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作戦会議

 今日の授業も無事終わり、俺は信頼できるメンバーに声をかけて部屋に集まってもらった。ハロルド、ティア、エレナ、リチャードの四人だ。ジェイス先生にはまた夜に話に行くことになっている。ハロルドの顔がぼこぼこになっているのはなんでだろうな?

俺はエレナと話した時と同様に、自分が異世界から転生してきたこと、そしてこの世界は俺の知っている物語に近い事、そしてどうなるかを知っていたから、今まで上手い事立ち回れたという事、今もう一人の転生者が現れ俺の仲間や同級生を差し出して、一緒に世界を蹂躙しようと言われている事を話した。みんな困惑をした顔だ。まあ、仕方ないよな。俺が同じ立場だって同様の反応をするだろう。



「ねえ、ヴァイス言いたいことがあるんだけど」

「ああ、なんでも質問は答えるぞ。ちなみにこれはドッキリとかではないからな」



 そんな空気の中で一人“うーん”とうなっていたティアだったが、意を決したのか俺に声をかけてきた。一体どんなことを聞かれるのだろうか。罵詈雑言かもしれないし、何を言っているんだと鼻で笑われるのかもしれない。



「なんであんたは真っ先にエレナに言ってんのよ!! 普通は付き合いの長い幼馴染の私たちに最初に相談するもんでしょう。私たちの関係はそんなに薄っぺらいものだったの?」

「うおおおおおおお、首がもげるぅぅぅぅ」



 ティアに思いっきり首をぶんぶんと振られ俺は思わず悲鳴を上げた。ちょっ、首もしまってるしまってる。ああ、あの世がみえそう。お前普通の人間より力が強いんだから加減しろよな。



「ティア、その辺にしてあげたほうがいいんじゃないかなぁ、君はオーク並みの力なんだから普通の人は耐えられないんだよ。それに所詮友情なんて恋愛に負けるものなんだよ」

「まあ、ハロルドが納得しているならいいけど……エレナが一番になっちゃったのね……」

「別に私たちはそういう関係じゃ……」

「夜中にデートしといて何言ってんのよ、照れてるの? 可愛いわね。そう思わないヴァイス?」

「ティア、その……恥ずかしいのでやめてください」



 ハロルドの言葉でティアから解放された俺は息を整える。くっそ、ドラゴンと戦う前に死ぬところだったぜ。エレナは顔を真っ赤にして何やらぶつぶつと呟いているが、今はそこに突っ込む余裕は俺にはない。てか俺も恥ずかしいからあんまり反応しないでほしい。ドラゴンとの闘いが終わったら色々話そうとは思ってるんだからさ。これなんか死亡フラグっぽいな。

 


「まあ、地方貴族の長男に過ぎない君が、ティアの秘密を知っていたり、学校に来た時も色々と情報を握っていたりして、疑問には思ってたんだけどねぇ、むしろすっきりした感じだよ。ねえ、リチャード」

「そうだな。物語の世界うんぬんはよくはわからないが、そういうこともあるということなのだろう。この事を話しても俺達に不利益はないし、貴様に利益もある事でもないだろうから信じてやろう。それで、どうやってドラゴンを倒すんだ?」

「あのドラゴンは中型でしたし、大型ドラゴンと互角に戦えた私たちならいけるんじゃないでしょうか?」

「そうね、よくわからないけど殴れば死ぬでしょ」



 それにしても以外とみんな受け入れてくれるものだな。改めて皆をを見るが疑っている人間はいないようだ。エレナの言う通りに抱え込まないでもっと早く話すべきだったということだろう。俺がそう思っているとエレナと目が合った。その表情は「私の言ったとおりでしょう?」と言わんとしているかのように微笑んでいる。そうだな、エレナの言うとおりだったよ。

 それにしても前回大型ドラゴンを撃退したせいか、楽観的に思えてしまうみんなの意見には首を振る。やつのドラゴンとしての能力は、確かに以前相対したドラゴンよりは弱いのかもしれない……でも……



「あいつは人としての知識を持っている。チープなトラップじゃ通じないはずだ。現に閃光玉は見抜かれたそうだ」

「ふむ、たいていのドラゴンはこちらを下位の存在と舐めているからそこをつけばいいのだが……確かに人としての知能を持っているとなると、油断はしてくれないだろうな……」

「要は体がドラゴンの形をした人間を倒すって考えなんだよね? なかなか難しいなぁ」

「それに関しては一応作戦を考えてるんだ。聞いてくれるか」



 昨日氷漬けになりながら考えた作戦を説明する。皆真剣に聞いてくれたが、反応はあんまり芳しくはないようだ。特にティアは不満そうな顔を隠さない。まあ、まともには戦わないからな。でも、これが一番生存率が高いのだ。許してほしい。



「それじゃあ、私達の出番がないじゃないの!!」

「すまない、今回戦うのは俺とハロルドだけだ。それ以外はみんなは死ぬ可能性があるからな」

「ヴァイス、協力をするのは構いませんが、あなたたちはもちろん、本当にレイドもシオンもアイギスも死ぬ事はないんですね?」

「ああ、それは大丈夫だ、あいつらは主人公だからな。まだ死ぬ運命ではないよ」

「ヴァイスがそこまで断言するなら信じますが……アイギスの説得は折れそうですね……」



 エレナの疑問に俺は答える。そう、本来の主人公のシオン、その仲間のレイドとアイギスは死ぬ事はない。またこれから退学イベントのある俺とハロルドも死ぬ事はないのだ。逆に別ルートのキャラクターだったために出番の終わっているエレナとティア、元々モブキャラにすぎないリチャードは死ぬ可能性があるので今回は戦いからは留守番をしてもらう。その代わりと言ってはなんだが、三人それぞれに別のお願いがあった。



