異世界から帰りたての少年『軽里風磨』は現在、お尋ね者の『大門工事』と戦闘中工事が次々に繰り出す技に苦戦する風磨、しかし風磨はまだ余裕を見せていて・・・
-あらすじ-
ここは、住む人々全員が超能力や魔法を使える別世界の地球。その世界でのお尋ね者、『大門工事』の前に現れたのは高校生の『軽里風磨』。絶対につかまりたくないお尋ね者と単なる高校生、今この二人の戦いの火ぶたが切って落とされた!果たして勝つのは高校生の風磨かそれともお尋ね者の工事か——————————————。
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「行くぞ!」
「ぐおおおおおおおお!!」
と両者が飛び出し、両者が拳を前に出す。その拳は相手の拳とぶつかり合い力の反動で大きくはじけ工事が2,3歩後ろによろめいた。一方で風磨はその場所からどうにか踏みとどまる。その代わりに真っ赤になった拳にフーフーと息を吹き小さな声で痛ってーとつぶやいた。
「やっやるじゃん」
と笑顔を見せる風磨を見て工事もその唇に微笑を浮かべさせた。そして口を開く。
「ふん!じゃあ今度は・・・」
そこまで言うとすぐ近くにあったガラクタの山を凝視する。すると驚いたことに、そのガラクタの山に積まれた日用品などが次々に浮かび上がるそれを見た風磨は目を見開いた。
「驚いた!『ゼロヴィッツ・オーション』じゃねーか!」
驚き気味の風景に工事は笑みを浮かべた。
「ほう、貴様知っているのか?」
「物体浮遊魔法『ゼロヴィッツオーション』半径30m内にある物体を浮遊させて、その中の物質から武器を作り出して相手に投げつける闇属性特有の高度魔法!」
「ご名答!しかしこれだけだと思うなよ!俺の『ゼロヴィッツオーション』は通常のより人一倍優れた力を持っている!俺の『ゼロヴィッツオーション』は武器を作るだけじゃない。浮かばせた物質を混ぜ合わせてより強い鎧やより鋭い武器、更には化身やロボットまで!ありとあらゆるものを作ることができる!なずけて『グルスハム・ゼロ・ヴィンテージ』!・・・て聞けええええええい!!」
工事の結構長い説明に暇を持て余していたのか、工事の視界に入ってきたのはクリームソーダ片手にマンガを読んでいる風磨の姿だった。その光景を目にした工事は低い声で呼びかけた。
「まあいい、クリームソーダを飲み干したその時がお前の命が尽きる瞬間だ!」
その30秒後ぐらいにズズズズ・・・という明らかに飲み干した音が聞こえた。風景はそのコップを握り潰すと、路地に捨てた。いけると思った一瞬の想像が後に工事を恐怖のどん底に突き落とすこことなった。工事が、長いスペルを詠唱するとガチャガチャと音がして、小型のクナイが大量に生成された。工事が合図をすると同時に一斉にクナイが風磨に降り注ぐ。
「う、うお、ちょ、待っ、ああ危ねー!」
そういいつつよける風磨の右肩にクナイが刺さる。激痛に顔をしかめる風磨はクナイを引っこ抜くと小さい声でつぶやいた。
「見せてやるよこの俺のとっておきを・・・」
【続】