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魔法少女と鎧の戦士  作者: 森ノ下幸太郎
第2章 双尾の人魚

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第11話 泡沫に消えて





 古民家を改装したカフェの一角。

 棚には陶器のカップや、文庫本が雑多に並んでいた。


 低い天井に太い梁が走り、壁には漆喰の白が柔らかく光を受けている。


 窓枠は木製で、少し歪んだガラス越しに、庭の柿の木が風に揺れていた。


 紅葉した木々が窓から見える秋の午後。


 陽射しは斜めに差し込み、机の上に淡い影を落としている。


 使い込まれた名残を残す分厚い一枚板の机。

 節や傷がそのまま残されていて、時間の層が刻まれているようだった。


 3人分のカップが置かれ、湯気がゆるやかに立ちのぼる。


 2人女性が並んで座り、背広を着た男性が書類を提示して机の上に置いた。


「立ち退き…………、ですか。」


 肩まで伸ばしたセミロングの黒髪を揺らした女性は深く間を措いて言った。


 僅かに生まれた沈黙の中。

 店内には古い柱時計が時を刻み、時折、針の音が耳に届いた。


 背広姿の男性は黙り込んでしまった女性達を見兼ねて、端的に告げた。


「この施設は未開拓地の開発計画に組み込まれることになりました。


 3日後、本契約をもって終了します。」


 店内に沈黙が落ちる。女性は書類を見下ろし、しばし目を閉じた。


 外では風が木の葉を揺らし、時折、窓際で落ちる音が微かに聞こえる。

 そんな音さえも、この空間では会話の一部のようだった。


 言葉にならない沈黙。


 静かに受け入れた様子の黒い髪の女性を見る茶色の束ね髪の女性は、

 隣の椅子でちらちらと顔を窺いながら落ち着きのない様子で言葉を紡ぐ。


「ちょっと待って下さい……!

 ここは、ただの施設ではありません。私たちにとっては、暮らしそのものです。


 それを、随分と急に…………。」


「本来この施設は収容保護区域の辺境地を管理する為に建てられたものです。


 施設の老朽化や経年劣化が激しいことは理解していますね?


 統一国家となる以前のこの地域では、

 ソーラーパネルの大量放棄による火災などの事故から、有害物質による環境汚染が著しい状況でした。


 撤去作業を進める中で開拓地としての長い期間を設ける為にも、

 この施設を開拓作業員向けの飲食事業として運営してもらう必要があったからです。


 その役目も終わり、貴女方には保護区域の中央区に移ってもらいます。

 居住地と住居の手続きも既に済んでおります。」


 淡々と語った男性の話を静かに聞いて頷く黒髪の女性は落ち着いた声ではっきりと言った。


「それは……残念です。


 ここはこの辺境の人達だけじゃなくて、

 保護区に人達が訪れる観光スポットです。


 収容保護区では見られない、かつての自然風景がそのまま遺された地区ですから。


 保護区の人たちにとって、心を休める場所になっていたと思います。」


 彼女の言葉に役人は眉一つ動かすことは無かったが、

 深く頷いて彼女を見る男性は口元を緩ませながらはきはきとした口調で言った。


「それは貴女方が熱心に勤めていた御蔭です。


 開拓作業の一環とはいえ、施設を古民家カフェとして転用させたことで、

 保護区域からの集客を見込めることには大いに貢献しました。


 特に地域活性化や新しい需要の創出としては十二分に成果を出しています。


 貴女達の働きはこの施設の管理運営で大きく評価されています。

 次の配属先は処遇改善の為にも希望に寄り添った提案をしたいと考えています。


 私事ですが、今まで関わってきた人の中で、貴女の仕事に対する姿勢は本当に素晴らしいものです。

 どうか、今後とも前向きに取り組んで下さい。


 11年もの長い期間、本当にご苦労様でした。」


 微笑む男性に悪意は無く、かけられた言葉は労いと感謝の言葉だった。





 辺境の空気は澄み、風が木々を揺らす音だけが響く。


 改装された古民家が小さなカフェとして息づいていた。

 木の柱には老朽が進んでおり、壁の一部には無骨な鉄骨が覗いている。


 布を掛け、花を飾ることで、微かに温もりのある空間を作っていた。


 カウンター席に並んで座る2人は珈琲の入ったマグカップを片手に呆然としていた。


「水希は、さ。嫌じゃないの?


