているみたいと以前のセッションで話していましたが何か不都合な事でもあるのですか?わかりますか?」

ゆい「ハーっ(深い深呼吸を繰り返している)」

あい「カルカさんはまだいますか?」

ゆい「今宇宙船が見えます」

あい「宇宙船?それはゆいさんを監視している存在ですか?」

ゆい「違います」

あい「以前に五次元の存在が彼女を監視していると言っていましたが。」

ゆい「UFOがそこに存在しているのが見えています。」

あい「なぜ見えているのですか?何か約束があると言われていましたがどのような約束なのですか?」

ゆい「扉を開ける・・・」

あい「どのような扉ですか?」

ゆい「知識の扉です」

あい「どのようにしたら知識の扉が開くのですか?方法を教えてもらえますか?」

ゆい「情報を伝える」

あい「情報?情報をどのように開示するのですか?情報は先ほど話していた隠された情報なのですか?同じ情報なのですか?」

ゆい「そうです」

あい「それはゆいさんが隠された情報を開示するという事ですか?それをその宇宙船の人達は見守っているのですか?それとも見張っているのですか?」

ゆい「阻止しようと・・・」

あい「どうして阻止しようとしているのですか?」

ゆい「知られたら困る・・・」

あい「それは地球の人達にその情報が知られたら困るのですか?」

ゆい「・・・・・・」



あい「私は今カルカさんと話していますか?と言う事は今の地球はある存在達がコントロールしているのですか?」

ゆい「暴走しないように」

あい「ということはこの宇宙船の存在達は地球人が暴走しないように見守っているのですか?」

ゆい「そうですね」

あい「ではいい存在達なのですか?」

ゆい「中立です」

あい「中立な存在なのですね。ゆいさんはその仲間だったのですか?」

ゆい「別の存在です。別次元の」

あい「別の次元?では彼女は何を行いに地球に来ているのですか?」

ゆい「(囁き声)諭すために」

あい「諭す為ですか?」

ゆい「仲間が連れていかれました」

あい「仲間?何人位いますか?」

ゆい「千人位です」

じ「解脱させるのですか?」

ゆい「囚われている」

あい「囚われているのですか?」

あい「何故?誰に囚われているのですか?輪廻転生で囚われているのですか?」

ゆい「・・・・・・」

あい「どうしたらその隠された情報が見つかるのですか?どうやったら扉が開く事ができますか?夢ですか?皆の夢の中でその情報が開示され共有されたら楽しくなるのではそれとも人々の暴動が起きますか?」

ゆい「恐怖が終わります」

あい「と言うことは良い事ですよね?皆が目覚めますね?」

ゆい「あああああー(叫び声)」

あい「楽しくなるのでは?わくわくしますよね。早く皆でその情報を共有したいですね。それともまだそれは早いのですか?」

ゆい「まだ・・・まだ話し合う必要がある・・・」

あい「話し合い?誰と誰が話し合う必要があるのですか?」

ゆい「評議会です(かなり小さい声で聞き取りづらい)」

あい「はい?」

ゆい「評議員と話し合う必要があります」

あい「評議会の評議員と話が必要なのですか?」

ゆい「ああああーっ!(叫び声)」

あい「どういう話し合いが必要なのですか?」

ゆい「(囁き声)タイミングについて・・・」

あい「ああタイミングですね、わかりました」

あい「ではまたカルカさんともお話する事はできますか?」

ゆい「いずれ・・・」

あい「またここにきてもらって色々質問してもいいですか?」

ゆい「・・・・・・」


セッションはそのまま終了した。

セッション中に詳しく話すことはできなかったが、腕組みをした背の高い男性が、何かにもたれて不敵に笑いながらこちらを見つめている姿がずっと見えていた。髪の毛はあったかどうかははっきりとしなかった。全身白銀色のぴったりしたコスチュームを身にまとっていた。年の頃は二十代から三十代。その姿がとても印象的だった。




最後のセッションから数日後、今までに起きた出来事を思い返して突然不安が襲ってきた。

特に不安を感じたのはセッションをもっと進めることで、さらにどのような情報を知ることになるのかということだった。

それに対して私自身が心の準備ができていないように感じた。

もともと私が退行催眠を受けようと思ったのは、幼少期から感じていた何かしらの不安感というか、いつも周りの皆と違うと感じてしまう疎外感違和感の原因がわかればいいと考えたからだった。

このままいくと私はどうなるのか?

聞きたかった事はもう十分聞くことができた。

セッションを受けるのをもう辞めかようかと考え始めていた。

私の望みは静かに平穏に暮らすこと。これからは自分自身で心穏やかに過ごす努力をすればいいのではないかと考えていた。




それから数日後、録音した情報を聞き返そうとSDカードを入れてあった棚から取り出そうとしたらSDカードが無い事に気がついた。確か昨日確認した時まではあったはずだった。無意識に移動させたかもしれないと心当たりの場所を全て探したが見つける事ができなかった。SDカードは私の元から忽然と消えてしまっていた。


その出来事がきっかけとなって本を書くという情熱がすっかり消えてしまった。

頑張って上ってきた梯子を突然外されたような感じだった。

空虚感が襲ってきた。

退行催眠で次々に明かされる情報、それに伴って起こる不思議な現象。眠れない日々が続いていたことなど全ての出来事が私自身の許容範囲を超えたのかもしれなかった。

何もかもがどうでもいいように感じていた。

その後数週間は関連する本も一切読まず、退行催眠も受けなかった。


ただ私の人生でこんなに穏やかな日々があっただろうかと思えるくらい心が穏やかで日常生活も平穏で静かだった。

心が鎮まる感じが続いていた。








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