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関わり

AM11:45 片桐家


「お邪魔しまーす!」

形だけの挨拶をして、

玄関に靴を脱いで上がる朝倉に、

先に上がっていた片桐が声をかける。

「さっさとお邪魔してくれや。

俺以外の家族は全員、親戚んとこだ。

……流石にあんなもんが送られてきちゃ、な」

「確かに安心できませんね……

御身内の方々の心情、お察ししますよ。」

「与太話はいいだろ…。んで?

何を調べたいんで?」

あまり踏み込まれたくないのだろう。

片桐は話題を変えてきた。

「七菜香さんの交友関係がわかるものは何かありませんか?」

「そんなもんとっくに調べたが、宮岸はいなかったぞ?」

「まぁ、そうは言っても。

僕本職なんで…みせてください。

何かわかるかもしれないでしょー?」

そういうと、

フンと鼻を鳴らした片桐は、

一冊のアルバムを出してきた。

「コレは?」

「七菜香の当時のマイブームだったらしくてな、ダチ共とこうして写真を撮っていたみてぇだ」

「なるほどー。じゃあちょっと、失礼します。」

手袋をつけると、アルバムをめくっていく。

「うーむ普通の学生って感じだなー。

仲良しだった子達については調べ…たみたいですねーその顔を見るに。」

「ああ。七菜香が消える前にな。

七菜香が行方不明になったと思われるのは、下校時刻。学校から家までの間。

友人達の遊びの誘い断り、帰ると言っていたらしい。

が、その後の目撃情報はなく、アイツは消えた。」

「因みに、

何故七菜香さんが友人達との遊びを断ったのか、その理由については?」

「わからん。その友人達には予定がある。

とだけ言っていたらしい。」

「なるほどー。

っつーことは、

当時七菜香さんはなんらかの理由で帰路に着く前にどこかへ向かった。

そこで何かが起こり、帰れなくなったと。

うーん、せめて何の理由だったのかだけでもわかれば……ってうん?」

話を聞きながらページをめくっていた朝倉の手が止まる。

「どうした?刑事さん。

それは……ただの花の写真じゃねえか。

ソイツがどうしたってんでぃ?」

そこに写っていたのは、マリーゴールド。

その横には猫の置物が置かれている。

「いや…僕が交番勤務時代、

この花と猫のシルエットをマークにしていた、

とある不良グループがありましてね?

グループ名は『マリアキャッツ』。

子供じみたアレなネーミングセンスなのは、

まぁ置いといて……。

そのグループには……宮岸佐紀もいたんですよ。」

朝倉の言葉に片桐が目を見開く。

「なんだと!?つまり……七菜香は宮岸佐紀と関わりがあったと?!」

「写真の連想ゲームみたいなもんなので確証はないですけどねー。

とにかく、当時の不良グループについての資料を署に戻って調べてみます。

…気になる事もありますし」

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