 水希にとって、この職場が自分の居場所みたいなものでしょう?」


 黒髪の女性の隣に座る纏め髪の女性はぽつりと声に出す。


「……そりゃあね。


 期間があったとはいえ、自分達で一から始めた仕事だもん。

 愛着が無い方がおかしいよ。


 それにどうせ飲食業でやっていくのなら、

 こういう雰囲気のあるカフェとかレストランが良かったから。


 しかも、役員から直々にあんなに素直に評価されるとも思っていなかったからね。


 ……本当、同じ失敗作の中でも環境に恵まれていたんだな、って思うよ。私たち。」


 施錠された入口に、壁際に片付けられた家具や、段ボール箱に詰められた備品の数々。


 カウンター奥のドリップポットから湯気が立ち昇り、豆を挽き、香ばしい匂いを漂わせる空間。


 もう客が来ることのない店内でカウンター席に座り、静かにコーヒーを啜る2人。


「……恵まれていた…………、ね。


 私からしてみれば、何で水希みたいな働き者が失敗作にされたのかが謎だわ。


 もしかして、もう次の仕事のこと考えているの?」

「正直……、まだ気持ちの整理もできないよ。


 人生の中で、こんな機会はもう2度と無いと思うと…………。


 私の叶えた夢が終わったんだなぁ…………、って気持ちになったかな……。」


 女性はぼんやりと店内を見渡しながら外の景色を眺めながら浮かない顔をした。


「私はここでの生活に慣れちゃったから嫌だなぁ……。


 ここはある程度、自分のペースで生活できていたからね。

 空いた時間に、好きにネットを使って遊んでいても、文句も言われないでしょう?


 きっと保護区に戻されれば、また仕事三昧のつまんない生活に逆戻りだね。


 中央区だと選ばれし新人類様の為の雑用係だよ。きっと。

 新人類様が提供するお楽しみ会を私達はずっと指をくわえて眺めているだけ。


 所詮私達の人生なんて、決められた通りにお仕事して、決められた時間の中で生きて死ぬだけの労働力なんでしょ。


 特別な人間になんて成れないんだよ。」


 彼女の終始に語った言葉に反応した水希は同じ様に外の景色を眺めながら可笑しそうに笑って言った。


「何さ、それ。特別になんかなる必要なんてないよ。


 だって、私達には私達にしか出来ないことをやっているだけだもん。」

「水希はこの仕事が好きだもんね。


 でもね。私はこの仕事をずっとやりたい訳じゃなかった。


 私達が生きていられる寿命は50年ちょっとに設定されて生まれてきているのに、

 この世界の管理の為だけに生きることを義務付けられながらずっと働かなくちゃいけないだなんて、未だに納得できないよ。


 私だって本当は新人類みたいに自分の手で何かを成し遂げたり、自由に好きなことをして生きてみたかった。


 それなのに自分が生きる為だけに仕事の為に生きて、

 ずっと自分がやりたいことを我慢して生きていくことなんて私には理解できなかった。


 私も新人類みたいに生きることに希望をもって、自分の幸せの為に生きてみたかった。」


 遠くの山景色を見詰める女性は、胸の内に秘めた気持ちを吐露するかの様に語り、水希の顔を見ることはなかった。


「…………そんなこと、気にしても仕方ないよ。


 あの役員の人に言えば同じ職場にしてもらえるかもしないしさ。


 また、新しい場所で頑張ろうよ。」


 水希はそんな彼女の思い詰めた顔を見詰めると、再び同じ景色に目を移していた。





 夜更け、辺境の空気は乾ききっていた。


 改装された古民家の奥で、真っ赤に燃え盛る炎と巻き上がった黒煙。

 一瞬の内に、乾いた木材に燃え移った。


 火は梁を伝い、床板を舐めるように広がり、瞬く間に建物全体を包み込む。


「火事……!」


 宿舎の窓から、炎が揺れていた。


 水希は息を呑み、足を止める。辺境の静寂を破るように、火の粉が夜空へと舞い上がっていた。


 駆け付けた水希は入口の扉を開けて、熱気と煙の中へ飛び込む。


 カウンター席には、女性がぽつんと座っていた。


「……まさか…………!紗夜!」


 炎に囲まれながらも微動だにせず。


 首にはハートの形をした黒い宝石のネックレス。手には小さな林檎の形をした宝石を握っている。


「あんた、何してるの!早く逃げないと!」


 女性はゆっくりと顔を上げ、水希を見つめる。


「逃げないよ。


 だって生きることと死ぬことは、私たち失敗作が自分の意思で選べる唯一の自由なんだよ?


 ここでなら誰かに止められる前に死ねるよ。辺境はあっちと違って監視も管理も甘いからね。


 どうせ死ぬのなら私はここで死にたいの。水希には悪いけれどね。


 ここは私が私らしく気楽に生きていられた最初で最後の居場所なんだから。」

「何、馬鹿なことを言ってんの!?


 ここだけが貴女の居場所じゃないでしょう!?


 また新しい場所で頑張れば良いだけの話じゃない!」


 必死に手を引く水希に彼女は怒りに満ちて、声を震わせていた。


「だったら教えてよ、水希。


 どうしたら私は人として幸せに生きていけるの?

