プロローグ
ん?ああ、また来たのか。しかも1人じゃねーし。あっちの神は何してんだよ。最近多いから説明とか面倒なんだけど。
あー、はいはい。分かってる分かってる。そんな怒んなって。ちゃんとやるから。
──よく来たな。俺は神。宜しくするつもりは無い。
は?そう言うの要らん?…イタイって?厨二病拗らせてる?
うるせー。一応言っとくが、お前ら死んでんだからな。そして俺は神だ。お前達を消す事だって簡単に出来る。そこんとこ理解しとけよ?
ここはどこか説明しろ?
誰に向かって物言ってんだ。よく考えて発言しろ。
まぁ、ここは見た通りの場所だ。
白い空間?宇宙の中?空の上?
そりゃ、人それぞれ違う。感覚…イメージ?そんな感じの違いでそうなる。あんま気にすんな。
そうそう。俺の星に来たからにはこちらのルールに従ってもらうからな。
お前達にはこっちの世界で転生してもらう。
チート来たぁ!って馬鹿か。そんな能力持てる奴は滅多にいねぇよ。ま、そんなにしたいなら選べば良いが。千年くらいは待つかもな。長いって?なぁに、一瞬だよ。
死んだら転生は当たり前だ。みんなしてる。
この世界では役割はほぼ決まってるんだ。人生もな。
主人公辺りじゃなかったら大体の人生、自分で作る事だって出来る。ま、お前らにはまだ無理だろうがな。
こっちの世界はお前達の世界で言う、小説・漫画・アニメみたいなものを撮ってるんだ。それを他の世界に売って商売を…ってこれは言う事じゃねぇな。
どういう事か分からない?
取り敢えず、ここは地球じゃない。たまにいるんだよな。何らかの不具合か何かでこっちに飛ばされて来る奴。全く迷惑な話だよ。
地球に帰りたい?……いつか帰れるんじゃね?
まぁ、取り敢えずあれを見ていけ。
あそこだよ、あそこ。何十人か座っていっぱいある画面見てるだろ?
いきなり場所が変わってる?当たり前だ。ずっとあそこに居ても何も出来ねぇし。
あそこでそれぞれの役割の人生を映してるんだ。お前達の先輩って奴だな。
で、大画面で映ってるのが物語になるやつだ。
んん?どうやって映してるのかって?そりゃあ、動物使って撮ってんだよ。動物達はお前達の世界で言うビデオカメラだな。動物達が見たものが取れるようになってんだ。
んで、ある程度したらそっちの扉の奥。いろんな所で並んでるだろ?それぞれ転生する大まかな人生を選んで並んでる。出来れば少ない所から並んでくれると嬉しい。人手不足になるからな。
並んでるとは言っても順番がもうすぐの奴だけだ。もっと遅い奴らは番号札を持って好き好きに過ごしている。ま、待ちきれなくて並んでる奴もいるけどな。それがあんな行列になってんだ。
言っとくが、勇者や魔王とか主要人物を選ぶと待ち時間が長いし、ここでの事は一切忘れるから。
あと、この世界では勇者と魔王が善と悪の役割をしているが、その時の勇者と魔王の性格によって善と悪が入れ替わる場合があるからな。そこんとこ覚えておくと良い。
ま、お前達の好きな人生を選ぶと良いさ。
説明は以上。
は?まだ足りない?そんなもん聞くよりやってみろ、だ。
じゃ、楽しい人生を。