2.告白
1.の続きです
『ん?どしたの?』
『………ハッ』
気がついたらユリに見惚れてた。可愛いとかきれいとか言われそうな顔ではなかったが、なぜかボーッと見続けてしまった。
『い…いやっ、なんでもないっす』
『私の顔になにかついてるの?』
そういって手で顔を払う仕草、その一挙手一投足を見逃さないようにしていた。
『ならいいんだけどさぁ』
『そですよ(笑)てか、なんか初めて会った気がしないんですけどwwww』
『そりゃ、メールである程度は教えあってたからね(笑)』
ユリは、メールのときと話してるときねノリがほとんどかわらない。
俺は、かなり違うらしいが…。
『ぁっ、そろそろ迎え呼ばなきゃ』
『ちょっと遅くなりましたね。すいませんでした』
『気にしないで☆彡楽しかったから(笑)』
『…迎えが来るまで一緒にいていいですか??『いいケド、なんで?(笑)』
俺は心の準備をしたかったのだ。
少し前に、ユリから好きな人がいて、その相手は1コ下だということを聞いていたからだ。こんなことを言われたら、十中八九俺のことだと思うだろう。そして、少しばかり自信もあった。
だから俺は初めてユリに会ったその日に
『好きだ』
と言ってしまった。
運命を感じたのだ。
だが、ユリの反応は思っていたのとは違っていた。
『えっ、いきなり?まだ会ったばっかりじゃん。てか、そんな…えっ…』
『あっ、いや、返事は後ででいいですから。気をつけて帰ってください。』
『あ、うん、ありがと』
ユリのテンションが明らかに下がっているのがわかった。
どうやら判断を誤ったらしい。…当たり前だ。普通、会ったその日に告白するなんてありえないだろう。
そして、ユリが好意を寄せてるヒトが俺ではないという可能性が高まった。
次の日、ユリからメールが入っていた。
『明後日ひざの靱帯の手術があるから、今日から入院するんだぁ。暇だったらお見舞いにきてね☆彡』
『俺が行っても迷惑じゃないんですか?』
『当たり前じゃん(笑)むしろ来て欲しいし』
このメールでほぼ確信した。やはりユリも俺に好意を寄せてたんだ、と。
まだ返事も聞いていないのに、俺はいいほうにばかり考えていた。
『いつ行けばいいっすかね?』
『んー、明日これる?』
『余裕です(笑)じゃあ明日、授業が終わったら行きますから☆』
『うん、待ってるね』
この時は、これからの展開なんてまったく読めなかった。