 こっちは人工知能が使えないだけで失敗作として扱われているのに。


 まるで人間のお手本みたいにネット上で活躍する新人類の人達を見せ付けられて。

 あの人達は自分達の身の上話をしているだけで生活できている人だっているんだよ……!


 私達はどうあがいたって新人類すらなれない不良品なのに!おかしいよ……!こんなの…………。


 ここでの生活も無くなるんじゃあ、もうどう生きて良いのかなんて分かんないよ……!」

「それは貴女が決めなくちゃいけないことでしょう!


 新人類みたいに成れたらなんだって言うのさ!?

 あの人達だってネットを介して皆と同じことを出来るようになっているだけの可哀想な人達でしょう!?


 結局は自分の得意分野を見つけて頑張らなくちゃいけないんだから、私達と何も変わらないじゃない!


 人の幸せは世の中の決めた基準じゃないでしょう!


 誰かに認められる必要なんてないんだよ!紗夜は紗夜なんだから!」


 必死に説得を試みる水希だったが、それは彼女の意向に沿ってはいない。


「それなら水希だって同じだよ!この場所も!私も!誰にも必要とされなくなった……!


 保護区に戻れば仕事の為だけに生きる生活が始まる!

 自分の好きなことも、やりたいことも、仕事の為に時間を奪われちゃう!


 私達の寿命は短いのに……!私達がこれ以上どう頑張っても生きる意味なんてないのに!


 新人類みたいにネット上に意識をアップロードしたり、新しい身体に移したりなんて出来ないのに!」


 水希の誠実さによって火に油を注ぎ込んだ様に反発する紗夜。


 彼女は既に人として生きることを諦めていたのだ。


 それに気付かずにいた水希は少しの間、押し黙るが言葉を溢していくかのように意思を伝えていく。


「紗夜……、じゃあ貴女は、ずっと前から。

 ……こうなることを分かっていたから。最初から死ぬつもりでここにいたんだね!


 どうにもならなくなった時の事をずっとそうやって考え込んで生きていたんだ……!


