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魔法少女と鎧の戦士  作者: 森ノ下幸太郎
第1章 蜘蛛怪人編
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第6話 心を傷付けてはいけない世界


 中央魔法科学警察研究所。

 この異世界スフィアにおける科警研である。


 机の上にはサンドウィッチとバターロールパンが紙皿に並べられており、

 久遠彼方はルル・フィリアの研究室で昼食を摂ることになった。

 それは地球人である彼方が、この異世界スフィアの話の続きを聞くためだった。


 その研究室の奥の机に置かれている銃や剣、

 用途不明の宝石が散らかっている。

 彼方は入り口手前に設置されたダイニングテーブルの席に座り、

 ルルが湯気の立ったカップを渡す。


「ありがとうございます…。」

「熱いので気を付けて下さい。」 

 

 そう言ったルルは席にカップを置いて椅子に座ると、

 ポットに立て掛けられていたティースプーンを使って砂糖を珈琲に入れる。


 コーヒーをかき混ぜるルルはゆっくりと顔を上げると、

「では…お話の続きをしましょうか…。」と言って手を止めた。



「…まず地球から来たカナタさんを混乱させないためにも、

 この世界には魔法があるという説明だけで終わってしまいました。


 なので、次はこの世界の人々との考え方。

 つまり価値観や常識などの違いを説明したいと思います。


 本当ならまず先にその説明が先だと思ったのですが、

 実際に私達の人との接し方を見て頂いた様に、

 地球の人達とは違って少し違和感を覚えると思います。」


 違和感や違いなどと言われて彼方の脳裏にはふと、

 先程出会った幼い子供や姿そのものを変身させた宝石の少女が脳裏に浮かんだ。

 妙に丁寧で行動力のあったその様子に思わず肯定する為に頷きながら答える。


「価値観や常識の違い…と言われると、

 確かにこの世界の人達は人との接し方がとても丁寧、というか。


 とても親切で優しい人達なんだな、という印象でした。」


 素直で率直な彼方の返事にルルは否定することなく頷いて

「カナタさんの感覚は間違っていないと思います。」と言った。

 自嘲気味にそう言ったルルはカップに口を付けて一口啜ると、

 姿勢を整えて翡翠のように綺麗な目を向けて言う。


 「私達が人に親切にする…ということは確かに少し異常なのことです。

 それは地球と違って宗教的な価値観があるのからなのです。」

「宗教的な価値観………?」


「はい。

 それは人が人の心を傷付けてはいけないというものです。」

「……………。」


 人の心を傷付けていけない。

 当たり前のことだった。

 地球でもそんな倫理観は守られていない綺麗事だと自覚できていても、

 建前という常識の中で生きていくにはあまりにも当たり前である話だった。

 しかし、彼女は至って真面目な顔つきなのだ。

 拍子抜けしていた彼方は思わず返事をする。


「それはまあ…人として当たり前なことですよね?」

「私もそう思います。

 ですが、その価値観を世界中の人が共有しているとすれば信じられますか?」


 当たり前の話をされた矢先、

 別種の価値観が逆転した様にそれは当たり前のことではなかった。

 それだけは不可能だからだ。


 何故なら久遠彼方のいた日本は既に外国によって利権を奪われ、

 混沌とした人間達の狂気に支配されている資本主義の経済社会だったからだ。


 突き詰めれば突き詰めるほど、幼い子供が何故?どうして?と疑問に思う数多の矛盾や屈折したルールを常識だと思い込ませて、それら全てがどんなに可笑しくても当たり前だと言わせる為に思考停止した大人を生み出す狂気の世界なのだ。


