表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/20

サイド 由良舞衣子 1

同刻 日野警察署管内・待合室。


静かな部屋に通されてからどれくらいたっただろうか。

案内されてからというもの妙な緊張が自分にまとわりついているのを感じていた。

(やっぱり・・場違いね・・私。)

先刻からいじっていた髪を見やり溜息をつく少女・由良舞衣子(ゆらまいこ)は、

傷んだ毛先から指を離すと居心地の悪さを誤魔化すように身なりを整える。

落ち着いた黒髪に白を基調としたワンピースに淡いベージュのカーディガン。

10代後半にしてはやや大人びた顔立ちに清楚な出で立ちからは、

彼女がつい数年前まで不良だったとは誰も想像ができないだろう。


舞衣子が現在の待ち人、朝倉刑事と出会ったのはその頃のことだ。

当時、近所で悪評が立っていた先輩達とつるんでいた彼女はひょんなことからいざこざに巻き込まれ、

それを助けてくれたのが朝倉だった。

不良をやめ更生し、現在の自分があるのも全ては彼のおかげだと思っている。

だからこそ、つい頼ってしまうし、今回の件については彼にしか頼めないと思っているのだが。

(うぅ・・・でもダメ!昔を思い出しちゃう・・どうしよう・・でもここまで来たわけだし・・)

怖じ気づき始めた頃、待合室の扉をノックする音がした。

「失礼しますよーっと・・久しぶりだねぇー由良ちゃん!」

「朝倉さん!!!も~遅いよ!不安と緊張でどうにかなりそうだったよ!?」

「ごめんごめん!!」

平謝りで入室してきた朝倉は、早々に向かいの椅子に腰かけた。



「それでー?なにがあったの?」

少し雑談を交えた後、朝倉から本題について聞かれる。

元々このために来たのだからと、意を決して舞衣子は切り出した。

「実は・・朝倉さんに見てほしいものがあって・・。」

「見てほしいもの?」

「はい。あの・・あ、見てほしいだけじゃないんですけど・・えと!とにかくこれです!」

スマホを彼に向け、それを見せた。

途端、朝倉の顔色が渋くなる。

「・・なっんだこれー・・・・・は?」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