 そんなに精神が病むまで思い詰めていたのなら話してくれれば良かったのに……!」

「話せる訳ないよ!だって、水希にとってこの仕事が水希の居場所だったんだから!」


 突き付けられた言葉に水希の身体はとうとう固まってしまった。


「…………!」


 言葉を失う水希。


 彼女は水希の叶えた夢を壊さない為に、今まで抱え込んでいた苦悩を吐き出すことは無かった。


 それは全て水希の居場所を守る為に。そして其処を彼女自身の逃げ場所とする為に。


 彼女の現実逃避と水希への思い遣りがより、自分自身を苦しめていた。


「確かに……、そうだね。

 私が1人で夢を描いている時でも、貴女はずっと隣で見守ってくれたんだもの。


 そんなの言えるわけがないのは分かる……。


 でもそれで、私の夢が……貴女をそんなに追い詰めていたのなら…………。


 それじゃあ、貴女が生きてきた意味って何なのさ!?」

「意味なんて無いよ。始めから何も手に入らない人生なんだから………………。」


 虚ろな目をして黒く淀んだ林檎の宝石を見詰める紗夜。


「…………それは何?紗夜が大切にしているものなの?」


 その瞳はどこか遠くを見ているようで、声は掠れていた。


「……これ、私がここで火を着けた時に…………そういえば誰かに貰った気がする……。


 人として生きていたいのなら、これを持っていれば良い、って。


 ……でも、もういいや。人間ごっこするの。疲れちゃった。


 水希にあげる……。水希はもう、人として生きているもんね。」


 ゴホゴホと咳き込みながらふらふら頭を揺らす紗夜。


 炎は壁を舐め、梁を伝って走り、古い木材が爆ぜる音が轟いた。

 かつて飾られていた布や花は一瞬で黒い灰となり、床に散った。


 鉄骨が熱で歪み、低い唸り声のような音を響かせる。


 建物そのものが悲鳴を上げているかのようだったが、紗夜は宝石を見つめながら微笑んだ。


 その光景は、炎に呑まれる空間の中で異様なほど静かだった。


「……でも、本当は……私も、新人類の人達みたいに、なりたかった。


 ネット上の皆と繋がって、何でも共有できて、何でも出来るようになって。

 皆に注目されながら、好きにお喋りできるんだよ。


 お遊びみたいな毎日を送って、何不自由なく、誰もが有名人みたいに、キラキラ輝いていて。


 私も……特別な、人間に……………。」


 譫言の様に途切れ途切れの言葉を繋いでいく紗夜はそのままゆっくりと前のめりに倒れ込んだ。


 宝石が床に転がり、火の粉を浴びてなお、澄んだ光を放つ。


 黒い宝石のネックレスは点灯を繰り返して青色へと変化していた。


「紗夜……!?紗夜!」


 水希は彼女に駆け寄るが、彼女は死んだ魚の様な目をしており、瞬き一つもしなかった。


 めらめらと炎が背後から迫る。パチパチ音を立てて入口付近の壁がガラガラとけたたましい音を立てて崩れ落ちた。


「ぅぅ……、うあぁああああ!うわぁぁああああああ!!!!」


 しかし、意識の無い彼女を抱いて泣き叫ぶ水希に周りを見る余裕は無かった。


「わああぁぁぁあああああああああ!!!!」


 彼女の慟哭と伴に熱気に包まれ、水希の体が悲鳴を上げた。


 するとその時――――。


 膝元に転がった林檎の宝石が彼女の泣き声に反応するかの様に黒い光を解き放っていた。


 炎の赤に呑まれる空間の中で、ただ一つ、それは青白い光が脈打つように輝いた。

 皮膚が裂け、鱗が浮かび、苦痛と共に異質な力が解き放たれる。


 水希の視界が歪み、鼓動が高鳴る。


 宝石が光を放ち、水希の身体に水紋のような模様が浮かび上がる。


 皮膚が透明な宝石のような鱗へと変わり、指先が膜に覆われていく。


「ぁあああああ!!!!うわぁあああああああ!!!!」


 泣き叫ぶ異形に応えるかの様に空気中の水分が渦を巻き、水が無い筈の場所から無数の水泡が周囲に浮かび上がる。


 やがて破裂した水泡が水飛沫を上げて、部屋の中に雨を降らせるかの如く、無数の滴が降り注ぐ。


 まるで身体全体から水流を跳ね上げるかのように、炎を押し流して、消し去った。


 轟々と燃え盛っていた火は、黒煙だけを残して鎮まっていく。


「…………なんで……?」


 夜の闇に響くその声を背に、水希はただ立ち尽くし、自らの鱗に覆われた手を見つめた。


「……なんなの……!?……これは……………!?」


 二つ分かれた尾が伸び、口の形状が無い白い仮面から覗く瞳が赤く染まっている。


 水希は、魚の怪人へと変貌した。



「…………紗夜……。貴女を追い詰めていたのは……私の夢だったんだね……。」


 倒壊した瓦礫を見詰めて、怪人は紗夜を抱きかかえ、ゆっくりと立ち上がる。


 すると、空いた入口から人影が動き、店内へと入って来る。


「これは…………。そうですか……。


 彼女ではなく、貴女が使ってしまったのですか。」


 大きな三角帽子に、黒い外套の青年。


 御伽話の魔法使いの様な、異質な格好の男だった。


「貴方が……!貴方が紗夜を!唆したのっ!?」


 怪人と化した彼女の姿を見詰めて言った彼に対して、敵を剥きだす水希。


「それは違います。彼女は自らの死を望んでいました。」


 首を振る男性は煤だらけになって、火傷を負った紗夜の顔に手を触れると、白い光を放った。


「…………さ、紗夜の傷が……!」


 すると、瞬く間に彼女の顔の傷や汚れが綺麗に消えており、

