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困惑

 なんなのだこれは? 相対する虫けらどもと戦っていて俺は困惑をしていた。予定では一瞬でかたずけ俺は上質な魔力にありつけるはずだった。なのに現実はどうだ?



「風よ!!」

「すべてを射抜け、水の魔弾よ!!」

「紅蓮の炎よ、すべてを焼き払え!!」



 風が、水が、炎が自分の身体を襲う、ドラゴンである自分の身体は強靭な鱗に覆われているためちょっとやそっとの攻撃は通じないはずだった。なのに圧倒的な魔力によって致命的ではないがダメージを受けてしまう。特に厄介なのが風の魔法使いだった。他の二人と違い奴の魔法はこちらの弱点である翼を徹底的に狙ってきやがる。そしてまるでこちらの攻撃パターンを読んでいるかのような動きで邪魔をしてくる。

 それだけならばいい、もう一つの誤算はこちらの攻撃が風使い以外にも当たらないことだった。もちろんかすり傷は与える事ができる。だが致命的な傷となると不気味なくらい攻撃が当たらないのだ。まるで何かに守られているかのようだ。そのことに俺は嫌な記憶が思い出された。

 過去のトラウマがうずく。俺はこの現象を一度経験したことがある。ゲームの中ボスとして転生した俺は色々あったが、結局、役割を全うすることにした。だがその時に負けるではなく主人公達に一矢報いようとしたのだ。ステータスアップはもちろんのこと、主人公たちの戦闘パターンを思い出して対策も練った。結果は惨敗だった。対策をしたため、最初は相手の攻撃は当たらずこちらが一方的に攻めるばかりだった。だが、不気味なくらい致命的な攻撃は相手には当たらず、逆にあちらは新しい力に目覚め、俺はゲームの通りに倒されてしまった。過程こそ違ったが結局末路は同じだったのだ。



 そしてそれと今同じことがおきている。しかも敵の内の一人は基本的に一つの属性しか使えないはずなのに何種類もの属性の魔法を使っている。あきらかにモブキャラでは無いだろう。まさか……俺はイレギュラーにはめられたのか? いや、そんなはずはないだろう。なぜならやつと俺はお互いが唯一無二の理解者のはずだ。この世界の住人は所詮ゲームのキャラの写しのようなもので、俺達のような転生者のおもちゃのようなものにすぎないのだ。俺達転生者によって蹂躙されるだけの哀れな生き物のはずなのだ……人がゲームのキャラをそんなものに肩入れをするなんて普通はありえないはずである。


 とりあえず今は考えている場合ではない。すぐに逃げなければ……俺は翼をはためかせその場を去ろうと上空へと飛翔した。そのタイミングでまるで見計らったかのように、風使いが手を挙げるとそれに従った二人の強力な風と火の魔法が全身を襲う




「グガァァァァァ!!!!」



 あのごみどもめ、覚えておけよ……絶対食い殺してやるからな。俺は全身を痛みに苛まれながらも、復讐を心に誓い、痛みに耐え空を飛ぶ。まずは傷を癒さないと……ゆっくりできる場所へ行かねば……巣だ、まずは自分の巣に戻り体を休まねば……

 命からがら逃げきった俺は飛行しながら思考する。なぜ、こうなった? イレギュラーには確かに強力な魔力を持つ人間を餌にしてくれとは言った。だからといってあいつらのようなメインキャラクターを普通よこすだろうか? もしかしたら、イレギュラーはゲームで役割がある人物は殺せないという事実を知らないのかもしれない。そうだ、そうに違いない。だって俺と同様にようやく得た理解者なのだ。裏切るはずがない。異世界へ転生させられ前の世界を話せる唯一の相手が俺なのだから……俺は転生してからの地獄のような孤独のような日々を思い出す。ようやくだ……ようやく仲間を見つけることができたのだ。これで孤独から解放されるのだ。




 巣の近くについた俺は微妙に周囲が荒らされているのに気づく。魔物だろうか? あれだけ襲ってやったのにまだ恐怖が足りなかったか……傷が癒えたらやることが増えたな。

 俺が安堵しながら巣に着地した瞬間だった。奇妙な落下感と共に地面が沈み、下半身に激痛が走る。なんだこれは……



「罠にかかったぞ、行けーーー!!」



 考える間もなく大量の矢が降り注ぎそれがひと段落すると共に人間どもが襲い掛かってきた。なんだこれは……何がおきている? 俺は矢の痛みと下半身の痛みに耐えながら落とし穴から飛び上がり、尻尾を振るい人間どもを迎え撃つ。



--体が鈍い--



 足元の罠か矢に毒でもあったのだろう。全身を倦怠感が襲ってきた。魔法を使うものがいないのと、装備がバラバラな所からおそらく冒険者だろう。いつもならばこんなやつら怪我を負っていても敵ではないというのに……ついにやつらの攻撃が鱗を貫くようになってきた。うざってえ!! 俺は大きく息を吸ってブレスを吐く準備をする。

今にもブレスを吐こうとした瞬間だった。俺は嫌な予感がしたため咄嗟にブレスを引っ込め首を振る。すると少し前まで俺の眼球があった部分に矢が通った。幸いにも皮膚だったため致命傷にはならなかったがあのままだったらどうなっていたことだろうか?

 矢の飛んできた方をみると木の上に潜んでいた冒険者と目が合った。以前戦って殺し損ねた冒険者だ。しかし、なぜだ。まるで俺の攻撃パターンが読まれているようだ。俺の中で嫌な考えがよぎる。

 異常に強いメインキャラクターらしき敵に、あいつと俺しか知らないはずの巣に罠が仕掛けられている事から導き出される答えは一つしかない。



---もしかしたらイレギュラーは自分だけが転生者の特権を使うために俺を殺そうとしているのか---



 十分考えられる考えだった。というよりもそれしか考えられない。毒がどんどん回ってきて自分の身体を重くなってくる。俺を裏切ったな……ふざけやがって、あいつだけは殺してやる。体が、心が怒りで支配される。

 俺は大きく咆哮を上げて、冒険者どもの隙を作り飛翔する。そして俺はイレギュラーの匂いを頼りに重い体でイレギュラーのいる場所へと向かうのだった。

仕事がばたついてて、全然かけませんでした…

できれば週一は更新したい…

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