 心や感情を必要としない世界で、正気と狂気の狭間で生きてきたのだ。


 彼もまた白痴化した無教養で非常識で不道徳な人間の一員なのである。

 故に例えそれが納得できないことだとしても、

 無感情に受け入れるしか方法がなかったのだ。

 だから彼方はすぐに否定した。


「ちょっと…無理があると思います。

 理想的な話だとは思いますが…。


 でも、現実的じゃないですよね?」


 その一言で十分だった。

 思考を停止し、楽なことだけを考えて、暈け老人の様に白痴化していればいい。

 それでいて反抗も抵抗もせず、何もしない自分たちが如何に常識人であるかと思い込ませていればいい。


 無理なことは無理。無駄なことは無駄でしかない。

 諦めて何も考えずに自分が慈しみたいものだけの為に生きてきたのだ。

 好きなことではなく、出来ることだけやればお利口なのだと。


 そうやって生きていたのだ。


 だからこそ綺麗事が大好きな彼方でもそれだけは否定する他ない。


 「少なくとも俺は地球という星で生まれ育ってきた以上、

 人間はお金が無いと生きていけないという現実に直面しました。


 そのせいで幼い頃から親と離ればなれに暮らさないといけなかったんです。

 だから…そんな価値観を共有できたとしても実現不可能だ…と思います。」


 何故なら地球の人間として生きるとは非情になることだからだ。


 大人の社会で生きるのに、大人から子供の理屈を押し付けられる世界なのだ。

 彼はそれを産まれた時から今に至るまでそういう世界で生きてきた。

 大人が子供に屁理屈を押し付ければ、それが現実になる世界なのだ。

 だから価値観の共有なんて不可能だ。

 彼らにはそういう考えが組み込まれているからだ。


 それでもルルは真摯に受け止めて生真面目に説明をする。


「地球の常識で考えると、私もそれが正しいと思います。


 実はこの星もそんな価値観が生まれる前までは地球と同じように、

 一部の権力者が創ったお金の仕組みによって支配されていた世界なのです。


 ですが私達には、

 そんな金融システムの支配体制を打ち壊す程の魔法の力がありました。


 本当にそれ程の力があれば人々はどうすると思いますか?」

「…えっ?

 それは当然…魔法の力を使って平等な世界にするんじゃないですか…?」



 彼方はその発言に思わず硬直したかのように身を固めて考えた。

 思い当たる節があったからだ。


 ルルはそんな彼方の様子に黙って様子を窺う。


 そう発言した彼方はふと地球で出会った人物の言葉を思い出した。

 それは鎧の怪人の言葉だった。





(「神様!!!!早く!この世界を…!

 この地球を平和にして下さいよ!!!!


 この世界の老害どもをぶち殺して!!!

 俺達、若者が自由で幸せに生きられる世界にして下さいよ!!!!」)





 脳裏に浮かんだ記憶に思わずそれを伝える。


 「…そう言えば…地球で、同じ事を言っていた人がいました………。

 この世界を平和にして欲しいだとか。

 若者が生きられる世界にして欲しいだとか…。」



 返事を待っていたルルは「鎧の姿にされた方の言葉ですよね?」と言った。


「何故あの人がロック・チャイルド氏にそのようなことを頼んでいたのか。

 彼は、どうやって地球という世界そのものを変えようとしていたのか。


 全てはそこに答えがあるからです。

 カナタさんの持っているアレセイアにその全てが入っています。」

「アレセイア…?」



 病室で説明されたハート型の宝石の名称だった。

 うろ覚えの彼方は、

 思わずシャツの内に入っていたネックレスを外に出してルルに見せる。



「これって…確か人の記憶を見る為のものじゃないんですか?」


 そう言った彼方は自分の言葉に再び思い出していた。

 病室でブレスレットを見せながら説明するルルの姿を。





(「まず、勝手に記憶を見てしまってごめんなさい。


 これはたしかに人の記憶を見るものではあるのですが…。

 正確にはその人の人生に影響を与えるような、

 感性に訴えるほどの記憶しか見られないのですよ。


 本来は人の願いや祈りなどの情念を集めて、

 魔法の力で具現化するものなのですよ。


 私達はこれをアレセイア…と呼んでいます。」)