 それを見た怪人は驚いて押し黙っていた。


「残念ながら、生き返らせることは出来ません。


 彼女は自ら運命を変える決断さえも、拒んでしまったのですから。」


 淡々とした口調で続けて語る。


「失敗作として生きてきた劣等感による、自尊心の欠如が彼女を追い込んだのです。


 彼女は人として生きることの意味や喜びを知らないが為に、

 ネットワークを介した名声に縋ろうとしていました。


 だから私は物事に囚われない、人として生きるべき道を示しました。


 しかし、彼女は人として生きることすら放棄してしまいました。

 本来彼女に託すべきものを貴女に渡してしまったのですから。


 自らが望んだものが手に入らないことを悟って。」


 抱きかかえた彼女の亡骸を見てぽたぽたと涙を流す魚の怪人。


「…………紗夜……。


 ごめんなさい…………。


 10年近くもずっと一緒に居てくれたのに……、

 何も理解してあげることも出来なかったなんて、ね………。


 ごめんね…………紗夜……。」


 後悔による懺悔。


 早瀬水希にとっては、到底知り得ない彼女の苦悩だった。


 それ故に水希にとって、かけがえのない人を失う結果を残してしまった。


「しかし、困りましたね。


 この状況を残したまま、このまま貴女が人としての生活を望むにしても失火の責任や放火の容疑を掛けられます。


 これら全てを説明することは、不可能でしょうね。

 もし、貴女が望むのならば私に考えがあります。


 亡くなった彼女の為にも、ご自身の人生を別の世界で歩んでみては如何でしょうか?」


 異質な風貌の男ではあるが、既に異常な力を目の当たりにしている彼女にとっては、理解の追い付く話だった。


 動揺することなく、自身の手足を見せ付ける様に手前に出して聞いていた。


「別の世界…………?私にこのまま化物になれって言うの?」

「いいえ。貴女にとってその姿でいることに意義はありません。


 既に社会に対して真剣に向き合っている貴女ならば、そのような姿であることは望まないことでしょう。


 人として生きることを拒むことがないあの世界ならば、貴女にも彼女の気持ちが良く理解できる筈です。」


 暫く、戸惑いを見せる怪人。


 しかし、改めて身体を見渡すと、人の世の中で生きていける身体ではないことを認識する。


「…………本当に、信じて良いの?こんなにおぞましい身体になっているのに……。」

「疑われるのは当然です。途中まで案内をします。貴女の判断でついて来て下さい。」


 そう言った男は紗夜の首飾りを外して怪人の目の前に見せ付けると、青く点灯する宝石を見詰めながら言った。


「それと、これは彼女に渡る筈だった御守りです。貴女が持っていて下さい。


 もしも貴女が望むのならば、彼女が内に秘めていた想いと向き合うことが出来るかもしれません。」


 水希の手に渡ることで点灯が治まった光る石。


 御守りと言って男が手渡したものはハートの青い宝石が鎖で繋がれたネックレス。アレセイアだった。





 南区の水路沿いにある流れ星の看板。喫茶店スタードロップ。


 春の陽射しが柔らかく差し込む午後。

 ハヤセ・ミズキは店内の奥のテーブルで1人の女性と対面していた。


「今日は、本当にハヤセさんのお店に来られて良かったです!」


 女性が座る机の前には、陶器の小物と、手縫いの布製品が並べられている。


「このカップ、手に馴染む感じがすごくいいですね!


 これを使って、優雅に水路を眺めながらわざと長居したくなるような……そんな器です!」


 湯気が立ち昇る珈琲が入ったコーヒーカップを片手に、

 朗らかで明るい女性の言葉と笑顔を向けられたハヤセは、少し戸惑ったように微笑んだ。


「それを持ってきたのはアメリアさんですよね……?


 まだ、うちで取り扱っているカップじゃないですよ。」


 困り笑いを浮かべる店主のハヤセ・ミズキ。セミロングの髪を耳にかけ、

 エプロン姿で、アメリアが並べた商品を一つひとつ丁寧に手に取っていた。


「それにしても、本当に素敵ですね。


 アメリアさんご自身が作った雑貨もあるんですよね?


 そのカップだって、きっとお客さんが使いたいカップとして選ばせてあげられたらきっと喜ばれると思います。」


 マヨリカ柄の青い皿を手に取って「これも好きですね。」と呟くハヤセに、アメリアはニコニコと笑って言った。


「ありがとうございます。実はこのカップとそのお皿、

 港の風景をイメージして釉薬を調合してあるそうなんです。


 ハヤセさんのお店の雰囲気に合うかなって思って!」

「……港の風景。ああ、だからこの青が深くて綺麗なんですね!


 幾何学模様が花柄みたいで……とっても素敵…………!」


 2人の間に流れる空気は、初対面とは思えないほど穏やかだった。


 その訳は、アメリア・ミオという女性の人柄から生まれた雰囲気によるものだった。


 人懐っこい人柄を垣間見せながら、

 はきはきと好きな物を紹介する彼女の話にハヤセは自然と耳を傾けていた。


「私いつか、雑貨とカフェが一体になったお店を作りたいって思っているんです。


 ハヤセさんのお店みたいにお客さんに棚に並んだカップを選ばせて、

 お客さんご自身で珈琲豆を挽くスタイルが凄く良いなぁ……!って思っていて!


 一度お話して見たかったんですよね!


