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華
艶めく髪はより艶やかに。
潤む瞳は恐怖に染まり、
縛られた四肢はこれから始まる痛みに震え、
アナタは声にならない悲鳴を上げる。
生への執着が醜く、そして美しい。
なんと健気で儚いのだろう?
だからこそ、
その全てが愛おしく、
狂おしいほど壊したい。
―大丈夫。全部壊して整えて、綺麗なキミにしてあげる。―
そう告げればキミは目を見開いて、助けてくれと泣き叫ぶ。
嗚呼、なんと心地良いのだろう!
興奮と歓喜で全身が震えるのがわかる。
大丈夫!大丈夫!!
完璧なキミにしてあげる!!!
美しく艶やかで、そして醜く汚らしい、
全てを内包する華に―