 記憶を遡った途端、思わず呟いていた。


「そうだ…。本来は、人の願いや祈りを具現化するもの…!」


 頷いたルルは「そうです。それが彼の狙いなのです。」と言って、

 ネックレスを指差しながら言った。


 

「それは時間や命以外のものであれば、

 何でも願いが叶う魔法の力になるのですよ。」

「それってつまり…。歴史を変えることや、

 死人を生き返らせること以外なら何でも出来るってことなんですか?」


「そうです。


 これで彼が何をしたかったのかをお分かりいただけたと思います。」



 何と無茶苦茶で不条理な魔法なのだろうと彼方はそのような感覚を抱いた。

 しかし、ただそう思うだけではなく確信が出来た。


 それを確かめる為に訊ねる。



「もしかして…。

 この世界は本当に魔法の力で、価値観を共有できているのですか?」

「そうです。」



 ルルは微笑んだ。全ては理解させるため。

 それはまるでその言葉を待ち兼ねていたかのように。



「そんな魔法の力をめぐって、

 私達の星では50年もの前に世界的に戦争が行われていました。


 原因はまさに今、ロック・チャイルドさんが地球で起こした事件と同じです。」

「まさか…本当にそんなことが…!

 

 どんな願いでも叶えられる魔法を創る為…ですか!?

 その為に世界規模で戦争を…!?」


「はい…。」


 頷いたルルは袖を捲ると、

 ハートの形をした透明な宝石のブレスレットを見せながら説明をした。



「恐ろしいことですが…この世界は一度、

 願いを叶えるための魔法…。


 つまりこのアレセイアであらゆる願いを叶えるために、

 この星の国々はわざと戦争を引き起こして、

 わざと民衆を貧乏にさせて、貧困や飢餓に陥れました。


 そうすれば人は自発的にこの世界に対して絶望を抱き、

 世界中の人々が膨大な質量の願いや祈りを抱きながら死なせたのです。


 生涯に後悔を残す程の願いを利用して、

 アレセイアを大量生産することが出来たからです。


 その戦争の全ては、国の為でも、世界のためでもありません。


 1部の権力者がアレセイアという…。

 何でも出来る魔法の力を独占しようとした為です。」

「そんなことの為に………多くの人が死んだのですか…?」



 彼方は思わず声を震わせながら聞いた。

 真剣に話を聞いていたからだ。


 静かに頷くルルは「そうです。」と返事をする。



「そんなの………まるで今の地球みたいじゃないですか。」



 1部の権力者が世界中の人々を犠牲にする。その点に既視感を覚えたからだ。


「そうです。


 だからロック・チャイルド氏は、

 何でも願いが叶う魔法をわざわざ地球に行ってまで創ろうとしたのは、

 地球の人々から願いや欲望を利用する必要があったのです。


 カナタさんのいた街で若い人が襲われていた理由も、

 世界に対してもっとも強い願望や欲望を持っているからです。」

 「そうか…。だから…人が襲われていたのか…。」



 漸く納得した様に頷く彼方に対し、

 ルルは確りと納得してもらう為に説明を続ける。



「カナタさんが刺されてから、

 天使の様な形の光が出ましたよね?


 あれが願望や欲望の塊なのです。

 あれをアレセイアで回収していくことで、

 叶えられる願いの質量を増やしていきます。


 つまり、集めた量に見合うだけの願いがあれば、

 最終的に世界を変えることだって出来るのです。」



 納得した彼方は「…成る程。何とか分かってきました。」と返事をする。


 彼を殺した鎧の怪人は国中の老人や外国人を殺して欲しいと言っておきながら、

 実際に老人や外国人を狙わなかった理由が説明されたからだ。


 漸く起きていた物事に合点がいったのだ。


 暈けて記憶を失い続ける老人よりも、

 若者の方が世界に対して強い反感を持っているから。


 だから若者を狙って強い欲望を集めていたのだと納得をした。



「でもそれは以前にもこの世界でも同じ様なことが起きました。


 戦争によって世界中で多くの人々が犠牲になりました。

 