 私、ハヤセさんとなら、そんな夢も現実にできる気がして……!」


 その言葉を聞いた瞬間――――。


 ハヤセの身体は一瞬固まると、静かに皿を机の上に置いた。



「……あれ?ハヤセさん……?どうかされましたか?」


 思い詰めた様子のハヤセにアメリアはきょとんとした顔を覗かせると、彼女は静かに口を開いた。


「……ああ、ごめんなさい。

 実は……昔、10年近く一緒にカフェで働いていた友人がいたんです。


 その頃からカフェの運営を任されていて、2人で一緒に切り盛りしていたんですが……。

 私、その頃は自分の夢だったお店を出来ることが嬉しくて、毎日一生懸命に頑張っていたんです。


 でもある日、施設の老朽化でお店を立ち退かなくなってしまった時に、友人の本心を知ったんです。


 彼女も本当はやりたいことがあったのに……。

 私が一生懸命に自分の夢を2人の居場所のように作ってしまったことで、

 その人を深く悩ませて、苦しめていたんです。


 だから、ごめんなさい。


 アメリアさんがどうという話じゃないのですけれど、

 私の独り善がりで誰かを苦しめてしまう様なことは、もうしたくないんです。」


 一言ずつ零れ落としていくように後悔を語るハヤセ。


 紗夜との別離による懺悔を自身の中に思い留めていた。


 唐突に態度を変えたことを謝り、浮かない顔で無理に微笑む彼女。


「――――それは独り善がりなんかじゃないですよ!ハヤセさん!」


 ガタリと音を立てて席から立ち上がりながらアメリアは言い放っていた。


 目を見開いて驚いた様子のハヤセを見て我に返るアメリア。


「あっ……、すいません。急におっきい声を出しちゃって。」


 謝るアメリアは静かに座り直して彼女と再び向き合った。


「ハヤセさん。それは貴女の夢だから自分の居場所になったんです。

 そうじゃなければ、その人だってずっと一緒に居ようなんて思いませんよ。


 だって、ハヤセさんは自分の好きなことで人を幸せに出来る人なんですから!


 それなのに自分の居場所を否定するようなことは言わないで下さい!


 昔の居場所は無くなったかもしれないですけれど、

 今だって貴女の夢が続いている限り、そこが自分の居場所になるんです!」


 驚いていたハヤセが思わず「私の夢が、居場所になっている、……ですか。」と呟いていた。


 大きく頷いてニコリと笑う彼女は右手でサムズアップを作って見せると付け加えるように励ました。


「だから大丈夫です!貴女の居場所は、無くなったりしないですよ!


 例え私達がここらか居なくなっても、貴女がこの場所であったことを、他の誰かに伝えれば良いんですから。


 そうすれば、誰かにとっての思い出が、貴女の居場所になるんです…………!」


 右手で強く見せ付けた親指を近付けた彼女に、ハヤセはクスリと笑うと優しい笑みを浮かべて感謝をする。


「…………ありがとうございます。


 ……本当は、私もその友人とそう出来たら良いと思っていました。


 お互いの好きを掛け合わせて、誰かの居場所になるような空間を作れたらと……。」


 ハヤセの瞳が、少し潤んで視界が滲んでいた。


 夢を語るときのアメリアは、どこか子供のように無垢で、しかし芯の強さを感じさせる。


「じゃあ、これは商談じゃなくて、約束ですね!」


 アメリアがそう言うと、ハヤセは笑って頷いた。


「ええ、約束です。この街で、私たちの新しい夢を誰かの居場所にする為に。


 私もここからまた、始めていきます!」


 その日、二人は店の奥で語り合う声が遠ざかっていく。


 雑貨の配置。カフェの香り。壁に飾る絵。窓辺から見える水路。

 暗く包まれる背景の全てが彼女の夢そのものだった。


 そして景色は移り変わる。暗い闇の中に閉ざされた意識の外へと。





 徐々に景色が暗闇から戻り、霞む景色の中で三叉路の岸に立って怪人と対峙する警部。


 人魚の姿を捉えて満足気に頷きながら歩み寄って言った。


「……やはり、貴女がハヤセ・ミズキ!


 我々は、貴女を探していた!一緒に来て欲しい!

 貴女を心配して待っている人がいる!


 アメリア・ミオさんが貴女の安否を気遣って、通報してくれたんです!」


 ヒイラギの呼び掛けに対して反応する魚の怪人は白い仮面を向けると、

「ァ、アメリア……さんが……。」と声を漏らした。


「ぅ……、っぅぅ。ぅうう!!!?」


 ふらふらと彼に歩み寄る怪人だったが、今度は頭を両手で抱えながら呻き出した。


「だ、大丈夫ですか!?このまま我々が保護しますから安心して下さい。


 夜中からずっと泳ぎ続けていたなんて普通じゃない……!


 貴女はもう休むべきなんだ!」


 手を差し伸べて身体を支えようとする彼だったが、人魚は彼を振り払う様に双尾を揺らして絶叫する。


「ぁが……っ!うあぁああああああ!!!!」


 突然叫んだ人魚の体表から水が溢れ出し、周囲に向かって噴射させる。


「うぉっ!!!?」


 ヒイラギと背後で様子を窺うアヤは目の前で跳ね上がった水柱を見て思わず身を反らした。


 頭を抱えながらそのまま水路に飛び降りた怪人は瞬く間に勢いを取り戻して泳ぎ出す。


 その先は中央区へ続く水路だった。


 万が一、南区からの退路を選ばずに中央区へ瞬時に進路を変えた場合に控えている遊撃班の下に。


「ハヤセさんを追います!」


 短く告げたアヤは一目散に停船した水上バイクへと戻ると、

 頷いたヒイラギは一本道への進路を見兼ねて思わず無線機に伝えた。


「魚の怪人がハヤセ・ミズキであることが判明した!


