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閑話 オーキスの追憶

 久々に面白い出来事がおきたと思う。今日出会ったヴァイスという少年は自分の学生時代の友人を思い出させたのだ。


 今でこそ領主として偉そうにしている自分だがもちろん少年時代はある。その少年時代の友人に彼と同じように未来がわかるといっていた少年がいたのだ。ある日彼はいたずらっ子のような笑みを浮かべて私に教えてくれたのだ。

 

 最初は半信半疑だった私も彼の言ったとおりの出来事がおきるにつれて信じるようになった。彼には色々世話になったものだ。魔法学園では彼と一緒に色々な冒険をした。実は今の妻との出会いのきっかけを作ってくれたのも彼である。


「お父様、今日はなにやら上機嫌ですね。あの二人をそんなに気に入ったのですか?」

「ふふ、やはり若い子と話すと自分も若返るからね。ティアはあの二人をどう思った? 仲良くなれそうかい?」

「正直よくわかりません……同い年の男性とはあまり交流したことありませんし……てか友達自体いないし……」


 後半はほとんど消え入るような声である。

 娘のティアには同世代の友人はいない……正しくは交流している人はいるものの心を開いてはいないのだろう。


 彼女は子供のころからおてんばで部屋で本を読んだり、自分を着飾ったりすることよりも外でかけっこをしたりするほうが好きだった。また、自分が寝る前によく冒険譚を聞かせたのが原因だろう。よく冒険者ごっこなどをやっていた。


 幼少期はそれでいい。だが成長するにつれてそれでは周囲と合わなくなってしまう。妻が貴族としての教育をしてくれたおかげで一応貴族の令嬢らしくふるまうことはできたが、いつも窮屈そうだった。


 だから気晴らしにと剣の稽古などをしてあげると喜んだものだ。そして幸か不幸か彼女には剣の才能もあった。そのせいか冒険者へのあこがれはどんどん強くなるようだった。


 妻にはよく怒られたがティアにお願いされると断れない自分がいた。妻は貴族令嬢らしくしてほしいと願っていたがティアにとってどちらが幸せなのだろうか……窮屈そうな彼女をみるとなにが正しいのかわからなくなるのだ。


 だから今回はいいきっかけだと思う。彼女の本性を知っている同世代の人間が現れたのだ。元々魔法学園に入学したら好きなようにふるまうように言うつもりだったのだ。


「わからないなら知ればいいさ、ティアが嫌じゃないなら仲良くなるきっかけを作ってあげよう。噂によると彼らは魔法学園で活躍するために鍛錬をしてるらしいよ。それに混ぜてもらったらどうかな?」

「はあ……まあ、お父様がそうおっしゃるならお願いしてもらってもいいですか?」


 娘の表情には不安と少しの期待がある。やはり寂しかったのだろう。この年頃の友人の存在は人生に大きな影響を与える。私が彼に影響されたように彼女も彼らに影響をうけるかもしれない。また妻におこられるかもしれないが娘の笑顔のほうが大事である。


 私は筆をとり二枚の手紙を書くことにした。一枚目は娘の友人になるかもしれない彼らに、もう一枚は懐かしい彼に向けて




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