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蛇喰華 一輪目
叫び声した場所へと二人が到着すると、
開いた扉の前で突っ伏している管理人の男性がいた。
すかさず朝倉が駆け寄る。
「大丈夫ですか!?
自分は警察です!何がありましたか!?」
男性は口元に手を当てたまま、
絞り出すように言う。
「ひ、人が……死んで…ぅうっ!」
そう言うと男性は吐いてしまった。
彼の背を朝倉が摩る。
と、中から片桐の声がした。
「おい!刑事殿!!見ろ!!」
「だーかーらー勝手に入んないでって…あーもう!
な…に……」
管理人に気を配りつつ、
ワンルームの室内を覗くと、
そこには、死体。
腹部を引き裂かれ、
口元から蛇の死骸が垂れた、
「…蛇喰華…」
思わず呟く朝倉に、片桐が声をかける。
「刑事殿はご存じでしたかい。」
「うん。……ただ」
嫌な予感は当たったが、冷や汗が背中を伝う。
「彼女は誰だ…?」