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サイド 片桐十汰 3
「肝心の宮岸の行方については?」
片桐の問いに朝倉は首を横に振る。
「今のところ手がかりなしですねー。で、
あなたです。片桐さん。
捜査にご協力頂けませんか?」
「あ?」
「あなたが加々美かえでさんの死亡推定時刻に、アリバイがある事は分かっています。
加えて、本件と関連性があると思われる片桐七菜香さんの親族でもある。
手がかりが少ない現状、頼れるのはあなたからの情報だけ。
お願いします。片桐さん」
そう言って頭を下げる朝倉に、
片桐は舌打ちをする。
「お願いだぁ?
はなから協力させる気だったんだろうがよ。
じゃなきゃ、捜査情報をこうもやすやすと話すわけがねぇ……。
刑事さんよぉ、何が知りたい?」
その言葉ににやりと笑いながら、朝倉は頭を上げる。
「七菜香さんの事件当時の状況及び当時得られた情報の全てを教えていただきたい。
コレは僕のカンなんですけどー。
おそらくそこがカギだと思うんですよ。」