 私達は地球とは違い魔法科学という文明があるので、

 あらゆる科学兵器で人々を絶望させたのです。


 始めはミサイルを世界中の居住区に撃ち込みました。

 その後は気象兵器で台風を引き起こして洪水を発生させて、

 人工地震を起こすことで台風による影響を受けた山への土砂災害や地割れ、

 街には雨水で溢れた洪水や、海からは大型の津波を発生させました。


 人々の住む街から破壊し、

 自然災害を利用して破壊された街に追い打ちを掛け、

 じわじわと恐怖心を煽って人間の逃げ場を無くさせて絶望させる為です。


 こうして今現在の私達の星の世界中が滅茶苦茶になりました。

 地図からも多くの国がなくなりました。


 カナタさんも街を見て気付かれたと思うのですが、

 この街の至る所に水路が通っているのは50年前の兵器の影響によって、

 海面が上昇してしまったことで創られたものなのです。」

「この街は戦争によって出来た…ということなんですね。」


「はい…皮肉な話です。………少し話が逸れてしまいましたね。」



 ルルは苦笑しながら話を戻すために説明を再開する。



「戦争の影響でこの街が創られたように、

 残された人々は力を合わせることで、

 何も出来なかった民衆でも抵抗できるアレセイアを創りました。


 それは…この世界そのものを魔法の力で洗脳することでした。」

「世界を洗脳…?変えるのではなく?」


「そうです。世界ではなく、人間そのものを変えるのです。


 この世界で生き残った人数分のアレセイアという願いを叶える魔法の力で、

 人間が二度と戦争を起こさないように魔法を掛けたのです。


 その内容は人間が人間の心を傷つけてはいけないというものでした。


 そうすることでこの世界の権力者からの無差別な攻撃は止まり、

 この世界では実質的に争いがなく悲しみのない世界を創るように願いました。


 つまり、この世界中で悪意を持つ人間がいなくなったのです。」



 人間が人間と争わない世界。

 人間が人間を支配していた星に住んでいた彼には信じられない話だった。


 人間が人間と分かり合うなど本当は誰も望んでいないだろう。


 人間は人間に支配されて当然な筈であり、

 人間の世界とは弱肉強食の世界であるのだと主張するのが現実的で、

 人間に本当の自由を与えてはいけない筈だと言うべきなのだろう。


 地球では。


 しかし、ここは違う。

 ここは人の心を傷付けていけない世界なのだから。



 だからもう、黒を白だと言わなくても良い。

 大人達が創った暗黙の了解という子供の理屈を排斥した世界。

 正直で良い。嘘なんてつく必要のない世界。


 人間が本当の意味で正しく生きられる理想の世界なのだ。


 本当は優しさだけで創られたこの世界が正しい在り方なのだと。



 そうしてこの話を受け止めた。

 何故ならもう既にそうなっているとしか説明されないからだ。

 

 後は自分の目で確かめるしか他ないのだ。

 


「まだ…俺には見て聞いたことでしか判断できないのですけれど…。


 ルルさんや魔法使いの人達だけじゃなくて、

 タクヤ君のような小さい子でも大人みたいに確りしていて…。


 何よりも…大人が子供の意見を確りと聞いて動いている、

 ということが羨ましいと思いました。


 俺の居た地球だったら…大人は忙しいだとか言って…。

 子供には構っていられないというのが当然だったので。

 