「ふむ、ドラゴンと戦えないのは仕方がないが、まあ、いいだろう。俺は兄上に話は通しておこう」

「ああ、頼む。お前の家の力があればなんとかなるはずなんだ」



 そう請け負うと直ぐにリチャードは実家へと向かってくれた。俺を信じると言わせた上だったのでみんな断りづらいのだろう。多少ずるいのだろうがこれは転生者同士の戦いにしたいのだ。こんなイレギュラーで、みんなの命を賭けるわけにはいかないのだ。



「私なんて今回は、なんもやる事ないじゃない」

「あれだ、ティアはハロルドを鍛えておいてやってくれ。あと俺が冒険者ギルドに行くときに付き合ってくれ」

「わかったわ、ハロルド行きましょう!! 女湯を覗くくらい元気なんでしょう? たっぷり鍛えてあげるわ」

「おかしくないかい? 二、三日で身体能力はあがらないよぉ!? いやだぁぁぁぁぁ」



 ティアは不満そうだが、ハロルドの首をひっぱり引きずりながら出て行った。ハロルドの悲鳴が聞こえてくるがいまは気にしないでおこう。そうして俺とエレナは二人っきりになる。

 


「ヴァイスはずるいですよ、みんなに信じると言わせてから、こんなお願いをされたら断れないじゃないですか」

「いや、皆の力がなかったらこの作戦は成功しないからな。俺なりに皆に頼ったんだよ」

「私はこの前ドラゴンと戦ったときのように、もっとみんなで戦うのをイメージしていたんですが……」



 二人っきりになると、エレナは唇を尖らせながらすねた様子で文句を言った。まあ、彼女の考えていた頼り方とは違ったのだろう。だが俺は俺なりに考えたのだ。許してほしい。



「正々堂々は強いものの戦い方だからな。俺のようなかませ貴族は人に頼るしかないんだ。……話が変わるんだけど、この戦いが終わったらデートしない? この前のお礼もしたいし」

「本当にあなたはずるいですよ、文句を言いにくくなるじゃないですか……絶対帰ってきますよね」

「当たり前だろ、俺にはまだ役割があるから死なないよ。それにまだ色々やらなきゃいけないこともあるしな」



 少し不安そうなエレナに俺は微笑みを向ける。まあ、この台詞って映画とかだと死亡フラグなんだけどな。でも俺はまだ死なないはずだ。なんか転生者としての運命頼りになってしまっている気がするのだが、これも俺の力の一部だと割り切るとしよう。



「じゃあ、また劇場へ行きましょう、楽しみにしてますから」

「ああ、今度は俺がエスコートするよ」



 そういって俺はエレナに別れを告げてからジェイス先生の部屋へと向かった。だけど、あれ? ちょっと待って。格好付けて請け負ったけど、今劇場って言ってたよな?……あそこむちゃくちゃ高いよな……自分の財布事情へ思考が移ってしまい、違った意味でかなり憂鬱になってしまった。







「なるほど……もう一人の転生者か……俺もお前以外に会った事はなかったな……」



 俺の話を聞いたジェイス先生は困惑したように唸った。部屋を見回してみるもののアンリエッタさんはいないようだ。まあ、遊びにきただけらしいから帰ったのだろう。ちょっと寂しい。



「おそらくだがお前の言うとおり、イベントが残っているお前たちは死ぬ事はないだろう。俺も昔ゲームではしょっちゅう逃げる敵がいたので、知識を使って先回りをして殺そうとしたが、まるで運命が邪魔をしているかのように殺せず逃げられたからな」



 その言葉で俺は安心する。推論が間違っていなかったのだ。これなら俺たちが死ぬ事はおそらくないだろう。



「だが、今回はゲームにいない敵なんだろう、どうなるかわからんぞ」

「不安になるような事を言わないでくださいよ」

「油断したらどうなるかわからんからな、一応気をつけろということだ。俺も少しは手伝ってやるが気を抜くなよ」

「ええ、わかっています。俺は俺なりにできる全てを使って戦いますよ」



 俺はジェイス先生のいう事にうなずく。これは転生者同士の戦いだ。自惚れかもしれないが、これは俺がやらねばならない戦いなのだ。イレギュラーなあいつを放置していたらこの世界のみんながどうなるかわからないしな。

 ジェイス先生と打ち合わせをして俺はドラゴンとの戦いにのぞむのであった。かませ貴族の俺の戦いをみせてやるよ!!



こちらでもあけましておめでとうございます。

今年もよろしくお願いいたします。


この作品スターダストノベル大賞に応募しているんですが今月結果発表何ですよね。何かに当たるとよいなぁと思う今日この頃です。1000ポイントから見てもらえるってのは本当なんでしょうかね?

これからもよろしくお願いします。


新作というかヤンデレヒロインを書いてみようってテーマで書いた作品になります。中篇くらいの長さですが毎日更新するのでよんでくださると嬉しいです。自分でもヒロインがみんな似てしまっているなって思ったので書いてみました。よろしくお願いします。








『口は悪いが巨乳で美人な幼馴染に「別にあんたのことなんて好きじゃないんだからね!!」って言われたから「俺もだよ」って答えたらヤンデレになってしまった。』





https://ncode.syosetu.com/n0195fz/


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