 姿は怪人のままだが、我々に明確な敵意は無いことを確認できた!

 しかし、何らかの理由で精神的に不安定な状態にあり、現在は中央区へ向かって逃走中!


 これより作戦は、怪人の保護を決行する!遊撃班、誘導開始!」


 ヒイラギの指示が無線に響くと、アヤはバイクに跨り、

 グローブボックスからヘッドセット取り出して左耳に掛ける。


 呼び掛けられた6台の水上バイクのライダー達は頷いて各々に返事をする。


「了解!!!!」


 水路の脇に並列に停車していたバイクの間を直進する影が通り過ぎると、

 一同はスロットルレバーを引いて一斉にウォータージェットが噴き上がり水面を滑り出す。


 煉瓦造りの建物が並ぶ水路沿いは、

 アーチ型の橋や石畳の路地が入り組み、まるで迷路のように複雑だった。


 しかし、水路の両岸には、間近に赤茶色の煉瓦壁が水面に揺れて映り込んでいるほど狭く、

 猛スピードで直進する魚の怪人と水上バイクでは別の進路に入り込む余地も無い。


 建物の隙間で直列するバイクは、波を切り裂きながら壁に水を飛ばして疾走する。


「流石にこの狭い路地なら迂回することは無い!


 このまま誘導しよう!」


 男性隊員の言葉に対して「了解!」と各々が返事をすると、

 両側の壁が迫り、音がボォォォと籠った様に反響する。


「間も無く路地を抜けます!中央区水門まであと少しです!」


 先頭の滑走するアヤの声と同時に直線状の水路を抜けた先には、中央区の大運河に続く幅の広い航路が広がっていた。


 その背景には聳え立った大きな水門が行く先を塞いでいる。


 満潮のときに海水が潟に入り込み、街に押し寄せることを防ぐ巨大水門。


 可動式の防潮堰が怪人の侵入を見越して大理石の門構えを確実に閉じていた――――筈だった。


「…………どうして……っ!?」


 抜け出してきた水上バイクが合流し、左右の脇道に分かれて並走すると、

 思わず左耳に掛けたヘッドセットのインカムに手を添えたアヤが言った


「見て下さい!水門が開いていきます!」


 水上バイクは最後の直線に入り、怪人の背後を囲むように隊列を整える。


「何で!?自動制御システムで管理されている筈!?」

「今この状況で水門が勝手に開くなんて有り得ない……!街中が浸水してしまうぞ!」


 まるで彼等を招き入れる様にゆっくりと確実に開かれる水門に動揺する一同。


「速すぎて……!追い付けない!」


 声にする前からスロットルレバーを手前に引いてエンジンの回転数を最大限まで上げ続けるアヤだったが、

 ジェット噴射に必要な水とエンジンで推進力を得る水上オートバイでは怪人に未知なる力には及ばなかった。


 向う見ずに直進していく人魚は水中で双尾を激しく揺らし、開いていく水門の間を通り抜けていく。


「水門から侵入されました!中央区へ入ります!」


 囲う様に横列になっていた遊撃班はアヤを先頭に2列に並走して門を通り抜ける。


 目の前には歓迎するかのようにアーケードで仕切られた3組の階段で構成されたアーチ型の大橋。


 長さ60メートル。幅30メートル。高さが9メートル程の屋根が付いた立派な大橋。


 12本のアーチの柱に、3つの歩行者用の通路と欄干には薄っすらと視界を遮る霧雨の中に大勢の人影が佇んでいた。


「橋の上に複数の人影が見えます!」

「避難勧告が出ていた状況で普通、大勢で橋の上に来るか?」


 水門を抜けた瞬間、橋の欄干に立つ怪しい人影達が疎らに動き出す。


「何やら、可笑しなことになっているじゃないか!」


 影は彼女等に向けて疎らに手に持った棒状の物体を掲げ始めると、その先端に青白い光が灯った。


 霧雨の中で光の塊は揺らめきながら形を変え、

 やがて鋭い矢の様な形状となって空中に浮かび上がった。


 矢の光に照らされた人影は、甲冑や、生物の姿を象った鎧の怪人達だった。


「……光の矢です!散って下さい!回避しましょう!」


 アヤの叫びがインカムに響き、遊撃班の水上バイクが左右に分かれて波を打つ。


 彼女の声と同時に橋の上の怪人たちは疎らに光の矢を次々と放ち、

 水面に着弾して人魚の怪人に向かって行った。


 しかしながら、直進し続ける怪人に対して、ただ向かって行くだけ矢では命中には至らなかった。


 代わりに、散り散りになった魔法使い達の水上バイクに水中で爆ぜた衝撃が水飛沫となって降り掛かる。


「うぉわっ!?水門が開いたのはこいつ等の仕業か!?」