 あの子の呼び掛けで魔法使いの人達が、

 攻撃まで止めてくれたのは少しだけ戸惑いました。」



 彼方は自分で話しておきながら地球という世界が、

 どれだけ欲張りで融通の効かない場所だったと言っている様で、

 彼は話をしている内に自嘲気味な笑みをこぼしていた。



「勿論、それが本当は当たり前なことだって俺は分かっているんです。

 人の心を大切にすることだって当たり前なことは理解できます。


 でも地球では当たり前のことでも何かのために、

 我慢をしながら生きていかなくちゃいけないのが当たり前だったんです。


 だから、大人でも子供でも関係なく、

 人が人の心を傷付けても何とも思わないように生きていかなければ、

 社会に出ることなんて無理な環境だったんです。


 それでもこの世界は、

 当たり前のことを大人が実現しようとする姿を見て、

 この星の人はきっと良い人達なんだな、って思えるんです。


 それがとても俺にとっては羨ましいと思います。」


 自分の意思を伝える為に彼は真っ直ぐに目を見て言うと、

 徐に微笑みを浮かべた。


 「だからもし…俺がこんなに人に優しくしてくれる世界で生まれたのなら、

 きっとそれだけで幸せになれたのかも知れません。」



 彼方の率直な気持ちが伝わったのか、ルルは安堵した様子で返事をする。



「当たり前だなんて…。

 そんなことまで言って貰えると…何だかとても救われた気持ちになります。」


 嬉しそうに笑顔を向けてそう言ったルルの懐から、

 「ピリリリリ」と着信音が鳴った。


 その高く響いた音に驚いて口を閉じた。


 「すいません…。少々お待ち下さい。」


 懐から薄型の端末を取り出すと表面に取り付けられたボタンを押して耳元に運びながら「はい。フィリアです。」と応答する。


 通話を始めたルルは優しい面持ちから真面目な顔つきに変わると「はい。」と返事をしながら神妙な面持ちに変わった。



 真っ先にルルは「どうでしたか…?光弾銃の方は?」と訊ねる。すると相手側からの返答に「そうですか。それは良かったです。」と安堵した様子で返事をする。


 そして相手から何かを要求された様子のルルは「光線銃ですか?駄目です。未だ調整が難しくて…とても街中で使用できる段階ではありません…。」と答えると「はい。…はい。分かりました。では、こちらで溶剤を用意しておきます。」と言う。


 用件が済んだのか「はい。…はい、お気を付けて。では、失礼します。」と言って耳元から端末を離すとコートの懐に仕舞いながら言う。



「カナタさん。

 申し訳無いのですが…優先しなくてはならない仕事が出来てしまったので、

 少しの間だけ待って頂けますか?」



 申し訳なさそうに「すぐに終わりますので…。」と付け加えるように言うルルに対して彼方は両手を前に出しながら言った。



「いいえ!怪人だって出てきているんですから、気にしないで下さい!」

「本当にすいません…。実は…。

 蜘蛛の怪人が作った蜘蛛の糸を安全に溶かす溶剤が必要になったようでして…。


 本来ならこの部署の開発メンバーは私と合わせて3人だったのですが…。


 訳あって…今は私しか武器開発の研究員がいない状態なのですよ。

 だから、

 カナタさんにこの世界の説明をできる人間が私しかいない状態でして…。」


「ああ…。

 成る程…。だからルルさんが付きっきりで説明をしてくれていたんですね。」

「………本来なら巻き込んでしまったカナタさんに…、

 説明をすることの方が重要なことなのですが…。

 申し訳ないです…。」


「そんな!ルルさんが謝ることはないですよ!

 寧ろ!

 こんな大変な時期にこの星に来て、

 勝手な行動をした俺に責任があることなんですから!


 ルルさん達の時間を奪っているのは俺なんです。

 気にしないで下さい!

 出来る事なら今後もきちんと関わっていきたいので…!


 それよりも、邪魔じゃなければお仕事を見せて貰ってもいいですか?」



 それを聞いて安堵したルルは「良いですよ!ありがとうございます…!では、隣の部屋に移りましょうか。」と促した。


「はい!」


 返事をした彼方は皿の上に置いてあったロールパンを口に詰め込むと、

 急いで食べながらルルの後について行った。


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