7日目
これが最終回です。
まだ書こうと思えば展開あるけどもともとそんなに長くするつもりじゃなかったのでこれで終わりたいと思います。
もしも!仮に!いないと思うけど!読んでくれた方がいたらありがたいです。
7日目。
彼女は私の部屋からほとんど出なかった。
もう夕日が朱くて綺麗な時間である。
「ねぇ、今日は遊びに行かないの?」
と私が訪ねる。
「うん。」
「どうして?」
「未練もないし、最後だから・・・消えたら天国も地獄もないと私は思うから・・・生きている今を、時間の流れを感じていたいの。」
悲しそうな顔をして答える彼女。
「ゆーれいがいるんだから、天国とかもあるんじゃないかな。」
と私が言うと、彼女はあいまいに笑った。
少しして彼女は言った。
「私ね、事故で死んだの。あっという間に死んだからわけわかんなかった。ゆーれいなんているはずないと思っていたのに、自分がゆーれいになって・・・でもやりたいことはわかってた。」
「・・・そう。」
体育座りでベッドにもたれかかっている彼女。私の顔のはずなのに、確かにあの路地で見た彼女の顔に見える。うっすらと窓から入る夕日の明かりに照らされた彼女の顔は、とても暖かそうだった。
こんな話を始めたから、私は彼女が
たぶんもうすぐいくのだ
と感じた。
すると彼女は突然言った。
「ねぇ結衣さん・・・ありがとう。」
「いいよ別に。」
彼女は笑って
「7日間、すごく楽しかった。」
と言った。
「・・・名前教えてよ。」
私がそう言うと、彼女は少し驚いた顔をして
「春野ちあき」
と答えた。
「さようなら、ちあき。私も楽しかった。」
「・・・うん。」
そして意識が遠のいた―――
気が付くと彼女はいなかった。
昨日彼女が掘り出した物はポケットになかった。
持って行ったのだろうか。
持って行けたのだろうか。
そうだといいなと私は思った。
何日かして、補習が始まった。
帰りにまたあの路地の前を通った。
しかしそこに彼女はいなかった。
彼女のことを調べようかとも思ったが、やめた。
彼女がどこに行ったのか、私は知らない。
もしかしたら天国に行ったのかもしれないし、彼女が言っていたように無になったのかもしれない。
今でも覚えている。
私が彼女で、彼女が私だった時の感覚。
あの7日間、結衣はちあきで千秋は結衣だったということを―――
end
最後までお付き合いいただき、ありがろうございました。
完全に自己満足で投稿しました。
また自己満足でそのうち投稿するかもしれないです。




