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片桐十汰の理由

上司の許可を得て場所を移すと、まず口を開いたのは片桐だった。

「俺があのマンションに行ったんは、アンタもご存知の通り、例の記事だ。

刑事さんに言うのもなんだが、ありゃ本来、ウチの独占のはずだった。

それもこの俺のだ。」

「片桐さんの?どーして独占だったはずーなんですかねー?」

「まぁそう怖い顔しなさんな。

理由は、コイツよ。」

そう言って片桐が胸ポケットから取り出したのは、『蛇喰華』の写真だった。

しかしまたしても写っている人物が違う。

現在行方不明の宮岸佐紀も身元不明の女性も、10代後半から20代前半と考えられるが、

この写真に写っている人物はどう見ても10代前半の少女だ。

「……妹だ。名前は七菜香(ななか)

五年前、下校中、友人と別れてから行方がわからねぇ。

捜索願いも出しているが、未だ手がかりゼロだ。

んで、次がコイツ。」

次に片桐が取り出したのはスマホ。

そこには宮岸佐紀の『蛇喰華』が写っていた。

「7日前、ウチの実家にこの胸糞悪いにも程があるこの、

七菜香の写真とケータイがポストに入っていた。

消印はねぇ。

警察にも持ち込んだが、調査してみます。の一言よ。

後は取りつく島もなかったぜ?」

怒りに満ちた目で朝倉を睨みつける。

その形相に冷や汗を感じながらも、朝倉は納得した。

「なるほど。つまり、警察が動かないから記事にしようとしたら何故だか先を越されていたと?」

「ああ。コイツはきなくせぇ。

そいで自分の足で調べてみようとしたところを、あの事件解決の刑事さんがいらっしゃったってわけよ。」

片桐側の事情は粗方わかった。

まだ疑いを向けてしまうのは仕事柄仕方がないとして、朝倉は自分の予感が甘かった事を自覚する。

「つまり、もしもーいやもしかしたら、

コレは……連続変死事件ってーこと?」

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