「でも、攻撃は全部、ハヤセ・ミズキに向けられている……!何故だ!?」


 閉ざされていた水門の開放は、怪人を迎え入れる為ではなく、予め知っていたから待ち構えていたかのようだった。


 橋の上から複数の怪人たちが一斉に身を乗り出し、

 弓を引き絞る者、杖や剣、槌で魔法の矢を投射する者が次々と動き出す。


 雨の中で放たれた青白い光の矢が、水面を滑る人魚の背を狙って鋭く飛来する。


 軌道は、水路の流れに逆らうように、海霧を切り裂いて一直線に迫っていった。

 光の矢が遊撃班の目の前で降り注ぎ、波打つ水面が水飛沫を跳ね上がる。


「うわぁああっ!!!?」

「このままだと……沈むっ!」


 水中で着弾し、爆発する度にバイクは右往左往に揺れ動き、

 急減速によりフロントが沈み、強制的にノーズダイブしながら減速する。


「これはやばいっ!


 一旦、桁下まで避難だ!全員巻き込まれるぞっ!!!!」


 一同はシフトレバーを引いて、ジェット噴射の方向を反転させると、

 沈みかかった車体は浮き上がり、スムーズに減速してそのまま桁下へと入っていく。


「皆、大丈夫か!?」


 そのまま直行する魚の怪人は大運河を跨ぐ大橋の桁下を通過し、

 ズカズカと大橋の上で多くの足音が響き渡る。


 幸いにも、十分な幅と高さのある橋の下は6台揃って並んでいても十分な広さがあった。


 互いが周辺を確認し合い、焦げ付いて黒くなったフレームや、水浸しになった一同の装備や衣服。


 被害の程は大きくは無いものの、デッキに水が溜まり、傾いて転覆しかねない車体もある。


「…………大丈夫ではありますが、このままでは追跡は難しいでしょうね……。


 どうして上の怪人達はハヤセさんを攻撃しているのか……。


 このままだと、私達まで巻き込まれかねないです。」


 女性隊員の声と伴に真正面からチカチカと光が疎らに射し込むと、

 中央区方面の水路には光の矢が降り注ぎ、小さな水柱を立てて水飛沫が入って来る。


 操船による進行不能状態に陥り僅かな沈黙を生む中、

 アヤの視線には水面に魚の怪人が遠ざかっていく影を目で追っていた。


 咄嗟にアヤはインカムのスイッチを長押ししてピーという告知音が鳴らした。


「こちら遊撃班!只今、水門を抜けた先で、メル・グランデ橋から複数の怪人達による妨害を受けました。


 現在は大橋の桁下で待機中です。


 他の怪人達は我々ではなく、明確にハヤセさんを狙って攻撃を続けています。」

「こちらも水門が怪人に集団によって開かれたことは今し方、通報があった。


 方法は全く分からないが先程、ハヤセ・ミズキと接触した際にこの街が飲まれる前に逃げる様に伝えてきた。


 憶測だが、ハヤセ・ミズキはこうなることを知っていながら、何者かに利用されている可能性は高い。


 恐らくはそこにいる怪人の集団もそれを知っていて魚の怪人を狙っているのだろう。


 だが、こちらとしては明確に敵意の無い怪人を射殺するつもりはない。

 水門を開けられたことは想定外だが、魚の怪人には麻痺弾が効いている筈だ。


 こちらも既に中央区に向かっている。


 遊撃班は一度撤退して、中央区の運河に入る航路で合流しよう。」


 撤退するという提案に対してアヤの視線の先には相変わらず光の矢や投擲が飛び交っていた。


 先に見える水飛沫を上げる影を追う様に。


「警部。私はこのまま橋に向かい、怪人達を抑えます。


 皆さんは先にハヤセさんを追って下さい!私も直ぐに追い付きます!」


 間を措く様に返答は直ぐに帰っては来なかったが、

 現時点で複数もの怪人を抑えられる余力は魔法使い達には無い。


 少なくとも彼女以外には。


「……了解した。だが、怪人達を牽制するだけでいい。無理はするなよ。


 隙を見て遊撃班は追跡開始!アヤは怪人を引きつけた後、そのまま離脱して合流してくれ!」


 頼らざるを得ない状況に、ヒイラギは了承し、通信が途絶える。


「それでは皆さん、よろしくお願いします!」


 白髪の少女は周囲に呼び掛けながら、既にスロットルレバーを引いていた。


 再び水上バイクが水の噴流で滑り出すと、付近の桟橋に向かっていく。


 水飛沫を上げて白い髪とリボンを揺らし、紺色のロングコートの赤い裏地がはためいた。









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