『蛇喰華』 散る時
キレイよ。
なんて本当にキレイなのかしら?
ねぇ?
そうね、
さぁ、そろそろ始めましょうか?
「はーい!そこまで!
動かないでくださいねー!
お二人さん?」
バンッ!と勢いよく扉が開くと同時に、
朝倉と片桐が現れた。
そして、
由良麻衣子と浦西とわは動きを止めた。
睨みつける二人に、由良麻衣子が口を開く。
「よく来てくれましたね、朝倉さん。
私、嬉しいです!」
「それはどうも、嬉しくはないね。
由良麻衣子、浦西とわ、
キミ達を連続殺人事件の容疑及び、
死体損壊の現行犯で逮捕する!」
動きを止めた彼女達の前には、
今まさにデコレーションを施されようとしていた、
宮岸佐紀の遺体があった。
「浦西…テメェだなぁ?ウチに七菜香の………あの写真と、そして、
記事をよそにスッポ抜いたのはよぉ?」
「さっすが先輩!よくわかりましたね!
こう、頭の固い先輩だから、
正直気づいてくれるか不安だったんですよ〜」
「……テメェなぁ!!!」
悪びれる様子もない浦西に、
片桐が殴りかかろうとするのを朝倉が止める。
「ちょちょちょ!落ち着いて下さい!
まずは二人を拘束します!
そして、犯行動機やらなんやら、
洗いざらい聞きますんで!!」
「今すぐ話せヤァ!!
なんで七菜香を殺しやがった!!」
激昂する片桐に、彼女達は不気味な微笑みをみせ、
言った。
「だって、あの子が美しかったから」




