履き違え
今朝、夢を見た。
大好きなあの子と愛し合っている夢を見た。
幸せだった。
そうなれたらいいなと思った。想った。
でも、今はどうだろう。
僕はあの子を愛した。あの子も最後は僕を愛した。
だけど、幸せじゃない。
思わなければ良かった。想わなければ良かった。
嫌だ。嫌だ。こんなにまだ渇いているのに。
こんなに欲しているのに。
あの子のお腹に顔を突っ込んでも、僕の喉は潤わない。
胸の穴にあの子の指を差し込んでも、僕の脳は痺れない。
満たされない。充たされない。
何か間違えたのか?何を間違えたのか?
分からない。解らない。
あの子は知っていたのだろうか?
あの子なら教えてくれたのだろうか?
教えてくれ。
目が眩む。
教えてくれ。
鼓動しか聞こえない。
教えてくれ。
力が抜ける。
「こうしたかった。」
二人の体が重なる。
ああ…こうすれば…よかったんだ…